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 みんなの登山記2008−11
 投稿者:ふじ子さん

■2008年7月12日(土)〜13日(日) 河口湖口

『富士山登頂10回記念 スイカ割り登山』

2003年に初めて富士山に登って以来、毎年登り続けて数年、登頂目的で登るのは今回で10回目となりました。ちょっとした記念として、今年は単独行ではなく、大勢でにぎやかに登り、更に何か楽しいことをしたいと考え、思いついたのがスイカ割り登山。夏のイベントらしいでしょ?(笑) 年明けくらいに、友人やその知り合いに声をかけ、女性だらけの7名のパーティができあがりました。ところが、直前になって仕事や体調不良等の理由で1人減り2人減り…。更にメンバーが二転三転し、結局以下のメンバー4人で登山することになりました。

ふじ子…28才 ♀ 山バカ☆ 最近マラソンを始めました 
Hさん…31才 ♀ 今回で富士登山4回目(登山記05−19参照) 以前同じ道場に通っていた空手仲間
トモ…25才 ♀ Hさんと同様、かつての空手仲間 富士山初挑戦
もっちー…28才 ♂ トモの職場の先輩 富士山初挑戦

タイムスケジュールはざっとこんなかんじです。

7/12(土) 昼過ぎに自宅(川崎市内)を出発して、Hさんと共に河口湖駅へ → 17:35発富士急山梨バスに乗り五合目へ → 19:15高速バス組のトモ、もっちーと合流 → 20:30五合目出発 → 21:15六合目 → 22:45七合目救護所 → 7/13(日) 0:15八合目 → 1:45本八合目 → 3:30登頂 → 5:00お鉢めぐり → 6:00剣ヶ峰(スイカと記念撮影&スイカ割り) → 7:00下山開始(河口湖口) → 11:00五合目

ではでは、スイカをお供に従えて出発しましょう!


◎五合目へ

7月12日(土) 朝から晴れてとてつもない暑さです。天気予報もまずまずの様子。ただ、大気の状態が不安定とのことで、少々それが気がかりですが、登山する時間帯は大丈夫だろうと予想して、本日出発することに決定。 Hさんと待ち合わせして河口湖駅へ向かいました。途中、立川〜高尾周辺で大雨が降りましたが、それもすぐ止み、次第にすっきりとした青空が広がってきました。河口湖駅からバスに乗り、五合目に向かっている間もどんどん雲が取れ、五合目に到着した時には夕日に照らされた富士山頂がはっきりと…。今回も楽しい登山になりそうです。

外にいると少々肌寒いので、五合園レストハウスに入って夕食タイムにすることに。Hさんが富士山の形をしたメロンパンを食べました。いいにおいにつられて、私も一緒に買って食べてみました。これが焼き立てでなかなかうまい! 本日の営業時間は19:00迄とのことなので、その後雲上閣へ移動。 ちょうどその時、一台の青いハデハデトーマスバスが上がってきました。もしかして、と思ってドアが開くのを待っていると、やっぱり降りてきました。新宿からの高速バス組の2人、トモ&もっちーの到着です。

雲上閣ではちょうど4人分のイスが空いていて、出発までそこでの〜んびり。 …それにしてもトモの服装、随分薄いんでないかい!? 事前にあれほど「富士山は寒いよ!」って言ったのに。お兄さんに借りたという薄いジャケットの下にシャツ1枚。しかもパラゾールくさいし。 「下着代わりのシャツは化繊?」「ううん、普通の。」 …買えって言ったのに(怒)。「ねぇ、死ぬよ。」「あと1枚、スキー用の上着はあるけど。」 …まぁ、それならいっか。 見兼ねたもっちーが、マフラーがわりに大判タオルを貸してくれました。そんなもっちーもなかなかの軽装。もう知らんぞ! 寒くても各自何とか乗りきりたまえ!!

そんなこんなで不安半分、開き直り半分で、20:30スイカ登山隊いざ出発!


◎〜八合目

先頭は私、最後尾はHさん、真ん中にトモともっちーを挟んでスローペースでGO。富士登山初めての2人はペースが上がり気味になるので、「ゆっくり行こう、ゆっくりね。」と声をかけ、スピードをセーブしながら歩きました。 今夜はわりと暖かく、風も穏やかでまずまずのコンディション。空を見上げると、雲一つないきれいな星空です。麓は少々ガスっていて、素晴らしい夜景!とは言い難いですが、まぁ、贅沢言っちゃいけませんね。登山者は7月の2週目にしては多く、前も後ろもヘッドランプの明かりが続いています。

21:10六合目に到着。軽く水分補給して、そのまま七合目に向かいます。 ここから七合目までひたすらジグザグの道。スローペースを保ちながら高度を上げていきます。時々後ろを振り向き、「休憩したい人〜?」と聞いてみるんですが、「大丈夫でーす!」と皆さん余裕の返事。

ノンストップで七合目に到着。 ここでズイッ!と前に出てきたトモ。「焼印押してもらってくる。」と気合十分で最初の山小屋、花小屋に入って行きました。そう言えばトモ、焼印スタンプラリーを楽しみにしていたんだっけ。 ところが、山小屋から出てきたトモの眉間にはシワが…。「最初の焼印(金剛杖を購入した雲上閣の焼印)とこんなに間が空いちゃったよ〜!」 なかなか細かいことを言うヤツです。「んじゃ、次は詰めて下さいって言いなよ。」「うん、そうする!」 なぜか異様に燃えているトモ。もっちー、このテンションについていってますか〜? その後、山小屋に立ち寄るごとに「焼印詰めてください。」と念を押して杖を渡し、戻ってきた杖に押された焼印をチェックしては、薄いだのコゲてるだのとダメ出ししていました(笑)。しまいには「焼印詰めて押してね、ミリ単位で!きれいにね!」…って馴れ馴れしいんだよ、トモ! 山小屋のみなさん、無礼なヤツを連れてきてすいませんでした!!

22:05七合目救護所通過。焼印の出来に一喜一憂しているトモを、冷静に傍観しているもっちー。毎日数キロのランニングを日課としている彼は、全く疲れを見せません。すでに登山道が混み出してきたので、休憩もそこそこに上を目指します。 それにしてもトモともっちー、七合目の岩陵帯もものともせず、「楽しい!」と言いながら登っていきます。何とも頼もしい。 更に順調に高度をかせぎ、0:10八合目に到着です。


◎〜本八合目

そろそろ寒さが気になり始めたトモ(やっぱりねぇ〜)、もっちーと一緒にあったかいものを食べてくると山小屋に入って行きましたが、断られてしまったようで、すぐに戻ってきました。時間帯が悪かったからかな…?

……ん!? あれあれ〜!? お〜い!! ふと後ろを振り向くと、ベンチに座ってこうべをたれているHさんを発見! 何かえらく消耗していませんか!? 「…もんのすごく眠いです。ちょっと寝てもいいですか…?」「ど、どうぞ…。」 初心者マークのトモ&もっちーばかり気にかけていて、Hさんの様子は全く見ていませんでしたが、まさかダウン1号になってしまうとは。 外のベンチで長居はできないので、15分程の休憩でHさんを促して出発。 登れば登るほど、どんどん人が増えてきて、渋滞になってしまうのも時間の問題です。ひょっとして、また今年も牛歩を味わうのか!?

相変わらずトモ&もっちーは元気で、寒い寒いと言いながらも、星空がきれいだとか、流れ星を見たとか、登山を楽しんでいる様子。焼印集めもはかどっているようです。 最後尾のHさん、無言です。が、がんばれ〜!

しばらく黙々と歩き続け、本八合目まであと少しというところで、突然の渋滞に巻き込まれてしまいました。毎度のことですが、本八合目の山小屋周辺は道幅が狭く、ひどいところでは人1人分の幅しかないので、シーズン中の週末は必ずこうなってしまうんです。数歩歩いてはストップ。なかなか前に進めません。 風も徐々に強まってきて、吹きっさらしの所だと非常に厳しい! 今まで全く気にならなかったスイカくんの重さが、歩みを止めると急激に両肩にのしかかってきます。う〜…、今ここで食べてしまえば軽くなるんだけど。そんなことを考えながら、腰を曲げたり伸ばしたりしている後ろでトモってば、「さっきからさ、ポーニョ ポーニョ ポニョ♪って頭から離れないんだよね〜。」なんてぬかしてるし。お気楽なヤツ…。

ちまちま歩いては止まってを繰り返して、1:55なんとか本八合目に到着。


◎〜頂上 10回目の登頂!

さっきから一言もしゃべらないHさん。ここらで大休止が必要なようです。トモ&もっちーも、まだ余力を残しているとは言えかなり寒そうなので、どこかの山小屋で食事休憩を考えました。この時間なら宿泊客が出発した後でしょうから、断られることはないと思います、たぶん。 胸突江戸屋あたりがいいかな?なんて考えていたら、突然、「眠すぎてこれ以上ムリなんで、3人で登ってください。私、ここで休んでいきますので。」と言い残して富士山ホテルに消えたHさん。あまりに唐突なので、一同「えっ!?」。 ちょっと待って、Hさ〜ん! この後、全くの別行動をとるのか、それとも後で合流するのか、せめてそれだけでも確認したかったんですが、何しろすごい渋滞のため、我々もその流れに逆らうことができず、結局そこら辺のことがあやふやなまま、Hさんと別れてしまいました。 まぁ、Hさんは富士登山経験者だし、後は携帯で連絡を取ればいいわけだから、どうにかなるだろ…。

胸突江戸屋前でやっと渋滞から解放され、そのまま休憩のため小屋に向かいました。中を見ると電気がついていなくて、何だかいや〜な予感。 「すいません。食事したいんですけど。」とおそるおそる言ってみると、「宿泊のお客さんがまだ出発してないから、中での食事はできないんですよ。」 …やっぱり。「もう少し待てば入れますか?」「うーん、後30分くらいはダメですねぇ。」 それじゃ凍えてしまう。 私の後ろでやり取りを見ていた2人に、「このまま山頂まで頑張れる人!?」とヤケクソ気味に聞くと、「はーい! 行きまっしょー!」と、これまたヤケクソ気味の返事が返ってきました。

もうここから山頂まで1時間半。寒いのなんか気のせい!スイカくんの重さも気のせい! トイレ休憩のみで、2:20本八合目出発。

ここから先は、とにかく人・人・人! ライトの列が山頂まで続いています。 八合五勺御来光館でトモは最後の焼印を押してもらい、後は無心で登るのみ。次第に蓄積してくる疲労と眠気。そして体温を奪う強風を前に、気がついたら3人とも無言に。超激混みの登山道は、渋滞を通り越して牛歩。進みたくても進めないもどかしいさが余計に疲れさせます。 そして背中のスイカくん、とっても重いよ〜…。五合目を出発してから1度しかザックを降ろしてないので、背中が痛ひ…!

東の空が徐々に明るくなってきました。この時期の日の出は4時半頃。この様子では、山頂に着く前に夜が明けてしまう。 何とか山頂でご来光を拝みたい一心で頑張って登り続けましたが、九合目の鳥居をくぐった時点ですでに4時半ちょい前。ご来光のシャッターチャンスを逃さないためにも、ここでいったん足を止めることにしました。 あまりの寒さに、足踏みしながらカメラを構えているトモ。そして、口にはあまり出さないけど、実はトモと同じくらい寒いもっちー、険しい表情で東の空を見つめています。私もひっきりなしに垂れてくる鼻水を拭きながら、6回目のご来光を待ちます。 見つめていた空の一点が急に明るくなりました。「あっ、あほこ(あそこ)の雲の上から太陽がでうよ(でるよ)。」 寒くて口が動かん(苦笑)。 その直後、朱色の光と共に太陽が昇ってきました。「わぁっ!」「おぉっ!」とあちらこちらから歓声が上がり、この時ばかりは皆足を止めて、その荘厳な光景に見入っていました。 隣のトモともっちーも、夢中で写真を撮っています。それを見たら、少しだけ肩の荷が下りたような気持になりました。

「じゃ、残りわずか、頑張りますか!」。再び歩き出し、5:25ついに山頂の鳥居をくぐりました。10回目の登頂です。そしてトモ&もっちー、初登頂おめでとう!やったー!!


◎山頂にて

「寒い〜、寒い〜…。」 3人で山口屋に転がり込みました。ちょうどうまい具合に3人分席が空いていて、救われた気分です。 私とトモはカレーうどん、もっちーはカレーを注文。いつも同じコメントですが、うまいです! 日本一高い所での朝食を終え、しばし3人でボー…。あっ、そうだ。Hさんにメールしないと。 『今、朝ごはんを食べたところです。これからどうしましょう?』と。

「さて、お二人さん。お鉢めぐりできますか?」 「……。」 「……。」 おいおい…(笑)。

でも男らしいもっちー、「今すぐは歩けないけど、もう少し休んだら大丈夫。」と根性を見せます。それを聞いたトモも、「2人が行くんなら私も行くよ!」。この2人、なかなかのものです。でも2人の様子を見ていると、どう考えても無理してるんですよねぇ。このままお鉢めぐりに連れて行っていいものか。「ここで終わりじゃないからね。登った分だけ下らないといけないわけだから、その体力は残しておかないと。」と言うと、「じゃ、今回はここまでにして、剣ヶ峰は次回にするよ。」と2人。ちょっと残念そうですが、ホッとした表情ものぞかせていました。 無理は禁物ですよね。それでは、今回はここまで!

あれ? Hさんから返事が来ない。まだ寝てるのかな? 直接電話をしたほうがよさそうなので、かけてみることに。ところが、何回かけてみてもつながらず、留守電になってしまうんです。ためしにトモにもかけてもらったんですが、結果は同じ。Hさんのいる場所が圏外なのか、それとも具合が悪くなって動けないでいるのか…。どちらにせよ、連絡が取れない以上、ここで待っていても仕方がないので、とりあえずHさんの泊まった富士山ホテルまで下りることにしました。

久須志神社にお参りして、トモは金剛杖に刻印を押してもらいました。スイカ割りは…、Hさんと合流してからにするか…。神社前の石碑をバックに、スイカくんと記念撮影。 再びザックに戻ってきたスイカくんを背負って、6:40下山開始。


◎下山 Hさ〜ん、スイカ食べちゃいますよー!

今日は午後から雨の予報が出ていましたが、今はまだ快晴。遥か下まで下山者がつづら折りに見えます。苦労して登ったのがウソのように、あっという間に本八合目に到着。胸突江戸屋前のベンチで一休憩。 その間に、私は富士山ホテルにHさんを迎えに行きました。中をのぞいて見ても姿が見当たらないので、小屋の方に「昨日の夜中、急遽体調不良で泊まったHさんて人、まだいますか?」と聞くと、「さぁ、わかりませんねぇ。」という返事。「宿泊者の名前は控えてないんですか?」「ハイ。」 えっ? そういうもんなの!?

どうやらすでに山小屋を出たようなので、もう一度電話をかけようとしたら、非常に電波状態が悪い。トモの携帯は使えそうなので、代わりにかけてもらうと、またしても留守電に。 いったいどこへ行ったの、Hさん。上? それとも下? 夜明けとともに我々を追って山頂を目指したか、諦めて下山したか、2つに1つ。何より、あれから全くHさんから連絡がないこと自体がおかしい。 やっぱり、あの後高山病か何かで体調が悪くなり、我々を待たずに下山したと考えるべきなんでしょうか。

こんな状況にもかかわらず、何だかおなかがすいてきたので、胸突江戸屋でカップヌードルを買ってきました。不謹慎でスイマセン! しばらく本八合目に止まり、数分おきに電話してみるものの、全くつながらず…。ま、下山したなら五合目から、仮に山頂へ向かったとしても山頂から、いずれはHさんから連絡があるでしょう。ただ単に、電波状況が良くないだけかもしれないし。 富士山ホテルのトイレをお借りして、8:15本八合目を後にしました。

「ねぇ、スイカいつ食べるの?」とトモ。「うーん。Hさんとはもう合流できそうもないし、ここまできたら1番おいしいタイミングで食べたいよね。今はまだ寒いから、七合目まで下ろうか。その頃にはだいぶ暑くなってるから、最高の食べ頃だよ。」「いいね〜!」 トモはスイカ大好きだそうです。

トモ&もっちーはホントに健脚です。長いつづら折りの道を休むことなく歩き続けています。どんどん高度を下げ、さっきまでいた山頂が遥か遠くに見えると、ちょっと寂しい気持ちに…。 「ここら辺にしようか。」 七合目の途中、ジグザグの折り返しに比較的広めのスペースを見つけました。でも、あいにくスイカ割りができるほどの広さはなく、足元も平坦ではありません。仕方がない、『スイカ入刀』といきますか。こんなこともあろうかと、ザックに包丁を忍ばせておいてよかった。  さあ、まずは記念撮影です。通りがかりの人にお願いして、シャッターを切ってもらいました。スイカを掲げてハイ、チーズ!! いい写真が撮れました。



赤い溶岩の上にスイカを置いて、まずは真っ二つ。それを冷静に眺めているもっちー。そんな2人をおもしろがって、写真を撮りまくってるトモ。傍から見たらヘンな3人ですかね〜。 いざ切り分けてみると大量です。のどが渇いているのでたくさん食べたんですが、それでもかなり余ってしまったので、近くで休んでいる方にもおすそ分け〜☆ 「トモ、近くの人たちにスイカ勧めてきて。」と頼むと、「あの! スイカ食べませんか?」。ちょっと〜、もっと愛想よく言えないのかい(苦笑)。 私も一緒にスイカを配ると、みんな最初は戸惑っていながらも、「じゃ、遠慮なく。」と受け取ってくれました。「こんな所でスイカを食べられるなんて!」とか、「疲れがとれました。」などと言ってもらい、私もなんだか嬉しくなりましたね〜。 たくさんおすそ分けしましたが、それでもなかなか食べきれず、残り半分はお持ち帰りすることにしました。食べ終わったスイカの皮はもっちーが持ってくれ、私はザックに入れることのできなくなったスイカくんハーフをウェイトレスのように片手に持ち、再び下山開始。五合目まであともう一頑張りです。

ザクザクと砂礫の斜面を下ること数十分、六合目まで戻ってきました。ここまできて、ついに疲れをあらわにしたトモ。歩くスピードが急に落ちてきました。「足が思うように動かないんだよね〜。」と、それでも笑う余裕はあるようですが。 私も時々後ろを見ながら歩いているつもりなんですが、気付くとトモを置き去りにしてどんどん先に行ってしまうので、優しいもっちーがトモのペースに合わせて歩いてくれていました。 「トモ! ドMはこういう状況に強いんでしょ!?」(暴露してゴメンネ〜、トモ★) 「うん! 今、本領発揮しようとしてるとこ!」 もうヤケクソになってます(笑)。

最後の最後に現れる登り坂を何とか歩き、10:50ようやく五合目に帰ってきました。

疲労困憊のトモ、ポーカーフェイスのもっちーも、さすがに疲れを隠せません。2人ともお疲れ様!


◎五合目でドタバタ!

そうそう、忘れちゃいけないHさん。あらら〜、未だに電話もメールも入ってないし…。ちょっと不安になってきました。 でも、その前に何か食べよ。またまた不謹慎でスイマセン! だっておなかがすくんだもん。 広場の屋台でイカ焼きを買って食べている時、どこからかピーポーピーポーと救急車のサイレンが聞こえ、そのまま我々の前を通り過ぎ、スバルラインを下って行きました。

「ここで休んでて。ちょっと登山道の方を見てくるから。」 トモともっちーをその場に残し、再度登山道に向かいました。もしかしたら、どこかでHさんを追い越したのかも。だとしたら、そろそろ五合目に到着する頃かもしれません。でも、六合目の手前まで行ってみましたが、Hさんの姿は発見できず、虚しく引き返してきました。

冗談半分で「Hさん、さっきの救急車に乗ってたりして。」と言ったら、「私、確認してくる!」と突然どこかへ走り去って行ったトモ。まさかね…、と思いつつも、全く連絡のつかないこの状況を考えると、冗談が冗談でなくなったか…!? 数分後、トモから電話があり、五合目総合管理センターにいるとのこと。私も急いでかけつけました。職員の方の話によると、さっきの救急車で搬送されたのはHさんではないとのことでした。
Hさんの泊まった富士山ホテルの電話番号を教えていただき、もう一度小屋の方に確認してみても、目立って具合の悪い宿泊客は特にいなかったという返事。その時の体調により、3時間で下山できるところが、4時間5時間かかったりすることがあるので、もう少し様子を様子を見ては、と総合管理センターの方が仰るので、バス停でしばらく待機することにしました。 Hさんの性格だったら、先に帰るにしても黙って行ってしまうとは考えにくい。かといって、未だに下山中というのも…。そもそも、10時間以上携帯が全くつながらないこと自体が不自然です。携帯が故障したか、もしくは落とすかして使えない状況にあるんでしょうか。

河口湖駅行きのバスを1本見送り、2本見送り…。 夕方ギリギリまで、ここで待っていてもいいと言うトモともっちーですが、もうかなり疲れているご様子。「しょうがない。次のバスで帰ろう。」 見切りをつけて14:15のバスに乗ることにしました。発車時刻まで40分。最後にもう一度登山道の様子を見てくるか…。「ちょっとここで待っててね。」 またまたバス停に2人を残し、再びダッシュ。 吉田口との分岐、六合目の分岐、Hさんが道を間違えるはずはないと思いつつも、念のために見回りましたが、やっぱりダメでした。その後も、可能な限り走り、探し回りましたが、ただただ時間が過ぎていくばかり。時計を見ると発車20分前。タイムリミットです。

バス停に戻り、心配顔のトモともっちーに、「Hさんのことだから大丈夫だよ。夜になればきっと連絡あるはずだから。」と声をかけ、我々は五合目を後にしました。

何とも不安の残る富士登山でしたが、トモ&もっちー、これに懲りずに次回は剣ヶ峰を目指そうねー!


◎おまけ その後の話

なんと、その日の夜になってもHさんと連絡が取れず、いよいよ私は慌てました。彼女の家の電話番号を知らないので、H家に直接確かめることもできず、かといって、まだ警察にかけ込む段階ではないので、その晩は不安を抱えたまま眠りにつきました。 翌日、出勤前に祈るような気持ちでHさんの携帯に電話すると、またしても留守電のメッセージが流れてきて、もう半ベソ状態の私。事故じゃないよね、Hさん…。

出勤しても、Hさんのことで頭がいっぱいで、全く仕事が手に付かず…。そして迎えた昼休み、ついにHさんから電話がかかってきました! 「もしもしぃ!! いったいどうしちゃったんですかぁ!? ………!」。

以下はHさんの話。 本八合目で別れた後、富士山ホテルで爆睡。翌日、連絡を取ろうと携帯を手にすると、故障していることが判明。高山病の症状も悪化したため、日が高くなるとともに下山。ひどい吐き気におそわれて休み休み歩き、10時半過ぎ頃に五合目に到着。1本バスを見送り我々のことを待っていたが、11:30のバスで五合目を後にする。 その日の夜は自宅でグッタリ…。翌日(今日)に携帯ショップへ行き、今やっと新品携帯で電話をかけた…と。

…あは、あはは……。なーんだ、心配して損…、イヤイヤ、ご無事で何よりHさん。 するとなんだ? 下山中の我々のほんの数百メートル先を、Hさんは歩いていたってこと? しかも、私が五合目でイカを食べている時、Hさんはバス停でバスを待っていたわけだ。 ヘナヘナ〜っと崩れそうになる私。

富士山登頂10回記念。一生忘れられない思い出になることでしょう、きっと。

/おしまい


(管理人)
今年もふじ子さん登場! 今回は普通の富士登山かと思いきや、しっかりスイカを運んでいます。 さすがの健脚。



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(08/8/8)