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 みんなの登山記2007−30
 投稿者:O.Kさん

■2007年8月24日(金)〜25日(土) 富士宮口

今年も7月1日に山開きしてから、いつ登ろうかいつ登ろうかとタイミングを見計らっていました。今年は職場の同僚も是非富士山に登りたいということで、一応登頂経験者の自分が案内役となり、8月2日より富士宮口から1泊山小屋泊まりの日程で富士登山を開始しました。ところが、九州を直撃した台風5号の影響で富士山の五合目より上は天候が悪く、八合目の山小屋で宿泊中に荒天になり、結局翌日八合目から下山することになりました。大変残念でしたが、無理は禁物です。リベンジは個々に実施ということで、職場の仲間との富士登山はお開きとなりました。

そういうわけで今回の富士登山は今年2回目です。リベンジは個々に実施とした事や休みの関係もあり今回は1人で登山です。ただ今回の登山には大きな不安がありました。それは体重の増加です。昨年は一昨年の教訓から12kg減量をして富士登山に望みましたが、勤務体系の変化からかすっかりリバウンドしてしまい、8月2日に八合目まで登った際にも、明らかに昨年より辛く感じた登山でした。シーズン前には、今年は須走口からの登山と考えていましたが、体力に不安を感じ、昨年と同じ富士宮口からの夜間登山にしました。今年2度目の富士登山なので経済的な負担を減らしたいという事もありますが、山小屋泊まりだと睡眠中に呼吸が浅くなり、高山病の予兆である頭痛に悩まされるので、あえて夜間登山にしました。公共交通機関の利用では山小屋に泊まらない場合、私の脚力ではこのパターンしか選択肢が無いのが現実でもあります。

自宅よりJR線で三島駅に向かい、昨年と同じ三島駅15:45発の新五合目行きの登山バスに乗車します。昨年は日曜日の夜ということもあり乗客は私1人だけでしたが、今回は金曜日で登山者自体が多いのか、10名程度の乗車でした。このバスは基本的に日中登山した人を新五合目に迎えに行く便だと思います。夜間登山の多くの人は多分2時間後のバスで新五合目を目指すのでしょう。新五合目到着後は、高度順応を兼ねて夕食を摂ります。山小屋に宿泊したつもりでカレーライスを食べました。そして昨年とほぼ同じ時間の18:16に登山開始です。

昨年との対比のため、昨年との所要時間の差を( )内に入れました。なお昨年は数字を丸めた関係で若干の誤差があるのでご了承ください。

○新五合目18:16〜新六合目18:36 (±0分)


バスで到着した際、新五合目はガスがかかっていましたが、登り始める頃には山頂まで見渡せる天気となりました。8月2日に登った際はこの区間を職場の同僚のハイペースに釣られ17分で登ったので、3分あせった分、後の登山が辛くなったので、今回は意識してゆっくり上りました。20分で新六合目に到着し、休憩なしで新七合目に向かいました。

○新六合目18:36〜新七合目19:31 (±0分)
だんだんあたりが暗くなってきましたが、新六合目からしばらくは、ヘッドライトなしで登れます。上弦を何日か過ぎた月がポッカリ浮かんでいました。遠くに積乱雲があり時々稲光がしますが、かなり遠いので安心して登ります。むしろ幻想的な雰囲気があったくらいです。新七合目まで、昨年とほぼ同タイムでした。高山病防止の為、深呼吸と腹式呼吸を意識して実施しました。ちょっと大げさに息を吐いたり吸ったりしていたので、自分の姿を見た人は息が荒くて大丈夫なのかと思ったかもしれません。

○新七合目19:40〜七合目20:26 (−4分)
夜間登山で涼しいためか、8月2日に登った時より(自分なりにですが)軽快に登れました。8月2日には65分ほどかかった区間を46分で登れましたが、かなり汗を掻いてしまい少々オーバーペースかなと言う感じです。七合目で着替えと防寒具の着用(上着のみ)とゼリー状飲料で栄養補給をしました。

○七合目20:52〜八合目21:34 (+2分)
七合目あたりまでは風も無く、天気もよかったですが、七合目あたりから時々ガスの中に入り防寒具(=雨具)が少し濡れました。ただ歩きにくいと感じる程ではありません。八合目までは昨年との所要時間の差は誤差の範囲内と言った感じで、鈍足なりにも安定した登山です。

○八合目21:55〜九合目22:42 (−3分)
八合目の池田館は8月2日に宿泊したので、その時のことを思い出しながら休憩していました。8月2日は八合目まで、休憩を入れて4時間を越える所要時間でした。登っていても随分きつかった記憶が残っています。八合目から上は1年ぶりに登ります。この区間も前年とほぼ同タイムで自分なりにとても安定した登山でした。体重が増えても問題ないじゃないか、なんて安易に考えていたのはここまでです。

○九合目23:47〜九合五勺0:27 (+10分)
不安に感じていた高山病の兆候が少し出始めましたが、頭痛などはしません。ただ途中で食べようと買った固形物(おにぎりなど)がのどを通りません。吐き気などは無いのですが、食べたら吐いてしまいそうとの恐怖感で、自動販売機で暖かいコーヒーを買って飲んだり、飴を食べたりするだけにしました。下着が汗で濡れて冷たくなってきたので2度目の着替えをしました。この大休止が悪かったのか体重増加の影響なのか、九合目から上のペースが極端に落ちます。この区間は昨年より10分余分にかかりました。昨年は九合目から九合五勺は近いなあと思っていましたが、今回は長いなあと感じたことからも体力気力ともに限界に近づいていたのかもしれません。

○九合五勺0:40〜山頂1:55 (+25分)
九合五勺から上はもう体力はほぼ限界で、山頂がすぐそばに見えているのに歩が進みません。途中何人に抜かれたのか、わからない状態です。疲れて立ち止まっていると「頂上までどの位ですかね?」と何人かに聞かれました。「もう少し、あそこが頂上ですよ」と励ましの言葉をかけます。実は自分に対しての励ましの言葉だったのかもしれません。やっとの思いで山頂の鳥居をくぐりました。疲れましたが、ここまで来るとやはり達成感があります。

○御来光
昨年より登山時間がかかったとはいえ、御来光時間まではまだまだ時間があるので、昨年同様浅間神社奥宮内に風を避けられるスペースを見つけ防寒対策をしてそこで待ちました。風が少しあったことやマスクを忘れ事もあり非常に寒かったです。更にサバイバルシートが破れてしまい最悪でした。サバイバルシートは昨年、今年とあまり役にたたなかったので、来年以降はツェルトを購入し持参しようかと思います。昨年同様4時半ごろに富士宮口山頂から少し東側の東安河原の先、成就岳のそばに移動し、登山道脇でご来光を待ちました。陽が昇る方向に雲が出ましたが、うまい具合に脇から陽が昇りました。今年もすばらしいご来光でした。

○下山(山頂〜八合目)
お鉢巡りは昨年したことや登り時に体力をかなり消耗した懸念から、剣が峰には行かず、須走口下山道に向かいます。昨年お鉢巡りをしたとはいえ、完全に1周したわけではないので、未走破部分(東安河原付近から反時計回りに須走口下山道付近まで)を歩きます。須走口(吉田口、河口湖口)登山道から登って来た人が、時計回りにお鉢巡りするためか随分多くの人とすれ違いました。お土産購入後下山を開始します。一夜明けて土曜日で快晴のせいか、須走口(吉田口、河口湖口)登山道は八合目から山頂付近まで登山者が数珠繋ぎです。登山シーズンも終わりに近づいているのにすごい数で驚きました。 雲海がとても綺麗でした。

○下山(八合目〜砂走り)
下り始めてすぐに足に違和感がありました。下りでつま先に体重がかかり足の指が痛くなったのです。昨年と同じ靴、同じソックス、同じコースで、昨年2度下りたときには指先が痛くなったりしませんでした。昨年と異なるのは体重だけです。登りの体力消耗具合といい、体重の増加が原因ではないかと考えています。大陽館で水分を補給後、砂走りに挑みます。足の指先の痛みもありますが、それ以上に砂走りのコースに違和感があります。こんなに岩がゴロゴロしていたかなと言う印象です。昨年は小走りでいけましたが、今年はまったくスピードが出ません。本当に去年と同じコースなのかと感じました。段差は多いですが富士宮口の方がもしかしたら距離が短いので下山が楽なのかもしれません。

○下山(樹林帯〜新五合目)
今まで樹林帯が辛いと思ったことはありませんが、今回は辛かったです。コース自体も以前より若干荒れ気味ということがあるかも知れませんが。山頂から新五合目まで4時間を越える下山時間になってしまいました。新五合目の東富士山荘でこけもものソフトクリームを食し、きのこ茶を買って帰路に付きました。土曜日という事もありたくさんの登山客がいます。ふじあざみラインも9.8kmポスト付近まで路上駐車していました。資料によってふじあざみラインの距離がやや違いますが、1.6〜1.7km路上駐車があったようです。

○下り間違い
帰りのバスで、2名ほど吉田口(河口湖口)と須走口を間違えた客が乗っていました。いつもあれだけ案内があるのに何で間違えるのかと思っていましたが、今回分岐点付近を見ていたらなんだか理由がわかった気がします。分岐場所はツアーやグループ客が間違えないように点呼したり待ち合わせしたりするので、肝心の分岐する登山道や案内の看板が人の影になり見えなかったり、見づらくなります。これでは初めて下山した人が見落としても無理は無いかも知れません。いつも比較的空いている時に登山(下山)したので、今回のような混雑時の事は思いも及びませんでした。

○終わりに
今回も無事登山が出来ましたが、余力なしで少々辛い登山でした。幸い天気に恵まれ景色を堪能でき事はよかったと思います。課題の息子との登山は来年以降にお預けになってしまいました。


(管理人)
 体重はやはり大きな要因でしょう。今年スリムな人と登って痛感しました。富士山の一部が写っている御来光の写真が味わい深いです。



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(07/9/6)