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 みんなの登山記2010−14
 投稿者:草食系親父さん

■2010年7月25日(日)〜7月26日(月) 須走口

38歳の私(父)、6歳(小学校1年)の長女。父娘二人で登りました。
昨年夏、悪天候で登頂を断念した須走口で再挑戦。
今回は登頂に成功、お鉢めぐりもできて、富士山を堪能した二日間でした。

【準備・計画】

昨年は新七合目大陽館に宿泊しましたが、今年はその1つ上、本七合目見晴館に予約をお願いしました。 前回の1日目、新七合目までの登りは問題なくクリアできたので、もう少し登っても平気だろうと判断しました。 もし今年も2日目リタイアになった場合、昨年以上は登ったという結果が欲しかった、というのも正直なところです。

登山の正確な記録を取りたい、登山中に現在地や移動距離を把握したい、そんな想いでGPS(eTrex Vista HCX)を手に入れました。

山小屋の予約もし、GPSも買った矢先の6月26日、娘が割れたガラス瓶を踏んでしまい、10針ほど縫う怪我をしてしまいました。 登山予定日まで1ヶ月、今年は無理だなと半ば諦めていました。 しかし子供の回復は早いもので、予定1週間前にはお医者さんのお墨付きもいただき、娘もやる気になっていたのでチャレンジすることを決定。 ただ、傷は癒えたものの、3週間まともに歩いていなかったので、体力的なことが気掛かりではありました。

登山計画としては、前回と同じく、夜間の登山は全く考えず、明るい時間帯だけで行動することにしました。 初日の予定は、11時にバスで新五合目に到着、12時から登山開始です。 昨年の記録では、新七合目到着が16時05分だったので、同じペースでも17時までには本七合目に到着できると考えました。 2日目の予定は、山小屋でご来光を迎えたあと朝食、6時ぐらいから山頂を目指し、10時までに登頂できればいいなと考えていました。 お鉢めぐりは、登頂時刻と体力で判断するつもりでしたが、山頂郵便局にはぜひ行きたい事情がありました。

金剛杖は、昨年買ったものを持っていくことにしました。道半ばになっている焼印の続きを頂くためです。 最後に、昨年は高山病は全く平気だったものの、行き帰りの乗り物酔いに悩まされた娘、今年はその対策はバッチリしました。

【1日目】

天気予報は、晴れ時々曇り、午後は所により雷雨という予報。 雷雲に呑まれる前に、ぜひとも目的地へ着きたいところ。

11:00 新五合目到着
軽い食事と高地順応のため、しばし休憩。
ここでかき氷を食べると、最初の山小屋までトイレの我慢が厳しい。昨年の教訓で、デザートは我慢。

11:54 登山開始
GPSログをオン。気圧高度計の標高値も補正してスタートです。
古御岳神社で無事下山できるよう、そして今年は登頂できるよう祈願しました。

GPSは大活躍。娘も、ちょっと歩いては「GPS見せて」と言い、「新六合目まで半分来たね」などと励みになっている様子。 気圧高度計の機能も付いているのですが、こちらは乱高下。 標高2,000mにいると思ったら、マイナス689mと海底に沈んでみたり・・・。 それだけ、気圧の変化が大きいということなのでしょう。

13:12 新六合目に到着
13:42 本六合目に到着
14:52 新七合目に到着

本六合目付近では、間近に発達した入道雲。
新七合目に向かう中ほどでは、急にガスが濃くなり、遠くで雷鳴が聞こえました。
晴れ間が覗いたり、濃い霧に包まれたりの繰り返しでしたが、本日の目的地までは雨に降られることなく登ることができました。

15:35 本七合目見晴館に到着

新五合目から本七合目まで、休憩時間を入れて3時間41分。 昨年はこの時間では新七合目にも着いておらず、一度経験した慣れもあったでしょうし、小学生になって少し成長もしたのでしょう。

山小屋のスタッフの方々、同宿の方々は気さくな方ばかりでした。 娘も話の輪に入ったり、富士山のことを質問したりしていました。 夕食のカレーライスの後、案内された寝床は、離れの建物。 新築したばかりで、今日が使用3日目とのこと。木の香りが心地よく、窓からの眺めは下界のパノラマビュー。



雷鳴は相変わらず続いており、北を向くと、目線の高さで稲妻が光っています。 19時頃からはここも嵐の様相となり、絶え間ない雷と激しいヒョウで、窓に近づくのも怖いぐらいでした。 娘は氷が降ってくることにビックリ。 しかし、それも30分ぐらいのことで、その後は綺麗な夜景が広がりました。 娘は19時半頃、私はしばらく夜景を楽しんでから就寝しました。

【2日目】



4時ちょっと前に目が覚め、ご来光を迎えました。 この日の予報も、午後からは雷の恐れあり。 ご来光のときの気温が8度、風も穏やかで、いまのところ申し分ない天気です。 5時過ぎから朝食、食べ終わった方から次々と出発していきます。 こちらはゆっくり支度をして出発。山小屋の奥様から娘に暖かい言葉をかけていただきました。

5:52 本七合目見晴館を出発
6:21 新八合目到着
6:55 本八合目到着
7:19 八合五勺到着

八合五勺では、何で新九合目じゃないの、と娘がお決まりの文句。 この2日目の登りは、焼印を頂くという目的もあり、山小屋ごとに頻繁に休憩を入れました。 七合目までと違い、少し登っては山小屋があるので、その点とても楽に感じました。

7:57 九合目の鳥居を通過
8:22 須走ルート山頂到着



金剛杖に御朱印を頂き、目的の一つを達成。
火口を見学、その雄大さに娘はとても驚いていました。 というのも、山頂に着くちょっと前「てっぺんには何があるの?」と聞かれたので「でっかい穴がある」と答えていました。 落とし穴みたいのを想像していたようで、「思っていたのと全然違った」と言っていました。

その後、時計回りでお鉢めぐりに出発。 山頂郵便局で登山証明書と暑中見舞いを購入、娘はここで担任の先生に手紙を出すことを楽しみにしていました。 家族に電話をし、おやつを食べ、景色を楽しんだところで、馬の背へ。 思った以上に急勾配でしたが、一気に登り切りました。

9:50 剣ヶ峰登頂



10:43 須走ルートで下山開始

ガスが出てきたので、天気予報のこともあり、早めに下山しようと思いました。 しかし、娘はつま先が痛くなったようで、少し歩いては休憩を取ります。 登るより降りるほうが辛いと言っています。 また、お腹がすいたとのことで、昼食をどうしようか迷ったのですが、お昼は下山後に食べることにして、バナナやお菓子を買って食べました。

12:35 新七合目でスパッツ着用、砂走りへ

この頃からまた雷鳴が聞こえるようになり、霧雨に覆われたりしました。 こうなると、つま先の痛さより雷の恐怖が勝ったようで、その後は私が休憩しようと言っても娘がダメ出し。

13:31 砂払い五合到着

雷鳴は続いており、小雨模様でしたが、何とか間に合ったようです。
ここで最後の焼印を頂きました。

14:01 古御岳神社に登頂成功と無事の下山を感謝
14:05 新五合目に下山

新五合目で昼食をとも思ったのですが、ちょうどバスがいたので、お土産だけサッと買って帰りました。 昨年のように途中で下山したのも、それはそれでいい経験でしたが、今回、怪我の影響もなく、お鉢めぐりまでできたことは幸運でした。 楽しかったからまた登りたいと娘が言ってくれたことが、何より嬉しかったです。 夏休みの自由研究は、富士山登山記と金剛杖を提出しようということになりました。


(管理人)
雷予報が出ている難しい気象条件でしたが無事に登頂、そして下山。娘さんが再び登りたいと言うほどに楽しい登山になって良かったです。



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(10/8/2)