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 みんなの登山記2008−24
 投稿者:T.Fさん

■2008年8月13日(水)〜14日(木) 須走口

30代から40代の仲間男女5名で、富士登山に挑戦。5名中登山初心者2名で、富士登山経験者は1名でした。

春ごろから事前に奥多摩の山に登ったり、装備のことなど確認し合ったりして準備しました。特に紫外線と雨対策に関しては、入念にしました。私は、登山経験はあるのですが、富士山は初めてでしたので、ルートを選ぶ上でも、装備に関しても「あっぱれ!富士登山」はとてもとても参考になりました。

メンバーの中に、体の弱い人もいるために、体調に応じて、2日目は登頂グループと大陽館待機グループに分かれることも念頭において、7合目の大陽館で1泊して日の出をみてからゆっくりと山頂を目指す計画をたてました。

○須走口新5合目まで
7:00新宿発の小田急箱根高速バスに乗り込み、御殿場駅まで。渋滞のため約40分遅れの9:20頃到着しました。そこから駅構内を抜けて、富士山口に出て、9:40発の須走口新5合目行きの登山バスに乗り新5合目まで約1時間。往復切符を購入すると2000円です。お盆なので座れないと予想していたのですが、さほど混んでおらず、皆座れました。  

新5合目はひんやりとして霧がかかっていました。高度に体を慣らしたかったので、東富士山荘できのこ茶をいただき、きのこそば(他の仲間はきのこうどん)を食べてゆっくりとしました。噂どおりどちらもとても美味しかったです。下山してからの着替えなど5人の荷物を紙袋にひとまとめにして無料で預かってくださいました。

○新5合目〜7合目大陽館まで 約5時間
12:25準備体操をして、出発。曇りと霧。'ゆっくりゆっくり'を合言葉に歩きました。気持いい樹林の中をしばらく歩くと次第に、樹木が低くなってきます。ほたるぶくろや名前の知らない可愛い高山植物も咲いており目を楽しませてくれます。  

だんだん傾斜が急になってきますが、時折左に下山路の砂走りを歩いている人たちを眺めながら、1歩1歩深く呼吸をしながらゆっくり登りました。

17:30大陽館到着。スローペースでしたし、霧の為あまり視界はありませんでしたが、高度とともに移り変わる自然を楽しみながら登れたので、強い疲労感はありませんでした。

○大陽館にて1泊
割り当てられて場所で荷物整理をしながら夕食を待っているときに、雨が降り出し、雷も鳴りだしました。布団1枚に2名(寝袋)か、布団2枚に3名という感じで、予想していたよりゆとりを感じました。

6:30頃夕食。ハンバーグ定食。豚汁が胃に沁みて、お替りしてしまいました。仲間の一人は、だるくて食欲がなく殆ど食べられませんでした。またもう一人は、高山病の症状の頭痛がでてきました。私自身は、これも気圧の影響だと思うのですが、お腹が張ってしょうがなく、何度もトイレに駆け込んでいました。アミノバイタルを飲んで、8:00頃就寝。耳栓は必需品。

4:00起床。晴れ。次第に空が鮮やかな色に変わり、まるでルーベンスの作品の色彩のような美しさでした。5:00朝食。卵焼き、のり、お漬物、ご飯、お味噌汁。

昨夜頭痛の症状がでた友人は、登頂しないことにして、少し大陽館にいさせてもらい体調が良くなったら、一人でゆっくりと下山を開始し、砂払い5合目か新5合目の東富士山荘で落ち合うことにしました。夜中に頭痛で眠れなくて起きてきた時に、小屋のスタッフの方が頭痛の治し方を教えてくださって、だいぶ楽になって眠れたとのことを後から聞きました。腹式呼吸で2メートル先にむけて息を思い切りはくのを30分続けると良いとのこと。昨夜食欲がなかった友人は回復。私は、朝になって軽い頭痛の症状がでてきました。

○7合目大陽館〜山頂 約4時間
6:15出発。友人に見送られて、4名で登頂開始。視界は良好。登りながら仰ぐと頂上の小屋と下山している人まで見えます。

6:50、本7合目着。7:40、8合目着。8:25、本8合目着。9:30、9合目着。小休止をとりつつ、水分補給をしつつ登ります。ところどころ登山道の脇に、倒れるようにして寝ている人をみかけ、なにか異様な光景でした。8合目あたりから頭痛がさらにひどくなり、友人に指圧をしてもらって9合目からは少し楽になりました。9合目を過ぎると岩ばかりです。山頂付近は渋滞を予想していたのですが、渋滞時間を外したせいでしょうか、思いのほか混んでいませんでした。

10:15山頂着。雲がでてきて、全部はみえませんでしたが、河口湖や三つ峠山も見渡せました。雲が目線の高さにあります。山口屋で、味噌ラーメン(800円)を食べて、休憩。塩分が嬉しく、汁まで飲んでしまいました。お鉢めぐりは最初からしない計画で、スパッツをつけるなど下山の準備をしました。今回は行動食に、飴、黒糖、クッキー、せんべいを持っていきましたが、友人の持ってきてくれたサラミがとてもおいしく感じられました。お勧めです。

○山頂〜須走新5合目 3時間15分
11:15下山開始。ひたすら下り。どうしたら膝に負担をかけず下るかいろいろ試し、ジグザグに下りたり、スキーのボーゲンのように足をハの字にして、左右に体重をかけながらはずむように下りたり。結局私は、ボーゲンが一番歩きやすかったです。砂走りもこの歩き方で降りました。13:00、大陽館着。14:00、砂払い5合目着。14:30、新5合目着。

先に下山した友人が出迎えてくれて、再会と登頂を喜び合いました。東富士山荘のきのこ茶がまたなんと美味しく感じられたことか。ここまで来たら頭痛はすっかり無くなりました。水は用意していった1.5リットルでちょうどでした。

○須走新5合目から
15:00発のバスに乗り、15:50、御殿場駅着。バスの中は座れたのですが、いろは坂のような道で酔ってしまい気持ちが悪くなってしまいました。

駅につき少し休んで、16:45発の無料シャトルバスで天然温泉気楽坊へ。広く快適な温泉でバスタオルとフェイスタオルがついて60分1000円でした。2階の食堂で、乾杯して、食事。19:02発のシャトルバスで御殿場駅に戻り、19:45発の最終の小田急箱根高速バスで新宿へ。

○振り返ると
富士山登山はひたすら登りひたすら下りなので、北アルプスなどの高山にくらべ、変化が少なく、苦行のような要素もあるなと感じました。だから信頼できる人たちと、装備や計画をよく打ち合わせしつつ準備して、ゆっくり登ることを楽しむことが大切だなと思いました。登頂は無理せず、途中まででも良いという気持ちで計画を立てるほうがよいと思います。私自身は、素晴らしい仲間達と協力して楽しく登れたこと、天候もよかったことが本当に感謝でした。


(管理人)
うまく雷雨を避けるように山小屋に到着できてなによりでした。大陽館では高山病対策の呼吸法を親切に教えてくれます。以前は風船を膨らませる方法でした。このやり方は初耳ですが、強く吹き出すことをイメージできて良い方法だと思います。



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(08/8/19)