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 みんなの登山記2005−9富士宮口
 投稿者:K・Aさん


■2005年8月4日(木)

こんにちは、いつもあっぱれ富士登山を楽しく拝見しています。
今回2回目の富士山挑戦です。
最初の富士登山は、2年前に職場の同僚と4人で河口湖口から登りました。
この時は登頂後、生憎の雨に合いお鉢周りが出来なかったので、次は絶対周るぞという思いで計画を練っていたところ、前回とは違う職場のメンバー3人が「やっぱり日本人は死ぬまでには1回は日本一の山である富士山に登らなきゃ」という悪魔の誘いにのり同行が決定しました。
一応前回のメンバーにも声をかけたのですが「恐るべし富士山」と一言で辞退!

今回のメンバーは
S・Nさん 57歳(少し年は行っているが、いまだバトミントンで活躍している現役選手)
K・Aです 49歳(私で20代に槍ヶ岳・剣岳登山を経験したが、今はすっかりおじさん)
M・Sくん 30歳(元サッカー選手であるが、今は鍛えた筋肉が脂肪の塊となっている)
K・Oくん 26歳(元陸上長距離の選手で、荷物の持ち役と言うことで無理やり同行決定)
と年齢差はなんと31歳!
コースは、前回とは違うところから登りたかったので、表富士である富士宮口から登ることに決めました。
日程は、京都を朝出発し夕方五合目到着、夜間登山でご来光を見るといった、幅広い年齢層のわりにはきつい行程。
実は前回もこの行程で、下山後キャンプ地でバーベキューをしながら、おいしいビールをきゅっと1杯飲む予定でしたが、台風の来襲で大雨となりテントを張る気にもなれず、急遽キャンセルし帰宅したため、なんと0泊2日の行程になったのです。 このきつい経験している私は、何があっても下山後はどこかに泊まることを主張したため、それなら疲れたところで1泊するというなんともアバウトな行程に決定したのですが・・・

【富士宮口新五合目駐車場】 
9時35分に出発し、一般道や高速道を走ること約470Km途中で幾度か休憩をとり、富士に近づくにつれ「もうすぐ富士山が見える」と期待しながら走行していましたが、生憎の低い雲に覆われ見ません。
一抹の不安を抱えたまま、富士宮で食料など必要品の買出しなど済まし、18時30分やっと富士宮口新五合目に到着。
しかし、さすがに富士五合目、標高が高く低い雲は遥か下、目前にはくっきりとめざす富士の荒々しい山肌。
駐車場は、平日であり車の数も少なく登山口のすぐそばに駐車できました。
高度に体を慣らすため、1時間20分をかけ準備。


【登山開始】  19時50分
【新六合目】  20時10分到着 休憩なし
【新七合目】  21時10分到着 休憩30分
【元祖七合目】 22時20分到着 休憩30分
【新八合目】  23時40分到着 休憩60分
【新九合目】  翌1時05分到着 休憩30分
【九合目五勺】 翌2時05分到着 休憩10分
【富士山頂】  翌3時30分到着

河口湖口からのルートはガレ場のオンパレードで岩場は1箇所のみでしたが、富士宮口は岩場ばかりでしかも岩や階段の段差が高い。
しかも夜間に登には少しルートが解りにくく、ガレ場に入るたび確認をしましたが、幾度か登山ルートから外れていました。
小さなヘッドライトたよりの夜間登山では、もう少し解り易いルート表示をしてもらいたいですね。

それと天気は非常に良かったのですが、風が強くとても寒い。
服装は前回と同じで、半袖・厚手の長袖・スキー用のフリース・雨具を持参しましたが、早くも新八合目でこれらの服を全部着用しました。
早く登ってしまうと、ご来光まで寒い中長時間待たなくてはいけないのと、運動不足が露呈した私の足の状態を考え、ゆっくり小休憩を取りながら登ろうとメンバーに言いましたが、せっかちなS・Nさんはとても57歳とは思えない足取りでどんどん先へ登り、これにつられK・Oくんもどんどん先へ・・・
結果的には30分の差ができましたが、私とM・Sくんにはこのゆっくりとしたペースが足にもあまり負担がかからず、また満天の星を眺める余裕もでき、きれいな流れ星も幾つも見られとてもよかったと思っております。
S・NさんとK・Sくんはというと、寒風吹き荒ぶ中少しでも風の当たらない場所である浅間神社門扉で肩を寄せ合いながら、休んでいましたが寒さでガタガタと震えていました。
だから言ったじゃない、ゆっくり時間をかけて登ろって!!

そして、寒い中待つこと1時間!!
雲ひとつない空の中、感激のご来光!!

  

山小屋のおじさん曰く、「今日のご来光は特別綺麗」とのこと。
このメンバーの中、晴れ男いたかな?

【お鉢周り】
私は、前回ヘロヘロになった下山や、今回の急な岩場を登ってきたことや今の足の状態を考え、あれほど行きたかったお鉢回りをあっさりとパス!
みんなに「後悔はしない?」と聞かれても「今回はパス」と強い決意で荷物番!
残りの3人は、時計回りで馬の背を経由し3776m地点へ!
旧観測所からは、みごとな影富士が見えたそうです。
私が見ていたのは、へっぴり腰で馬の背を登ったり降りたりする3人の姿!

  

【下山】
翌6時20分
とても天気のいいなか下山開始。
思っていたより順調に下山していく。
よく考えてみると前回はガレ場で足がすべり、踏ん張りが効かず最後には膝が笑ってしまったが、今回は登りにはきつかった岩場が幸いし足元が滑らない。
また、あまり頼りきってはいけないが、コースに張ってあるロープをうまく利用すると、さらに安定し下りの距離も大いに稼げる。
しかし調子に乗っているときつーいお仕置きも。
S・Mくんは足を滑らせ思いっきり尻餅、これが後で恐ろしいことを招くことになるとは・・
汗をかきながら登ってくる人たちにコースを譲りながら、「おはよう」「がんばって」「もう少し」などと、誰かれ気兼ねなく自然と挨拶ができる。
これが山のいいところ。
しかし、登りでヘロヘロになっている人には少し迷惑だったかな?

  

【新五合目駐車場】
翌10時10分
無事到着。
私を含めみんな比較的元気で、これならお鉢周りも可能だったかな?
いやいや考えないでおこう。
またの機会があるさ!

  

【おまけ】
富士宮市にある国道139線沿いの富嶽温泉は、下山後休憩するのにとてもおすすめです。
1日券を購入するとなんと翌日の2時まで休憩ができます。
温泉、マッサージ器、リラクゼーションルーム、食堂など疲れた体にはなんともありがたい設備ばかり。
料金も、新五合目の駐車場に割引券が置いてあり、これを使用すると1300円ですみ、素泊まりのビジネスホテルは安くても5000円、設備や休憩時間などを考えてもとてもお得な感じがします。
温泉は、ジェットバス・打たせ湯・露天風呂・紅茶風呂・死海風呂等いろんな種類があります。
死海風呂というのは、塩分濃度が非常に高く何もしなくても水面に浮くことができますが、しかし少しでも傷があると、そこから塩分がとてつもなく沁み込みます。
ここで悲惨な目にあったのがM・Sくん。
下山途中、尻餅でできた傷か、あるいは富士山で3回も行ったトイレの罰かは知りませんが、とにかく傷から塩分が沁み込んだみたいで、お風呂に入った瞬間、「ギャオ」と奇声を発しお尻と前の大事なところ押え、カタパルトから打ち出された飛行機のようにお風呂から飛び出したのを、ジェットバスに入っていた私は目撃したのです。
その瞬間、お風呂中大爆笑!!
大笑いをした後は、温泉でゆっくり体をほぐし、湯上りのおいしいビールをキュッと飲み、S・Nさんに起こされる17時までリラクゼーションルームで爆睡!! おかげで睡眠不足も、一気に解消され帰路も一切眠気無し。
どうしても1泊を主張していた私も、これなら納得しました。
帰路の車内では、1回登ったのでもう行かないと言っていたメンバーも、帰宅後2日もすると「もう1回行ってもいい」と早くも富士山の魔力に取り付かれていました。 私はというと、またお鉢周りを残したので、今度は0泊2日の強行軍ではなく、八合目の山小屋に1泊し、ゆっくり登る計画をはやくも練っています。
その地獄のささやきにのるメンバーはさて誰になるのかな?


  (管理人)
 風が強い方が雲が吹き飛ばされるのできれいな御来光になるようです。もちろん、風が強いと寒いわけですが、それを我慢するだけのことはありそうです。


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(05/8/19)