■2007年8月25日(土)〜26日(日) 須走口
初めて登ってから約1年、富士登山も13回目となりました。今回は6人パーティーで子供もいるため、須走口から登って本八合目の山小屋で一泊して小屋の前でご来光を迎え、日が昇ってから登頂するというゆったりプランとなりました。(私も富士山の山小屋を利用するのは初めてです)
今回のメンバーは私と超ベテランA氏の二人に加え、私の父とBさん一家3名の6名です。
A氏:富士登山300回超。日本アルプスをはじめ厳冬期の富士山にも登る鉄人。
Bさん:富士登山に備え毎日近所の山に登って備えてきた元気いっぱいの女性。
C君:小5。
D君:小2。
父:73歳。普段からトレーニングを欠かさないが少々膝に不安がある模様。
25日(土)は朝9時に麓の浅間神社駐車場に集合予定だったのですが、東名高速が朝から大渋滞で神社に着いたのは10時過ぎ。五合目までクルマで上がると幸い駐車場は空いているようなのですが、係員のおじさんは上がって良いよと言うだけで、中で整理していないので身動きとれなくなってしまいました。ドライバー同士で譲り合ったり誘導してどうにか止めることができましたが、最悪の場合、坂道を3kmほど下りて路肩駐車という可能性もあったので、ホント駐車場に止められて良かったです。
お昼ちょっと前にA氏を先頭、私が最後尾に付きのんびり歩き出しました。まだ登山道脇にノウゴウイチゴの実が残っていて、Bさん親子や父も喜んでいました。六合目までの樹林帯もC君にはちょっときついようで、すぐ立ち止まっては「疲れた」「息が苦しい」とつらそうです。D君は平気みたいでスタスタ上がっていきます。父はゆっくりペースなので問題ない様子。
大陽館のあたりで雲の上に出ると山頂や八合目の山小屋群が見えてきました。お天気も良く、風も穏やかな登山日よりの中、途中C君が酸素を少々吸った程度で、全員高山病の気配もなく元気に本八合目に到着。1日目の行動時間は約5時間でした。
泊まるのは胸突江戸屋ですが、8月最後の土日とあってかなりの混雑でした。夕食はカレー。朝食は炊き込みごはんと牛肉の大和煮?のレトルトパックを渡されました。4時半頃に小屋の外へ出てご来光を待ちました。まずまずのお天気で5時頃にご来光を迎えることができ、父やBさん一家にも喜んでもらえたようです。山頂方向を見ると、山頂まで登山道が大渋滞。もう登山と言うよりディズニーか何かのアトラクション待ちの行列みたいです。
急いで出発しても渋滞にはまって動けないので、チェックアウト時間の8時まで小屋で待ってから出発しました。直後、D君が腹痛を訴え、A氏の判断で私と父が先行してゆっくり登ることになりました。父もあまり眠れなかったようですが、体調の方は問題ないようで、渋滞の流れに乗ってゆっくり登り、1時間半ほどで無事登頂することができました。
父は早速神社で高齢者の記帳をし、記念品と御神酒をいただきました。記念品は扇とかわらけですが、御神酒で濡れたせいか、私のザックにしまおうとしたところまっぷたつに割れてしまいました。幸い取り替えていただけましたが、本来は火口に投げ込んで厄払いをするためのものですよ、とのことでした。
売店でおみやげを物色し、待つうちにBさん親子も登頂。C君が一人遅れているのでA氏が迎えに下りていきました。かなり疲れた様子のC君が登頂するのを待って、反時計回りでお鉢巡りに出発しました。
まず白山岳に登り、続いて金明水のところに下りてお昼にしました。昨日に引き続き、山頂でも快晴微風でとても過ごしやすくて助かります。しかし雪解けの頃から何度もふたを開けて井戸の中をのぞいていますが、水がたまっていたことは一度もありませんでした。銀明水も同様ですが、神社で売られている金明水、銀明水はどこで汲んでいるのでしょうか(^^;;;
しばしのんびりしてからお鉢巡りを再開、小内院で雪を切り出した跡や雪渓から雪解け水を集める様子を眺め、大沢崩れをのぞき、ついに剣が峰へ登りました。展望台から見渡す限りの雲海を見下ろし、日本最高峰の碑の前で記念撮影してみなさん大満足のご様子。良かった良かった。
ちなみに金明水付近の石文字だらけだったあたりは、昨年のA氏による清掃活動の結果きれいになり、夏の間何度か登って確認しましたがほとんど石文字が作られることはありませんでした(同氏が環境省に働きかけて作られた「STOP! 石文字」のチラシをご覧になった方も多いのではないでしょうか)
馬の背を下りて富士宮口へ向かうと、公衆トイレのそばには仏像が何体か置かれていますが、すべて首が落とされていたり顔が削られています。廃仏毀釈の際に壊されたものだそうで、A氏によれば、火口の中にも仏像が数多く落とされて埋まっているのだとか。由来を書いたプレートでも立てるべきかと思います。こちらの神社でも高齢者の記帳をやっていましたが、いただける記念品は同じものなのでどちらか一方でやれば十分ですよ、とのことでした。
残り半周をのんびり回り、須走口下山道へ到着。マスク、ゴーグル、スパッツ等の砂埃対策をして3時半に下山開始。初めは元気よく下って「下りなら大丈夫」と元気に歩いていたC君、下りのきつさを知らなかったようでどんどんペースダウンしてしまいました。D君はA氏といっしょにすたすた下山していきます。たいした7歳児です。
大陽館の手前あたりで雲の中に入り、最後の難関砂走りへ突入。自然と足取りが速くなってしまいます。ここをマイペースで下れなかったのはさすがの父にも堪えたようで、ときおり尻餅をついたりしていましたが、その他には特に問題なく砂払い五合へ到着。一休みしてから駐車場へ向かいました。2時間半ほどかけて6時に駐車場に到着。下山して近くの天恵温泉で汗を流し、しばし歓談してから解散となりました。
Bさん親子も父も、ご来光、一面に広がる雲海、お鉢巡り(+白山岳登頂)、日本最高峰の碑、高齢者の記帳と記念品など、主立ったイベントは一通りこなせたので満足したようです。私は皆さんが満足してくれてうれしいですが、山小屋の狭い寝床でろくに眠れず、普段の日帰り山行より疲れてしまいました。やはり富士山はシーズンオフの静かな時期に行くのが一番、夏は日帰りか徹夜の方が楽で良いなぁ、と思いました。
(管理人)
Aさんの活動で環境省が動きだし、山頂の石の落書き防止キャンペーンが始まりました。国立公園の特別保護地区では土石の採取や形状変更は6カ月以下の懲役か50万円以下の罰金の対象です。
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