[登山記の目次に戻る]

 みんなの登山記2011−3
 投稿者:Y.Iさん

■2011年7月9日(土) 須走口

53歳男。横浜市在住。13回目の富士登山。去年は2度(minna10-20.htmlminna10-52.html)とも八合目で登頂を断念。体力の限界もささやかれていましたが、東海地方は梅雨明け直後で気象条件がよさそうなので、須走口から日帰り登山に挑戦しました。7月上旬の富士登山は初めてです。

■暑さと虫たちに辟易
横浜を夜出発し、東名高速はスイスイ。駐車場で車中泊をするつもりでしたが、零時半ごろに新五合目近くにさしかかると、下り車線に駐車の列。駐車場は満杯でした。約500m下りたところに車を止めました。金曜の夜を甘く見てはいけません。道路での車中泊は初めてです。ウトウトしかけると、すぐ隣をゴゴゴと上りの車が通り過ぎるので、なかなか寝付けません。それでも3時間ほど眠れて630に歩き始めました。

新五合目を100%に出発。すでに日差しがきつくて温度も高め。樹林帯が気休めにはなるものの、汗の噴き出し方が半端ではなく、日焼け止めを何度も塗り直す羽目に。このコースは過去に2度、9月の午後に出発して七合目の大陽館に泊まるパターン(minna06-26.htmlminna08-51.html)しか経験したことなく、暑さとは無縁だったことをやっと思い出しました。御殿場口ほどではないものの、標高が低いので暑さが堪えます。

暑さにめげると同時に厄介だったのが、ハエやハチ。誰彼構わないのか、人を選んでいるのか分かりませんが、車を止めた場所からずっと付きまとわれ、うるさいことうるさいこと。虫たちを手で払ったり、ステッキを振り回したところで離れません。これは非常に不愉快。そういえば去年の南アルプス・北岳のときも同じ目に遭いました。今後は虫除けを必ず携行するようにします。

■七合目からは順調
大陽館前に着いたのは1020。5年前は2時間半足らず、3年前も3時間だったのに、3時間半かかるとはがっくりです。寄る年波には勝てません。山頂まで最低あと4時間は要します。「また途中リタイアかも…」と心が折れかけていたとき、日が陰り涼風が吹いてきました。これぞ天の助け。再び歩き始めると、いつのまにか虫たちも姿を消しています。

七合目からは順調でむしろ足が伸び、大陽館から3時間半で登頂しました。ハイシーズンと違って渋滞に悩まされることなく、自分のペースで登れたことは気持ちよかったです。そして、山頂の暖かさ。たどりついた14時に12.2℃、16時には12.8℃と記録的な気温。ぽかぽか陽気を通り越して汗ばむぐらいです。手袋もスキーウエアも不要でした。

■山ガールとタイツと
遅い昼ごはんを食べつつ、のんびりと登山者たちをウォッチングしました。去年までと違うな、と思った点が2つ。まず山ガールが目立つこと。カラフルなウエア・グッズに身を包んだ彼女たちが実に華やか。同じような格好をして、後ろからは性別不明の「山ボーイ」も大勢いました。2つめはタイツの大流行です。足腰の負担を軽減するという触れ込みで、ロングタイツ、太ももだけ、ふくらはぎだけと多種多様。地味なアースカラーを着るのが当たり前だった登山の常識が大きく覆されつつあるのを実感しました。

おなかに燃料供給していざ剣が峰へ。馬の背の急坂には毎度身構えますが、さいわい微風でとくに問題なし。「日本最高峰」の石柱前にはたったの2人。ハイシーズンには考えられないほど閑散としていました。上海から来たという若い男性と記念写真を撮り合い、展望台へ。


ここから見た雲海は、かつて見たことがないほどダイナミックでした。中央やや奥にある高い雲の実物は、写真で見るよりはるかに雄大でした。おそらく南アルプスの谷間が熱せられて発生した急激な上昇気流によるものでしょう。彼は「この光景は見たことない」と目を丸くしていました。中国の沿岸部だと、雲海が見渡せる高山はそうありませんから。

■タイツの霊験あらたか
山頂には2時間半ほどいました。ちょっと長居しすぎたようです。1640に下山開始。大陽館まで1時間。長い長い砂走りの間に運動不足だった足がSOSを出し、途中で何度も立ち止まりました。そういえば、最近は御殿場口の大砂走りから富士宮口に逸れるルートばっかりでした。結局新五合目に戻ったのは1910。日の入り直後でした。飲み物はアクエリアスを2.5リットル消費。

車に戻って着替えをして帰途に。下り車線の車列は新五合目から1.8km付近まで続いていました。でもきょうの天候だったら、新五合目まで遠くても不満はなかったでしょう。大渋滞を覚悟していた東名はガラガラ。厚木付近なんか工事で2車線しかなかったのに、車の流れには無関係。高速1000円が終了し、遠出するドライバーが減ったのかもしれません。

いまこれを書いているのは、帰宅から丸1日経過後。須走口日帰りは御殿場口に次ぐ負担なので、足腰に筋肉痛は残っているものの、歩数計による計測で3万7000歩(18km)も歩いたにしてはとても軽い症状です。何を隠そう、私も登山用ズボンの下にロングタイツを履いていました。ランニング用として購入したものです。いや、霊験あらたか。もう、これ履かずして山歩きはできません。

タイムスケジュール:新五合目100%→800新六合目810→910新六合目920→1020七合目1030→1115本七合目1125→1153本八合目1200→1228富士山ホテル1238→九合鳥居1323→1400山頂1640→七合目1745→1910五合目

(管理人)
これだけ天気が良ければ山頂に長居してしまいますね。 足の疲労軽減にロングタイツは有効そうです。私も検討してみたいと思います。



BACK  TOP  NEXT

(11/7/11)