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 みんなの登山記2012−24
 投稿者:muku-fanさん

■2012年8月25日(土)〜26日(日) 富士宮口

富士宮口から単独行してきました。下山は御殿場口です。
先に所要時間をあげておきます。(あまり正確でないかもしれませんが、ご了承ください。)

8月25日  
 5:20 自宅出発 [JR線利用]
 9:01 富士駅着
 9:35 富士駅発 [登山バス利用]
11:35 富士宮口五合目着・登山準備   
12:00 五合目出発・登山開始
18:30 宝永山見学して、九合五勺・胸突山荘着
19:00 夕食後、荷物整理・更衣
21:00 仮眠

      
8月26日
 1:40 起床
 1:50 山小屋出発・登山開始
 2:50 富士宮口 山頂着 
 3:00 山頂ポストにハガキ投函
 3:30 御殿場口下山開始 
 5:07 見晴館(廃屋)前にて、ご来光拝観
 6:45 宝永山山頂→下山して大砂走りへ
 8:30 御殿場口新五合目着 更衣・休憩
 9:45 御殿場口新五合目発 [登山バス利用]
10:15 御殿場駅着
14:15 自宅着

今回の富士山行きでは、目標は二つ。
  @ 26日まで営業延長になった山頂ポストから、友人と自分に(笑)ハガキを投函する。
  A 初・大砂走りを体験する。
天候に不安がなく余っている夏休も使えるため、混雑する8月最後の週末でしたが、前日に決行を決めました。
富士宮口は最短・急勾配ルートと言われるので、無事に登頂できるかが心配でした。しかし、富士山登山では不特定多数の人と言葉を交わしながら、絶景を楽しみながら登れるので大変励みになります。体力には全く自信のないアラフォー・事務職の私ですが、ゆっくりマイペースで過去2回(スバルライン口)も何とか登頂しています。
今回も登山開始直後は火山岩の感触を思い出し、「なんでまた来ちゃったんだろう…」とつぶやきつつ苦笑いしていましたが、次第にワクワク感に後押しされて歩を進めることができました。
六合目から右に少し歩いて、宝永山を見に行きました。戻って来て宝永山荘で絵ハガキを購入。これ以上上に行くと、そう言った(登山以外のことをする)余裕はなくなると思ったので
富士宮口はやはりゴツゴツした岩場が多く、しかも下ってくる人も同じルートなので、慣れていない自分には恐怖心すら感じて交互通行がうまくできません。岩場の上から、下山者が勢い付けて滑り降りてきます。一度などは、ツアーのガイドらしき人に「待ってないで上がってきなさい!」と叫ばれてしましたが、「狭い岩場で、そんな簡単に言うな!」とムカッと来てしまいました。私の後ろには誰も待っていなかったので、迷惑はかけていないつもりでしたが…。
同じ登山バスで五合目まで来た人たちには、岩場での休憩中に声をかけられ元気が湧きました。有り難いと思う反面、自分はどんな声掛けをしたら相手に気持ち良く受け取られるだろう、と考えたりしました。
3000mを超える頃には、やはりどうしても息が上がってしまいます。辛くても座りこまず、膝に手をついて前かがみになり、1分ほど大きく息を出し入れしていると回復します。その繰り返しの5回に1回は、行きかう人から少し離れた岩場に腰を下ろして休みます。こまめに水を飲み、記録を兼ねた写真撮影(ケータイですが)、午後5時を過ぎると日が傾き風が出て肌寒くなり、ウインドブレーカー着用。
万年雪を眺めたり、次第に伸びて行く影富士を写したりして、九合五勺の山小屋・胸突山荘に到着。暗くなる前に着けて良かった〜。キャンセルが出て、泊めてもらえて良かった〜。
宿泊カードを書く手がかじかんで、芸能人のサイン並みに判読不能でした。小屋の中は暖かく、生き返った思いでした。夕食のカレーはごく普通の一品でしたが、温かいお茶がお代わりできて嬉しかったです。短い時間でしたが、相席になったグループの方々に、ご郷里・新潟の山のお話が聞けたり、富士山行15回目の方からは豊かな経験談も聞けたりで、印象に残った夕餉のひと時でした。
消灯(20時)までのわずかな時間で、購入したハガキにメッセージを書き込みました。持参した切手を貼っていると、他にも同じ事を考えていた人がいるようで、余っている切手を譲って欲しいと言われました。山頂の郵便局は6時オープンなので、ご来光登山をしてすぐ降りて来てしまう人には、ポストはあっても切手が買えないからです。意外なところでわずかに役立って嬉しかったです。
消灯後、空いているトイレで着替えました。標高の高い富士山の夜は寒くて、寝袋だけでは眠れません。翌朝、すぐにでも靴を履いて発てるくらいの厚着になって、就寝しました。吉田口の山小屋に比べると、富士宮口の山小屋の夜は静かだと思いました。小屋前の板敷きがないので足音もしないし、登山者の話し声も聞こえないし、何と快適なことでしょう。 あと一つ、どうしても書いておきたいのが、皆さん口をそろえて述べられている山小屋からの夜景。湾に沿って見事に縁取られた暗闇は、まばゆい宝石のような色取り取りの光をまとっています。あそこに人々の生活の場がある。昼間、大きな大砲の音を響かせていた自衛隊の演習場も、美味しい水をはぐくむ山麓の緑野も、みんな夜の帳に隠されています。そして、見上げる空には、こぼれて来そうなほどの満天の星。都会では見分けることができない夏の天の川も、まるで帯のように夜空を流れています。静寂の中に奏でられる、大地と天体のオーケストラです。

真夜中ですが、多くの団体さんが2時から2時半を目安に出発します。この日は登山者が多かったのです。
私も一足先に、山頂に向けて出発しました。混雑とは言っても、吉田口九合目以上のものとは比べものにならないくらい余裕があり、仮眠を取った私にはむしろ、ゆっくりなので休憩もいらない位の良いペースでした。
3時前に山頂に着くと、ご来光まで2時間も待たなくてはなりません。今回の目標はハガキの投函と大砂走りなので、後ろ髪を引かれつつもハガキをポストに投函後、御殿場口からの下山を開始しました。
空いている御殿場口とは言え、登山者のヘッドライトが長く続いていました。こんな時間に下山してくる人は他にいません。暗がりの中、急勾配を登ってくる人たちにしてみれば、とても迷惑な話ですね。私は身をちぢこませて、登山者に道を譲りました。とても戸惑ったのが「あと(山頂まで)どのくらいですか?」と言うやり取り。「もうすぐですよ」「(ご来光に)間に合いますよ」と励ましてあげたい気は山々なのですが、いかんせん経験の乏しい上に体力のない私。自分の感覚で人にものを言うと、がっかりさせたりしかねません。仕方がないので「コースガイドには○分と書いてありますよ。頑張って下さいね。」と言うのが精一杯でした。
行き違ったベテラン風な男性の方に「あそこを曲がった先に山小屋跡があって、そこからなら(ご来光が)見れると思うよ」と教えていただきました。角度が微妙で地平線からのご来光を諦めかけていた折、頑張って走ることができました。ギリギリ間に合ってご来光を拝観。靄で真っ白にけむる山中湖や、ご来光に輝く芦ノ湖もきれいでした。
快晴でまぶしい朝日の中、ぐんぐん下って行き、新五合目の駐車場も小さく光って見える頃、右手に宝永山火口、目線下には登山時確認したプリンスルート、さらに下には長大な大砂走りが見えてきました。スパッツやマスクなどをつけたのは砂走館のベンチです。今回ザックカバーを忘れましたが、後悔する羽目に…。
大砂走りは、噂通り一歩でかなりの長さを滑って下りられました。これは持久走だな、と思いました。傾斜があるので、体を少し傾けると勝手に足が前に出てしまいます。吉田口や富士宮口を下りることを考えれば、どんなにか快適なのですが、なにしろ長い!止まって休むところもない。ゴールが見えているのに、なかなか近くならない。晴れていて見晴らしがいいのに、文句を言ったら叱られるかな?
トレッキングポールがあるといいですね。マスク・スパッツ・ザックカバーの基本セットも不可欠です。ゴーグルもあるといいなぁ。←な〜んて、もう次回のことを考えている?!

さて、御殿場口を下りてきた人の行動パターンはみな似ていると思うので、このレポートでは下山後のメンテナンスについて触れてみたいと思います。
登山グッズのメンテナンスもしかりですが、皆さんは帰宅されてから、筋肉痛対策はどのようにされているでしょうか?私などは年齢からか、翌日よりその翌日の方が強烈に痛くなります。椅子から立ち上がる、自転車をこぐ、さらにきついのは階段の下り(汗)。今回、帰宅して入浴後にすかさず湿布薬を貼りました。たっぷり睡眠を取り、翌日、出勤時にはゲル状の消炎・鎮痛剤を塗りました。そして夜にはまた湿布薬、翌日は休暇を取って湿布薬。このレポートを書いているのは下山後3日目ですが、もうすっかり楽になりました。こんなことは初めてです。メンテナンスの大切さを思い知らされた気がします。他の方の(筋肉痛)対策法も知りたいです。また次の、楽しい登山のために…参考にして頂ければと思います。


(管理人)
私も見たことがありますが、富士宮ルートは夜間に視界が良ければ下界が宝石箱をひっくり返したようにきれいなのです。土曜日に九合五勺の山小屋へ予約なしで泊まりにいくのは、かなりワイルドですね。



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(12/8/29)