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 みんなの登山記2008−51
 投稿者:Y.Iさん

■2008年9月14日(日)〜15日(月) 須走口

50歳男性。河口湖口から1度登った息子(みんなの登山記07-40)と、2度目の富士山です。8月は炎暑の中、いっしょに雲取山に登りました。去年よりはスタミナがついたと感じ、河口湖口より距離が長い須走口からの御来光登山に挑みました。去年は果たせなかった剣が峰登頂も目標です。

横浜から車で出発し、東名高速は御殿場ICを12:25通過。しかし、富士五湖方面の国道138号はとんでもない渋滞で、車がほとんど動かず、国道246号との交差点「萩原西」まで35分もかかりました。ふだんだったら5分ぐらい通過する場所。3連休の中日ということで、各方面から車が殺到したようです。その先も東富士五湖道路入り口までの数珠つなぎは必至な状況。下手すると、日没までに今夜の宿の七合目大陽館にたどりつかない恐れもありました。さて、どうする?

そこで「萩原西」交差点を右折。東京方面に逆走し、4.7km先の「菅沼」交差点で左折。ゴルフ場のわきをすり抜けて、あっという間に須走の浅間神社前へ。渋滞とは無縁でした。まだそれほど使われていないルートなので、頭の隅に入れておくといいです。もっといえば、東名を大井松田ICで降りて246号を西に行き、「菅沼」交差点で右折するルートだって、時間的に遜色がないかもしれません(高速料金も安い)。

こうして五合目駐車場には13:40に到着しました。この季節は登山よりキノコ採り、山菜採りがメーン。シニア、家族連れでにぎわう中を14:15出発。天気は曇り、気温は15℃とやや高めです。登山者はあと2人を見かけた程度。実質的にオフシーズン入りしているので、ステッキを使いながらのんびりと登ります。下界はガスで包まれ何も見えず、雨がぱらつくときもありました。五合目からちょうど3時間で大陽館着。

お客さんは30人ぐらい。18時前に夕食に呼ばれ、ハンバーグ定食とトン汁をおいしくいただきました。食後すぐに耳栓をしてぐっすり寝込み、目が覚めたら21時前! その後、目が冴えて眠れず、1:40ごろからゴソゴソと準備をして息子を起こし、2:15に出発しました。山小屋の温度計は2℃。見上げると、富士山頂に中秋の名月が寄り添う絶景です。晴れ渡った星空を凝視すると、なぜかシリウスをはじめ、明るい星が2つに分裂しています。遠近両用メガネのせいだと気づくのに時間がかかりました。

さて、服装・装備についてまとめてみましょう。五合目から大陽館までは普通に長袖・長ズボンの軽装です。防止・手袋は不要。大陽館を出るときの出で立ちは、私がダウンジャケット、息子がスキージャケット。手袋もともにスキー用。冷たい強風が吹き荒れていたので、私はバンダナに帽子、息子はジャケットのフードをかぶり、さらに靴の中敷きを差し込みました。これで防寒は万全。足りなければ雨具を重ね着する構えです。月明かりがあるものの、ヘッドランプは着用しました。

下山道を歩く去年の轍を踏まないよう、進路を右に右に取ります。これは大成功。しかし、八合目あたりから息子の足元がおぼつかなくなりました。酸素缶を使っても気分がすぐれず、顔色も青い。風は収まり、むしろ暖かめのコンディションですが、これには弱りました。去年以上に休み休み登り、八合五勺の御来光館の上でご来光を迎えました。山頂にたどり着いたのは6:52。去年より難儀をしましたが、雄大な雲海を見下ろすと、何ともいえない幸せな気分になります。来てよかった。

山頂の気温はちょうど0℃。風が弱いので寒さは気になりません。しかし、ぐったりとした息子の姿にまたも剣が峰は断念。私だけ大陽館の弁当を食べ、7:20に下山を開始しました。砂走りに備えて早めにスパッツを着用。疲れた息子が「一休み」というので、八合目と七合目の真ん中あたりの下山道わきにある窪地にごろりと寝転び、小一時間まどろみました。細かな砂礫スロープが背中になじみ、柔らかな朝の光を浴びつつ、心地よい風がそよぐ。まさに極上の休憩でした。

息子は元気をすっかり取り戻し、ジャケットを片付けて、薄い手袋にチェンジ。ステッキを駆使して砂走りを駆け下りました。ここは御殿場口の大砂走りと違って大きな石があるので前方を十分注意しなければいけません。ただし、途中から右側の斜面を削った新しいコースが出現。こちらは大石がなくて安心して通れました。砂走り五合目通過後、2年前は苦労した樹林帯の岩場ルートが、今回は砂礫が多いルートに変わっており、10時半すぎに楽々五合目に到着しました。

水分は私が2リットル(ポカリ)、息子が1.5リットル(アクエリアス)を持ちましたが、2人で1リットルも消費しませんでした。4本用意した行動食(ソイジョイ)は食べず。トイレは行きの五合目(使用料200円ずつ)と大陽館だけ。大陽館でもらった帰り用のチケットは行使しませんでした。息子の不調は高山病というより、夜中に起こされて行動するのがつらかったみたいです。次は早朝から日帰り登山をして、ぜひ剣が峰を極めさせたいと決意しました。

今回登山マナーで気づいたことは、八合目以上の河口湖口・須走口の登山道を下る人が目立ったことです。とくに外国人。何人かに注意しましたが、下山道があることを知らなかったようでした。事前調査ぐらいしてもらいたいのですが、いざ頂上についてみると、「下山道はあちら」という目印がありません。外国語の表記も含めた目印を立てておくべきでしょ、と思いました。

タイムスケジュール:12:25御殿場IC→13:00国道246交差点→13:38須走口五合目14:15→15:30六合目長田山荘(営業)15:39→16:12本六合目16:17→17:15七合目大陽館(営業)2:18→3:07本七合目見晴館(閉鎖)3:10→3:43八合目江戸屋(閉鎖)3:53→4:18八合目富士山ホテル(営業)4:25→4:50八合五勺御来光館(閉鎖)5:00→5:25日の出→5:40九合鳥居5:48→6:52山頂7:20→7:55八合目富士山ホテル横→50分うたた寝→9:23大陽館9:25→9:30砂走り入り口→9:46終わり→10:35須走口五合目


(管理人)
本八合目の山小屋は今年は9月15日(月)まで営業。ここまでが観光として富士登山ができる最終期限で、当サイトでも「元気な経験者ならこの日まで」という認識です。



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(08/10/1)