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 みんなの登山記2006−8須山口
 投稿者:M.Hさん


■2006年7月14日(金)〜15日(土)

2000年の富士登山では富士宮口を仲間10人で往復、しんがりを務めて大変な思いをしました。その 後何度か富士登山を計画するも、台風の接近等で頓挫してばかりでした。
しかし今年はうまい具合に仕事の休みの日に好天に恵まれ、2度も登頂することがで きました(いずれも単独)。

1回目は7月14日・15日の両日、須山口の水ヶ塚駐車場から山頂までの往復です。あ まりこのルートを辿る人はいないだろう、と思っていたのですが、後日貴サイト「み んなの登山記」でふじ子さんが同じ日に須山浅間神社から登ったとのことで、大変驚 いています。私も須山口については「須山口登山歩道のホームページ」を参考にしま した。

午前7時に水ヶ塚を出発し、クマ除けにラジオを鳴らしながらあるきました。ふじ子 さんが迷った辺りは(肝心な所に標識の不備がある)と思いつつ順調に通過、御殿庭 の急登に悩みつつ、四合で宝永火口の縁に出ました。私の場合は新五合目へは向かわ ず、急な登りをヒイヒイいいながら歩いて、四合五勺でお中道にとりつき、トラバー スして11時20分、新六合目で富士宮口に合流しました。ここで金剛杖を買いました、 ということは杖なしで御殿庭&宝永火口の急登をきたということでして、我慢できず に缶ビールをゴキュッ!

これがいけなかったようです。少し休んだからいいだろうと登り始めたら、太ももに 軽い痙攣を覚えました。正直いって焦ってしまいましたが、少し歩いては休み、を繰 り返しているうちにほぐれましたので、その後は登り続けることができました。ちな みに水は1.5リットル用意していましたが、新六合目までにほぼ空になりました。あ とは山小屋で補給です。

どこかの専門学校の一行が新七合目まで登山に来ていて、彼らと抜きつ抜かれつある きましたが、たいがいジーパン姿です。それも股部分をヒザ辺りまで下ろしたような 履き方で、歩きづらそうです。当たり前ですが。この登山では他に、@ヘルメットを 付け、富士宮口を豪快に駆け下りる土木作業員2名A登山道から外れ、真っ直ぐ下っ てくるワガママおやじ2名BTシャツに短パン、サンダル履きでトートバッグ片手に下 りてくる若者2名(「山頂はやたら寒いです」ってその姿じゃ当たり前だよ……)。 Cヤッケとスニーカーだけは富士登山らしい格好で、他はというとスーツにネクタイ でビシッと決めて胸突八丁を登る青年(高山病大丈夫なのかな) といった、富士山 をナメきった方々をみかけました。

元祖七合目辺りで、ベテラン登山者の方(この方も単独)に追いつかれました。この 方は丁寧に歩き方のレクチャーをしてくださいました。まず基本はガニ股で歩幅をつ めること、そして後足を蹴り上げるのではなく、曲げた前足を伸ばし、浮いた後足を 前へもっていくとのことです。なるほどそれまで30歩に1回息を整えていたのが、こ の歩き方では連続して歩くことができました。

この日は九合目万年雪山荘で一泊しました。この間にふじ子さんはどんどん登ってい かれたわけですから、ものすごい健脚ですね。午前3時10分に出発、4時20分に鳥居を くぐって登頂しました。

御来光は頂上富士館の西側で、朝日岳から昇ったのを見てそれに代えました。その後 馬の背でくっきり浮かんだ影富士を見て感動。一列になって下ってきた自衛隊ご一行 様も感動、しんがりの隊員さんはデジカメを取り出して撮影していました。もしかす るとこのご一行様、ふじ子さんと一緒に登っていたという方々かもしれません(この 時他に自衛官の姿は見かけませんでした)。

お鉢めぐりの後、下りは須山口(現:御殿場口)へ進みました。長田尾根までのジ グザグの下りが非常に長く感じられ、1時間半以上かかってたどり着いた赤岩八合館 でペットボトルの水を一気飲み。

生き返ったところで歩き出すと、ベンチで歯磨きをしていた青年が、歯磨きセットの 袋を飛ばしてしまったのが見えました。風で飛んでいってしまうところでしたが、 拾って待機。彼が下りてきたので渡して差し上げました。次の砂走館では焼印を押し てもらうだけで、スパッツを付け大砂走りに備えました。ここでペットボトルをもう 1〜2本買うべきだったのですが。

大砂走りに入ると霧が出てきました。私は太っちょで走るのは得意ではなく、砂に 足が埋まるためあまりペースは上がりません。途中で休みながら、霧の間に時折見え る登山道を「あそこを登るのは相当苦労するだろう」と、つくづく下りでよかったと 思うのでした。いい加減砂走りも飽き、「次郎坊はまだか」と弱音が出ますが霧が濃 いのでなかなかみえてきません。ようやく右手にコンクリートの小屋が見え、富士登 山駅伝の練習をしている方々が登山道で休んでいるのが見えました。

ここから須山口の単独区間となります。所々「須山口下山歩道」と書かれた標識が 立っていますが、それ以外は砂礫の踏み跡と、打ち込まれた杭を頼りに進みます。踏 み跡が見えなくなることもあり、コースアウトすることもありますが、二合目の四辻 までは視界が開けていますので、難なくコースに戻れます。その先は樹林帯に入りま すので、クマ除けのラジオの出番となります。

幕岩あたりで標識のない分岐にさしかかり、踏み跡の濃い方へ進んでいったら、急斜 面で道が立ち消えに。ふじ子さんは登山歩道で「迷路」に出くわしたとのことです が、私は下山歩道でやっちゃいました。クマみたいにガサガサと草や倒木を掻き分け て本能的に尾根へ。そこに道がありましたので、「スカイラインには出られるだろ う」と下り始めました。40分ほど歩いたところで、懐かしい「須山口下山歩道」の標 識。この尾根伝いの道が正解のルート、先ほどの分岐では踏み跡が薄くても尾根の方 へ行くべきでした。

さらに樹林帯を歩き続け、今度は標識のある分岐にさしかかりました。水ヶ塚へ向か うのが正解ですが、道が狭く鬱蒼としているような感じなので、須山御胎内へ。鳥居 がたち、「須山口下山歩道一合」と書かれています。ここから先ほどの分岐へ戻れば さして登り返すこともないはずですが、そのまま富士山スカイラインへ出てしまった ので、水ヶ塚駐車場へ登り返す羽目に。この時ペットボルは全てカラ。脱水症状に近 い状態で何とか駐車場にたどりつき、売店で冷た〜いミネラルウォーターにありつき ました。砂走り館からここまで、途中道に迷ったときに100CCほど残っていたウーロ ン茶を口にしただけですので、ちょっとやばかったと思います。

西伊豆工芸のWeb Site
M.Hさんのホームページ
富士山のコーナーに、今回の登山について大きな写真付きで詳細に解説されています。



  (管理人)
 富士山麓にはクマがいます。M.Hさんはそれをご承知でラジオで対策されています。途中で道に迷う場所があるのはきびしいですね。


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(06/8/19)