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 みんなの登山記2006−17富士宮口
 投稿者:アントニオさん


■2006年7月24日(月)〜25日(火)

飲み会の最中、「富士山はいいよーー」という誰かの声に即反応して、「じゃあ、 いきましょう!!」と元気よく応えたところ、4人のパーティーができあがりま した。
実は、合気道仲間で、夜間登山で3回登頂の師匠58歳、なんとなく酔った勢い の30歳、高校時代は山岳部の34歳、そして私32歳。

プランをあれこれ練って、決行の日を楽しみにしていると、一人、二人とパーテ ィーが消えていきました。
結局、残ったのは山岳部出身の高校時代の先輩と私だけ。
じゃあ、せっかくの初富士山だから御殿場口から行こうと決めて7月23日の夜 に宮城を出ました。
実は、御殿場口の赤岩八合館はカレーライス食べ放題だからというのが本当の理 由。
ルートより先に山小屋を決めるという、すばらしい発想でした。
私の仕事の都合、日曜の夜に新幹線で出たため、その日は品川泊。
天気予報を見ていると、どうやら静岡県は大荒れの模様。
これは御殿場口は厳しいなあということで、富士宮に変更することにしました。 7月24日、新幹線とバスを乗り継いで富士宮駅に。
途中、電車を上下逆に乗るなどの失態もありながら、無事富士宮に着くと、結構 いい天気。

これはいい兆しだなぁと喜んでいたら、五合目は強風、強風。
「やめたほうがいいんじゃない?」という声もありましたが、せっかく来たんだ から「行けるとこまで行きましょう」と先輩を説得して登山開始。
11時10分頃から登山を開始しましたが、空は真っ白で富士山の形がちっとも わかりません。
おまけに強風で立ってるのもやっと。
下手に山の怖さを知っている先輩は「やばいよ、やばいよ」と言いながら、すご い弱腰で着いてきます。
六合目の山小屋で、おばちゃんから「あんまり無理しないほうがいいよ」と忠告 を受け、先輩はいよいよ諦めムード。
でも、そんな先輩を無視して出発。
六合目から20分ほど登ったところで、強烈な西風が吹き付け、先輩ついにギブ アップ。
「ダメだ。やめよう」というので、しぶしぶ六合目に引き返し、山小屋で二度目 の昼ご飯を食べることにしました。
笑っていいともを見ながら富士宮名物の焼きそばを食べることに。
食べていると、頂上から帰ってきたという男性二人組が小屋に入ってきました。
この二人が、「かなりやばいね」と口を揃えていましたが、正直、この二人より 体力、技術が劣っているとはとても思えなかったので、心の中で「楽勝だな」と 一人思っていました。
30分ほど昼寝をしていたら、「そろそろ帰って」とちょっと叱られたので、再 出発。
この時点で、多分1時頃。

先ほど引き返した場所は、やはり強風でしたが、無理矢理進んで行きました。
新七合目に着くと、休憩している人が数人いまして、その中の男性に記念写真を 撮ってもらいながらしばし休憩。
この山小屋の先がやたらと強い風で、これでまた先輩が弱気に。
それも気にせず進んでいくと、大学生二人組に追いつきました。
「やあ、すごい風だねぇ」と声をかけると、
「富士山初めてなんですが、すごい風ですよね。どこまで行くんですか?」
「行けるとこまでということにしてあるけど、八合目の山小屋までかな」
なんていう会話をしながら、しばし風をよけながら休憩。
「どこの大学生なの?」という質問から始まった会話では、
「どちらの大学ですか?」と質問が返ってきました。
そんなに若く見えるかなぁとちょっと嬉しくなったりして。

その後、順調に元祖七合、八合とクリアし、八合目の山小屋で赤岩八合館に電話 を。
「今、富士宮の八合目にいますので、もうちょいで着きま〜す」
ちなみに、この時点で先輩はかなりヘロヘロになり、記念写真には疲れた表情ば かり。
日頃の鍛錬不足か・・・
私はというと、スキップしながら登ったりして荒涼とした景色と悪天候によるブ ルーな気分を紛らしてました。
午後4時ちょっと過ぎに無事、赤岩八合館に到着。
早速、お茶をいただき、宿泊料を支払います。
おかみさんと談笑しながら外の景色を眺めていると、風はあるものの、視界が良 好になってきて須走、御殿場の登山口入り口がはっきりと見えました。
上空にはものすごい雲がありましたが、富士山からの景色をちょっとだけ堪能で きました。

5時30分すぎ、四人組が登ってきているのが見えました。
なんと、新七合目で写真を撮ってくれた人たちでした。
彼らも御殿場口から登る予定が悪天候のため富士宮に変更したということで、全 く同じ境遇。
しかも、赤岩を選んだのは「カレーライスが食べ放題だから」という、これまた 同じ理由。
なんか妙に親近感が湧いて、一緒にカレーライスをおかわりしまくり。
私は大盛り三杯、先輩普通に三杯、彼らも二杯は食べていました。
みんなで記念撮影しながら宿帳見てあーだこーだと話しをしながら時間を過ごし ていましたが、みんな朝早くて眠いそうなので一気に就寝。
私は「名探偵コナンを見せて」とおかみさんに頼んでおかみさんと二人で見てい ました。
その後、電波不良でおかみさんと1時間程度話し込み、9時頃就寝。
多少の肌寒さはありましたが、寝ていたらだんだん暑くなってきて、結構薄着で 寝ていました。

午前4時頃、屋根にあたる雨音が聞こえ、これはご来光は無理だと諦めもうひと 眠り。
6時頃に起床し、朝飯をいただきます。
あいかわらずヘロヘロ気味の先輩は、朝食を辛そうに食べていましたが、私はま たしてもごはん三杯おかわりの大食漢ぶり。

7時に山頂に向け出発。
おかみさんが「普通は1時間半だけど、お客さん達なら1時間かかんないかもね」 というお墨付きをいただき、ルンルン気分でスタート。
流石に低酸素なので、すぐに息はあがるものの、結構ハイペースで登っていまし た。
すると、先輩が着いてきていないことに気づきました。
しばらくしゃがんで待っていると、狭い歩幅でゆっくり、ゆっくりと登ってきま す。
やっぱり、辛いんだなぁとねぎらいながら休憩をはさみつつ登ります。

先輩と50mぐらいの差をつけ、待って、休みというのを数回繰り返し、とうと う山頂の鳥居が見えました。
なんだか嬉しくて、走りながら万歳で鳥居をくぐって下を見ると・・・
先輩がいない・・・
またしばらく待っていると、5分後ぐらいにやっと山頂にやって来ました。
ここで8時ぐらいですので、やはり1時間かからないぐらいで登ってきました。
先輩はここで崩れ落ちるように倒れ、
「俺もうダメ。郵便局行ってきてもらっていい?」とギブアップ。
ま、しょうがないなと思い、強風吹き荒れ、雨飛沫が冷たい場所に先輩を残して 走って郵便局へ。
あいかわらず元気な私。 山頂郵便局のサッシをくぐると、若い職員さんが一人で働いていました。
実は、私同業者。
しばし、郵政談義をしながら二人だけの濃密な、特別な時間を過ごしました。
そういえば、先輩を置き去りにしているんだったということを思い出し、急いで 現場に。
先輩「死にそうなくらい寒かった」と辛そうに告白。
「じゃあ、急いで下りますか!!」と文字通り走って下りました。
先輩も「下りは余裕だから大丈夫」と私の走りに着いてきます。
走るというよりは、ヒザにダメージが残らないよう、ヒザを抜いてスキップする ようにかけ下ります。
20分で赤岩に戻ってきました。
「あら、速かったねぇ」とおかみさん。
だって走ったんだもの。
おかみさんと再開の約束をして、9時に御殿場口へ向けて出発。
砂走り以前から走りまくって、走りまくって10時20分に大石茶屋に到着。
なんと、山頂から1時間40分でした。
それでも、途中は練習中の自衛隊員と話しをしたり、写真撮りながら来たので、 あと15分ぐらいは短縮できると思います。

大石茶屋の元気なおばあちゃんと楽しく談笑しながら顔を洗ったり、こけもも酒 飲んだり。
いいおばあちゃんだった。

こんな感じで、比較的というより、全く余裕でクリアしてきました。
惜しむらくは、強風のためお鉢巡りができなかったことです。
赤岩のおかみさん、大石茶屋のおばあちゃんと必ずもう一回来ると約束をしたの で、是非とももう一度行ってきます。
ということで、8月末に閉山される前に行ってきます。


  (管理人)
アントニオさんが元気すぎ。赤岩八合館から山頂まで1時間ならかなり速いです。そのペースにつきあった先輩も大したものです。カレーライス三杯、朝食も三杯!「食べ放題」で選んで大正解ですね。


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(06/8/26)