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 みんなの登山記2006−21須走口
 投稿者:ゆたかさん


■2006年9月2日(土)

◎お山じまいは過ぎたけれど

お盆に日本で二番目に高い北岳に登頂しました。
その時「二番目の次は一番にチャレンジしなきゃ」と富士登山を決意。
「あっぱれ!富士登山」を始め様々なサイトで情報収集して、
お山じまいの直前の8月25日の夜に出かける予定を立てました。

当日、友達と落ち合ったのですが東京では雨が降り出し、
念のため携帯で天気予報を見ると富士山方面には大雨雷注意報が・・・
上り始めてから降られるならあきらめもつきますが、
荒天時に上るのは危険だと判断して残念ながら中止となりました。

お山じまいは過ぎてしまいましたが、まだ開いている山小屋も多いし、
天気次第では9月2日の土曜に行ってみようと思っていました。

9月1日は朝からあいにくの雨。半分あきらめていましたが、
夕方から急に明るくなってレーダー画像でも雲ひとつ無いので行くことに。
仕事は定時にあがってすぐ家に帰るつもりでしたが、
残業が入ってしまい職場を出たのが7時過ぎ。
家に帰って食事をし、クルマを出したのは9時近くになってしまいました。

東名の御殿場インターから須走口の駐車場に着いたのは0時前、
駐車場には結構クルマがあって、私と同じように夜から登る人や、
朝まで待って登る人などもいるようでした。
準備と体を高度に慣らすため30分ほど待って、0時半にスタート。

雲ひとつ無いおかげで星がとてもよく見えました。
でも天文の知識がないのでオリオンくらいしかわかりませんでしたが(笑)
五合目で既に2,000mなので、高山病に気をつけてペースはかなりゆっくり、
呼吸も意識して行いつつ上がっていきました。
(標準的なコースタイムと比べると、もう少し速くても良かったみたいです。)

富士山は寒いということで、上に着るものは上下用意していったのですが、
手袋は夏のものしか用意しなかったのですごく冷たかったです。
しもやけにでもなるかと思いました。

七合目の大陽館前のベンチでウィンドブレーカーと
オーバーズボンを着用。これで寒さは手以外問題なくなりました。
ここに着く前くらいから、伊豆方面で雷がぴかぴか光っているのが見えました。
音は聞こえなかったので、距離はかなり遠そうです。


本七合目の見晴館が見えてきた頃、東の空が明るくなってきたので、
見晴館前のベンチでご来光を見ることにしました。
泊まっていた人たちがぼちぼち起き出してきてにぎやかになる中、
きれいなご来光を拝むことが出来ました。

山小屋の人の話だと10日ぶりくらいのご来光だそうです。
小屋に泊まった人たちは金曜の日中に上がってきたそうですが、
ずーっと雨に降られて大変だったとか。ほんとにラッキーでしたね。
写真を撮っている人は「これ以上ないくらいの好天だよ」と言っていました。

手前には山中湖が見えるのですが、面白いことに湖の上一面に
雲のように霧が沸き立ち湖を覆っていました。
昼頃見たら無くなっていましたので、朝だけ見られる現象なのかな。

しばらくご来光を見た後で出発し、本八合目で河口湖口と合流。
ここで大きなミスをやらかしてしまいました。
途中で登山道が分岐して下山道と別れるのですが、
それに気付かずそのまま下山道を上ってしまったのです。

下山道は砂礫でふわふわなので下りる時は楽ですが、
上るとなるとずるずる滑って何倍も疲れるような気がしました。

他に上っている人はおらず、下りてくる人は多いのですが、
徹夜明けで半分ぼけた状態なので気付きませんでした(^^;;;
(ちなみに分岐点にはちゃんと「登山道→」の表示がありました。)

ここから山頂までの行程はいままでの登山で一番きつく感じました。
足下が悪いのに加え空気が薄いため、あっという間に息が上がります。
2,30歩上っては立ち止まってぜーぜーと息を整え、
3歩進んで2歩下がる的なペースでじりじりと上がっていきます。
途中座り込んだら内ももがつりそうになりました。

何十回目の休憩かわかりませんが、座って下を眺めていると変なものが・・・
自転車を押して上がってくる人がいて、思わず写真撮っちゃいました。
ちょっと話しましたが、上から自転車で一気に下りるそうです。すごいなぁ。
冬山をスノーシューやかんじきで上り、スキーやスノボで一気に下りる
バックカントリーというのがありますが、それの自転車版かな。

途中下りてきた人にあっちが登山道だよ、と教えてもらった方を見ると、
確かに階段っぽいところを上っている人たちが見えます。
今更引き返すのもしゃくなので最後まで上ってしまいましたが、
途中でもうやめて帰ろうか、と何度も思いました。


それでもどうにか9時半前に頂上に到着。約9時間のゆっくり登山でした。
さすがに疲労困憊で、火口の反対側に測候所が見えましたが、
お鉢巡りに行く気力はとてもありませんでした。

まだ頂上の売店もほとんど営業しており、トイレ(200円)も使えます。
ちなみにペットボトルの飲み物は400円、缶ビールは600円でした。
6合目と同じ値段だったようです。

営業終了した売店もあり、その前のベンチではごろ寝している人がいっぱい。
私もそれに習って1時間ほどぐっすり寝ました。

そういえば、何故か頂上に犬がいました。山小屋で飼っているのかな。
帰りに7合目の大陽館でも白い犬を2,3頭見かけました。

おみやげにバッジなど買って、11時半に下山開始。今度はすごく楽です(笑)
あれほど苦労した下山道をすいすい下っていけます。
周りを見る余裕も出てきて、あ、八ヶ岳、こっちは箱根の芦ノ湖か、など
景色を楽しみながら下山しました。

駐車場に着いたのが3時頃、私が出発した頃は結構空いていたのですが、
入りきれないクルマがずーっと路駐していました。

クルマで下りる途中、荷物のあたりから「ベキ」とか「ボコ」という音が響き、
何かと思いましたが、後で見たら空のペットボトルがつぶれていました。
上でふたを閉めたので、下に下りてきて気圧でつぶれたようです。

そういえば以前バイクで新五合目に行った時、売店のポテチの袋が
ぱんぱんにふくらんでいるのを見ましたが、その逆ですね。

今回は少々強行日程だったのと、道間違いで余計な体力を使いましたが、
どうにか登頂することが出来て良かったです。
次回はもう少し余裕のある日程で、剣が峰にも行きたいものです。


  (管理人)
下山道の逆登りは大変でしたね。混雑時ではバスツアーによってはそれをやらされます。北岳を登る人ですら大変なのだから普通の脚力ではかなりきびしそうです。お掃除用のビニール手袋が一枚あれば防水、防寒になると思います。


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(06/9/15)