■2006年8月28日(月)〜29日(火)
今回 30 年ぶりに富士登山をすることになり、いろいろ情報を
調べているうちに「あっぱれ! 富士登山」サイトを発見し、
主に装備やルートの情報を活用させて頂きました。 どうもありがとうございました。
今回、小学 6 年生の息子と 67 歳の母の 3 人で、バスツアーにて
富士登山をしてきましたので、そのご報告をさせて頂きます。
約 30 年前の中学生時代に、母と妹の 3 人でやはりバスツアー
にて富士登山をしたことがあるのですが、母が「自分が元気なうちに
一回孫と富士山に登りたい」というので、今年富士登山に挑戦する
ことになりました。
3 人の都合を合わせたところこの時期に行くしかなくなり、
インターネットでバスツアーをいろいろ調べて、名古屋近辺出発の登山ガイド同行コースを利用することにしました。(我々は岐阜在住です)
予定されていたスケジュールは以下の通りです。
【一日日】
名古屋駅 7:10 集合、7:30 出発 => 河口湖口五合目 13:00 頃到着。
休憩・登山準備後 13:30 頃出発 => 登山約 4 時間 => 八合目白雲荘 (泊)
【二日目】
白雲荘 1:00 頃出発 => ガイドと共に登山約 2 時間半 => 山頂
下山開始 6:00 頃 => 下山約 5 時間 => 五合目 13:00 出発 => 入浴 => 名古屋
実際の時間は、時期的なものや当日の事情に応じてでしょう、多少前後
していました。
集合時間ちょうどに名古屋駅の集合場所についたら、そこはバスツアー
の集合場所のメッカだったらしく 20 以上ものツアーが受付していた
のですが、我々が参加する旅行会社の名前はなく、かなり
あせりました。 結局、出発時緊急連絡先に電話して確認したところ、無事受付を発見
できましたが、名古屋発のツアーは同じグループの別旅行会社が担当していました。(その事は 富士登山ツアーのページ等には書いてなく、後になってよーく確認しても、会員規約等にグループ会社一覧が載っているだけでした)
とにかく無事名古屋駅を出発でき、中央高速を通って、途中恵那狭 SA と
諏訪湖 SA で休憩をとり、予定通り午後 1 時ころに五合目に到着しました。
東京発のツアーは行きと帰りのバスが違うということで、バスに荷物を
残せないそうですが、名古屋発は行き帰りとも同じバスなので、車内に余計な
荷物を残せました。(これについては、名古屋発の富士登山ツアーのページに
書いてあったので、事前に知っていました)
ここで予定より長く 1 時間の休憩をとり、2 時ころに登山ガイドさん
および添乗員さん (男性) と共に出発しました。先頭がガイドさんで、
最後尾に添乗員さんが付き、グループから遅れ気味の人を添乗員さんが
フォローするということでした。
この時ガイドさんから、「かなりゆっくり目のペースで行きますが、
無理をしないで頂上に行けるようにするためです。そのため、自分より
前にはいかないで下さい。逆にこのゆっくりペースに付いてこれない人は
登頂は無理なのであきらめて下さい」と言われました。
実際にはそこそこゆっくり目のペースではありましたが、体力に自信が
ない人にとってちょうどよいくらいのペースで、もっと体力がない人や
高山病になるとついていけないくらいでした。実際に私の母は高山病の
症状が出て七合目くらいから遅れはじめ、八合目の宿泊場所には 20 分
くらい遅れての到着となりました。(息子は先頭グループについて行って
しまったので、最後は私と添乗員さんがつきっきりとなりました)
ガイドさんからは他に、「自分は数多く登っているので、どこを通るのが
一番よいのか熟知しているので、自分のすぐ後ろについて同じところを登る
ようにするのが一番よい」とも言われました。基本的には階段状のところは
なるべく避け、その脇などの坂を通るようにするのと、どうしても階段状の
ところを通る時は段数を多くして、一歩あたりの高さが少なくなるように
選んで通っていました。
今回、ガイド付きのツアーにしたのは、いろいろなアドバイスがもらえたり、
何かあった時に相談できたり、ペース配分を教えてもらえたりするからですが、
一方で団体行動のためあまり自由に行動・休憩できないというデメリットも
ありました。今回のツアーにはバスと宿泊だけであとは自由というコースも
あったので、ペース配分やコツが分かっていればそちらの方がよかったのかも
しれません。でも、実際にそうしたとしたらペースが早すぎてやはり途中で
リタイヤしていたのではないかという思いもあります。
さて、午後 2 時に五合目を出発して、宿泊予定の八合目の山小屋
(白雲荘) に着いたのが午後 6 時半〜 7 時ころでした。すぐにカレーの夕食を
食べ (母は気分が悪いということで食べずに寝ていました)、後は寝るだけ
でしたが、幸い我々 3 人は 3 人用のスペース (2 畳ほど) を割り当て
られたので、他の人にそれほど気兼ねしないですみました。よく言われる
ように布団は多少湿っている感じでしたが、予想外だったのが厚手の毛布と
重めの布団で、寝ているとかなり暑くなってくることでした。
寝る前に 3 人で、全員ここでリタイヤするか、それとも母に山小屋で
待っていてもらって、私と息子だけ登山を続けるか相談しました。母の
様子は結構苦しそうで、山小屋に一人残した場合に万が一の事があったら
(その時はそう思い込むくらい母の様子は悪く思えました) 悔やむに
悔やみきれませんから、私は全員でリタイヤするのを提案したのですが、
母が「登頂を楽しみにしている孫 (息子) に申し訳ない」と強固に言い張って、
結論は午前 2 時の出発前まで先伸ばしすることにしました。(その前に
添乗員さんに、下山途中に白雲荘に寄って母を迎えに行くことは可能である
ことを確認してありました)
8 時前には横になったのですが、普段はこんな時間に寝る事はないのと、
他の人の話し声や物音が気になってなかなか眠れず、結局居眠り程度の浅い
眠りだった気がします。母は夜中にトイレで吐いてきたそうで、それからは
多少気分もよくなったとのことですが、それでも頭が痛いとは言っていました。
午前 2 時の出発時点で母が「やはり登る」と言い出したので、とりあえず
一緒に出発したのですが、5 分も登らないうちに遅れだし、10 分くらい登った
ところで結局母だけリタイヤすることになり、息子と添乗員さんに待っていて
もらって、一旦私が母を白雲荘に送り届けて登山を続けました。
その時にちょっとペースを早くしてしまい、私も軽い高山病の症状が出た
のですが、何度も何度も深呼吸したり、水分の他に、エネルギー切れに
ならないようにゼリー飲料をとりながら体調を回復させるように努めました。
九合目の手前くらいで先に行ったガイドさんのグループに追い付いて、後は
一緒に登ったのですが、今度は息子が苦しいと言い出して、深呼吸するように
とか、歩幅を短くするようにといったアドバイスをしたのですが、幸いに
夏休み最後で登山者が多かったのか結構渋滞していて、かなりゆっくりの
ペースで登ることになりました。
最後は私もかなり疲労がたまってゆっくり登るのがやっとという状態でしたが、
それでも午前 4 時 50 分くらいに無事なんとか頂上まで登れました。その後、
午前 5 時すぎに、ガイドさんによると 10 日ぶりくらいという非常に綺麗な
御来光をおがむことができました。なお、途中で休憩している時に流れ星も
見えましたし、金星 (明けの明星) が非常に綺麗に見えました。
頂上に登れたのはよいですが、息子はかなりグロッキー状態で、
しきりと「寒い」「気持悪い」と言っていましたが、それでも御来光を
おがんで、記念に写真を撮ることくらいはできました。でも、結局その後
吐いてしまいました。
一旦吐いたら多少元気が出て来たのか、とりあえず火口を見に行って
写真を撮りましたが、やはり「寒い」「気持悪い」と訴えていました。
そこで、高山病を治すには下山するしかないという事前に得ていた情報に
従い、ガイドさんと添乗員さんに断ってから我々だけ先に下山することに
しました。
本来の下山開始は午前 6 時だったのですが、我々は午前 5 時 40 分くらい
に下山を開始しました。でも、途中で息子が何度も「気持悪い」としゃがみ
こんでしまったので、そうこうするうちにツアーグループに追い抜かれて
しまいました。
それでもなんとか八合目まで下山して、一旦下山道から白雲荘に抜けて
母を連れて下山道に戻り、下山を続けました。下山道は事前に「かなり
きつい」と聞いて/読んではいましたが、予想以上に歩きにくく最後の方は
本当に疲労困憊してしまいました。(六合目から五合目の最後の上り坂が
前日通った時以上に長く急に感じました)
母は山小屋で十分休憩できたためか、かなり回復しており元気に下山
しました。八合目からでも非常に綺麗な御来光をおがめたそうです。
息子も七合目くらいまでは何度も「気持悪い」と休憩していたのですが、
六合目くらいまで降りて来たら「もうなんともない」とケロっとした様子
で、一安心しました。本当に高山病は下山すればすぐに治るのですね。
登っている時は気づかなかったのですが、下山のときに外国人の方がかなり多いのに気づきました。在日の方もいるのでしょうが、バカンスの時期に日本に行って一番高くて有名な (しかも登りやすい) 山に登るというのが一つのコースになっているのでしょうね。
ということで、午前 10 時すぎには無事五合目に戻ってこれました。
私と息子は頂上でゴタゴタしていたので朝食のお弁当を食べておらず、
母も前日の夕食を抜いて朝食のお弁当を食べただけだったので、昼食には
かなり早い時間だったのですが、食事をとりました。
お鉢めぐりに誰も参加しなかったためか、バスは当初の予定より 1 時間
早く 12 時に出発することになりました。でも、食事したりおみやげを買ったり
してもまだ 11 時すぎくらいで、バスの出発まで何もすることがなく、広場で
荷物整理をした後ぼーっと座っていました。他にも同様に広場で寝転がって
いる人が何人もいました。このあたりも時間が自由にならないバスツアー
ならではですね。
12 時にバスに乗って入浴施設に向かったのですが、5 分もたたないうちに
眠ってしまったようで、気付いたら 40 分たっていて入浴施設に着いて
いました。
1 時間半の入浴休憩後、再びバスに乗って名古屋に向かったのですが、
入浴して一旦すっきりしたはずなのに、気付いたらまた眠りこけていました。
もし自家用車で来るとしたら、もう一泊して眠気を覚まさないと事故を
起こしそうだと痛感しました。
さて、母は途中でリタイヤしたものの、なんとか無事に富士登山ができました。
自分はまだまだ若いつもりでいましたが、思った以上に体力や持久力がなく
なっていることに気付かされました。でも、まだお鉢めぐりをしていない
ので、体力と持久力を鍛えて、またいつか近いうちに富士登山をしてみたい
と思います。
最後に今回用意した装備について書かせて頂きます。
30 年ぶりの富士登山ということで、初心者も同様なので、インターネット
でいろいろ調べて必要だと思われるものはほとんど用意しました (書かれて
いなくても使うかもしれないというものも持っていきました)。用意しなかったのはスパッツとガムテープくらいで、おかげで荷物がかなり重く
かさばるものとなってしまいました。(息子の分の一部も入れたため)
しかし、その中には持って行ったもののほとんど使わなかったものや、
必携のもの以外で役にたったものもあります。それらを以下に記しておきます。
【使うつもりで持っていって使わなかったもの】
・日焼け止めクリーム [日差しがそれほど強くなく、また使う暇がなかった]
・サングラス [同上]
・耳栓 [ゴタゴタしていて使う暇がなかった]
・水溶性ティッシュ [自分が使ったトイレにはペーパーがあった]
・ウェットティッシュ [使う暇がなかった]
・携帯型双眼鏡 [使う暇がなかった]
・軽食/おやつのほとんど [食べている暇がなかった]
・マスク (ほこりよけ用) [必要だとは感じられなかった]
・携帯電話 (FOMA) [かなりの部分で範囲外で、山頂も範囲外だった。 なお、7 月に登山した同僚は山頂で FOMA を使えていた]
【予備やいざという時のために持っていって使わなかったもの】
・薬 (傷、風邪、胃腸、虫よけ)
・予備電池
・ザックカバー
【必携以外で持って行ってよかったもの】
・登山用ステッキ [体力不足の自分には必携に相当]
・サロンパス [山小屋でひざが痛みだしたので貼った。効果あり]
・ゼリー飲料 [夜間登山でエネルギー切れを感じたので飲んだ。効果あったと思う]
【 防寒関係について】
・山小屋を出発する時に完全に防寒の装備をして出たのですが
(ウィンドブレーカー代わりにカッパ上下も着ました)、
山小屋の中で過ごして身体があったまっている状態ですぐに登り
はじめたために、いきなり汗をかきました。その後すぐに外気
の影響で冷えて、化繊の下着だったにもかかわらず冷たく
感じました。そのため、汗かきな人は山小屋から出てすぐに
登りはじめるのではなく、少し外気に慣らして身体を冷まして
おくか、最初は防寒着は着ずに持っていって、寒くなって
きたら着るという方法がよいかと思います。ただし、ツアー
の団体行動の場合は後者の方法はとりにくいかもしれません。
・上記の理由のほか、下山していって暑くなったときにこまめに
調節できるように、フリースやセーターは上からすっぽりかぶる
タイプではなく、前のファスナーで閉じるタイプのほうがよいかと
思いました。さらに、そでをまくりやすいようにゆるめのそでが
よいのではないかと思います。
・防寒のためにスキー用の毛糸の帽子をかぶったのですが、
それでも上のほうの風の強いところでは頭が寒く感じました、
毛糸の帽子も目の粗いものではなく、少しでも風をさえぎる
ようなものの方がよいかと思います。
以上、非常に長くなってしまいましたが、最後までお読み下さりありがとう
ございました。
(管理人)
お母様は5時間で八合目まで登っておられますが、67 歳にしては速いと思います。もう少しゆっくりしたペースで登れば良かったのですが、バスツアーではスケジュールが決まっているので仕方がありません。
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