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 みんなの登山記02−1 河口湖口
 投稿者:かぶらさん


 去年とほぼ同じ、7月12〜13日にひとりでバスツアー参加で行ってきました。これで3回目。帰ってきて思うのですが、同じ距離を歩くと3回目からは後遺症がぐんと軽くなります。「○○ウォーク」などのときでもそれは感じます。1度経験すると、装備や気持ちの準備でグンと改善できますものね。富士に関しても、もう2度と行くものか!と感じられた方も、次の時には又別のたのしさが増えてると思いますよ。

日程
 まずは日程に関して。バスツアーで大きく個人旅行と条件が違うのがココ。多くの場合、2週間くらい以上前から申し込みするので天候に関しては読めません。その上、いろんな旅行社のパンフを見比べて、自分の思う日に、集合可能な時間と場所を基準にやっと選んでも、人数不足や天候などから「催行中止」となり慌てて別の日に・・・となる事も多く、ほんと神頼み。日ごろの精進がものを言うかも。幸い、今回の日も、申し込んでた日が中止となり、1番早い日に行ったのですが、ツアー番号1。それまでの10日分はすべて中止になったようです。結果は「大当たり」!!5合目5時過ぎの登り始めから台風一過のさわやかな空で、時々雲が流れて景色は少しさえぎられましたが、かなり暑さは和らいで登りやすかったと思います。強力さんも7月に入って1番良い天候と太鼓判を押してくれました。ご来光も少し雲は大目でしたが拝む事が出来、下山開始後30分ほどたってから小雨が降るようになってきました。雨は嫌だけど、降り始めがもしご来光前だったら、寒さの点や満足感からも大きくマイナスだったでしょう。その意味でまだツイテル日程でした。

雨について
今回始めて雨を体験しました。しとしと小雨で富士の雨としては雨の部類に入らないくらいのものでしょうが、山用衣類のありがたみが実感できました。バスツアーでは特に、旅行の感覚で用意をしてる方もあって、雨に濡れながら歩いてる周りの人々の衣類の違いに、「もし登山中にふったり、もっとひどい雨、風だったら・・」と考えると、命にもかかわる事がある条件なので、もう少し旅行社から送る説明書に、厳しく書くべきだと、6度目だという男性も憤慨しておられました。車中で説明もあるのですが、そんなこといま言われたって・・・ねぇ。下山中に向こうから歩いてくるこれから上る人たちの装備を見ても、ビニール合羽だけでズボンが濡れてたりとか、Tシャツの上にビニールの上下で汗対策とかどうするんだろとか思います。外国人の方々は特にラフな服装が多くて、歩き方もタフなので、ビックリしてしまいます。

手袋について
 バスで隣になった人は富士が始めて。手袋も気にはしてたけど忘れたという事で、売店で軍手を買ってみられたけれどすごく大きかったので、こちらで余分に持ってたフリースとニットの2組と交換しました。頂上へ行ったことの無い人は手袋の無い辛さを意識してませんよね。今回寒さはさほどきつくない日だったけれど、服装と同じくらい手袋も重要だと思います。雨の中、百円均一のフリースの手袋をはめてたのが、ケッコウ水が染み込まずに快適でした。登りの間ならオーバーミトンの代わりにビニール袋もかぶせれば安心かな? 

山小屋はすいてた
 今回、岩場まではかなりすいて 各ツアーが合流する事も少ない楽なかんじ。小屋でも、この日は全員が同じ方向に枕を並べて、上を向いて寝られました。この差は大きい。寝られなくても寝返りが打てたのでずいぶん楽に過ごせました。それでも岩場になると、大体動いているけれどやはり渋滞して登頂と日の出がぎりぎり。

小銭の用意を
 5合目のおみやげものやさんでもトイレは50円。上は100円。途中の小屋や山頂でお味噌汁など頼むと、400円くらいですぐに出てきますが、おわんを差し出されても、手袋脱いで、リュックをあけて・・とモタモタすると気の毒です。おわんを受け取ってから財布をしまおうにも、おわんを置く所も無くて慌てます。小銭はすぐ出せる状態で。

小物をなくさないように
 小物を無くさないように。仮眠後、登り始めると、なぜか鼻水が止まらずにしょっちゅうズルズルすすり上げな がら歩いてました。休憩時に鼻水をかむのが待ちどうしかったです。そんなときに手袋脱いで、ポケットだと動いた拍子に落としそうなのでボタンを何個かあけたシャツのお腹の所に突っ込んで見ました。帰り道タオルや、いろいろレインウエアのお腹に突っ込んで濡れずに便利でした。ウエストポーチにも入りきらないものね。物を置く時よほど意識しておかないと夜間登山の場合暗くて見落とします。カメラやライトなど、とりあえず置くときも必ずリュックの中に入れるとかに決めとこう。私は帰り道、大阪でバスから解散後に靴紐を締めるために近くのバイクの上に置いた着替えの入ったかばんを忘れました。お土産などたくさん買って増えた荷物を乗り換えの途中で減らした覚えのある人、私だけじゃないはずよ。はあ〜(タメイキ)

さまざまなトラブル
 今回のツアー、富士は初めての添乗員さんで、おまけにさまざまなトラブルがあって大変だったので可哀想でしたが、笑顔を忘れずよく頑張ってくれました。まず集合場所。大阪OCAT7:00に乗り遅れた人がタクシーだと渋滞になると怖いので、地下鉄など乗り継いで7:30過ぎの次の集合地点の梅田ヨドバシカメラ奥に走りこみ。もっとすごい人がそれにも間に合わず、新幹線とタクシーを乗り継いで、5合目の夕食時間4:00に合流。いったいいくらかかったかなぁ〜(ー−;)
 おまけにけが人が。
 ツアー43人(八合目リタイア6人残り全員登頂)の中で、ひとりは上りの途中で手首の捻挫か骨折の女性。もうひとりは、下山途中、まだ八合目下くらいで転んだ拍子に足首骨折の男性。この方の場合は足なので、動かせない状態だった(それでもブルドーザが上がれる所までは両肩を支えてもらって移動したそうですが)ので最後を固める強力さんがブルの手配や、同行していたツアーの外人さんが持参していた薬セットからテーピングをしたりしてくれました。今回はブルが出動できる状態でよかったのですが場所や条件によってはいけないこともあることを考えると、怪我は特に怖いです。男性は山の経験も豊富な人ですが、年配でしばらく振りの山歩きだった事やカメラが好きで荷物が重かった事なども要因の一つかも。バスツアーでは千円ほどの傷害保険を最初に勧められますが、この方は未加入で、保険証のコピーも持っていなかったので治療費は実費で払う形で、あとから手続きしたら払い戻しになるとは言ってもとりあえずかなりの現金が必要になります。荷物は宅急便で送ったとはいえ、松葉杖では大阪からの解散後もかなり不便で、いざとなるとタクシーなどが必要になる可能性もあり、そんなトラブルの可能性を視野に入れた現金も必要なんですね。うーん。
 5合目には救急車が来てくれて添乗員がつきそったため、昼過ぎに昼食場所で落ち合うまでは運転手さんひとりでお風呂への連絡などをこなして大変そうでした。念のため後で尋ねるとブルドーザの費用は請求されなかったそうです。

荷物のあとかたづけ
 今回雨のために荷物が濡れてあとかたづけが大変。5合目に降りて砂に汚れたレインウエアや、手袋、タオルなど、脱いだもののそれをたたむような落ち着きも無く なんだか丸めてリュックに押し込むとすごーくぱんぱん。こんな所にも山に慣れてる人とそうで無い人の差が歴然。慣れてる人はまずぬらさないし汚さない。レインウエアの上だけ着て降りてきたベテランさんなどはズボンはポリエステル系の軽いものだし、8時ごろには下りてしまってるからあんまり濡れてない。手荷物も軽やか。使ったら必ず元にしまう習慣も大事ね。
 適当に放り込んで探してかき回して余計にくしゃくしゃにするのが私・・・。ステッキの先の砂なども下山中 水のあるところで手早く流してきてるそうで、休憩所まで持ち帰って しょうがないからバンダナで先を包んでかばんに入れた私はそこでようやく一つ学ぶのであります。脱いだウェアも用意してた袋じゃなんだか小さくてザックカバー裏返して、濡れたもの全部包んでリュックの中に突っ込んでみたけれど丸くて入れにくい。いっそのこと荷物が増えるの覚悟ならば、ディズニーランドのお土産袋みたいなビニール袋にがさがさ放り込むのも手かなぁ?
 慣れてない人は 更衣室で一緒に脱いだのでお互いのが混ざってしもたーとか、ビニール合羽だったのでジーンズや綿パンが濡れたまま着替えも無いし、「おまえどないするん」と慌ててたり(お風呂のドライヤーで乾かしてました)、お風呂用の着替えはバスの中に持ってきたけれどまだバスが上がってくるまで時間が有るから寒くて寒くてーとつらそうだったり。そんな中を、添乗員さんも帰ってきても名簿にチェックし忘れた人を館内放送で探したり、けが人の対策であちこちから呼び出されて走り回ったり、なかなか大変でした。5合目で葉書も買って家で作ってきたあて先シールもちゃんと貼ってあったけれど、もう落ち着いて書くどころでは有りませんでした。

楽しい想い出に
 今回のツアーではいろいろトラブルがあって、予定時間より待つ事が多かったり、運転手さんもひとりで手配するために、道を間違えたりすることもあったのですが添乗員さんのムード作りのうまさもあって、怒る人もなく、なごやかに出来たのが良かったです。ひとり参加で回りの方とのおしゃべりでお友だちになるのもほんとに楽しい。強力さんも大きな声でげんきを出させてくれたり、しっかり説明して納得させてくれたりトラブルにはてきぱきと頼もしい所をみせてくださったりで今回もいい富士登山が出来ました。ありがとう! 又行っちゃうかなぁー♪・・・

後日談
 帰りに大阪駅でバスを降りたときに手荷物を一つ忘れてしまいました。でも、解散した後、同ツアーの方が気付いて、送ってくださいました。良かった。

(02/7/18)


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