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みんなの登山記03−15 富士宮口
 投稿者:YTさん


■2003年8月4日(月) 富士宮口

はじめまして。神奈川県に住んでいるYT(37歳男)といいます。
8月4日無事登頂に成功しました。
このホームページでいろんな方の登山記を読みいろいろと参考にさせてもらいました。
私も皆さんの参考になればと思い報告します。

(まえがき)
私は以前沼津に住んでおり、自宅の目の前から富士山が見えていました。当時も機会があったら登ろうかな。と思っていたのですが、なかなか実現には及ばず、そうしているうちに転勤になってしまいました。
それがこの春転勤で東京にくることになり、今度こそ登ろうとインターネットで情報をいろいろと集めていたところ、このホームページに行き着いた次第です。


(計画)
当初は地元の友人と一緒に登る予定でした。日程的には7月頭に計画していましたが、友人の都合が悪くなり一旦延期。8月の夏休みに変更。8月4日の週に計画しました。
出発12:00 → 五合目到着2:00 →登山開始4:50 → 登頂11:00
→ 下山開始12:00 → 五合目到着16:00

  (準備)
このホームページやいろんなホームページを参考にして、まず靴が重要だろうということで、登山ショップに靴を買いに行きました。本格的なものは価格も高くごつすぎるので、ミドルカットのトレッキングシューズにしました。(ローカットにしなくて正解でした。登山道は石がゴロゴロしており何度も足がぐりぐりなりました。普通の靴だとやばかったかも)あとはひざの負担を軽くするためにステッキを購入しました。あと富士登山のために購入したものはザック(30L)・合羽・懐中電灯(頭にとめるタイプ)・帽子止め・マスク・化繊のシャツ(ユニクロのドライTシャツ)

(決行)
結局友人が来れなくなったため単独での登頂となりました。梅雨がなかなか明けずやきもきしていました。8月2日に梅雨が明けましたが、台風が接近してきており、また土日は混雑するかもしれないということで8月4日の月曜日に出発しました。(12:30)途中コンビニでおにぎりと水を3本(500ml)購入。御殿場から五合目までの途中の道が本当に真っ暗で前後に車がまったくいないので不気味でした。
来る途中は曇りの天気で雨が降ったらいやだなと思っていましたが、4合目を過ぎたあたりで雲を通り抜けたようで、空は満天の星空でした。皆さんが書いているように、こんなに星があるというぐらいびっくりしました。2時頃五合目の駐車場に到着。一番上の駐車場はいっぱいでしたが、その前後はまだ空いているという状況でした。登山口を通り越して少し下ったあたりに駐車。高山病防止のため予定通り日の出まで仮眠をとりました。
4時頃になってあたりがなんとなく明るくなってきたので、準備を始めました。服装はドライTシャツの上に普通のTシャツ。朝方で寒かったのでその上に長袖のシャツを着ました。

(登山開始)
4:25登山スタートしました。まだ若干暗かったのですが、日帰り日程のため少しでも早めにスタートしたいということで出発しました。ステッキに長さを若干短めに調整して、最初は飛ばすとダメだとあったのでとにかく最初はペースを落とし気味にして登っていきました。登り始めてすぐ日の出となり、暑くなってきたので長袖のシャツを脱ぎました。ペースは十分落としているつもりなのですが、すぐに息が荒くなります。酸素が薄いのを実感しました。登っている人はまばらで特に混雑することも無く6合目に到着。あっという間です。
そのまま通過して7合目を目指します。上の方に自衛隊の集団がみえます。飲み物を飲むのにいったん停止する程度でどんどん先を目指します。新七合目に到着。ここまでは比較的きつくも無く順調でしたが、元祖七合目までの遠いこと。ここで自衛隊が休憩していたので、そのまま追い抜いていきました。このあたりから息がかなり切れてきましたがぜーぜー言いながらも上を目指します。そろそろ高山病の症状が現れてくるかと思いましたが、なんとなく気持ち悪くはなるものの(子供のころマラソンでオーバーペースで走ったときに気持ち悪くなる感じ)立ち止まって大きく深呼吸を繰り返すと何とかOKでした。途中靴の紐を結びなおそうと思って前傾姿勢を取った時にめっちゃ気持ち悪くなりました。こういう姿勢は良くないのかもしれません。とにかくここから行けども行けども8合目にたどり着けず、さらに道は険しくなるばかりで本当にきつかったです。
何とか8合目に到着。ここで初めて休憩を取りました。ベンチに腰掛けておにぎりを食べました。言い忘れていましたが天気は快晴です。下界は雲で見えませんが空は真っ青です。10分ほど休憩して出発。ここから先は道というより岩登りのような感じです。ステッキがとても役に立ちました。ステッキがあると体重を足だけでなく上半身にもかけることが出来るので、ないのとは全然違うと思います。自分の場合たぶんステッキが無ければ膝が痛くなっていたのではないかと思います。長さが調整できるものであれば対して荷物にもならないので必ず持っていった方が良いと思います。下りで道が荒れたところなどバランスを取るのに重宝します。
そして9合目、9合5勺。それぞれベンチで休憩。しかし休むと登りたくなくなるので5分ほどの休憩にとどめて頂上を目指しました。傾斜はさらにきつくなり、この辺はもうイヤってくらいきつかったです。下山してくる人が挨拶をしてきますが、それを返すのもうっとうしいくらいにきつかったです。9合5勺付近では太もものあたりがつりそうになりましたが、屈伸運動を何度かやると治まりました。
8:17登頂。やっとのことで登頂しました。なんと4時間を切って登ることが出来ました。天気が良かったのと、5合目での十分な休憩のおかげで体調が悪くならなかったのが良かったと思います。天気が良いため頂上もシャツ二枚で十分な気温でした。さすがに疲れたので30分ほど靴を脱いでベンチで休憩しました。本当にピーカンで気持ちよかったです。とりあえず火口を見に行き、測候所跡のあたりを眺めて、剣が峰はどうしようかと思いましたが、ここまで登ればもう十分という感じだったので今回はやめにしました。

(9:12下山開始) 下山コースはあっぱれにもあった御殿場口から宝永火山経由の富士宮口で帰ることにしました。しかし単独で初めてということで道がわかるかどうかが不安でしたがとにかくスタートしました。下山を始めていきなり道の悪さにイヤになりました。富士宮口が比較的岩盤のような道だったのに対し、御殿場口はまるで川原の砂利(しかも大きい)がゴロゴロしている感じで非常に歩きづらい道でした。小さな石だけならともかく、大きいのやら小さいのやらボコボコの石やらで足元が不安定ったらありゃしない。さらに下りということで体重もかかるため、何度も足首がぐりっとなりそうになりました。普通の靴で来なくて良かったと思いました。さらに杖があったおかげで転ばずにすみました。登りで飛ばしすぎたせいか、このボコボコの道は疲れた足には本当に厳しいコースでした。しかも延々と同じ道が続いていきます。変化の少ない道は精神的にダメージを与えます。極力膝に力を加えないようにステッキに体重を掛けるようにしましたが、それでもだんだん膝に来ました。
なんとか7合目まで下りてきてそこで休憩。山室の兄ちゃんに富士宮口との分岐点を確認しましたが、ガスが出てきているので看板が見えないかもしれないので、気をつけたほうが良いといわれました。御殿場口は下山道(登山道?)にブルドーザー道が交差しており、看板も"登山道(禁止)"というような表記が多々あり、初めての人にはわかりにくい。さらに御殿場口は人も少ないため単独で行く人にはあまりお勧めできません。私も何度か道がわからなくなり人に尋ねました。また下山中に登山者と何度かすれ違いましたが、御殿場口からの登山者は本当にきつそうでした。このゴロゴロ道を登るのは本当に大変だろうと思いました。
やっとのことで砂走りらしきところに到着。この辺からガスが辺りに立ち込めてきており、下山者もほとんどいなくなったため非常に不安になりました。確かに途中に御殿場口という看板は出ているですが、道に張ってあるロープは地面にダラーとしており(張ってあるというよりは張ってあったという感じ)今は使ってないかのような感じです。
砂走りは私のイメージとしては細かい砂利道という感じでしたが、実際は砂利というにはあまりにも大きな石ころ(5センチくらい)がゴロゴロしている道です。たしかにスピードを上げていくとふわふわして妙な感じです。私の靴はミドルカットでしたが砂が靴に入ってくることはありませんでした。砂走りに入ってしばらくしたあたりで、前も後ろも誰もいなくなった状態だったので道の感じを楽しむというよりはこの道でよいのだろうかという不安を抱えながらの進行が続きます。右手に分岐路があるはずなので見落とさないように注意しながら、でも砂走りなので走りながら進みます。いいかげん進んだところで看板が二つ並んであるところに来ました。1つは御殿場口、1つは富士宮口と書いてありました。よく見るとなんとなく右斜めに道のような感じになっている気がします。(そのくらいわかりにくい、ぱっと見、道には見えません)看板を信じて(他の体験記で分岐を間違えて御殿場口まで下りてしまったというものがあったので)右斜めに進んでいきました。しばらく進んでいるとやっとはるか前方に人影が見えてきてとりあえずここが道だったことがわかり安心しました。右手前方をみると大きな火口が見え、これが宝永火山の火口か。ここで一安心したのでおにぎりを食べながら火口へと降りていきました。ここの下り口も砂走りになっていてざくざく降りていけます。しかしざくざくも何も本当にきつい。下りきったところに行くと小学生が遠足に来ていました。この辺でもう足が限界近くになってきており、ここから富士宮6合目まで登らないとならず、もう勘弁してくれという感じでした。(このコースは結構きついです。日帰りで一気に下るには向いていないかも)やっとのことで6合目に到着し、とにかく早く下りたい一心で五合目を目指します。ここからは見慣れた風景で安心して進んでいきます。これから登ってくる人や6合目あたりまでチョイのぼりの人たちとすれ違います。
11:39 やっとのことで富士宮登山口に到着。下りは2時間半かかりました。私的には登るという目標を達成した後ということで、くだりの方がきつかった気がします。下りも楽しむならば、途中で宿泊した方が良いかもしれません。日帰りだとそこまでの余裕がありません。

(振り返って)
何とか無事下山することが出来ひと安心です。水は500ml×3本持っていきましたが、2本しか飲みませんでした。天気はよく暖かかったのですが薄着(Tシャツ二枚)のため、汗はあまりかきませんでした。タオルで汗をぬぐうことは無かったです。(ザックをしょっていた背中はビタビタでしたが)シャツはドライTシャツが効力を発揮しました。汗取りとして着ていた重ね着のTシャツはビチャビチャでしたが中はさらっとして不快な思いや気化熱で体温が奪われることも無かったです。(頂上にいる間も寒くありませんでした)靴についてはわざわざ買いに行って正解でした。私の場合は9000円ほどしましたが、これだけ天気が良くても普通の靴でも十分だったとは思いませんでした。富士登山道は道であって道でありません。岩山ありゴロゴロの石あり。大人は足首も固まっているためちょっとでも足を捻れば終わりです。あとはステッキです。これは金剛杖でも良いかもしれませんが、特に登りの場合は長さ調整が出来ないと使えません。私が比較的休まずに登れたのも急な坂や岩山でステッキに体重をかけることにより、足に対する負荷が軽くなっていたんじゃないかとも思います。ザックについてもある程度のザックを買って背中にフィットさせることでだいぶ楽になると思います。私はザックの横に紐(内容量調整用のベルト)がついているのが最初何のためかわからなかったですが、最初はぶかぶかの状態で荷物をつめて、次にサイドのベルトを締めて荷物を上下に平たく分散させて入れるようにすると、しょった感じが全然違いました。
いろいろ書いてきましたが、皆さんが少しでも楽に楽しく登れればと思います。
登山の途中いろいろと教えって下さった方々どうもありがとうございました。


  (管理人)
 登りが4時間を切るとは、すばらしい健脚ですね。


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(03/11/17)