■2006年7月29日(土)〜30(日)
河口湖口から、パパ(42才)、娘(小5;
11才)そして私(ママ;42才)の三人で、富士登山に挑戦しました。
パパは13年程前に友人と頂上まで登った経験がありますが、そのときに比べると更
におじさん体型が進み(本人は最近サイクリングを始めたので体力に自信ありげでし
たが・・)、隊長としての役目が果たせるか。娘は、週一回のスイミングで鍛えた体
(でも、この頃、食べ過ぎで、横に拡大中)を生かせるか。そして、私はたまのお
ちゃらけテニスしかしていない運動不足がどうでるか。・・・それぞれ不安と希望を
胸に、29日(土)11時30分、横浜の自宅を出発しました。
東名では行楽渋滞の最後尾についた感じでノロノロはありましたが、比較的順調にス
バルラインに入り、14:50、5合目駐車場に入る待ち列につけました。
梅雨明け間近で、学校も夏休みに入った週末なので、はるか手前の駐車場から歩くの
を覚悟していましたが、30分ほど待ったら、五合目の駐車場に入ることができ、と
てもラッキーでした。
5合目で、金剛杖を購入、小御獄神社で登山の無事を祈願し、早めの夕食を取って仮
眠。でもなかなか、寝付けず結局1時間ほどウトウトしただけでした。
21時出発予定でしたが、周りの車の人(若い人のグループ多し)が19時前から出
発していくので、これは早めに出た方がいいかな、ということになり、慌ただしく支
度をして、19時50分、五合目駐車場を出発しました。
20時30分、六合目着。5分の小休止。3人とも元気いっぱい絶好調!
先頭を快調に歩く私に、パパは「ゆっくりゆっくりだよ!」としつこいくらい・・
・。「高山病予防のため、早足は禁物」だとか。でも、頂上でご来光を見たいという
欲求が先に立ってついつい快調に歩を進めてしまうのでした。
21:20、七合目「トモエ館」前、到着。だいぶ気温も下がり、想像以上の勾配
に、3人とも早くも疲労がみえてきました。でも、まだ体調には異常もなく、10分
ほどの休憩後、出発。出発後、間もなく冷たい雨と霧に見舞われ、すでに防寒のため
に合羽を着込んでいた私と娘は難を逃れましたが、パパは合羽を着るのに手こずり、
濡れネズミ、ならぬ「濡れタヌキ」になっちゃいました(笑)・・・まあ、太りすぎ
のパパ本人は、汗だか雨だかわからなかったようですが・・。幸い雨は15分ほどで
あがり、ホッとしました。
23:40、八合目「太子館」(標高3100M)到着。15分の休憩。疲労と寒さ
で、ベンチにうずくまっていると、小屋から顔を出した人が、「うわっ、綺麗な星空
!」と叫びました。外にいた人は、一斉に空を見上げました。そこには満天の星。素
晴らしいっ!初めて空一杯の☆を見た娘も大感激。そばにいた女性グループは「こん
なに沢山の星を見たの、初めてぇ〜〜。」「あっ、流れ星〜〜」なんてはしゃいでい
ました。その声にニンマリしているパパを見逃さなかった私は・・・どこにいっても
しょうがねえおやじだなあ・・・と改めて思うのでした。
24:45、八合目「白雲荘」(3300M)到着。その手前あたりから、人の渋滞
が始まって、立ち止まることが多くなってきたこともあり、寒い!何しろ寒い!!そ
して、眠い!!!
特に娘を襲う睡魔は強烈のようでした。いよいよ高山病かな、と心配になりました
が、暖かいスープとコーヒーで元気を取り戻し、いざ出発!
それにしても、八合目が長すぎ〜〜〜!
いよいよ渋滞も激しくなり、3分5分と立ちんぼの時間が長くなってきました。娘の
睡魔は頂点に達し、パパに寄りかかって熟睡しています。それでも動き出すと、ちゃ
んと岩場を登っていくので不思議です。おっと、13年前の富士登山の時に買ったパ
パの額のライトが、点滅を始め、遂に「消灯」しました。「電池換えてきたのに。ケ
チるんじゃなかったあ」と、娘と私の新品のライトを横目に焦りまくるパパでした
が、渋滞の中、周りの人のライトで、なんとか岩場をクリアしていました。
26:20、本八合目「トモエ館」到着。
渋滞とあまりの寒さに耐えかね、「子どもがもうグロッキーで・・・休憩できますか
あ〜〜?」と、「トモエ館」のお兄さんに泣きついたパパ。(実は、パパがグロッ
キーだったようです。私もたすかったあ〜と思ったのは否めません)。
この日、小屋は超満員と聞いていたので、「だいじょうぶですよ。一人3000円で
明日の12時頃まで、ゆっくり休んでもらって構いません。」との返事を聞いた時に
は、「天の恵み」とはまさにこのことだわ、と思いました。その上、ツアーの団体客
が出たあとだったのでしょうか、広いスペースに一人一枚の毛布をあてがわれ、着替
える間もなく深い眠りについたのでした。本当にラッキーでした。・・・トモエ館さ
ん、ありがとうございました。
7月30日(日)
4:30、「間もなくご来光で〜す」という小屋の放送に目を覚まし、外に出てみる
と、果てしなく広がる雲海のかなたに、赤く染まりつつある空がありました。
そして間もなく、ご来光。す、すごいっ!なんて神々しいのでしょう!!思わず3人
で肩を抱き合い「来てよかったねえ・・・」と声を掛け合いました。
一生忘れられない光景です。・・・これも、私の普段の行いが良いからでしょう!
もう一眠りして、7:00、起床。
トモエ館さんの豚汁と牛丼で朝食。暖かくてとても美味しかったです。
7:50、「気をつけて、いってらっしゃ〜い!」という声に送られて、いざ頂上ア
タック(←おおげさですね)。小屋のお兄さんが「頂上まで1時間くらいですよ〜」
なんて話しているのを聞いて、なんだ大したことないじゃん、なんて思ったのが今と
なっては懐かしいです・・・。
ここからが大変!八合五尺そして九合目と、空気の薄さと睡魔に悩まされ、カーブ
の度に休憩、すぐそこに見える頂上の鳥居の遠いこと。
「そりゃ〜きついさ!だから頂上に着くと感動するんじゃん!!」なんて知ったかぶ
りするパパを恨めしく思いながら、一歩一歩、頂上へ!
10:35、遂に頂上制覇!やりました!!
正直に言うと、内心、頂上までは無理かなあと思っていたので、3人揃って頂上に
立っていることが夢のようでした。
比較的穏やかな天候に恵まれたことに感謝しつつ、泣き言も言わずに頑張った我が娘
のがんばりと成長に感動しました。「来て良かった!」
頂上でカレーライスの昼食を頂き、火口を眺め、「次回は剣が峰に行くぞ〜!」と
早々にお鉢巡りをあきらめて、12:55、下山開始。
「下りは楽だよ」というパパの言葉を信じた私と娘は、その大変さに「パパのうそつ
き〜!」となじりながら下っていると、後ろの方で「いて〜〜!」という叫び声。
パパがこけて、古傷のある膝を傷めたのでした。「隊長失格〜!」と笑い転げる娘
に、「ほんとに痛いんだから・・・」と怒っているパパは、申し訳ないけど滑稽でし
た。
パパは膝の痛みを騙しだまし我慢しながら歩き、それにつきあって、娘と私もスロー
ペースで下りました。
6合目を過ぎてから、これから山頂を目指す、いくつものツアーの集団とすれ違い、
疲れを押して「がんばってくださ〜い!いってっらっしゃーい!」と笑顔で声をかけ
る3人でした。
17:40、遂に五合目、駐車場に無事帰還。予定よりは、山小屋での休憩もあり、
8時間遅れでした。
娘は涙が止まりません。あとから聞いたら、富士山の頂上まで行ってこれた感動と、
あまりの疲労に、今までに味わったことのない感傷に浸っていたようです。
小御獄神社にお礼参りを済ませた後、パパは「山頂から戻ってここで横になるのが定
番だぜ」なんて言いながら、広場でひっくり返ってました。
ソフトクリームを食べながらひと休みし、18:30、帰路につきました。
夕暮れ迫る五合目を、頂きに雲を抱いた富士山がやさしく見下ろしていました。
「素敵な思い出をありがとう!」・・・・改めて、富士山は大きいなあ、と実感しま
した。
ご多分にもれず温泉に入っていく予定でしたが、五合目を出ると車の中で、娘がすぐ
に撃沈。そのまま、自宅に帰ることにしました。東名の25キロ渋滞をさけ、箱根越
えをし、睡魔に打ち勝って無事に家まで運転してくれたパパに感謝!
本当に思い出深い二日間でした。
月並みですが、家族3人の「絆」が深まったと思います。
これからも、この感動を忘れずに、仲良く元気にがんばろうね!
最後になりましたが・・・・
「あっぱれ!富士登山」のホームページは、ルートや装備の説明など、大変参考にな
りました。
また、子ども連れの方の登山日記は、生きた情報でした。今回、登頂に成功したの
も、管理人の方をはじめ、皆さんの情報のお陰だと思います。
何より、富士登山はいいですよ〜、という皆さんのお気持ちが伝わってきて、とても
ワクワクして楽しかったです。ありがとうございました。
そして、これから、富士山に登ってみようかなと思われている皆さん、是非、トライ
してみて下さい。きっと、素敵な思い出ができますよ!
Y・Kより
(管理人)
パパの下山時の膝痛は大変でしたね。私も同じような経験があるので読んでいてつらかった。娘さんの感動の涙は素敵ですね。本当によくがんばった。
※八合目トモエ館が、宿泊者が出発した後に昼まで3000円で休憩させてくれるというのは初めて知りました。これは良いシステムです。たいていは夜間の休憩は宿泊料金を取られますので。
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