2001年9月1日(土)〜2日・須走口
よく一緒に登山をするA君の車に乗せてもらって須走口へ行ってきました。同行者は他に会社の後輩のI君。最初は河口湖口をめざしました。21時半頃富士スバルラインに到着。ところが、案内掲示板に本日は営業終了という文字。
「な、なに〜?、あ、そうか、今日から9月だ〜!!!」
事前に富士スバルラインの営業時間を調べるのをうっかりしていました。(9〜10月からは、3時〜19時が営業時間)。とりあえず入り口まで行ってみました。5台程度が3時の開門を待っていました。しかし、我々は3時まで待つ気はありません。それでは滝沢林道へ行ってみようと私が提案。(これが大失敗!)
滝沢林道は地図では五合目までつながっています。「雨や工事ですぐに通行止めになったりするので注意が必要」という情報をあるHPで見たことがありましたので、今夜は天気が良いからたぶん大丈夫だろうと思い、行ってみることにしたのです。吉田口の中の茶屋から左に入っていきます。入り口には特に通行禁止の表示はなく(あったのかもしれませんが見えなかった)、かわりに「この道は危険。事故をおこしても知らないよ」というニュアンスの文字が。それならと入っていきました。道はくねくね曲がっていますがしっかり舗装されているのでけっこう快適に進み、これならなんとかなるかなと思ったのですが、かなり登ってから突然「通行禁止の柵が。帰宅後調べてみると、標高1825mの地点(三合目に相当)。あるHPでは、平成8年に滝沢林道を使って吉田口五合目まで行ったという内容が記されていましたが、現在では、一般通行車両は、常時、通行止めなのではないでしょうか。
かくして約2時間のタイムロスの後、またまた須走口へやってきました。同行の二人は健脚なのでおそらく先に行ってしまうだろう。するとあの樹林帯を、夜中に一人で歩くのは怖いなあ、などと思っていたのですが、五合目に到着すると他にも10人ぐらいの登山者がいたので一安心。23:20にスタート。御来光が五時過ぎですから、健脚な人ならなんとか間に合うので、二人には先にどんどん行ってもらいました。最初は私もがんばってついていったのですが、15分ぐらいたつと二人は見えなくなりました。でも、他に登山者が何人もいるので気持ちは楽でした。あの樹林帯を真夜中に一人ぼっちはやはりちょっと怖いです。ラジオを持参していたので、つんくやキャイーン、EE−JUMPのソニンなどのトークを聞きながらマイペースで登っていきました。
今回はとにかく眠たかったです。ひさびさの徹夜登山というスケジュールのせいだと思います。登る前には、七合目あたりの山小屋で眠ることも考えていましたので、同行者にはあらかじめ「山頂でお鉢巡りをした後、それでも山頂に来ていなかったら先に帰宅してくれ」と伝えておきました。そうしないと、もし私が宿泊してしまった場合、彼らは無駄に待っていなければなりませんから。
9月の登山なので、山小屋がだいぶ閉まっていることを想定して、今回は二リットルの水を持参しました。しかし、須走口の山小屋は、本五合目・林館、六合目・瀬戸館、八合目・江戸屋以外は全て営業していました。通常なら8月末に閉店する山小屋が土日の関係で9/2まで延長していたのだと思います。ただし、夜間なので実際に飲料を購入できる状態だったのは、本八合目の胸突江戸屋、八合目トモエ館までありませんでした。昨年、8月29日に富士宮口を登った時は、ほとんど閉まっていたのですが、河口湖口の方が少し遅い時期まで営業しているようですね。山頂は、扇屋と東京屋の二軒が営業していました。
風が少ないので、最初は下着とシャツだけで大丈夫でした。しかし、さすがに登っていくと寒くなっていきます。六合目あたりで薄いウィンドブレーカーを着ました。七合目でさらに厚手の上着を着ました。八合目では雲の中に入ったらしく雪まじりの小雨が降ってきたので雨用ズボンを履き、さらに上着の中にフリースという具合に次々と重ね着していきました。そして、八合目トモエ館で200円のカイロを購入。ここにはSMAP富士登山の時の、木村君と草なぎ君のスナップ写真が飾ってありました。この頃には雨も止んでいました。
九合目あたりで御来光を見ました、といっても、そちらの方向は雲がかかっていて、雲の隙間にちょっとだけ太陽が顔をのぞかせた、というもの。どうも、私は登っている回数のわりには、あまり見事な御来光を見ることができません。山頂付近を見上げると完全に雲がかかっていました。同行者によると見えなかったそうです。実際、五時頃には下山道をかなりの人が歩いていました。雲の下に下りて御来光を見ようということなのだと思います。山頂近くになると、多くの人がへばって山側に倒れ込んで寝ています。でも、その崖の真上には今にも滑り落ちそうな岩があったりして、見ていてハラハラします。いつものように苦しい思いをして、ようやく山頂へ。所要時間6時間50分。やっぱり、標準より遅いですけど、これが私の「マイペース」です。
山頂はやや風が強く、そして完全に雲の中に入っているため視界も悪く、火口の内部も全く見えませんでした。レーダードームの解体風景を見に行きたかったのですが、状況が良くないので断念。1時間前に登頂していた同行者たちがお鉢巡りから戻ってくるのを待っていました。扇屋の若いおにいちゃんの甘い声の売り文句が楽しくて、ずっと聞いていました。「温かい飲み物はいかがですか。火で温めてますから本当にアツアツですよ。お茶、おしるこ、甘酒はいかがでしょう。どうぞご利用下さいね」という感じ。文字にするとつまらないけど、録音したかったほどの名調子。お茶を買ったのですが、これが本当に温かいどころではないアツアツ。すぐには飲めなかったほど熱い。持参の冷え切ったおにぎりを食べたのですが、これだけ熱いのなら、茶碗とお茶漬けの素を持ってくればよかったと思うほど。
しばらくして同行者たちがお鉢巡りから戻ってきたので下山を開始。バイオトイレはすでに撤去されていました。下山道は湿っているので砂埃があまり立ちません。順調に下山しました。下山しているうちに山頂は雲が少なくなっていきました。1時間ほど待っていればよかったのかもしれませんが、少し寒かったので仕方ありません。
七合目の大陽館に陽気なおじさんがいて声をかけられました。砂走りも割にふかふかで楽に下りることができました。砂払五合目・吉野屋で外国産コカ・コーラ(クラシック)を300円で購入。懐かしい昔のコークの味。地図を見ると、吉野屋は砂走りの入り口から五合目までの2/3の地点なのですね。誰もが砂走りのつらさを経て、ようやく店にたどりついて安堵するのですが、まだまだ1/3も残っているわけです。雨のせいですっかり土砂が流れて歩きにくい樹林帯の下山道を、ひたすら忍の一字で下山。10:09に五合目に戻ってきました。菊屋の歌子おばあちゃんに、しいたけ茶をいただいてほっと一安心です。隣の東富士山荘では、「きのこ茶」を売り出していました。
しかし、マイカーで来た者には最期の試練が待っています。それは駐車場までの登り返しです。大した標高差ではないのですが、ちょっと斜度が強く、ゴールしたと思ってすっかり気が抜けている状況では、なかなかつらい登りです。かくして、今年は3回富士登山をして3回とも須走口でした。
★駐車場への登り返しについて会社の先輩のHさんから「砂払五合目からブルドーザー道を歩けば駐車場の上にたどりつくので登り返さなくて良い」と指摘されました。確かにその通りなのです。実はすでに私もブルドーザー道を使って駐車場の上にたどり着いたことがありまして…。でも、これって正規の下山道以外を歩くことなので、あまりおおっぴらに書いていいものやら…。と思いながら書いた。
23:20 登山開始
0:22 本五合・林館 0:30
1:02 六合目・瀬戸館1:10
2:15 七合目・大陽館2:25
3:10 本七合目・見晴館3:25
4:10 八合目・江戸屋4:25
4:45 本八合目・胸突江戸屋
5:00 御来光館
5:30 九合ほこら
6:10 山頂
7:16 下山開始
8:40 砂走り
8:47 砂走りの途中の大きな岩
9:20 砂払い五合目・吉野屋(15分休憩)
10:09 五合目到着
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富士山 |
日 | 2001/9/2 |
時 | 03 | 06 | 09 | 12 | 15 | 18 | 21 | 24 |
気温(℃) |
1.6 | 1.9 | 2.2 | 2.0 | 2.5 | 2.1 | 2.2 | 1.9 |
風向 |
| WSW | WNW | NW | NW | WNW | W | WNW |
風速(m/s) |
7.7 | 8.7 | 6.1 | 6.7 | 3.1 | 4.1 | 5.6 | 6.1 | |
天気 |
− | − | 曇り | 曇り | 曇り | − | − | − |
↑当日の山頂の気象。山と渓谷社のHPより。
★教訓:山小屋の閉店時期は毎年微妙に違うことを知る。
(2001/9/5)
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