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 みんなの登山記2004−16河口湖口
 投稿者:Y.Iさん


■2004年8月27日(金)〜28日(土)

河口湖口から登山、下山は御殿場口へ

●はじめに
 1ヶ月前に富士宮口から大雨の中、登った者です。ただ登っただけというのが悔しく、リベンジのときを探していましたが、たまたまシーズン最後にトライすることができました。今度は1泊してご来光がターゲット。

●雨、雨、雨
 登山バスで16:15に河口湖口5合目に到着しました。持ってきた温度計で測ると、気温は17℃。暖かいほうでしょうが、今にも泣き出しそうな雲行き。台風16号の余波で天気予報は夜から翌日まで雨とのこと。5合目駐車場は半分ほどしか埋まっていません。小御岳神社に参拝し、大枚100円玉を賽銭箱に入れてご来光祈願。飲料水は500mlペットボトルを2本購入しました。
 17:00に登山開始。すぐに小雨が降り始めました(涙)。泉ヶ滝上でレインコートを着て、ザックに防水カバーをかけました。17:40に6合目通過。だんだんと雨が強くなり、砂礫道に飽きてきます。「また雨ばかりか・・・」。わが身の不運を嘆きつつ、いっそUターンしようかとも思いましたが、何とか気持ちを立て直してノロノロと進みます。
 日の入りは18:20でしたが、ガスが濃くて暗くなるのが早い。こういうときに7合目下からの岩場はこたえます。まだそれほど疲れていませんでしたが、びしょびしょの帽子や手袋に耐えかね、予定より早く19:00に東洋館で沈没。2つ上の蓬莱館を予約していたのに・・・(キャンセルの電話は入れました)。
 初めて泊まった山小屋の喧騒は聞きしにまさるものでした。深夜にかけて団体客が何グループも出入りするのですから、日中と変わりません。しかし、100円ショップで買った耳栓が大いに役立ち、ほとんどの音をシャットアウト。もともと寝つきの悪い人間ですが、この日ばかりはぐっすり眠れました。耳栓は必携です。

●明け方の星空ショー
 夜中すぎに、だれかが「星が見える」と叫んだので目が覚めました。外に出ると確かに雨は上がって雲も切れている! 東洋館を1:30に出発。太子館前を2:00に通過しましたが、人の群れに辟易して岩陰で30分ほどビバーグしてやり過ごしました。気温8℃ぐらいで風も弱く、寒くなかったので結構快適でした。
 蓬莱館前を2:30に通過。本8合目トモエ館を過ぎると岩場から砂礫道に戻って歩きやすくなりましたが、登山道は渋滞してペースダウン。その一方で、山肌と反対側の北東の空がしだいに晴れ渡り、星たちが華麗な姿を見せ始めました。若いカップルが「プラネタリウムみたい!」と歓声を上げていていました。
 ひときわ明るくきらめいていたのが金星(明けの明星)です。光度はマイナス4等級。近くの土星、ふたご座のポルックスとカストールと美しいカルテットを組んでいます。スバルやオリオン座の三ツ星などと、都会ではとてもお目にかかれない鮮やかな光の饗宴。道は渋滞しても、これには満足した登山者が多かったと思います。

●のんびりとお鉢巡り
 9合目の鳥居を通過した4:20ごろから空が明るくなり、星たちとはさよなら。頂上に到着したのは5:05。日の出は5:15ごろでしたが、残念なことに雲がしだいに増え、ドンピシャのご来光は拝めませんでした。でも、昨夜の大雨を考えるとめっけものです。小御岳神社のご利益はそれなりにありました(今度は1000円札をはたこうか?)
 ふと気づくと頂上の何と暖かいこと。気温は7℃で、7合目あたりからほとんど変わりません。ほぼ無風でそこそこの晴れ間。実に心地よい天気です。8合目から飲み出した1本目のペットボトルを飲み切り、反時計回りでお鉢巡りスタート。火口の真北に来ると、登山者が大石を並べて作った国際色豊かな文字群が眼下に見えます。
 そして剣が峰。馬の背を登るのは強風時には危険といわれますが、無風なのでへっちゃらです。26日で有人観測を打ち切った富士山測候所の前で記念撮影し、剣が峰の下で小1時間ゴロ寝しました。見回すと周囲にも同じように転がっている登山者多数。ちょっと珍しいのどかな光景です。

●大砂走りを堪能
 名残惜しかったけれど、8:25御殿場口から下山開始。河口湖ルートに比べると人が少なすぎます。途中の山小屋は廃墟ばかり。その隣に立派なバイオトイレができているのが目立ちます。下山開始前にレインコートを脱ぎましたが、下りるにつれガスが濃くなり、唯一営業している8合目赤岩館前で再び着用しました(やっぱり雨か・・・)。
 大砂走りの入り口に9:30到着し、スパッツを装着していざ突入。降りしきる雨の中、歩くスピードがだんだん速くなり、知らず知らず走ってしまいます。「1歩3m」はほんとでした。これはすごい! ぜひ試してみる価値があります。晴れていれば粉塵が舞い上がって大変ですが、不幸中のさいわい、雨だとその心配もありません。
 ただ、砂礫以外に何もない単調な下山道。せめて「5合目まであと×km」という道しるべがほしいものです。何百m置きに木柱が立っていましたが、いずれ道しるべになるんでしょうね。最後は歩き疲れてへとへとになりました。自衛隊東富士演習場の大砲の轟音を聞きながら、11:10に新5合目着。休憩所で2本目のペットボトルを飲み終えました。

●おわりに
 自宅に帰ってからヤマケイのサイトを見ると、頂上の6時の気温は5.3℃。9時8.7℃、12時11.3℃、15時12.3℃、18時6.7℃でした。たとえ登下山時に雨にたたられても、こんな穏やかな日になることがあるんですね。来年の登山シーズンが楽しみです。


  (管理人)
 雨中の登下山は本当にごくろうさまでした。山頂が穏やかな天候だったのは何よりでした。


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(04/8/31)