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 みんなの登山記2012−13
 投稿者:不二倉さん

■2012年7月28日(土) 吉田口

昨年(2011年)、日本山岳耐久レース(71.5km)に出場するからタイムがどうとか・・・と勝手に騒いでいた不二倉(男性43才)です。なんとか制限時間内(24時間以内)にゴールできました。今年も富士登山!1人気ままに馬返しから登ってきました。月日は早いもので5年連続6回目になりました。宜しくお願いします。

今年も昨年と同様、トレイルランニングスタイルで臨みました。今年は走れる所はできるだけ走る事を意識しました。では、逆に走れない所はどういう所か。
(1) 自分の体力レベルでは走れない傾斜の登り
(2) 人が多く 又は 道幅が狭く、すれ違う時に人と接触しそうな所
(3) 霧や草木で見通しの悪い下り
「ハイカーと自分の安全が第一」でいきました。※以下『 』は心の声です。

◎馬返し〜6合目
第65回富士登山競走が行われた翌日の28日(土)早朝、馬返しへと向った。この大会が終わるまでは試走の人でこのルートは混むと思い、登るなら28日以降と決めていた。朝の6時前に到着し馬返し駐車場に車を停める事が出来た。出発準備をしているのはイカニモ強そうなトレランの人達ばかり。小柄で痩せているだけでそう思ってしまう。富士登山のためだけではないが昨年より更に荷物を軽量化するためにお金も遣った。トレランザック482g→393g、雨具上下625g→342g、それに水を3L→2L。これで合計1400g減。しかし・・・2キロちょっと太っていた!のだった。
『 ワイルドだろう〜?? と言うか ナチュラルだろう?? 』
6時過ぎに小走り気味でスタート。
しばらくすると前方から詩吟のようなものが聞こえてきた。山中に響き渡るほどの声量。追いつくと男性2人組。追い越すと今度は映画「もののけ姫」の主題歌が後方から・・・。
「はりつめた弓の ふるえる弦よ 月の光りにざわめく おまえの心♪」
『 ブラボ〜 おまえにサンが救えるか!? 』
馬返しから6合目までは1時間くらい。下山してくる人も登り始める人も多くなかった。

◎6合目〜頂上
6合目からは体力的に1mmも走れないが呼吸のリズムをつくり歩きで他のハイカーをどんどん追い越して登った。岩道に入ってからは更に傾斜が急になり渋滞が多くなった。酸素も薄くなってくる。幅の狭い所では黙って人の後につくしかない。幅が広い道に出ると欲張って一気に追い越すが、頭がクラッとしてしまう。そんな事を繰り返し、上を目指した。もちろん山小屋は全て素通り。6合目〜7合目で本物のトレイルランナーに2度ほど追い越され、ついて行こうとしたが全くダメだった。頂上まで後少しの所で、もう動けないという表情で岩に寄りかかり休んでいるハイカーがたくさんいた。
『 その気持ち、俺にもわかるゼ。俺もサンザン苦しんだ!』
何の力にもなれないが応援したい。声を出し「あともう少し!」 とか「なかなか険しいですね」とかなんとか言って前を通り過ぎた。頂上にはいつも通り大勢の人。他のハイカーに記念写真を撮っていただき、剣ヶ峰を目指した。



◎ 頂上〜下山
郵便局のところまできて珍しく山小屋に寄り大好きなペプシを飲んだ。何の影響か?気持ちが悪くなり、全部飲めず残りをサイドポケットに入れて下山する事にした。昨年、一緒に下山した方から教わった「D難度(嘘)モモアゲ小刻み走法」で順調に6合目まで下れた。時間は50分。パーソナルベスト。それでも人が多いところは歩いたので全部走ったわけではない。6合目に着いた頃、法螺貝の音が鳴り響き、人々が一斉に音の鳴る方に目を向けた。
『 合戦か?なんの?出陣か?どこに?』
近くを通ると法螺貝は鳴り止み、10人くらいの方がお経を読んでいた。星観荘で休憩した後、馬返しまで無事下山することが出来た。車で着替えていると隣に車を停めた男性トレラン2人組が下山してきた。2人のうち1人は前日の富士登山競走5合目コースに出場し、来年は頂上コースに挑戦するという。市役所から頂上まで制限時間4時間半。大会記録、2時間27分41秒(昨年)
富士山とその周辺では富士登山競走、チャレンジ富士五湖などなど名立たるレースが多くあるが、今年5月に富士山の周りをぐるっと一周する100マイルトレイルレースが行われた。その名はUTMF(ウルトラトレイルマウントフジ)。そしてそのコースを半周するSTY(静岡to山梨)も同時に行われた。UTMFは制限時間48時間、距離156q、累積標高8530m、STYは制限時間26時間、距離82km、累積標高4200m。合計で約2000人が出場した。UTMFとSTYを完走したそれぞれの方から「来年出たら?」と言われたが真剣に挑戦しようかと考えていたので何も答えられなかった。帰りは高速道路の渋滞が気になり、風呂に入らずそのまま高速に乗った。

さて、今年のタイムは登り4時間。下りは2時間という結果でした。昨年よりも更に楽でした。今年も無事下山できて本当に良かったです。
富士山ありがとう!そして、あっぱれ!富士登山 バンザーイ!バンザーイ!


(管理人)
今年も楽しい「心の声」の登山記を送っていただきました。トレイルランニングとは山野を駆けることです。富士山を走って登ろうと考える事自体がすごいです。日本山岳耐久レースを完走した自信でしょうか、今年は昨年より大幅に所要時間を短縮されました。



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(12/8/18)