あっぱれ!富士登山 みんなの登山記

2019-1 Y.I.さん


■2019年8月11日(日) 富士宮口

61歳男、横浜市在住。18回目の富士登山です。このところ、足腰の弱さが目立ってきたので、比較のために15年前に最初に上った富士宮ルートを日帰り予定で訪ねました。山の日の記念も兼ねた登山の結末は…。

●暑さに負け、日帰りを断念
朝6時すぎに横浜青葉ICから東名高速に乗ったのに、さっそく事故渋滞。到着が遅れたため、五合目麓の水ヶ塚駐車場が満杯となり、西に6kmも離れた窪塚駐車場に誘導されました。無料のシャトルバスで水ヶ塚に戻り、入山料1000円を納付。有料の登山バスで五合目に着いたのは9時50分で、登り始めは10時40分。予定より2時間も遅れました。

この時間だと狭い登山道で下山する御来光組ともろにぶつかります。登山優先のルールもなんのその。多勢に無勢で下山集団を待つ時間が長く感じられました。新七合目をすぎると日差しがどんどん厳しくなります。暑さに負けて歩くペースがしだいに遅くなり、反比例するかのように山小屋での休息時間は長くなっていきました。

そして、恥ずかしいことに食料を持ち忘れ、水も1リットルでは全然足りません。七合目以上でパンと清涼飲料水を買い、富士山ならではの山小屋補給の恩恵を初めて味わいました。山頂が近づいてきましたが、下山時に暗くなるのは必定です。そこで作戦変更。日帰りを断念し、16時に九合五勺の胸突山荘に宿を求め、翌朝の御来光を目指すことにしました。

●剣が峰に1時間滞在
2階の大部屋は久しぶりに見渡すかぎりのシュラフの海。幅1mに2人分です。17時半の夕食までウトウトと仮眠。これ以上はないという超豪華カレーを瞬時に平らげ、本格的な睡眠に就きました。気がつくと、いつのまにかすべてのシュラフに宿泊客が入っています。さすがは山の日です。

うつらうつらと夜を過ごし、2時をすぎるとあちこちでゴソゴソと動き出します。3時前には小屋を出発しました。すぐに数珠つなぎの登山者の列に並びます。風は弱く寒くはないので、疲れることもなく、登山条件として悪くはありません。坂の上から石ころが転げ落ちたときはヒヤリとしました。暗くて寸前まで分かりませんでしたから。

ちょうど4時に剣が峰登頂。南からの冷たい風が吹き付けています。寒さに震える登山者たちを後目に、勝手知ったる旧観測施設の一番奥まった一角で、風を避けながら待つこと約1時間。4時53分にようやく御来光を拝むことができました。写真右側の丸っこい建造物は2002年に設置された国土地理院の電子基準点です。



●話はずむも後の祭り
時計回りで御鉢回りをして吉田ルートの山頂に着くころには、ずいぶんとおなかがすいていたので、わきの山小屋でうどんを食べました。このとき同席した女性が「初めて登った山がここ富士山」と語り、軽い高山病になりながら単独登頂したとのこと。たいしたものです。時期はずれていましたが、同じ地方都市に暮らしたこともあって話がはずみました。

その後、まだ元気だという彼女に剣が峰行きを勧め、私は御殿場ルートの下山を始めました。もう少しおしゃべりしてもよかったのでは、と思いましたが後の祭りです。逆プリンスルートの下山は快適で、富士宮口の下山はすべてこちらに付け替えてもよいのでは、と改めて思います。六合目には寄らず、樹林帯を突っ切って五合目に下りました。

さて、登りの所要時間は「正味の登山(浅間大社奥宮まで)+小屋での休憩(宿泊は含まず)」で6時間半。うち休憩は約1時間でした。2004年7月26日の初登頂時の登山時間はちょうど4時間で、うち休憩20分だったことが、こちらの記録(https://mtfuji.nyanta.jp/tozanki/minna04-6.html)に残っています。時の流れは残酷ですね。

(管理人)
状況に応じて作戦変更、そして「勝手知ったる旧観測施設の…」というベテランゆえの余裕が良いですね。最後も六合目に登り返さずに樹林帯経由へ五合目。余計な体力を使わない工夫。


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(19/9/4)