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 みんなの登山記01−9 須走口
 mckeeさんからいただいた登山記です。


 2001年8月23日に登ってきました。台風11合の影響が心配されましたが台風一過で逆にいいかもと思い決行することにしました。結局、登山口はご来光が見たいので須走口にしました。メンバーは男性3人(30代前半から半ば)女性1人(20代半ば)、全員富士登山は初めてです。その内、私ともう一人の男性が多少の登山経験がありましたが、夜間登山に至っては全員が初めてだと思います。

 23日は17時頃に須走口駐車場に到着しました。駐車場はまだ空きが結構あったように思います。そこで軽く食事をし21時頃まで仮眠をとりました。

 21時30分頃 登山開始。
 22時40分頃 本5合到着。
 23時30分頃 6合目到着。
  0時30分頃 7合目到着。
  2時20分頃 8合目到着。
  2時50分頃 本8合到着。
  4時40分頃 山頂到着。
  5時50分頃 お鉢めぐり出発。
  7時20分頃 須走口到着。
  8時10分頃 下山開始。
 11時10分頃 5合目到着。

  大体ですがこんな具合です。

 本8合目まで出会う人は大体どこかで会っている人達で殆どがらがら状態でした。あまりの静かさに地球は本当はこんなに静かだったんだなと思い考えさせられました。星空もきれいで、天の川も見えましたし流れ星もいくつか見ることができました。
 しかし、本8合目では本当にびっくりしました、予想はしていたのですが想像以上でした。星空も山小屋の明かりで下界でみる星空とあまり変らないなと感じました。 本8合目からは人の渋滞は異様としか思えませんでした。本8合目から山頂方向を見上げると夜中なのに登山道がよくわりました。それと、ツアー客にはイライラしました、グループで休憩したり、点呼とったり渋滞の原因になっていた様に思いました。あと、8.5合で焼印を押していた人も渋滞の原因になっていました。焼印を押す場所は考えたほういいと思いました。渋滞では動いたり止まったりの連続で本来の登山とは違う疲れを感じました。高速道路の大渋滞と一緒です。将棋倒しになったら大惨事になるなと思いました。

 間に合わないかと思いながらも無事山頂に到着、見事ご来光を見ることが出来ました。登山経験者以外の2人はいっぱいいっぱいだったようで、山頂の無料休憩所で一休みし、その間私ともう一人の人はまだ体力に余裕があったのでお鉢めぐりをすることにしました。ちなみにあっぱれ!富士登山を参考に反時計回りでいきました。そしてそれは正解だと思いました。

 山頂の天気は晴れていましたが下界は曇りのようで一面が雲海でした。景色が見えないのは残念でしたが、雲に映る影富士を見ることが出来たのは良かったです。レーダードームは撤去予定のためか足場が組まれていました。”馬の背”を上から見たときなるほどと思いました。登ってきた人もとてもつらいと言っていました。富士宮口は神社以外はみんな閉っていたようでした。御殿場口も閉っていたように思います。(あまり意識していませんでした)

 8時すぎに下山開始、下山道を歩いていて思ったのですが、登山時には本8合目から下山道を登れば良かったと思いました。そうすればあの渋滞にはまることはなかったでしょう。あと、なぜ下山道は案内図等では登山道と同じなように書いてあるのでしょうか? 地図に載っていないのが不思議に思いました。

 下山道はいつもそうなのかわかりませんが3台のブルドーザーに出会いました。一台目は8合目付近で地ならしをしていました。地ならしをしている間は下山道は閉鎖状態でガードマン?みたいな人はいたのですが全体が見えていないようで下山者と接触しそうでヒヤッとした場面がありました。運転手の人もまったく気にしていないようでいつ人と接触してもおかしくない状況でバックしているときが一番危険だと思いました。地ならしはいつまでたっても終わりそうもないのであきらめていると、仲間の一人が河口湖方向から迂回できるルートを発見したのでそちらから迂回することにしました。さらに途中2台のブルドーザーが下から上がってきました。1台目は下山者が危なそうなコース外の崖によけたのに何の挨拶もなくまったく無視状態、まるでここを歩いている私たちが悪いみたいな感じでした。最初のブルドーザー同様非常に悪い印象を受けました。2台目も同じかと思い見ているとちゃんと挨拶してくれました。

 砂走りは想像していたより疲れました。須走口の説明の様に岩も多く、どこが柔らかいのか硬いのかわからないので非常に歩きづらかったです。しかも長い。登山道を下りた方が楽かもしれない思いました。最後の樹林帯もさらに疲れてしまいました。案内図では登山道と同一ルートだったのでいつ登山道にぶつかるのかと思っていましたが結局すべて別ルートでした。しかも道は痛んでいるようで非常に歩きにくく疲れました。この部分についても、やはり7合目からは登山道で下りれば良かったと思ってしまいました。

 今回の天候は、駐車場に到着したときは山頂がみえていたのですが、スタート時は曇っていました。しかし登り始めてから雲はとれ、星空が見えてきました。ただ、やはり山頂から下界が見えなかったのが残念です。下山時は最初は晴れていたのですが砂走り付近から曇り始め最後までずっと曇っていました。

 気温についてはとも恵まれていたと思います。スタート時もあまり寒さは感じず、風も殆ど無く、長袖シャツとフリースのみで出発しましたが、すぐ暑くなってフリースを脱ぎ長袖シャツ一枚で登りました。しかし、さすがに途中から寒くなり結局は長袖シャツ2枚とフリース1枚で登頂しました。お鉢めぐりの時は、多少風がありましたので、さらにウィンドブレーカーを1枚着て行きました。ズボンは薄手のナイロン製のもの一枚でまったく問題ありませんでした。

 水は私の場合500mlのペットボトルを2本持って行きましたが足りませんでした。結局余分に持ってきた人の物500mlを譲ってもらいました。 食料はおにぎり5個、バナナ3本、チーズ4個、黒飴一袋、ウィダーインゼリー2個、カロリーメイト一箱(2袋入)、アーモンド1袋を持っていきましたが、あまったものが、おにぎり1個、バナナ1本、チーズ2個、カロリーメイト1袋、アーモンド半袋です。ちなみに黒飴は人気があり、みんなで分けてしまったので残りませんでした。

 予想していた高山病も多少の頭痛やめまいを感じる人がいましたが大事には至らず全員登頂することが出来ました。

   今回の登山で感じた事は多少の登山経験がある人にとってはあの8合目以降の渋滞は絶えがたいものがあると思います。登山として考えた場合あんなのはありえません。ただ、登山経験があまり無い人にとっては、あの渋滞の止まったり進んだりのペースは、逆にいいのではないかとも思いました。(実際そう言っていた)

 もし、また今度須走口を登るとしたら、私は本8合目以降渋滞していれば下山道を登るでしょう。そして下山は状況にもよりますが、砂走りは使わず登山道を下ってみたいと思います。ちなみに、山登りが好きな人の中には、富士山に興味が無い人がいるのですが、その意味もなんとなくわかりました。山を愛する人にとっては絶えがたい光景が多々ありましたし、登山の醍醐味というかなんと言うか良くわかりませんがそう言うものもあまり無い気がしました。標高の高い観光地とでもいった感じですかね?

 それにしても、あっぱれ!富士登山や、そのリンクについては非常に役にたちました。富士登山を決めてから殆ど毎日チェックしていました。なんと便利な世の中になったのでしょう。本当に助かりました。ありがとうございました。

 今回登山をしたメンバーは、”もう2度と登りたくない”といっていましたが、私は下界の景色が見ることが出来なかったのが残念だったので、またいつか機会があれば登ってみたいと思います。 長くなりましたがこれで報告を終わりにさせていただきます。これからも、お体に気をつけて、いつまでもお元気で。それでは。



★管理人のコメント
 台風11号のせいで、下山道の土砂が流失してしまったせいでブルドーザーが補修工事をしていたようです。一般的な「登山愛好家」は富士登山をあまり好まないというのは確かなようです。登山専門誌では富士登山は尾瀬などと同様とトレッキングの部類として扱われています。標高の高い観光地、というのは確かにその通りですね。バスツアーでは、登山道が混んでいるときは、下山道を逆に登り返すこともあるようです。

(01/8/29)

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