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 みんなの登山記2009−43
 投稿者:シカオさん

■2009年9月15日(火)〜16日(水) 河口湖口

ご来光目的の徹夜登山に行ってきました。

神奈川県在住38才会社員・男性、シカオと申します。初富士挑戦です。 いつも現自宅の付近より、時折美しく雄大に顔を出す富士山・・ 出身は長野県ですが、普段登山には興味が無く、むしろ海のほうが好きです。 山も好きですが、せいぜい車で行ける範囲でのドライブオンリー。
9月5日:久々にずいぶん前に退職した会社のメンバー約15名での飲み会が、横浜西口でありました。皆それぞれ、大体のメンバーは当時とは違う職場で頑張っている様子です。当然懐かしいので、当時を思い出しみんな盛り上がっていました。 そんな中、「富士山登ったことある?」という会話になり、とうとう最後には 「よし、雪が降る前に登ろうか!!」という成り行きに・・・。これが今回のきっかけとなりました。私を含め、S君Y君O君の計4名で登頂を約束しました。

しかし、お互いいい年のサラリーマン。そうそう現実に4人の日取りがうまく合いません。素人の9月の後半の登山は危険と判断し、16日がぎりぎりなんじゃないかと言うことになり、この日に行けない者は来年にしよう!となりました。当然当日天気が危なそうなら中止する予定です。前々日ぐらいになり、2人の予定がアウト。結局、私と友人のS君31歳(以下S)とで来年の為の下見も兼ねて、今回は2人で挑戦することになりました。 このときSから初めて「あっぱれ富士登山」を教えてもらいました。ぱっと見、完結明瞭で見やすかったので私は一発でファンになりました。ほぼこのサイトで富士山の勉強したので素人ながら、最低限の知識と地理を学ぶことが出来、今も感謝してます。

9月15日:当日雨(笑)。昨日まであんなに晴れてたのに、、、がっかりです。お互い 15日は夕方まで仕事だったので、「まずは夕方まで様子を見よう」ということに。 その後も雨曇りが続き、「せめて5合目までは」ということでひとまず決行。 Sが横浜方面から出発したのがPM8:00位、私はPM9:00位に東名厚木ICにはいりました。待ち合わせは御殿場IC前の足柄SA。私がPM10:00到着。SとはPM11:00に落ち合いました。とりあえずここまでお互い無事で会えたことに感謝。しかし計画ではPM11:00にはすでに5合目でウォーミングアップしてることに!!外は相変わらず雨で、時折強くなってきました。

急いでスバルラインに向いました。スバルライン料金所で2000円を支払い、少し急ぎ気味で運転しました。 「うわっ〜!!!!」いきなり動物が車を横切ります。挽きそうになりました。鹿です。 しかも立派な角で、でかい!その後はスピードを出せませんでした。その後も鹿の親子を10匹以上目撃しました。びっくりしたのはニホンカモシカ(特別天然記念物)がいたことです。さすが夜行性たち、夜のスバルラインはサファリパーク化しています。 結局1台の車にすれ違うことなく、一匹も轢くことなく5合目に到着。AM12:30。

9月16日:登山の無事を祈願する時間もありません。ご来光はAM5:30分位。 不思議と雨は止みました。GOです。15分で支度していよいよ出発AM1:00。書かれていた通り最初は下りです。暗闇の中ヘッドランプのみで進みます。暗いですが左側にすでに雲海が見え始めました。他に登山者は誰もいません。「全然誰もいないのも不気味だね」「一人ではちょっと無理だな」などと言いながら、最初の挫折点を迎えることに。



 なんと通行止め!!これには参りました。「こんなことネットで書いてあった?」ただただ呆然です。どうしようか思案していると、なにやら脇からから人の気配。人です。しかも無灯火単独!!本当にびっくりしました。ライトも点けずに一人で樹海を、、、まさか!?と思いました。話しかけるのも怖かったんですが、よく見ると登山スタイルです。私「登山ですか?」恐る恐る。「ええ、まあ」 私「通行止めですね!」 「下山道で登る方法もありますよ」 私「でもここから行けるところまで行ってみようと思います。」 「そうですね自己責任ですね」相変わらず無灯火でその方は淡々と登って闇の中に消えて行きました。50歳前後でベテランの雰囲気をかもし出していました。星などを楽しみながら歩くマニアなのかな?とも思いました。その後その方とは二度とお会いしませんでした。その時パッと上を見上げると、ものすごい星の量。怖いぐらいに。2人とも流れ星を目撃出来て満足です。

まだ6合目にもならないうちに2人ともへとへとになってしまい、第二の挫折感を食らいました。休憩です。荷物を降ろすと信じられないくらい軽快になります。今回私の30リットルバッグは13キロ以上です。初めてなので色々な余計なものまで詰め込んでいると思います。おまけに一眼レフカメラを持参しました。どうしてもご来光の写真を収めたかったのです。疲れる原因ははっきりしました。「荷物です」

荷物の重さに体が慣れてきたころ、7合目花小屋に到着です。AM2:42。 日の出館AM2:53分、赤い鳥居のある鳥居荘にAM3:38分。いちいち休憩しながら進みました。岩場をよじ登る場所が多く、本当に疲れます。「荷物さえなければ、ほいほい進めるんだろうなー」などと言ってみます。気温は0度でした。寒いです。 しかしヘッドライトは必需品ですね。手でライトを持ちながらはつらいと思いました。

8合目太子館を過ぎたあたりで、かなり早い朝食を岩の陰でいただきました。まだ真っ暗です。この時点でかなりの疲れと睡魔まで襲ってきます。とりあえず食べようということになって、私は梅のおにぎり2つ、ソーセージ1本、ビーフジャーキー、アクエリアスゼリーをいただきました。美味しかった。Sもだいたい同じようなメニューだったような。この時、私が事前にこのサイトで調べておいて持参したホットコーヒー(魔法瓶)を2人で飲みました。これは本当に美味しかった。生き返りました。この時期ホットは欠かせないな・・・実感です。その時下の山小屋で何やら数人がごそごそ外に出てきました。しばらくするとガイドさんらしい人が先導で15人ぐらいのパーティーを率い私たちの前を横切って前へ進み始めました。若めの男性女性半分ぐらいづつです。いままであまり登山者を見かけなかったのと、しかもまだツアー客がいるんだと感心しました・・・。ひとりひとり挨拶を交わします。

白雲荘の手前で空が薄明るくなり、「この辺でご来光になっちゃっうね(笑)」 砂利の上に座り、頑張って持ってきた一眼を取り出しました。 晴れていて、ものすごい雲海、ものすごい迫力です。 5:30分ごろから一部が強烈なオレンジ色になり、5:34分素晴らしい閃光を拝めました。 言葉も出ません、感動のご来光です!



ありがとう富士山! その後急に太陽で暖かくなり、空は青空へ。ありがたや。

その後、元祖室にAM6:11分、ここまで来ると結構な高さです。違世界を感じました。 多分住んでいる親父さんが雲海を眺めて一服していました。好きなショット。 客は見当たらず。ここでしばらくSを待ちます。

しかし8合目は長い!とても長く感じました。「まだ???」と叫んだのは私だけでないはずです。やっとの思いで9合目8:38分迎久須志神社です。見上げるともう少しの雰囲気です。 ここからは又岩登、クレイジークライマー。ここが最高に疲れました。 持ってきたポテトチップスがここで破裂!写メの前に残念。ここで気付いた事が。 それは湿気です。日陰にザックを置いたのですが、こんなに天気が良いのに ザックはかなり湿っています。「あれ、中の水が漏れてるのかな?」と思いましたが、違いました。最近の雨が原因かもしれませんが、他の場所でもそう思いました。溶岩という地質上、水蒸気の抜けが良く湿気が上がり、特に日陰では湿気が太陽で蒸発出来ずに残るのでは?と勝手に解釈しました。

ややっと奥の白い鳥居に、、つきました。。・。:・。。AM9:35分。いったい何時間かかったんだ!!!?8時間以上? Sも頑張って15分後に到着です。お疲れ様!!!

高山病についてですが、私は全く症状が出ませんでした。むしろ上に向うにつれ、頭の中がスカッとする感じで気持ちが良くなりました。Sは携帯酸素を要所で吸っていましたが効果は今一だそうです。私は800円もする「食べる酸素」持って来ましたが、次回は100円のピンキーにしようかと(笑) まあ、登りに8時間以上もかければある程度順応するのかもしれません。

しばらく休んでお鉢めぐりです。左回りで行くことにしました。回りには我々他4,5人 の登山客が居ましたが、登って来るときから何回も会話を交わしており、頂上ではもうほとんど知り合い状態でした。これも登山の醍醐味ですね。写真を頼むのもとても楽チンです。 ドコモのFOMAは見晴らしの効くところでは通話、メール共にOKでしたが、少しでも岩陰になると圏外でした。

お釜の雄大さには本当にびっくりしました。こんなに大きいとは・・・。すごい迫力! 登った地点は多少風がありましたが、内部に歩き出すと無風になりました。 Sと火口棚の岩陰で無風の中休憩です。ものすごい日差しでぽかぽかしているので、 眠くなってきました。なにかプールサイドでくつろいでいる感じです・・・ でも寝てはいけないと思い、1時間ほど食べたりしゃべったりしながら睡魔と戦いました。足の不調を訴えていたSもこの休憩でかなり回復したようです。良かった。

出発するか!ということで馬の背へ向います。ここはきつい。そして何よりも右頭上の今にも崩れ落ちそうな岩が怖い!!!今回一番の恐怖を感じました。走れないし。

無事乗り切るとやってきました日本一、最高峰エリア、剣が峰測候所。感無量です。 来て良かった!奥のルーフバルコニーのような所も行ってみました。ここも怖かった。 よく見るとバルコニーの下で作業している数名が。。。ああ恐ろしい。 ご苦労様です。。

剣が峰の碑で感じの良いカップルににお会いしました。写真撮ってもらいました。 カメラに詳しい方で、10mm-24mm超広角レンズにてパチリ。

このアングル好きです。山頂って感じで。お互い数枚づつ撮りあいました。 私は迷彩服を着てたせいか、道中3名ぐらいから「お仕事ですか?」と言われました。 遊びです、、。 (このときSは事情で山口屋付近で休憩していました)

Sと再会すると、閉まっている浅間大社を通り、須走口下山道に到着PM12:42分。 この間の崖が怖かった。柵が無い絶壁みたいなところがありました。あまり風が無かったので助かりましたが、強風時はみんなどうしてんだろ?と思います。三番目に怖いスポットでした。 なんだかんだでお鉢めぐりで3時間以上費やしました。雲海から突き上げる積乱雲も無く、無風の時間が長かったからですが。ラッキーでした。

下山開始です。初めは「楽だね〜下山は」なんて言っていたものの段々足が笑ってきます。目標は3時間半です。江戸屋分岐点までは何とか快調でしたが、そのあとがもううんざり。行っても行っても同じ風景。「さっき通ったよね」みたいな会話まで。まめに休憩しました。落石が怖かったですね常に。ブルとは3台ほどすれ違いました。 今回私はカメラの一脚を杖代わりに持って来ました(これはとても便利でした)が 途中から足がつらそうだったSに杖として貸しました。おかげで2人で制覇出来たので大正解でした。次回は専門のダブルステッキを強く購入したいと思いました。 途中5名ほどの登山客とボランティアのごみ拾いの方とすれ違いました。

なんとか6合目到着です。PM3:48分。ここからが又長ーいい!しかもトドメの登り坂。素人にはつらすぎます。この仕打ち・・・・ この間10組程の登山客とすれ違いまして、その中の白人二人組みは山頂の状況を あれやこれや質問してきました。情報をつかむと満足げに笑顔で登っていきました。 今回の往復でお会いした登山者は、ツアー含め50名位でした。その中には1名たまたま知っていたプロカメラマンもいらっしゃいました。

馬の糞に気をつけながら、帰ってきました駐車場。都会の匂いがします。PM4:31。 本当にお疲れ様でした。自分にもSにも。 ただただ富士山と山の精霊に感謝です。ありがとうございました。また来年!? (河口湖口はもういいです。笑)

長々と失礼しました。次回は管理人さんお薦めの「須走口」に4人で挑戦します。

(管理人)
山頂が快晴でなによりです。一眼レフカメラが活かされました。
登山道が閉鎖されても9月中旬までは山小屋は営業していますが、閉鎖中の期間は、山梨県は登山道の安全を保証していません。完全に自己責任で登ります。



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(09/9/21)