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 みんなの登山記02−15 須走口
 投稿者:Meg.30さん

■2002年8月28日〜29日 須走口

 Meg.30さん(女性)は持病があり、周囲は体調を気遣って富士登山に反対。それでも本人の強い意志で富士登山を決行することに。腰痛や寒暖の差で出やすい喘息の発作を心配しながらの登山となりました。お友達が同行。

本当に本当にありがとうございました!
無事に、無事に登頂することができました。
そして、ご来光も頂上で見ることができました。
こんな嬉しいことは、ありません・・・

28日9:00過ぎ
須走口新5合目到着
「菊屋」さんで山菜うどんなど食べながら、体を1980m気圧に慣らしてみました。

10:20頃
金剛杖に日の丸つけて、スタートです!菊屋のおかみさんの励ましを受けて・・・
ちょっとハイペースで、息苦しくなり、こまめに休憩を挟んで行く事にしました。
10分登って、2分・・くらいの間隔でした。
しかし、座ってしまうとツライので、足を止めるという感じでした。
とにかく玉の汗がタラタラ〜。
何せ汗かき2人組。拭いても拭いても、汗が出てました。

11:30頃本5合目「林館」
本格的な休憩。ここで、おにぎりをひとつ食べました。
まだまだ、元気があったころです(笑)

>以下、時間は覚えてないほど衰弱してきます・・・

6合目では、記念撮影。相変わらず「ちょこっと休憩」専門です。
同行した友人が体力保持者??で「疲れ知らず」だったことが判明・・・
ここで、写真の撮りあいっこをしたカップルと仲良くなり、後に世話に
なることに・・大変感謝してるんです。

暑さと体力のなさで、どんどんツラく感じてきたのが6合目を過ぎたあたりでした。
この道のりは、うぅ?ヤバイかも・・と思わせる条件が揃ってましたねぇ。
不安でした。友人は、休憩なしでもグングン行けるタイプ。
何度も「先に行ってて」と言いましたが待ってくれてました。
ここが、心労ポイント。気が焦る・・とはこの事だったのかぁ〜。つくづく実感。

しかしです!
宿泊予定の7合目「大陽館」にはなんと目的時間より、
はるかに早い2:30ころ到着・・・ここで、少し休憩です。
中に入ってホットコーヒーとホットココアを注文しまして、中の様子を伺いました。
泊り客もまだおらず・・・友人と相談した結果、もう少し進んでみよう!
ということなり、「大陽館」を出て前のベンチに腰掛けて、またおにぎりを
ほおばりました。そして、またスタートです。
※ココで飼われてる親子の犬が有名だとかで撮影しました。

本7合目「見晴館」
ここは閉館していたように記憶してます。
夕刻になるとだんだん風が強くなり、グッと冷え込んで着たので、上っ張りを
着ました。鼻炎も刺激され、強風と鼻水との戦いも追加された7合目過ぎです・・・
台風の影響で風が強かったようです。行く手を阻む風には、腹立たしかったです。
ただでさえ、疲労困憊なのに・・
神様は「修行しなさい」と言ってなさる。自分でそう思いました。
呼吸も随分荒くなっており、自身も不安を感じました。

やっとこさ、八合目に到着。
ここでは、日もかげり寒さだけが感じられ・・でも座っておやつを食べました(笑)
10秒チャージ、2時間キープでおなじみ「ウィダーinゼリー」(笑)
意外とおいしいことに気づいたのも八合目(笑)
いえ、もう笑えない状況にありました。

登山の道中、前述してるカップルの方とお話しながら登ったり、休憩したり・・
この方々は本8合目の「胸突江戸屋」へ宿泊するとのこと。明朝にご来光を
頂上で・・と考えておられ、何でも男性のほうは幾度も富士登山の経験が
おありで。アドバイスを受けながら、お誘い頂いた「胸突江戸屋」さんへ
我々も宿泊することにしました。
※当初「大陽館」での宿泊予定を考えておりましたが、シーズンも過ぎてるし、
予約は入れてませんでした・・

そのカップルの男性にご来光も頂上で!と誘って頂き、
こんな調子なのに「無謀魂」を駆り立てられ、呼吸乱れる中、朝方山頂を
目指す自分の姿を想像していました。

寒さもツライかったですが、恐ろしいほどの風でした。
こんな高いところで吹き飛ばされたらひとたまりもない!というくらいに・・・
かなり怖かったです。しかし、景色は上にいくにつれ、大パノラマ!凄い!
この頃、肺が痛くなっていました。心配機能の低下?が原因でしょうか?
うまく、酸素が吸えなくて頭に血液が回ってないなぁ・・と判りました。
少しめまいめいた症状、軽い頭痛アリ。これは、高山病だろうか?と。

でも、友人はスコブル元気。鳥肌出てるのに、半袖のまま・・・
1人我慢大会をしていたようです(笑)
ゆっくり登ってる人を追い越してゆき、ガンガン登る友人に対し、
人の後ろで風を遮るまったりモードの自分と・・
両日合わせて、私の待ち時間で友人はかなりのロスタイム・・
申し訳なかったです。

ナンダカンダ言いながらも、5時前にはナント!本8合目の
「胸突江戸屋」へ到着〜〜!お疲れさまでした!
本当にお疲れ様でした。と思う余裕なく寒〜い山小屋。

夕食は、定番「カレーライス」
ちょっと寒さが感じられ、追加で「おしるこ」を注文しました。
8合目から見る、夕暮れ、夜景も最高でした!寒かったですが・・・
8時前に布団に入りましたがなかなか眠れませんでした。
寒さ、風の音、肺の痛みetc…


29日早朝2:30起床。
眠い・・寒い・・そんな中で山頂へ向かう準備をしました。
風は相変わらずビュ〜ビュ〜吹いて恐ろしいばかりです。

完全防備でボチボチ目指しました。
・・・が、空気が薄い。既に息苦しい状態に陥っておりました。
1本目の酸素ボンベ出動です。しかし、それでもおさまらず、
長い休憩を入れて、2本目ボンベも・・・はっきり言って、意識を失う、
めまい、吐き気、人の声ももう聞こえない・・
もう駄目だぁ・・と本当に思いました。

酸素ボンベを使っても苦しさはあまり改善されず・・
肺が痛い、息が出来ない、鼻水止まらない、足が動かない、会話が出来ない
友人に先に行くようお願いしましたが、頑張るように言われました。
しかし、限界だったんです。本当に・・
今でも、気力だけで山頂を目指したんだろうな・・と思います。
以前に幾度となく、倒れた経験があるんですが、その寸前を味わっていました。

ご来光まであと少し・・空も明るくなってきました。
そして、山頂までもあと少し・・もう、9合目に来ていたのです。
大渋滞していたので、休み休み進んでいたのですが、
私にはそのペースすらキツくてかなり辛かったです。

しかし・・間に合ったのです。
当日は5:15だったでしょうか?ご来光時刻は・・
もう、ヨレヨレで何が何だか判りませんで、
ひたすら酸素ボンベを吸う。そんな感じでした。
友人の証言です・・「顔色がなかった・・」と(苦笑)
ご来光に手を合わせて祈りました。本当に祈りました。嬉しかったです。
ありがとう・・と感謝の念でいっぱいでした・・

ご来光とともに、山頂も暖かくなり生気を取り戻しました。
山小屋で暖かいものを食べ、山頂で記念撮影。
しかし、念願のお鉢めぐりは今回断念。もう、気力が残ってませんでした・・

随分長いこと山頂におりました。
9:00前に下山・・私は下山の方がスムーズでした。
砂走りで、恒例?の大回転級を披露しましたが(笑)
割と順調に下山・・

・・と、砂走りを程よく降りたあたりに
ザックと中身が散乱・・何やら事件の香りが。
金剛杖2本もありました。でも、人影はなし・・
大学のサークルの方々が、すぐ後ろから下山。
相談して、山小屋まで持ち帰ることにしました。
その途中に、また、ひとつザックが散乱。
中からTシャツとタオルが半分出てまして・・ でも、人の姿はなく・・
何だか怖い体験をしてしまったようです。
ゴールまであと2kmのところにある、休憩所の方に事情を説明しまして、
預かってもらいました。その後、どうなったかは判りません。
事件だったのか、何だったのか気になりますが・・

色んな体験をした2日間。
でも、私にとって貴重な体験でした。
確かにキツくて、余裕がなくて色んなものを見落としたと思います。
が、良かった!本当に素晴らしかった!
本心です。また、来年も登りたい・・
そう思わせる富士山はやはり凄いです。

日本一制覇で少し自信がつきました。
もっと体力つけて、次回はもう少し苦しくない富士登山をしたいと思います。


今もなお、筋肉痛があちこち支配してます(笑)
しかし、この痛みが喜び!がんばった証!
だと思うと、いつまでも消えてほしくないのです・・
この痛みがあると、あの時の自分を思い出すのです・・だから・・

下山後、涙が出てきました。
ご来光も感激でしたが、意識が朦朧としていたのと、
気を張っていたので泣くことも出来ず・・・
しかし、日が経ってうるうる。自分のこと、褒めてあげたいと思います。
そして、もっと体力があれば・・と負けず嫌いが見え隠れ(笑)

壮大な自然を前にちっぽけな自分がいる。不思議な感覚でした。
こんな思いはなかなか出来ません。
もう二度と御免だ・・と思わないから驚きです(苦笑)
来年は、富士宮口から登りたいな・・とか、御殿場もいいなぁ・・とか。
諦め悪いですね?自分(笑)

今回登頂できたのは、自分だけの力ではないということです。
もちろん、自分の意思はありましたが
準備の段階からあっぱれ!富士登山や、励ましてくれる知人・・
本当に沢山の励ましで今回登頂できました。

ありがとうございます。楽に登れれば、言うことなかったですが、
でもツラさがあってこそ、感激も、一入(ひとしお)でした。
あっぱれ!富士登山!万歳!富士登山!
(管理人)
 台風の影響で状況はかなり厳しかったのですが(29日午前3時の山頂の気温5.5度、風速14.8m/s)、それでも見事に登頂を果たされました。準備段階から何度かメールでやりとりをさせていただいたこともあり、登頂成功のメールをいただいた時は、とてもうれしかったです。



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(02/9/2)