あっぱれ!富士登山 みんなの登山記

2016-5 ちわさん


■2016年7月28日(木)~29日(金) スバルライン

今年も富士登山が出来る喜びを満喫しながらのんびり登山をしてきました。
先月は八ヶ岳に登り、赤岳山頂から富士山に向かって「今年も行くから待ってろよ~」と挑戦状を申し渡したところです。
今年も無事に富士登山が出来るのは、健康のバロメータと思い、自分の健康に感謝しています。

さて、今年の登山ですが・・・心配性の自分は今年も5月の中旬に早々に山小屋の予約をしました。
一度だけ吉田ルートの山小屋に宿泊しましたが、一人当たり45cmの割り当てはさすがに狭く、人も多くてゆっくり休めないので、またまた須走ルートの見晴館にお世話になることにします。


1日目

昨年より早く自宅を出発したのですが、北麓駐車場に着いたのが7時5分。シャトルバスは30分間隔なので、結局昨年と同じ7時30分のシャトルバスに乗り込みます。
8時15分に五合目に到着し、高地順応の為1時間ほどゆっくりします。
五合園レストハウスの前で休んでいると、目の前のロータリーのところに観光バスが次々とやってきて観光客が下りてきます。
そして、「どう見ても登山目的じゃないだろうなぁ」と言う人たちが登山道のほうに消えてゆきます。でもこの人たちは泉ヶ滝のあたりか6合目の指導センター付近で引き返してくるようです。

9時10分、五合目の観光客もどんどん増えて賑やかになってきたのでそろそろ出発します。 泉ヶ滝までの途中からの景色は、麓の方は雲海、山頂の方も曇りで、ちょうど標高2000m付近だけ雲がありません。
このまま標高を上げていってあの雲の中に入っていくのかと思うと気合がなくなっていきます。
それでも、6合目に付くと7合目の山小屋が見えてきました。ラッキーなことに山頂の雲は徐々に消えてゆきます。

花小屋の手前で親娘の3人が休んでいて、娘さんのザックの調整をやっています。
ヒップベルトを締めて腰で支えるまでは良いんですが、ショルダーベルトが余ってしまい、それをロードリフトベルトをいっぱいに引っ張って体にフィットさせようとしていますが、ショルダーベルトが肩から完全に浮いています。
「ザックが合わないんですか」と聞くと、「まぁなんとかなりますよ」と父親が返事をしてくれた。
フィッティングをしないような販売店で買ってしまったんでしょうか・・・
あれではザックがゆらゆらして不安定になって、せっかくに楽しい登山が台無しです。

その家族とは白雲荘までほぼ同じタイミングで登っていたらしく、白雲荘に着いたときに娘さんだけ先に到着して休憩中でした。
「そのザック合わないんですか?。あ!D社のザックなんですね。僕もD社のザックはいいなぁと思っていたんですが、販売店でフィッティングしてもらったらあなたには合わないって言われて、結局日本製のMD社のザックにしたんですよ」言うと、「あ、これ、お父さんのお下がりなんです」との事。
それにしても、ショルダーベルトが浮いてしまって背負いづらそうなので直してあげる事にします。
ヒップベルトの締めからやり直して、ショルダーベルトを目いっぱいに締めたらようやく肩にフィットするようになった。もともとD社のザックは日本人の体型には少し大きいし、男性用のザックを女性が使用するのはやはり無理があるようです。
そしてロードリフトベルトを張ってあげてオッケーと思っていたら。今度はチェストベルトが胸のふくらみに当たってしまい締められない。
これ以上やるとセクハラかなぁと困っていると、近くにいたおば様2人が気づいてくれて「たかがザック!されどザック!なのよね」と言って手を貸してくれ、何とかフィッティングしてあげることが出来ました。
やれやれです。(汗)
道具は自分に合ったものを選んで使わないといけませんね。

白雲荘まで来たので、ブル道を使って須走ルートに移動します。
ブル道に入る前に白雲荘の人に「須走ルートの見晴館に行きたいのでブル道を使わせてくださ~い」と声をかけてゆきます。「どーぞー、気をつけて~」と返事をくれました。
一声かけることで「あの人どこへ行くんだろうか」と心配をかけずにすみます。
見晴館は下江戸屋の所から100mほど下りる事になり、翌日また同じ所を登り返すのは辛いなぁと思います。しかし、アルプス縦走で主峰一つ手前のピークを越え、100m下ったコルの山小屋に泊まり、翌日主峰にアタックする・・・と思えば、これはこれでアリかなと思います。
見晴館に入ると中に案内されましたが、隣のご年配の方は偶然にも一昨年にお会いしたAさんです。
「やぁぁ、偶然ですね」と声をかけると、Aさんも覚えていて「ご無沙汰ですね」
「Aさんは富士登山が健康のバロメータとおっしゃっていましたが、ここに来ていると言う事は、まだまだご健在と言うことですね」
「今年82歳で、30回目の登山になりました」との事。
お元気でうらやましいことです。


2日目

お天気もまぁまぁで今日も気持ちよく登山が出来そうです。
Aさんより一足先に出発し、昨日下りて来た下江戸山で登り返します。山小屋の方を見下すとAさんもスタートしたようですが、一昨年よりも足並みがゆっくりに見えます。82歳の年齢ですから仕方ありません。

およそ3時間で無事山頂に到着しました。お天気が良いのですが麓の雲海が厚く山中湖や河口湖などの麓の景色が見えないばかりか、遠くの山も雲海の中です。ちょっと残念ですが贅沢は言えません。
早速お鉢めぐりに出発です。昨年は剣ヶ峰の「最高地点」の石碑が大渋滞でしたが、今日は4人ほどしか並んでいません。前に並んでいた女の子の写真を撮って差し上げ、代わりに自分の写真も撮っていただきました。その女の子がすぐに剣ヶ峰を後にしようとしていたので
「あ、帰る前に最高地点の”岩”で写真を撮ってあげますよ」と言ったら
「え?今のところじゃないんですか?」
「あそこの岩が本当の最高地点なんですよ」と教えてあげ、写真を撮ってあげました。
まぁ、おせっかいと言えばそうなんですが、彼女の下山後のみやげ話の一つになればと思います。

下山の途中、7合目公衆トイレを過ぎてシェルターのあたりを下っていると、遠くの方でこちらに登ってくる人がいます。
いくらなんでもこのザクザクの下山道を登るのは無茶だし、6合目の分岐で道を間違えたのかなぁ。と思って歩いてゆくと、こちらを向いている人の近くまで来ましたら女の子2人組でした。
しかも、遠くの方から見たときに登って来ているように見えたのは、実は後ろ向きに下山していたのです。それって歩きにくいと思うのですが、筋肉痛とかの理由でそうなっているのかもしれません。「こんにちは・・・お疲れ様です」と声をかけましたが返事を返す気力もないようです。

そしてようやく賑やかな5合目に到着。
今年も、無事下山が出来、天候にも恵まれ、いろんな人と出会い、楽しい登山が出来ました。
なにより登山が出来る健康に感謝です。


(管理人)
スバルラインからスタートして須走ルートの見晴館に泊まるという行程は実にユニークです。見晴館から下江戸屋の登りは、ずるずる滑りやすくちょっと厳しいですが。山頂では好天に恵まれなによりでした。


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(16/8/17)