■2006年7月25日(火)〜26日(水)
はじめまして。私は富士山に魅せられ、富士山にしか登りません。10年前から富士
登山を始め、2002年に5合目からの全コースを制覇しました。それ以降、ボーイ
スカウトや職場の仲間をつれての登山をしてきました。2005年からは麓からの完
全制覇を目指し、去年は精進口を13時間30分(頂上泊)で登りました。(下山は
同じルートで精進湖まで。7時間程度。http://www.3776.jp/taiken/taiken05-3.htmlの28番)
今年は吉田口です。以前、ボーイスカウトの後輩が1合目より登ったということで、それを上回ることはできないかと思いました。また、なるべく車を使わない方法はないかと考えた時、「そうだ、富士吉田の駅から行けばいいんだ!」ということに気がつきました。地図を見たところ、幸い
富士吉田駅から浅間神社までは、それほど距離がないことに気がつき、出発の5日前
に決めました。(もともとは、ボーイスカウトの海外スカウトとのジョイントキャン
プの奉仕に出るつもりでしたが、人数が足りているということで断られてしまったの
です)
午前4時20分に自宅を出て、4時44分中野駅発の各駅停車で富士吉田を目指す。
高尾と大月で乗り換え。大月では、乗り換え時間が短く、駅員さんの許可を得て、切
符をかわず電車に飛び乗り、車内で精算する。電車の中で、朝食をとる。
トイレを済まし、7:14富士吉田駅出発。富士登山駅伝ののぼりの立つ道を歩き、浅間
神社に7:32に到着。登山の無事を祈り、お参りをして7:40頃出発。遊歩道か舗装道路
か迷ったが、昨日までの天気を考え、舗装道路にした。東富士五湖道路下通過8:00、
スバルライン方面への道路分岐通過8:10、中の茶屋到着8:25と、順調に進む。天気は
曇りで、やや蒸し暑いが、登りやすい天候。8:35出発。ここからも舗装道路を歩き、
大石茶屋横を9:02に通過。馬返しに9:21到着。ここで、水分補給とともに、パンを食
べる。9:40出発。一合目を9:55通過、二合目10:18通過、三合目に10:35到着。ここに
着くまでに、途中で晴れ、雨、晴れと山の天候らしくめまぐるしく変化をする。水分
を補給し、10:47出発。四合目11:06通過。しばらくすると、舗装道路に出る。二回目
の登山(1999年)は、滝沢林道の佐藤小屋の2つ下のゲートから登ったので、記憶に
ある道です。佐藤小屋に11:42に到着。天気もずいぶんよくなり、気温も高い。ここ
で、シャツ、ジャージ、靴下などを脱ぎ、汗をよく乾かすことにした。靴も乾燥。こ
の間に昼食を取る。パンと魚肉ソーセージ、ヨーグルトなど。水もしっかり補充。
12:30出発。六合目安全指導センターに12:55到着。このあたりからツアーなどの登山
客が登場する。ツアー客は、道をふさぐので、大変迷惑である。登るのに必死なのは
わかるが、道を譲ることも登山のマナーとして心得ていただきたい。と思いながら
も、どんどん登り、花小屋前13:35通過。最初の小屋は休憩客が多いので、もう少し
上で休むことに。しかし、太陽が照りつけ暑い。なんか少し頭痛がしてきた。これは
脱水症状のサイン。なんだかんだ言って、東洋館まで来てしまった。14:02到着。時計
を見て、自分でもびっくりする。これまで、このコースは4回歩いてきたが、こんな
に早く登ったのは初めて。これまでは同行者がいて、そのペースを見ながら歩いてき
たので、そのせいもあるのかなと思った。十分に水分補給をして、14:15出発。しか
し、ここから体調が芳しくなく、大幅なペースダウン。足の疲労もかなりたまり、苦
しくなる。蓬莱館前14:41通過。目の前に山小屋はあるのに、一向に近づかない。白
雲荘で急遽、休憩にする。体調が優れないので、すっきりするようにCCレモンを購
入。400円かかるが、快適に登れるのが一番ということで、我慢して購入。パンを食
べ、少し身体を休ませる。このあたりから、とても寒くなり、トレーナーを着る。
15:25に出発。少しずつ登り続け、本八合目江戸屋に15:55到着。頂上が見えてくる。
このペースだと、10時間を切るタイムで登山完了できると確信した。だいぶ体調もよ
くなったところで、16:05出発。御来光館を16:15通過。九合目の石室で小休止。
16:35出発、山頂の鳥居を16:57に通る。休憩時間も含め、実に9時間43分で登頂完
了。山口屋にチェックインし、カレーライスを食べる。登りきったあとのカレーは、
本当においしい。食後、外へ出て須走口下山等のところから夕日を見る。剣が峰の方
向に、日の入りするのが大変にきれい。しかし、風が強く、立っていられない。須走
口の方を向くと、雲海に影富士が映っている。このような、富士山の自然現象を見る
のが、登山の楽しみでもある。
19:20就寝。しかし、夜中に6度目が覚める。そのたびにすぐに寝て、また目が覚めて
の繰り返し。
夜中0:40ころ目が覚めたとき、山小屋の外に出た。星が大変きれい。まさに天然のプ
ラネタリウム。登山道は、余り明かりは見えない。まだこの時間は、上のほうは歩い
ていないのか。この天気なら御来光も期待できそうだと思った。3:35起床。完全防備
をして、外へ出る。かなり寒いが、防備のおかげで外に居続けることが出来る。しか
し、頂上が雲に包まれ、視界も悪い。ご来光は無理だと思った。折角来た富士山頂、
諦めるのは早いと思い、待ち続けることに。そうするうちに、少し雲の切れ目が出
来、わすかに遠くの空が見える。その切れ目より、オレンジ色の光が見える。あとは
山頂の雲の取れ次第・・・そうしたら、少しずつ山頂の雲が取れ始めてきた。遠くの
空がオレンジになり、雲海より赤い丸が少しずつ現れる。遠くの空がまぶしく輝き始
める。まわりから歓声が上がる。この瞬間が、富士山に登ってきて本当によかったと
思える瞬間である。
荷物をまとめ、お鉢を回る。すごい風。何度も吹き飛ばされそうになるも、耐えて歩
く。NTTの手前で火口を見ると、雲の中に虹が見える。途中、朝の影富士も見える。
更に歩いて歩いて、浅間大社奥宮でお参りし、郵便局で登頂証と暑中見舞いを出す。
頂上富士館でお土産を買い、剣が峰を目指す。剣が峰で朝食を取る。今回は、ガスコ
ンロなどの器具を持ってきていないが、レトルトハンバーグ(調理済)などは意外に
おいしく食べられる。また雲がかかり、日差しは明るくない。やや寒い。登山者も少
ない。ここで、暑中見舞いメールを大量に発信する。しばらくすると、大阪の方の学
校の中2生が順々にやってくる。女の子ばかり、日本最高峰の石碑の奥のほうを陣取
り、軽く50名以上。自分も学校の教員をしているので、ちょっとうらやましく目に
映った。だいぶ太陽も出てきて、眺めもよくなってきた。山口屋に戻り、下山準備。
半袖シャツになり、ジャージを靴の外に紐で結ぶ。(こうすると砂や小石が入らな
い)
頂上出発10:01、八合目江戸屋10:21通過、七合目のトイレ10:53着。靴と靴下を脱
ぎ、乾燥させる。下山するにつれ、靴擦れ見たいなのが気になる。また、脱水症状防
止のため、水分補給。11:05出発。星観荘11:35着。ここで水分補給&軽食。トイレも
済ませ、11:45出発。三合目12:15通過、二合目12:23通過、一合目12:35通過、馬返し
に12:43着。日差しが強く、とても暑い。地面も大変に暑い。ここでも靴下を脱ぎ、
乾燥に努める。だいぶ足も痛んできて、まめも出来ている様子。12:53出発。中の茶
屋13:29着。ここで水分補給をして、13:34出発。浅間神社14:16着。無事に到着でき
たことに感謝しお参りする。顔を洗って、14:22出発、富士吉田駅14:45着。結局、下
山は休憩を含め4時間44分。帰りは高速バスで新宿へ。渋滞にかかると時間がかかる
が、それさえなければ時間も早いし、値段も安いし、乗り換えもない。
富士登山は、人それぞれ色々な登り方がある。自分は今回で13回目の登山、12
回目の登頂であるが、何度富士山に来ても飽きることなく、その美しさを楽しんでい
る。あるときを境に、夜間登山はやめ、頂上泊にしている。暗い中での登山は面白く
ないし、安全性の面でも昼間の登山に比べ、劣るのは確かである。(逆に、太陽にさ
らされないので、暑さの面では利点がある。)そして最近気がついたことは、7〜本
8合目で宿泊する人が多いため、頂上の小屋は意外に空いているということです。満
天のプラネタリウムと、美しいご来光を快適に見たいというのであれば、頂上泊はお
勧めです。以前は剣が峰でご来光というのも見たこともありましたが、それもいいか
なと思います。小規模な山小屋は宿泊客を起こしてその場所を休憩所に利用します。山口屋は宿泊の部屋は休憩の部屋の奥にあるため、休憩所として機能し始めても比較的静かです。
最後に、このように登山できるのは、健康な身体を与えてくださった両親、そして
色々な人のご協力のおかげです。こちらのホームページにも、2002年の02-18
(昨年の精進口登山)と02-19(今回)を参考にさせていただきました。ありがとう
ございました。
さあ、次はどこから登ろうか・・・須山口か、村山口か・・・それとも大沢左岸・
右岸、執丈流し等のバリエーションルートか。まだまだ富士登山は楽しめそうです。
幸いにも、ボーイスカウト関係者の山岳会の知り合いがいて、いつでも本格登山を教
えてくださる環境があるので、これを機に、本格的に始めてもいいかなと思っていま
す。
(管理人)
初心者は高山病が心配なのでいきなり山頂の山小屋に泊まるのは控えた方が良いと思いますが、Sacchin♪さんのようなベテランなら山頂ならではの長所を享受できます。
|