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  私の富士登山記・26

 2006年9月16日(土)〜17日(日)・須走口

 飲み仲間たちと登ってきました。参加希望者は多かったのですが、登山プランを組む立場の私が、週末に予定が詰まっていて、なかなか予定を組むことが出来ませんでした。8月下旬になってあわてて8月26日(土)はどうですかと誘ってみましたが、あまりに急すぎて参加者が集まらず。しかし9月上旬の週末はまた予定が詰まっていたので、結局、9月16日(土)ということにしました。これは八合目のトモエ館が営業しているということで「観光登山」としてはギリギリ最後の時期。この日がだめならもう来年に順延するつもりでした。参加を表明したのは私を含めて5名。

 台風13号が接近しているため、登山日の御殿場市周辺の天気予報は雨。しかし、心配しても仕方ないので参加者には「少々の雨なら登るから雨具をしっかり準備するように」と連絡。この際なので私もレインウェアを新調することにしました。これまでは防水透湿素材を使用したものでは一番安いクラスの物を使っていました。今回はエントラント2000素材を使ったものにグレードアップしました。カジメイク製で購入価格は約7000円。エントラントはスキーウェアでよく知っている東レの素材。購入後に知人から聞いたところ、やはりレインウェアの素材としてはゴアテックスが一番。エントラントは防水性能は良いが蒸れやすいとのことでした。しかし、夏の富士登山だと結局汗で蒸れるのでそれでも良いかなと思いました。ゴアテックス製は高いのでちょっと手が出ません。

 週末になってだんだんと御殿場市周辺の天気予報が良くなってきました。二日目の夕方から雨とのこと。登っている時に雨が降らなければいいやということで予定通り決行することに。須走口から登り、七合目の大陽館で一泊、翌朝から山頂をめざすというスケジュール。「連絡さえきちんと入れれば当日でもキャンセル料は不要」と大陽館の説明を受けて5名で予約。しかし、参加予定の一名が前夜に風邪をひいてキャンセル。大量のおやつを用意したそうなのに残念。結局4名に。今回の参加者は昨年8月、超混雑時に一緒に登ったBさんとHさん。そして富士登山は初めてのOさん。Hさん以外は私を含めて太り気味。このスケジュールにしたのはBさんが、「夜間登山はいやだ。昼間、景色を見ながら登りたい」と要望したこと、Oさんの脚力が心配で一気に登るのは不安だったこと(実はけっこう健脚だったのですが)、そしてなにより私自身がのんびり登りたかったことによります。  

 当日は晴れ。よく一緒に登るAさんがわざわざ須走口新五合目まで送ってくれることになりました。ありがたいことです。Bさんは鉄道を使って、他は二人ずつ車に乗って御殿場駅で合流。OさんとHさんは都内の渋滞のせいで少し遅れて到着。また御殿場駅から須走まで渋滞で結局、新五合目まで1時間以上かかってしまいました。新五合目はすでに雲の中。もやっていました。当初は新五合目13時半、大陽館18時の4時間半を予定。しかし、いきなり1時間遅くなりました。14時半、送ってくれたAさんと別れて4名で登山開始。大陽館に4人になったこと、到着が18時になることは御殿場駅で連絡済み。大陽館は夕食を摂る場合は基本的には17時に到着することになっています。



 新五合目から六合目の長田山荘までの時間がペースの目安となります。60分なら標準的。90分だとちょっと遅い。間をとって75分を予定。途中、きのこ狩りらしい人たちと何回かすれ違いました。見晴らしの良いところで2回、休憩。Bさんは水を6リットル持参。休憩時には豪快に2リットルペットボトルをぐい飲み。彼のザックをちょっと持ち上げてみましたがめちゃくちゃ重い。しかし富士山で6リットルの水を買えば3000円ぐらいするので、節約する意味はあります。でも私はマネができないです。



 落ち着いた緑の風景の中に煙と鯉のぼりが見えてきました。六合目の長田山荘。10月までの週末は営業しているそうです。結局、新五合目からの所要時間は82分。やや遅い。これはちょっと慎重に歩きすぎたか。ここではきのこ狩りをした人たちが、収穫物を取り出して「これは安全、これは毒キノコ」と選別の最中。富士山の山小屋は登山のためだけではなく、低い標高のあたりで散策やキノコ狩りを楽しむ拠点になります。

 次に瀬戸館をめざして歩き出しました。くもり空のおかげで日射しが弱く、微風でとても登りやすい。快調に瀬戸館に到着。すでに営業終了していました。またBさんが豪快に2リットルペットボトルを鯨飲しているのを見ながら休憩。ここから岩が増えてくるまでの区間は整備されていて歩きやすい。私は大好きな場所です。今回もコンディションが穏やかでとても快適に登る事ができました。やがて岩が増え、斜度がきつくなってきました。この頃になると崖の上に大陽館がだんだん大きく見えてきます。今日はそこまで行けば良いから気持ちが楽。しかし、やがて山頂から吹き下ろす風が向かい風となって吹いてきたので、登るのがちょっと大変になりました。この状態で山頂まで行くのはかなり大変だなと思いました。「ごはん」「寝床」を頭の中で繰り返しながら最後のがんばり。  



 17時40分に大陽館に到着。空には天空の城ラピュタの「龍の巣」のような雲が。従業員の方によると、こういう雲の時は天気は良くないとのことでした。久しぶりに大陽館に来ましたが、ずいぶんときれいになっています。バイオトイレも設置されました。受付で申し込み書に氏名を書いたら、従業員のリーダー格らしき人から「ああ、ホームページの・・・」と声をかけられたので、ちょっと驚きました。それから赤い宿泊証明書を渡されました。これがあれば翌日の下山時もトイレが無料になるそうです。案内されたのは2段ベッドの上の部分。さらに天井近くにも寝る場所がありました。私はちゃっかり壁際の場所をゲット。今日は空いているので一人布団1枚の割り当て。ゆっくり眠ることができそうです。やがて夕食の用意ができたことを告げられて座敷の方へ。照明は薄暗い。夕食はお重に入ったハンバーグに漬け物。ごはんと豚汁はおかわり自由。美味しくいただきました。

 夕食後、オーナーの関さんご夫妻がいらっしゃたので近寄って挨拶をしました。そして、今年の1月に亡くなった名物犬の富士太郎くんの話を聞きました。享年19才。人間の年齢なら110才以上とのこと。さすがにそこまで長生きすると犬も経験が豊富になるようで、例えば、登山道を外して歩いている人を見ると吠えたそうです。普段はとても静かな犬なのに。これは普段、関さんがマナーを守らない登山客を注意しているのを見て覚えたこと。また、元気な時は登山客を案内するように一緒に登頂し、さらに富士宮口新五合目まで下山を共にした後、また山頂を経由して戻ってきたこともあったそうです。時には、山麓の関さんのご自宅まで富士太郎くんが一人で下山して数日過ごしてからまだ戻ってくることもしばしばだったそうで、まさに富士山を縦横無尽に駆け回っていました。山麓のご自宅のそばには犬嫌いの方もいたのですが、富士太郎くんのことだけはかわいがってくれていたそうです。それだけの人格ならぬ「犬格」が彼に備わっていたのだそうです。ただ、最近は犬を放し飼いにできない状況になってきているので、それは注意しているとのことでした。実際、現在3匹の犬が飼われていますが、翌朝、我々が出発する時になっても、まだ犬小屋の中に入れられていました。以前なら犬たちはご来光の頃には外で遊んでいたのですが。

 須走口は最近になって登山客が増えたそうです。インターネットの普及が大きな要因。特に富士登山の定番サイト、後悔しない富士登山さんが須走口を推奨しているのが大きいようです。他にも大陽館の由来とか、ご主人が山小屋のオーナーになった経緯とか興味深い話をいろいろ聞かせていただきました。あまり長話をするとご迷惑になるのはわかっているのですが、いつまでも話をしていたい気持ちになり、なかなか話を止めることができません。申し訳ないなと思っていたら、ちょうど従業員の方々の夕食の準備が始まったので、準備が完了したのを良いきっかけにして、挨拶をして引き下がりました。大陽館の従業員は総勢6名ほど。おかみさんのリードでにぎやかで明るい夕食風景。話が終わって後ろを振り向くと、OさんとBさんがまだその場にいました。Oさんはワンカップ酒(735円)で晩酌。私は以前、別の山小屋でビールを飲んだときにその後がつらくなったので飲まないことにしていますが、美味しそうに飲んでいるのがちょっとうらやましかった。

 19時半頃、就寝準備。夜中に目覚めた時のために、懐中電灯と携帯ラジオを枕元に用意。その後、寝る前に夜景を見ようと思って外に出て行きました。かなり強い風。小山町や富士吉田市の夜景が雲の切れ間にきれいに見えました。ちょうど従業員の方も夜景を見ていました。その方からもいろいろ話を聞きたかったのですが、薄着だったため寒さが身体の芯にまでしみてきて、身体がぶるぶる震えだしたのであわてて山小屋の中へ。冷えた身体を寝床部屋の中央に置かれた石油ストーブで暖めました。身体が暖まってから寝床へ。私はけっこう寝付きが良かったです。壁際の場所だったので落ち着いて快適に眠ることができました。しかし、Hさんは高地ゆえに寝苦しかったようですし、Bさんは枕元に窓があったせいで、夜中に登山客が通過するのが気になって十分には眠れなかったようです。周囲のいびきも気になったそうですが、それは耳栓を用意していたので問題なかったとか。

(二日目)

 目が覚めた時は午前2時半。まだちょっと早い。でも、ラジオを聴くこともなく布団のなかでぼんやり過ごしていました。途中、何度か登山客が通り過ぎていきました。かなりの強風。こんな時に登るのは大変だと思いました。やがて5時頃になると窓の外が明るくなり、ご来光を見るために何人かが外に出たので私も出て行きました。昨夜とうってかわって無風状態。雲が吹き飛ばされないのでこういう時のご来光は雲がさえぎってぼんやりしたものになります。太陽はずっと雲の後ろ側。歓声をあげるタイミングがつかめないまま、私は部屋に戻りました。



 朝食。みそ汁が美味しい。しかし後からメンバーに聞いたところ、この朝食のみそ汁はやや塩辛かったそうです。逆に夕食の豚汁は私には味付けが薄い感じがして野菜スープみたいだったのですが、それはとても美味しかったとのこと。特にBさんはお鍋の半分ぐらい飲み干したらしい。どうやら、私だけが塩分を欲しがっていたようです。

 天気は曇り。微風。山頂まで見渡せる。Hさんはもともと七合目からは登らない予定だったのですが、徹夜登山で七合目で合流するはずだった人が多忙のため来られなかった事もあって、結局、一緒に登ることに。天候が悪ければ登らなかったはずですが、あまりに穏やかで良いコンディションでした。これは登らないわけには行きません。午前6時半、登山開始。ほどなくOさんの携帯電話に着信音が。Oさんの知人からでした。こんな時間にかけてくるとはすごい人だとみんなで笑いました。もともとOさんが登るのがやや遅いだろうという想定で余裕を持たせて組んだスケジュールだったのですが、全くそんなことはなく、ぐいぐい登っていきます。むしろ私よりも足取りがしっかりしている感じ。

 見晴館に到着。小休止後、すべりやすい砂礫の道に難儀しながら江戸屋、そして八合目トモエ館へ到着。そこでは団体ツアー客がちょうど出発するところでした。10分ほど、売店に張られたキムタクの写真を見たり、河口湖口(吉田口)登山道を見に行ったり、靴ひもを締め直したり、と準備を整え直してからいよいよ山頂に向かって出発。さすがに山頂近くになるとすぐに息切れがしますが、それでも今回はさほど苦しい思いをせずに山頂へ。結局、Bさんが登頂一番乗りでした。水が減って荷物が軽くなったせいで高所になってもペースが落ちなかったようです。山頂の鳥居付近では、若者たちが狛犬に乗って記念写真の撮影中。



 もちろん山頂の山小屋はすでに営業終了。特にBさんがお鉢巡りの意欲満々。もちろんこんな良い天気なら私も回りたい。お鉢巡りに出発。大日岳の脇を通る場所には落石防止の柵が作られていますが、石が溜まってくるとその重みで一気に崩れそうで心配になりました。下山路の最初の部分ではたえず上部からの落石に注意するべきだと思いました。右回りだと富士宮口に向かって緩い登りになるのですが、あまり登りのつらさは感じません。頂上富士館に到着して休憩。富士宮口はすでに通行禁止ですがけっこう登ってきていました。馬の背を登って剣が峰へ。10人ぐらいいたと思います。Hさんがちょっとつらそうなので奥の展望台に登って休むことにしました。雄大な雲海。何度見てもすごいと思います。



 休憩後、下山道をめざして再出発。以前は測候所から崖のような場所を通って山頂の縁をまっすぐ進めました。確かに危険なのですがそこを通れば、今のように一度下がってまた登り返す必要がないので楽でした。山頂で通行できるルートが徐々に減っています。今は通行禁止ですが、昔は白山岳にも登れましたし、釈迦の割石の前まで行ったこともあります。お鉢巡りを終了していよいよ下山開始。

 下山道の最初の部分が崩れていました。大きな岩も転がっていました。直撃したら本当に危ない。ここまで天気に恵まれ良かったなと思っていましたが、八合目で雨が降り始め、あわててレインウェアを取り出しました。さて、登山靴を履いたままズボンがはけるのか。事前に試していないので不安だったのですが、見事にはけました。うまく作られています。



 八合目、江戸屋そばの河口湖口との分岐点。我々は須走口なのでそのまま道なりに下山道を降りて行きました。少し降りるともう一度、河口湖口への分岐点があります。最後のチャンス。実際には登り返しになるのですが、ここでも気づかないと大変なことになります。我々が最初の分岐点を、なんのためらいもなく堂々と須走口へ進んだためか、それにつられて降りてきたグループがありました。「あれ?」という顔をされていたので声をかけたところスバルラインに向かうと聞いたのでそちらの方を指さしました。Bさんによると、さらにもう一組が間違えて降りてきていたそうです。そして我々とさっきのグループが別々の方向へ進み出したので驚いて立ちすくみ。幸い小さな標識のところで思案した後、無事に河口湖口方面へ向かったそうです。なお、河口湖口への下山道はロープが張られて通行禁止になっていました。そこがダメだと登山道へ進むしかないのですが、しかし、「そういうわけにもいかんだろ」ということで、みんなロープをまたいで下山道へ進んでいました。9月になったら登山道を使って下山せよと言うことなのでしょうか。とりあえずは「9月に下山道で事故があっても土木事務所には管理責任はないからねえ〜」ということにはなりそうなので注意して下さい。

 周囲は雨で薄暗くなっています。七合目の大陽館で休憩。他のメンバーはトイレを使うために中に入っていき、従業員の方から暖かく見送られてきたそうです。私は外で砂走り対策にスパッツを着用。そして、軍手が濡れて冷たくなったので工事用のゴム手袋を着けました。準備のページでは「カビ取り用ビニール手袋」を雨用に推奨していますが、私にはそれはちょっと小さいのです。ここからゴールの新五合目まで売店がないので、ポカリスウェットを購入。

 ひさびさの砂走り。最初の部分は本当に崖崩れのようなすごい状況。Oさんが「ここから?」と心配そうに私を見ました。それぐらい崩れていました。それでもさすが砂走り。砂を踏み込んでどんどん降りていくことができます。以前より麓に向かって右寄りに道が造られていました。途中、樹林帯の中を通るような場所もありました。状況が変わっているので、ここがどのあたりなのかわからなくなってしまいました。視界が良ければ登山道の山小屋で位置がわかるのですが。小さな道標はたくさん立っているのですが、ゴールまであと何メートルなのか書いていてくれるとありがたいと思いました。



 Hさんはどんどん先に降りて行きました。先に下山して休憩してもらった方が良い。私はBさんとOさんを待ちました。どしゃぶりの雨。誰もいない。不思議な状況でした。新調のレインウェアは見事に雨を弾いてくれます。ずぶ濡れ状態なのですが、中に雨はしみこんでこないので快適。妙に楽しいひとときでした。やがて二人が追いついて来ましたが、Oさんが膝を痛めたとかでつらそうです。私も過去に2回ほど膝を痛めてたいそうつらい思いをしました。私のステッキを渡し、ダブルステッキで少しでも膝に負担をかけないように下山してもらうことにしました。



 砂払五合目・吉野屋に到着。下山道のブル道にロープが張られて、いやでも右折して吉野屋の敷地へ入っていかなければなりません。すでに営業終了。片づけの最中らしくいろいろなものが散乱していました。小休止の後、下山道へ。すでに「下山道はすぐに元のブル道へ戻るようになっている」と知っていたので、どのようになっているのかを楽しみに入っていきました。最初は数段の階段状の場所がありますが、あとは平坦な道で左折してすぐにさっきまで歩いていたブル道へ接続。吉野屋を素通りさせないためだけに設置された下山道です。でも、もう営業を終了しているのだから、ここではブル道にロープを張らなくても良いのではと思いました。



 樹林帯の中の下山道が新しくなったのも聞いていました。ブル道は途中でしっかりロープが張られて立ち入り禁止。ブル道を使えば楽に駐車場へ行けることが知られてきたため、そうする人が増えた結果、新五合目の売店の売り上げに影響があったのかもしれません。それで、従来のあまりに不評だった樹林帯の下山道が廃止され、なるべくブル道を使い、なおかつ下山客が売店に到着するようにという条件を満たすための解決案がこれ。昨年はすぐに登山道へ接続していたそうなのですが、それだとまだ段差が多いため、結局、ブル道を通る人が減らないと思ったのでしょうか、登山道を交差するかたちで新しい下山道が造られていました。実際に通ってみると、なかなかがんばっていると思いました。最初のうちは段差がほとんどなく、地面が柔らかいので、むしろ地面の固いブル道を通るより足に優しい感じがしました。残念ながらゴール近くになってくると少し段差が増えてきました。それでも以前の下山道とは比べものにならないぐらい楽になっていました。下山道の改良は、後悔しない富士登山さんのブル道推奨の記述がきっかけだと思います。結果として下りやすくなったのだから結構なことだと思います。ただし、夜間の無灯火下山はやはり難しそうです。たとえ日帰りの予定でも懐中電灯をお忘れなく。

 Hさんは先に菊屋に到着して休憩していました。寒いのでストーブを入れてもらったとのこと。衣服はかなり濡れていましたが、これは雨がしみこんだわけではなく、自分の汗で蒸れた結果。シャツをストーブのそばで乾かしましたがすぐには乾かない。昨日着ていたTシャツ(山小屋で干していた)をビニール袋から取り出してトイレで着替えました。それから、唯一濡れていない衣類であるフリース。これで快適になりました。のどがとても渇いていたので私は生ビールを注文。うまい。脱水気味の時に飲むビールは最高。まさに至福の瞬間。通常ならこんな幸せなことは車の運転をする人に申し訳ないので遠慮するのですが、幸い、ドライバーのHさんはお酒を飲まない人なので遠慮なく飲ませていただきました。それとエビピラフ。他の人たちは麺類。

 名物おばあちゃんの歌子さんは、なんだか以前よりむしろ若返っている感じでして、Hさんも「おばちゃん」と呼んでいました。菊屋の由来について尋ねたところ、ふじあざみラインが新五合目まで開通する以前からすでに山室として営業していたそうです。昔は麓から小学生もいっぱい登ってきたとか。

 菊屋の外はどしゃぶり。すでに路線バスの最終便は出発しており、Hさんの車だけが頼り。ふじあざみラインは直線的なのでブレーキが焼き付かないように注意しながらエンジンブレーキでゆっくり下山。そのまま御殿場駅まで送ってもらいました。本当にありがたかった。御殿場駅で私とBさんがJRに乗り換え。Bさんは松田駅で小田急に乗り換え。小田急の新松田駅はすぐそばなので乗り換えは簡単のようです。やがて、国府津駅に到着。乗り換え時間がほとんどない状況。駆け足で東海道線に乗り換え。ここで走れない人は15分後の電車に乗ってくれと言わんばかりのダイヤ編成。御殿場線はJR東海、東海道線はJR東日本。会社が違うので接続がきびしいのも仕方ありません。座席を確保してやれやれとシートに腰掛け、今回の登山を振り返りながら帰宅しました。のんびり登れて良かったです。

水分:500mlペットボトル2本持参、大陽館で2本購入、八合目トモエ館で1本購入。

★教訓:一泊登山の心地よさと楽しさを知る。
(2006/10/4)


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