■2007年7月27日(金)〜28日(土) 精進口
◎またまた今年も麓から!
待ってました、山開き! 今年も麓から山頂を目指したいと思います。
現存する麓からの登山道でまだ歩いたことがないのは精進口のみ。(村山古道は整備されていない区域があるので数に入れていません) それならば行ってみよう、精進口! …と言いたいところなんですが、このコースって青木ヶ原樹海を突っ切って行くんですよね…。
道中人に会うことはないでしょうし、かなりのロングコース。それ以上に不安なのは、標識がほとんどないことです。地図に載っていない分岐もあるそうで…。樹海の中で迷子。これほど怖いことはないですからねぇ。
ということで、本番前の6月下旬に1度下見に行きました。
普段の山歩きで使っている登山地図だけでなく、国土地理院の1/25,000地形図(鳴沢、富士山)も使用。高度計は持っていないので、地図とコンパスでどうにもならなかったら諦めて引き返してくるつもりでした。
下見は時間の関係で天神峠(一合)付近まで。本当は五合目まで行ければ当日は安心なんですが。
結果は、プランを決行できるであろういいものでした。詳しくは後ほど。
今年は母を連れて行きます。もちろん母は五合目から。
コースの状態や実際歩いた時間などを細かくメモしたノートを見ながら、このようなプランを作成しました。
7/27(金) 朝、自宅(川崎市内)を出発して河口湖駅へ → 9:40発富士急静岡バス 快速新富士駅行きに乗り、赤池下車 → 10:10精進口登山道を歩き始める → 11:40県道71号線交差 → 12:50天神峠(一合) → 13:30二合 → 14:00三合目バス停 → 14:30三合 → 16:00五合 → 17:30頃母と合流、休憩 → 20:30五合目出発 → 7/28(土)3:30登頂 → お鉢巡り → 下山(河口湖口)
麓から登って3年目。このようなプランもさすがに見慣れました(笑)。ほんじゃ、行ってみよう!
◎出発!
7月27日(金) 朝5時に目覚ましが鳴り、窓の外を見ました。さわやかな晴れです。やった!この日を待っていた! なぜかって、今年は残雪や天候不良などで予定した日に出発できずに、これまで3度も延期になったのです。4度目の今日、ようやく決行です。
念のため、自宅を出る前にもう1度インターネットで天気をチェックし、朝食をしっかり食べ、五合目で待ち合わせする母に「じゃ、後でね〜」と言って家を後にしました。
電車を乗り継ぎ、9:30頃河口湖駅に到着。すぐにバスのきっぷ売り場に直行しました。窓口に座っていたにこやかな顔のお姉さん。金剛杖を持った私を見て、「富士山五合目まで。」という言葉を待っていたようでしたが、「赤池まで。」と言うと、口は笑っているんですが、目がしばらく泳ぎ、「ハイ、赤池まで。…えーと、…赤池…、いくらだっけかな?」。ちょっと笑ってしまいました。
9:40発快速新富士駅行きのバスに乗り込み、10:10頃赤池下車。言うまでもなく、降りたのは私だけ。1人でもがんばって歩くぞ!
◎樹海トレッキング
10:10赤池バス停出発。コンパスをザックのベルトにぶら下げ、地形図を片手に歩き始めました。国道わきからすぐに樹海に突入。しばらくアスファルトの道が続きますが、その両側は苔むした針葉樹林帯。起伏のある溶岩台地を抱え込むように、木の根がからみ合ってのたうっています。ここは青木ヶ原樹海。静寂に包まれた深い森に入っていくわけですから、イヤでも緊張します。
登山口からすぐに東海自然歩道と交差します。精進口登山道の道標はありませんが、そのまま直進します。ほどなくしてアスファルトの道はダートに変わります。
あまり高低差のない登山道は、小さなアップダウンをくり返して徐々に登って行くようです。
それにしても何度もくもの巣にかかり、去年の須山口のようです。見えるものは杖で壊しながら進みましたが、それでも突然大きな巣に絡まってしまうことがあり、そのたびに1人プチパニックになっていました。(私は虫が苦手なんです)
10:45地形図にない分岐点。(昭文社の登山地図には載っています) 左は乾徳道場方面、ここは右へ進みます。
針葉樹林からアカマツの灌木帯へ変わり、明るい雰囲気に。途中倒木が道をふさいでいました。6月の下見のときはなかったので、この前の台風の影響で倒れたんでしょうか。くぐるにもまたぐにも中途半端な高さ。無理やりまたいだら、つま先を引っかけて転びそうになってしまいました。足が短かったか!
この先、地図に載っている道を発見できず、逆に地図にない道が合流してきたりと、地形図とにらめっこしながら歩いて、11:25県道71号線(富士宮鳴沢線)交差地点に到着。道を渡り大きなゲートを超えると、再び溶岩台地が広がっています。
少し進むと富士風穴の入り口がありますが、ここはスルー。ゲートから10分程で道標のある分岐に出くわします。『至精進口登山道』という道標が指している左へ。ちなみに右は大室山方面です。
今日はとてもいい天気で、木々の間から光が差し込み、結構すがすがしいです。
時々地図とコンパスを見ながら、「ここら辺にも分岐があるはずなのに分かんないな〜。」などと思いながら歩いていたら、突然背後に何かの気配がしてとっさに身構えてしまいました。しかもものすごい形相で。「こんにちは〜」とマラソン中のおじさん。足音がしなかったので、近付いて来ているのが分りませんでした。瞬間的にクマかと思い、かなり動揺しましたねぇ。もう、おどかさないでよ、おじさ〜ん(苦笑)。
軽水林道手前でかなりしっかりした道が交差していました。地図には右方面の道しか載っていませんが、実際には十字路でした。近くの木に何やらプレートが打ちつけてありますが、さびていて全く読めず。
12:15軽水林道交差地点。少し歩くと右に長尾山方面への道が分れています。いつの間にか周辺の様子が変わり、小鳥のさえずりが聞こえる普通の樹林帯になっていました。確か青木ヶ原樹海は長尾山の噴火でできたはず。ということは、もう樹海は抜けたということなんでしょうか。歩きやすくなった道を行き、13:35鳴沢林道と交差する一合目(天神峠)に到着。ここで食事休憩としますか。
◎五合目へ
富士山に限らず、他の山でも、私は休憩で腰を下ろすことはほとんどありません。1度座った後に再び立って歩き出す時の足の重さと言ったら…。それが嫌で、よほど疲れない限り座らないようにしているんです。
持参したカレーパンを食べて、体やザックにへばりついたくもの巣をはらい、12:50出発。
少し道が細くなり、両側の笹が登山道に侵入ぎみです。杖で押しのけながら歩き、13:20二合目に到着。一合から二合の間で地図に載っている分岐は3ヶ所ありますが、いずれも分からず。笹やぶに覆われてしまっているようです。ここまであった道標は大室山の手前の1つのみ。登山道はしっかりしていますが、自分の歩いている道が精進口登山道であることを知らせるものはありません。
林道を超え、雨戸の閉まった人気のない民家の横を通り先へ進みます。西剣林道を左に分け、倒木の多いエリアに入りました。くぐったりまたいだりしながら歩くと、やがて車の音が聞こえてきました。スバルラインが近いようです。しだいに音が大きくなり、スバルラインの下をくぐると三合目のバス停に出ました。時刻は13:50。夏休みの週末なので、観光バスが何台も上がって行きます。精進口登山道の三合目はもう少し先です。
ここから先はそれなりに人の往来があるのか、道幅が広くなり歩きやすくなりました。傾斜も増し、疲労のたまった足を引きずるように歩いていると、前方からおばちゃん4人組が下ってきました。その中の1人に、「三合目のバス停から来たの?」と聞かれ、「いえ、精進湖からです。」と答えると驚かれました。「じゃあ、今日は五合目あたりで一泊するのね?」と言うので、「このまま今晩は夜行登山するんですよ。」と話した瞬間、おばちゃんのサングラスの中の目がまん丸になり、そのまま固まってしまいました。「へぇ……、がんばってね。」と励ましのお言葉を頂き、おばちゃんと別れました。
後方から、「ねぇねぇねぇ!! あの子ねぇ! 精進湖から歩いてきてねぇ! 五合目まで行った後ねぇ…!」と他のメンバーに話しているおばちゃんの声を聞きながら、「ホントに歩けるのかな…」とだんだん痛くなってきた足に不安を覚えつつ、少々ペースダウンして歩き出しました。
14:15三合目に到着。ここは広場になっていて、そのど真ん中に横たわっている丸太にヘロヘロ〜ッとへたり込み、「あ〜、疲れた…。」と独り言。かなり前から三合に小屋がないのは事前に情報を得ていたので知っていましたが、平成18年更新の地形図にはまだ表記されていて、なんだかな〜といったかんじです。
靴を脱いで足を休めつつ、地図を見ながら広場の様子を確認しました。道は4方向に分かれています。左右に林道、上方に2本の登山道。右の登山道(地形図には載っていない)は奥庭へ、左が五合目に通じている精進口登山道です。道標はないので、濃霧時は要注意です。
10分程休憩した後、念のためコンパスで道を確かめてから三合目を出発。
カラマツやコメツガの樹林の中を、高度を上げながら歩きます。途中橋が崩れ落ちている所があり、近くに迂回路を発見。ちょっとあせりました。
15:25四合目の崩壊した小屋前を通り、所々残っている石畳をたどります。ここから五合目までジグザグの道が続きます。よせばいいのについつい地図のジグザグの数を数えてしまい、よけいグロッキーに…。最後のコーナーを折り返し、ヨタヨタと五合目の駐車場へ。大きな石を車止め代りに並べてありました。コレをまたぐんかい!? 散々歩いた後なので、この動作すらしんどかったです。16:15五合目到着。前半戦終了です!
◎五合目にて
五合目はいつものように賑やかでした。ただツアーの人達は七、八合目の山小屋に向かって出発した後のようなので、いくらか落ち着いた雰囲気です。とにかく疲れたので、靴をそこら辺に放りベンチに転がりました。転がったまま、晴れたり曇ったりめまぐるしく変わる空をボーっと眺め、吉田口と須山口と精進口、どこが1番良かったかなぁ、などと考えているうちに17時を過ぎ、そろそろ母が五合目に到着する時間になりました。
靴を履いて、テーブルにあれこれ放置した地図やらペットボトルを片付けて広場へ向かうと、ちょうど河口湖駅からのバスが目の前を通り過ぎました。このバスに乗っていなかったりして、なんて思っていたら、ちゃんと降りてきたので一安心。
ここで母のことを少し。通称『むっちん』(私が普段そう呼んでいる) 今年48歳で、体型は標準…かな? 登山経験は、低山を中心に初中級レベルの山をそこそこ。(母はドジな面があるので、アルプスなどの危険個所のある山へは絶っっ対に連れて行きません) 富士山は過去に2回、5月にハイキングで七合目まで。頂上を目指すのは今回が初めてです。ちなみに、富士登山に不可欠な根性はあまりありません。
母の今回の目的は、1、山頂でご来光を拝むこと 2、剣ヶ峰に行くこと 3、山頂郵便局ではがきを出すこと 4、天の川を見ること 根性ないくせによくばりなんだから…。
これらを達成できるように、私が絶対に山頂へ連れて行きます。
出発時刻は20:30。それまでのんびり過ごすことにしました。小御岳神社にお参りして、母は購入した金剛杖に刻印を押してもらい、五合園レストハウスで夕食をとることに。母はお米バーガーなるものを、私はラーメンを食べました。ふと外を見ると霧がたちこめていたので、たのむから降らないでね、と心の中でお祈りしておきました。
あれ?母の金剛杖…。「ねぇ、むっちん。短い杖買ったんじゃなかったの?」。あまり長いと扱いづらいからと、短めのを探していたはずなのに。「ちょっと見せて。…ほら、やっぱり長いヤツじゃん。私のと同じ長さだよ。」「うそ〜。あっ、まちがえちゃった。」 ほらね、やっぱりドジでしょ?
レストランの営業終了時間になったので、今度は雲上閣へ。私は少しでも体力を回復させたいので、ザックを枕に仮眠を取ろうとしましたが、なかなか眠くならず。出発時刻が迫ってきているのに、目は冴えてくるばかり。まぁ、いいか。無理に寝ることもないし。どれだけ効果があるのか分りませんが、普段自分から飲むことのないコーヒー(しかもブラック)を買ってカンパーイ! よーし、何だか燃えてきたぞ!
20:00過ぎ、2人で身支度を始めました。長袖シャツを着てスパッツを装着。念入りにストレッチをして準備万端です。今回も楽しい登山になりますように。それでは後半戦スタート!
◎〜八合目 順調順調!
20:30五合目を出発。金曜日の夜とあって、前後にたくさんの登山者がいます。風は穏やかで、とても暖かい夜です。麓を見るとうっすらと河口湖町の夜景が、空を見上げると満天の星空が見えます。しかし少し霧がでているため、あっという間にあたりが真っ白になることも。「ゆっくりだよ、ゆっくり。」と母に言い聞かせ、超ノロノロ亀さんペースで歩きます。
21:10六合目通過。「歩幅狭くね。」「段差のないとこを歩くんだよ。」「ちょっと!私を追い越さないで!」 あーだこーだ口うるさい私。でも2人とも呼吸が乱れることもなく、1度も止まらず七合目に到着。「余裕じゃん。」「うん、まだ大丈夫。」
甘いパンを食べて、なおも亀さんペースで登ります。22:30七合目救護所通過。母は山小屋に立ち寄り焼印集め。所々ツアー団体が道を渋滞させていましたが、予定タイム通りに登れているので、無理に追い越そうとはせずに、あえてツアーのペースに乗ってゆっくりと進みました。
それにしても今夜は特に暖かく、私も母も長袖シャツ1枚です。体調も良好で、コンスタントに高度を上げていきます。
越後交通さん、はとバスツアーさん、その他いろいろなツアーに紛れ込みながら、0:00八合目に到着。おもしろいくらいタイムスケジュール通りです。うん、いいペースだ。
◎〜本八合目
八合目の山小屋地帯も、母の焼印集め以外ノンストップ。「ちょっと休憩したい?」と時々聞いてみるんですが、「別にいいや。」と母は余裕綽々。確かに全く呼吸は乱れていないし、高山病の兆候もなし。むしろ私のほうがヘロヘロしています。下手に休憩を入れることが逆にペースダウンにつながることもあるので、そのままGoします。
さすがに少し寒くなったので、私はフリース、母はレインウェアの上着をはおりました。八合目最後の小屋、元祖室に到着。「ここの焼印は干支なんだよ。だから今年はいのしし。」「それ、ほしい!」 母はいのしし年です。焼印を押してもらいご満悦。「次は本八合目まで山小屋はないけど、休憩する?」と聞くと、「いいや。」だって。ハイハイ、それじゃ出発しますよ〜。
日付が変わり、各山小屋から出てきた登山者でどんどん道が混雑してきます。周りのペースに惑わされないように、自分たちのスピードに近いツアーを見つけては最後尾にくっついて一緒に登り、そのツアーが休憩に入れば追い越し、また次のツアーの最後尾については一緒に登る。こんなことをくり返し、あっという間に本八合目に到達。時刻は1:30。またしてもピシャリスケジュール通りです。
◎登頂! そしてご来光!
麓からの疲れがかなり出てきた私。くわえて急に風が強まり、体が急激に冷えてきました。宿泊者が出発した後の山小屋をのぞくと、中には温かい飲み物を飲んでくつろいでいる登山者が数人。いいな〜!
「ねぇ。全然休憩してないけど少し休む?」(休憩したいのは私です) 「何か注文すれば中で休憩できるみたいだよ。」と誘ってみました。ところが母は、「うーん。休まなくても大丈夫みたい。」 え゛ぇ〜〜〜(涙)。「ほら、道が渋滞してきたし。山頂着く前に夜が明けちゃうよ。」 …仰るとおりです。ここから山頂まで、途切れることなくヘッドランプの列が続いています。ここで休憩しているうちに、渋滞が牛歩になるかも。しかたない。山頂まで休憩はお預けか…。
富士山ホテルのトイレを拝借し、母は焼印を押してもらい、すぐに渋滞に加わりました。
八合五勺の御来光館で最後の焼印を押してもらい、後は山頂までひたすら足を動かすのみ。幸い出発前に飲んだブラックのおかげなのか(笑)、たいして眠くなく、何とか頑張れそうです。
空を見るとすっかり雲が消え、天の川を見ることができました。あ、流れ星。母は大喜び。東の空が徐々に明るくなってきました。
九合目の鳥居をくぐったあたりから、ついに渋滞が牛歩に変わりました。頂上の鳥居は見えているのに、なかなか前へ進めません。振り返るとはるか下までライトの列。すごい光景です。
長かったジグザグの道も最後の折り返しになりました。鳥居まであと数メートル、あと数歩…。そして4:25、ついに2人そろって登頂しました! やった〜!!
東の空はオレンジ色に染まり、今にも太陽が顔を出しそうな勢い。山小屋前のベンチは超満員なので、大日岳の斜面まで急いで移動。寒さに振るえながらカメラを用意して待ちかまえました。
私の後ろで「やっぱりつめたーい!」と母の声。何が?と思って振り向くと、あんぱんを食べていました。あんぱんのあんこが冷たいと。何なんだ、この人は…。絶対にアドレナリン過剰分泌だ。
4:45頃、待ちに待ったご来光を拝むことができました。私はこれで夜行登山5回中5回、本当に運がいいみたいです。
寒いので東京屋に転がりこんで、おしることハヤシライスを注文して2人で分けました。おいしかったです。食べ終わって何だか眠くなってきたころ、母が「そろそろ行く?お鉢巡り」。 え〜、もうですかぁ? 「私ここで寝てるから行ってきてよ。」 ……って言えたらなぁ。
重い腰を上げて、5:50お鉢巡り出発。
◎お鉢巡り
今朝の山頂は快晴。久須志神社にお参りした後、まずは郵便局に向かいます。
少し霞がかかっているものの、麓の山中湖や河口湖が見えます。一方静岡側は、一面に雲海が広がっていて雄大な光景です。写真を撮りながら富士宮口側に到着。
母がはがきを出している間、私は外で昼寝…じゃなくて朝寝。その後馬の背を登って剣ヶ峰へ。剣ヶ峰に登る階段には、記念写真を撮りたい登山者が並んでいました。15分程並んでようやく自分たちの番に。せっかくなので、後ろの方にお願いしてシャッターを切ってもらいました。
そして残り半周、景色を楽しみながらのんびり歩いて、再び久須志神社の前に戻ってきました。これで母の目的は全て達成! やれやれ…。
今度は山口屋に入って休憩。さすがに疲れて放心状態。もうこれ以上歩きたくありません。今日はここに泊まりたいなぁ。
ダラダラとだらしなく帰り支度をして、9:40下山開始。
◎長〜い長〜い下山
「うぇ〜…、エンドレス…。」 はるか下まで続くつづら折り、2人して見てしまいました。それでも下り始めのうちはまだおしゃべりする余裕がありました。が、次第に口数が減り、気がついたらお互い無言。
容赦なく太陽が照りつけます。山梨側は全く雲がないので、五合目まで直射を浴び続けることになりそうです。
ザクザクとひたすら砂礫を下り、六合目に到着。これから山頂を目指す人たちが次々登って行きます。みんな、がんばれ〜!
言うことをきかなくなった足を無理やり動かし、なおも下ります。五合目のレストハウスが見えてきました。するとだんだん元気を取り戻し、「ねぇ、むっちん。もう歩けないから馬に乗ろっか。」などとジョーダンも言えるように。
そして12:30、五合目に到着。母の初富士登山、私は精進口からの長丁場、無事終了です。今回ばかりは完全に燃え尽きました。
帰りのバスの時間まで、こみたけのレストランで食事をしました。母は本当に満足そうでした。連れてきてよかったなー。
「杖の裏面あいてるよ。来年、別のとこから登って焼印集めなきゃ。」と誘ってみました。母は、「もうコレ1回でいいよ。ご来光も天の川も見れたし、剣ヶ峰にも行ったし。」なんて言っていましたが、いつかまた絶対に登らせてやる(笑)。
13:45頃、スバルラインの渋滞でかなり遅れてきた河口湖行きのバスに乗り、五合目を後にしました。疲れた…、眠い…、また登りにくるよ、富士山。
◎精進口登山道について
「青木ヶ原樹海」と言うと、うす暗い、コンパスが狂う、1度迷ったら出られない、などなど不気味なイメージが付きまといますが、良く晴れた日であれば木漏れ日が差し込み、木々の葉や苔は鮮やかな緑色になり、存分に森林浴を楽しめます。また、森の奥へ進むにつれ、植生の移り変わりを見ることができます。
コンパスはとりあえずコース上では正しい方向を指していました。(それ以外の場所ではどうなるか分りません) コース中の分岐にはほとんど道標はありません。地図は登山地図と国土地理院の1/25,000地形図の両方が必要です。
地図に載っていない分岐もあります。逆に、地図に載っている道がやぶなどで隠され発見できないことも。事前に下調べをしておくと不安なく歩くことができるでしょう。
静かな原始林を行く山旅。いかがですか?
/おしまい
(管理人)
今年もふじ子さんから超絶富士登山記が届きました。今年は精進口から一気に登頂するという信じられない行程です。お鉢巡りまでやってるし。御来光を待つ間、冷たいあんこのあんパンを食べているお母様がかわいい。
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