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 みんなの登山記02−16 須走口
 投稿者:かっちゃんさん

■2002年8月3日〜4日 須走口

はじめまして。
横浜市鶴見区在住のかっちゃんと申します。
いつもHP楽しく拝見させていただいております。
8月3日(土)、4日(日)と須走口からチャレンジしてきましたのでご報告します。


[メンバー構成]
メンバーは男4名、女2名の計6名、年齢30〜31歳です。
富士山は私が今回で4度目。他に経験者は男女各1名が2度目、3名は初チャレンジです。


[交通手段]
人数と居住地、土日の渋滞などを考慮して、電車&レンタカーという手段を利用してみま
した。ドライバーだけが疲れるということもなく、帰りはビールを飲めるしなにより早くて
安全という点ではお薦めなので参考にしてみてください。

13:25 新宿発 小田急線ロマンスカーあさぎり5号
14:09 町田発 私含め3名合流
15:24 御殿場着
16:00 御殿場駅前のトヨタレンタカーでタウンエースノア(7人乗り、カーナビ付)
       を借りる。
16:30 R246沿いの大型スーパーで水・食料など調達。
       水1.5リットルペットボトル4本(6人分)、500mlペットボトル(各自)、その
       他インスタントコーヒー、チョコ、バナナ、ウィダーインゼリー、リポビタンD
       など)
17:45 須走口5合目駐車場着
    この時間帯は下山者が多く五合目付近の路上駐車もだいぶ緩和し、
       駐車場もかなり余裕あり


[登山記録]
5合目駐車場到着後、コンビニ弁当で腹ごしらえ、
仮眠、登山準備などしながら高所順応。

19:20  リポビタンDで乾杯後、登山開始
       このころは天候はよく富士山の姿がくっきり見えました。時折霧がかかるものの、
       雨は降る気配なし。気温はこの時期にしてはやや涼しめ。
      スタートはご来光登山による8合目以降の渋滞を避けるため早目にと思い
       19時すぎにしました。
20:40  本5合目着
21:30  6合目着
    基本的に6人離れず最もゆっくりペースな人に合わせるようにしたため、
       ここまでくるのに休憩回数が多くなり、やや時間がかかってしまいました。
22:45  7合目着
    このころから、最も健脚を誇る友人の体調が悪くなってきました。初めて
       のメンバーもやや疲れ気味。しかし特に高山病のような症状は出ていませんでした。
23:55  本7合目着
    須走口にしては人が多いなと感じました。
       体調が優れず足取りが重かった友人は、高山病の症状はでないものの、
       前夜の仕事でのお酒と寝不足がたたったのか、健脚ぶりは見る影もなく苦しそうに
       なってきました。
       本人も体が動かないのが不思議といった様子。
    さっきまでの満天の星が霧の中に消え、冷たい風が吹いてきました。
 0:45 8合目着
 1:15  本8合目着
       河口湖口と合流する8合目の山小屋では足の踏み場もないくらいの人の数でした。
       そのほとんどがツアーの人たちです。いままで数回登ったうちでここまで
       混んでいる状態を見たのは初めてでした。
    それにしても、点呼をとるのは大切なのですが、ただでさえ狭い山小屋の
       前の道をふさがないで欲しいなー。
    このころから風がかなり強く冷たくなり、フリースやらゴアテックスの
       パーカーやら、持ってきた着るものほとんどを着込む羽目に。
    天候が比較的安定しているといわれるこの時期に、しかもまだ8合目でこ
       んなに寒くなるとは・・・
     やはり富士山では何が起こるか分かりませんね。以前9月第1週目に登っ
       たときよりさみ〜ぞ〜。
     充分と思っていたのですが、念には念を入れて防寒準備はしたほうがよいと反省。
     ここでは山小屋が増築され、綺麗に生まれ変わっていました。バイオトイ
       レもあり。でもかなり並んでいました。
    友人の体調は徐々に悪化し、寒さを和らげるために、豚汁などを買って
       小屋内で休みました。まだ続けられるかを聞いてみても大丈夫の一点張り。


[渋滞の様子]
ここから先は大渋滞・・・
おまけに足元は岩場がきつくなり、一歩の段差も大きく、
そんな中、立ち止まっては進んでの繰り返し。
身体の疲れよりも、渋滞のイライラで疲れてしまいそう。
それに追い討ちをかけるかのように、
ツアーのガイドさんの執拗なまでの誘導の声・声・声。
自分たちのツアー客をはぐれさせず頂上まで誘導したい気持ちはよくわかりますが、
ちょっと目に(耳に)あまるものがありました。
足場の悪い渋滞のさなか、
「元気な人は右側からどんどん進んでください」とか
「隙間があったらどんどん進んで立ち止まらないで」とか
「ご来光は霧で見えないので振り向かないで」とか・・・
ペースを乱す、気持ちを焦らせるような誘導の仕方はあまりにもひどいと思ったのは
私だけではないはず。
ツアーの人たちだけじゃなく、個人で楽しんで登ってる人だって大勢いるのに、
そんな周りの人のことはお構いなし。
8合目以降、ツアーの誘導の声ばかりが響き渡り、
日本一の山頂まであと一息っていうワクワク感とか、
今までの苦しみを打ち消ように湧き上がってくる心の充実感とかを、
台無しにされてるようで怒りというより悲しくさえなってきました。
究極的に言ってしまえば山登りは自分の判断と責任でコースを選んで足を踏み出して
いくスポーツ。
初心者にルートを懇切丁寧に案内するのもいいけど、どこかやりすぎじゃないでしょ
うか?


[登頂はしたものの]
そんなこんなで結局山頂についたのが4:50。
山頂付近は濃い霧で下界の雲も厚く、オレンジ色のご来光は拝めませんでした。
体調の悪かった友人以外もさすがにみんな疲労困憊。
友人はどうやら寝不足が原因で高山病になったのだと思います。
お湯を沸かして暖をとろうと持っていったストーブも人が多すぎて広げる場所すらな
い状態でした。
お鉢めぐりは体調が悪い友人をとにかく早く下山させようと断念。
というより、寒さと疲労と濃い霧では行くのは無謀かもしれません。
前日になって夏カゼで発熱して行けなくなった友人にハガキを書いてスタンプを押
し、手数料\50を払って山小屋に投函をお願いしました。


[下山記録]
下山を開始したのが6:50。
高山病は標高が下がるにつれてよくなると山小屋の人も言っていたので少し安心して
いたのですが、下っても下っても友人の症状がよくなりません。
むしろ下山とともに疲れも蓄積し、眠気と頭痛もひどくなってきた様子。
本当に高山病なのだろうか?原因がわからないと対処のしかたが非常に難しいです。
とにかく下りないことには仕方がないのですが、果たしてこの状態のまま歩かせてい
いのか?
標高は下げなくても、少しでも山小屋などで落ち着いて横になり、睡眠をとったほう
が良いのか?
本人は大丈夫だから行こうと言うばかりだし・・・
そうこうしているうちに砂走り手前の7合目太陽館にまであと少しと迫ってきたとこ
ろで、これ以降、長い砂走りのエンドまで山小屋がないことを考慮し
休ませてもらうことにしました。
この時点ですでに下山開始から4時間以上が経過。
とりあえず1時間ほど寝かせてもらうことにして、元気なメンバーは外で待機。
太陽館の方が、効くかどうか分からないけどと親切にもバファリンをくれたのが
とてもありがたかったです。
この1時間の睡眠が効いたのか、頭痛は少し良くなったとのことで、下山再開を決意。
砂走りならぬ砂歩きになってしまいましたが、ゆっくり時間をかけてクリヤ。
続く樹林帯も、回復の兆しが見えてきて無事くぐりぬけ、15:00に5合目に到着。
8時間もかかってしまいましたが、友人の体調を考えると、よくこの時間で戻ってこ
れたとホッとしています。
そこから麓の温泉(\1,500)に浸かって疲れを癒したあと、御殿場駅からロマンスカー
で家路へと向かいました。
このころは友人の体調はすっかり回復していて安心しました。
車中では一応の無事?を祝ってビールで乾杯(電車はコレができていいです)し、
19:00頃には帰宅できました。


[反省そして次こそは・・・]
今回の反省として、高山病的症状が現れた登りの時点で、山小屋での休憩・仮眠とい
う手段をとっていればということがあげられます。
本人は日常、スポーツジムで身体を鍛えている自他共に認める健脚な男なのでこちら
の提案も聞き入れなかったかもしれませんが、無理にでも休ませておけば、このよう
な大事にはいたらなかったのではと思います。判断が遅過ぎました。
言うまでもないことですが、体調を万全に整えて挑むべきところだなと実感しました。
「来年もまた同じメンバーでご来光リベンジするぞ!!」と誓いつつ、
いまから体力づくりを心がけたいと思います。
エッ?また登りたいのってひょっとして私だけ・・・?
(管理人)
 土曜日深夜のまさにピーク時の山頂付近の状況でした。ガイドさんも必死なのはわかりますが、周囲に不愉快な思いをさせてはいかんですね。友人の方は健脚自慢ゆえに意地でもリタイアはできなかったのでしょうね。そこまでふらふらで、よくぞ登頂されたものです。



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(02/9/11)