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 みんなの登山記2007−3
 投稿者:黒豹さん

■2007年7月6日(金) 河口湖口

はじめまして。
今回富士登山を思いつき、情報収集や準備にこちらのサイトを非常に活用させて頂きました。おかげさまで、初めてにも関わらず順調に登頂を果たせましたので、ご報告させて頂きます。

7月6日に日帰りで登ってまいりました。思いついてから決行まで1ヶ月あまり、こちらのサイトの情報などを参考にして、順調に終えることが出来ました。

6日の金曜日、休みを取る予定をして、1週間前から天気予報でやきもき。梅雨時なので曇りの予報だが、直前に晴れマークが出始める。当初は須走口を考えていたが、残雪で断念、河口湖口に変更する。

会社から帰って食事をして、21時半に床に就く。本当は2時に起きて出発のつもりだったが、遠足前児童症候群で寝付けず。0時にえいやっと起きてしまう。駐車場で夜明けまで仮眠すればいいや。

家から河口湖口までは約1時間半。途中コンビニで食料を仕入れ。下記が準備した食料関連。

おにぎり4個、ゼリー飲料3個、スポーツ飲料500mlのペットボトル4本、一口サイズのチョコレート、種抜きのかりかり梅などが行動食。それ以外に、その場で食べるサンドイッチとお茶、出発前に駐車場で食べるカップうどんを購入。このほかに酸素の缶もあります。

駐車場には2時に到着、駐車している車は30台ほどか。月が見える。早速仮眠をとる。

あまりぐっすりは眠れず、後に不安を残すが、4時に起床。ここでガスストーブに点火するためのライターを忘れたことに気づき、売店に行ってみるともう開店していた。ライターと水、帰りのことも考えてお土産を購入。

お湯を沸かしてうどんを食べてると、夜がみるみる明けてゆく。足元をこしらえ、シングルステッキを持って4時30分に出発。すっかり昼間の明るさだ。服装は、ドライTシャツに長袖のシャツ。他にフリースと雨具の上着を持っている。

とにかく気をつけたのが、意図的にゆっくり歩くこと。ここのところ低山ハイキングに目覚め、4−6月に奥多摩を中心に何回か通っているのだが、その場合は早朝立ちの全力疾走(笑)ペースなので、ここでそんなことをやらかしたらタダじゃ済まない、と自分を戒める。

幸い、ぽつぽつといる他の登山者もペースはゆっくりで、追い抜かされることも、逆に追いついてしまうことも殆ど無かった・・・少なくとも7合目くらいまでは。 7合目からの小屋集中地帯に入ったところで、トモエ館前で一回目の大休止を取り、おにぎりを一個食べる。

ここらからが岩登りなので、ひたすら段差を小さく取ることをこころがけ、一歩一歩踏みしめて登る。「6−7合目が長い」「7−8合目がなかなか着かない」と聞いていたが、正直この区間は順調に通過し、拍子抜け。

8合目で大きな雪渓の側を通る。この辺から風が冷たくなってきた上、頂上方面はガスをかぶっているので、フリースを休憩時に着て、そのまま歩き始める。本8合の富士山ホテル前で最後の大休憩、おにぎりを食べ、ゼリー飲料をポケットに入れる。バイトのお兄ちゃんと言葉を交わす。「ここから、うーん、1時間か1時間半ですかね〜(その時点で8時半)」「こないだの富士山登山マラソンのトップ選手が、ここから山頂まで15分でした。1キロなんですがね」「着るものを持ってるだけここで着ていった方が良いですよ」「山頂はまだ小屋閉まってますから、良ければ帰りにここで休憩していってください」

アドバイスに従い、雨具の上着とスキー用手袋装着。

8合目までは意識してペースを落としていたのだが、そこから上は呼吸が苦しくて勝手にペースが落ちる。つづら折れを一区間歩くたびに、角毎に立ち止まって休む。その際に、飲みものでのどを潤す。小屋が姿を消してからが、ガスの中に入って視界が限られたせいもあるが、長い長い。挙句、9合目の上に再度岩登りが出てきて、結構辛い。

しかし、地面を見つめて黙々と歩くうちに、2つ目の鳥居が見え、そこを越えると山頂・・・。なんか、あっけなかった。9時40分でした。

ガスと強風で、お鉢巡りはアウトだろうなーと思っていたが、案の定視界が10mもない。小屋も全て閉まっており、ひさしの下で身を寄せ合うようにおにぎり食べてる登山者が数名。寒くてしかたないので、家に一本電話をかけ、ゼリー飲料を飲んで、頂上を示す石碑の写真を撮って、さっさと下山開始。


下山時は全く呼吸の苦しさは感じない。ちょっとヘマをして、砂礫で足を取られてロープ固定用の鉄杭の上に倒れ、左脇をぶつけて痛みに悶絶する。1分ほど座り込んだら激痛が治まったので、下山再開。今でも押すと痛いのであばらにひびくらい入ったかも・・・。

登るときに8合目あたりですれ違った外人さんが、「下山の方がきつい」と言っていたので膝を痛めないよう警戒したが、実際のところさほどのダメージも感じず、無事に本8合の富士山ホテルまで降りてきた。

ここできつねうどんを注文し、雨具、フリースを脱いで軽装に戻る。うどんと同時に持参のおにぎりを食べ、15分ばかり休憩してから出発。

まもなくブルドーザーで整地が終わったばかりの下山道に入り、時折汗を拭いたり、飲み物を口にする以外はさっさと降りる。ブルのキャタピラーで掘り起こされた砂礫がクッションになり、快適に下山。

7合目の臨時トイレの前で最後の大休憩、足首を回して凝りをほぐす。さすがに膝に少々ダメージあり。最後のゼリー飲料を飲む。

獅子岩からの帰りはさすがに長かった。特に登山道と合流してからは、これから登るフレッシュな方々と、砂埃まみれで足を引きずる自分とのギャップが妙におかしい。最後の登りも直線が長くてイヤになるが、息も切れないので一気に登り、スタート地点には12時半に帰り着いた。

その後、御殿場で友人たちと夕食の約束をしていたので、温泉→ホテルで2時間ほど昼寝ですっかり回復し、久々に会った友人たちには「全然ふつーでつまらない」などと言われる。さんざ飲んで、ぐっすり休んで、翌日の土曜はまあ太ももの痛みぐらいの後遺症。

42歳の運動不足にしては、まあまあの結果かと思う。個人的には下記が成功のポイントかと。

−8合目以上は寒いくらいなので、汗をかかず、のどもさほど渇かないので、水分消費が少なかった。

−やはり、スタートから意図してペースを落としたのが良かった。もう少し上げても大丈夫な気がするが、こればっかりは個人差もその時の体調もありそうなので・・・。

−やはり体力をセーブしたせいか、8合目以上でも呼吸が苦しい以外の高山病症状が全く出なかった。・・・頂上付近で少々眠くてぼうっとしたが、アレは高山病なのか寝不足なのか・・・。

−事前にどこか登っておいたほうが良いとおもう。個人的には奥多摩の川苔山などの方がきつかった。ので、その距離や辛さと比較しながら、「アレ、このぐらいならどってことないぞ」と考えられた。

無論、お鉢巡りは出来てないので、まだ完成には至っていない。次回に挑戦したいと思います。


  (管理人)
 黒豹さんは低山ハイキングで鍛えてあるので、富士登山でも特に問題なかったようです。河口湖口の7−8合目は、山小屋がたくさんあるので、次の山小屋を目標にするとすぐに到着し、それを繰り返していると案外あっさりと通過したと感じる場所です。



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(07/7/16)