■2007年9月2日(日) 富士宮口
はじめまして。
もうすぐ50歳になる、たまのハイキングくらいしか運動歴のない夫婦です。
9月2日(日)、富士宮口から日帰りで登ってきました。
転勤で静岡へ来て2年半、一度は登ってみたい、と今年の7月に思い立ち、
情報収集と装備の準備にとりかかりました。
行き着いたサイトが、こちらの、あっぱれ!富士登山。
くまなく読み、必要な装備を整え、イメージトレーニングばっちり!
***まずはお試し***
山小屋泊まりでご来光を楽しむ計画をたてたものの
仕事や悪天候で実行できず、とりあえず装備の点検と練習ということで
7月29日、3時間で折り返すことにして富士宮口5合目からスタートしました。
朝10時です。
新7合目までは雨。
登山用の衣類やゴアテックスの雨具などの快適性を確認し、
携帯食品を食べてみたりしながら元祖7合目で3000mを越え、
3時間経過したので折り返しました。
いくらも下りないうちに二人とも右膝が痛くなり、
ストックに体重をかけ痛みを堪えて必死に下りました。
下山後、一目散にスポーツ用品店へ行き、膝サポーターを購入。
妻は高山病も苦しかったようで、鉄のサプリを飲みながら決行日を待ちました。
***そして本番***
あっという間に8月も終わり、もう山小屋泊はタイムアウト。
計画を日帰りに切り替え、9月1日、宴会での飲酒を乾杯だけにして早く帰り、
ぐっすり寝て、4時前に起きて、寝ぼけたまま自宅を出発しました。
(寝ぼけて、自慢の相棒、プロトレックを忘れたのが痛かった)
7月の練習の時もそうでしたが5合目までの天気の悪いこと。
前回は大雨で、今回は濃霧。
路上に何か居る?と思ったら鹿が3匹。
鹿に衝突しないようにゆっくり走ったため富士宮口5合目に着いたのは6時前。
下の駐車場はガラガラで楽に停めることができ、朝食、ストレッチ、
トイレを済ませ、6時40分に登山を開始しました。
ほぼ同時出発の単独行の女性が超スローペース。
その方に合わせたら、気持ちも落ち着いて、なんと楽なスタートでしょう。
富士山での「ゆっくり」は想像以上のゆっくりでした。
新7合目あたりから霧が晴れ日が射してきたので雨具を脱いで登りました。
時折ガスが流れ、快適な気温ですが、
前回は何ともなかった私が頭が重くスッキリしない。
妻が食べていた食べる酸素と酸素水をもらい、
腹式呼吸を心がけながら登りました。
妻は今回、タイツを大きめのサイズにしたので呼吸が楽になり元気そうです。
しんどいけれど、とにかく一歩一歩、ゆっくりゆっくり。
登りも下りも人は少なく、終始、自分達のペースで行動できます。
営業している最後の山小屋(元祖7合目)でトイレを済ませました。
妻はここで行かなかったので、結局13時間トイレなしです。(平気そうでした)
休憩しようと岩のくぼみに近寄ると、必ず、おしっこ臭くて閉口しました。
お山じまいのあとは、こうなるんですね。
携帯用の座布団も持って行きましたが
8合目以降は取り出す気力も失せ、直接地べたに座ったり寝転がったり。
9合5勺で仰向けに寝て休憩していたら眠ってしまい、
妻にストックで突付かれて目を覚ましました。
すごく気持ちよく幸せに寝ていたのに。
***ようやく登頂***
頻繁に休憩したり、仮眠をとったりしながら最後の鳥居をくぐり
13時37分に浅間神社の前に着きました。
約7時間です。ヘロヘロ。限界。小さくばんざい。
もう郵便局も神社も閉まっており、広場はがら〜んとしています。
頂上富士館の前で休憩している人が20人ほど。
無風で晴れており、5℃だったそうですが寒さは感じず、
大雲海を見下ろしながら、すぐ剣が峰へ向かいました。
馬の背の終盤は辛いですね。
そこに見えているのにズルズル滑り、なかなか到達出来ない。
やっとの思いで登り切り、やったーばんざーいと碑の前で記念撮影。
ああ、なんという達成感!
ゆったり1時間ほど日本最高地点を堪能させてもらいました。
***そして下山***
あの急な道を延々下りるのかと思うとゾッとします。
御殿場口から、宝永火山を経由して富士宮口へ戻ろうかとも思いましたが
もう14時30分だし、途中で日が暮れることも予想される。
迷ったら大変なので来た道を慎重に戻ることにして剣が峰を発ちました。
馬の背は、登りの苦労が嘘のよう。ザッザッと駆け下りて3分もかかったか。
富士宮口へ向け下山を開始し、間もなく右膝に痛みが。
下山の準備にサポーターを巻いていたもののやはり痛くなる。
我慢して、焦らず慎重に下りました。
途中すれ違ったのは10人位かな。
会えば励ましあっていましたが、見渡しても誰も居ない状況も間々ありました。
左に影富士を見、地球は丸いことを実感しながらヨッチラヨッチラ下り続け
新7合目からはヘッドランプを装着し地面を照らして下山。
万一のために防寒着とサバイバルシート、余分の食料は用意しましたが
転倒して怪我でもしたら本当に大変です。
小さな子ども連れの家族が携帯電話の明かりで下りたり
無灯火で下りる方も居られ、うーんどうかなと心配になりました。
膝の痛みを耐えながら、下りに5時間もかかりましたが
ふと空を見ると、ご褒美のような満天の星とハッキリとした天の川。
やはり来てよかった。また来ようと思いました。
疲労困憊で下りてからの頭痛がひどく、食欲もなくなった妻も
また登る気まんまんです。
体力不足と経験不足をこのサイトと装備に助けられて登頂が実現でき
うれしくてたまりません。
管理者様と、書き込みいただいた方々に感謝し御礼申し上げます。
間もなく50歳の夫婦が無事に往復でき、ありがたいことです。
次はご来光と砂走りの下山を体験したいとワクワクしています。
(管理人)
予行演習を行って問題点を修正してから本番に挑んだことが見事です。早朝出発の日帰り登山でも帰りは夜になることが多いです。M.Kさんはヘッドランプを用意されていて万全。
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