■2007年7月22日(日)〜23日(月) 富士宮口
こんにちは。2004年に一度富士登山記を載せてもらったことのある黒猫ママです。
お子さんを連れて家族で富士登山されてる方の登山記を拝見してとても感動し、
「いつか私も娘も連れて富士登山したい!」という思いを抱き、今年、実現できたの
でご報告します。かなり印象的な、我が家らしい富士登山となりました。。
2007年7月22日(日)〜23(月)の1泊2日でメンバーは夫(31才)、私(29才)、娘(6
才)の3人。
夫の体力はおいておいて、私の体力はこれから衰える一方だと思ってので
ここで御殿場口の大砂走りに挑戦してみたいと思い、御殿場口に決めました。
(御殿場口に決めたんですけどね…ね…)
夫と私は今回で3回目の富士登山で、小1の娘は今回が初の富士登山。
今年も夫の連休が取れそうにないから富士山はムリかなぁ。。と思っていた矢先に
夫が2連休取れることがわかって、行っちゃう?行ってみよー!ということになり、
私はかなりバタバタと家族分の準備に取り掛かりました(登山グッズはほとんど私の
両親から貸してもらっています)。
21日(金)、夫が仕事から帰ってきてから夜中の1時過ぎ(22日)に東京の自宅をマ
イカーで出発。
私の運転でナビ通り、順調に御殿場口五合目の駐車場に4時頃に着きました。…着い
たと思い込んでたんです…
朝まで夫と娘は車内で爆睡。私は運転中に鹿の親子に遭遇したり、
五合目で既に雲の上にいられることにいささか興奮したのもあって眠れなくなってし
まい、
初めての登山口だからトイレの場所とか確認しておこう−と思い車を降りて駐車場周
辺をうろうろ。
駐車場の雰囲気がサイトでみた感じと違うなぁ、駐車場が結構混んでいるなぁと思い
つつ
あー、ここが登山口、スタートね♪と掲げてある標識をみたら−そこには「富士宮
口」と書いてあったんです…
私ったら間違えて、御殿場口じゃなくて富士宮口に着いていたんです。開いた口がふ
さがらないとは正にこのこと。
急いで車に戻り、夫を叩き起こし事情を説明。このまま富士宮口から登って下りてく
るのが
1番無難な選択だと誰もが思うのでしょうが、わがまま極まりない私は、
御殿場口の大砂走りがとにかく経験したいんだと夫に言いました。
かといってこれから家族全員で1000m下の御殿場口まで車で移動して登り始めるには
時間がなさ過ぎる。
幸い、富士宮口と御殿場口は6合目と8合目でつながっているから
私と娘で富士宮口からスタートして、夫には車で御殿場口まで行ってもらい、御殿場
口から1人でスタートして、
夫と私で携帯電話で連絡を取り合い、6合目か8合目で合流し、
下山は家族揃って御殿場口を下りていこうという私の説明に夫は渋々納得。
夫のリュックに詰め込んでいた娘の荷物を私のリュックに入れ替えて、一気に重たく
なった自分のリュックに
これから娘と2人きりで登っていかなければいけないんだということを実感し、
覚悟を決めました(今までの登山では夫に自分の荷物をいくらか持ってもらったりしてたのに)。
娘は昨晩、興奮して眠るのが遅くなってしまったせいか、起きてすぐ「…気持ち悪
い、お腹痛い」と言ってきました。
トイレに行って、楽しみにしていた金剛杖を買ってあげれば治るだろうと思っていた
のに
その後も「気持ち悪い…」ついには「やっぱり登りたくない」と痛恨の一言。
着替えもして準備万端にしてからの一言だったので、夫も私もがっくり。ブツブツ小
言を言った後、
パパががんばってここからよりもながーい登山道を登って来てくれて
帰りは一緒に滑るように下って行ける楽しいコース(大砂走り)があるよ〜。
とりあえず6合目まででも行ってみよう!どうしてもムリなら引き返していいから。
と色々言って、なんともいえない顔の娘とスタート地点で記念写真を撮って
母娘で富士宮口からの富士登山がスタートしました。
夫は、私達を見送った後、1人で御殿場口へ−
私と娘は10時前に富士宮口5合目を出発。
ほんの数十歩登っただけで「もういいでしょ、下りるー」と娘。
…もうちょっと、もう少しだけ、登ってみよう。と励ます私。
再び数十歩登り「登ったからもういい。下りたい!」と娘。
…あのね、今下に下りても、もうパパと車はいないんだよ〜。
パパに会う為にはがんばって6合目まで行くしかないんだよ。と私。
「ちょっとだけ登ればいいって言ったのに…」とグズる娘。
あぁ、先が思いやられる…霧雨も降ってきて、娘にレインウェアを着せたり、
早くもお菓子を与えながら、スローペースで登っていきました。
娘に小さいリュック(中身はお菓子だらけ)をしょわせていましたが、
結局登り始めてすぐ私が持つはめに。
霧雨もすぐ止んで、5合目の駐車場が下に小さくみえたり、
下界に雲が広がってるのをみて娘のテンションが少し上がってました。
そうこうしている内に10:59分に6合目に到着。とりあえず娘を褒めときました。
褒めとかないと、これから先がどうなるか。。
ニコニコ顔で喜んでいた娘ですが、
宿前に置かれていた「これからが本番」という縦看板を読んで
この世の終わりみたいな顔をして「ここからが本番なんてやだぁ」とグズグズ。
時同じくして夫から御殿場口5合目を出発したよとメールが。
パパも登り始めたし、まだおなかも空いてないなら
7合目まで行ってごはん食べようよ。焼印も押してもらってパパにみせよう。
と娘を励まし、山小屋前のベンチでとって小休憩をとって7合目目指して登り始めました。
だらだらペースで登って、しょっちゅう立ち止まってしまっている娘を
他の登山客の人たちがみて「がんばれー、えらいねー」と
声をかけてくれているのに、娘は無言。もう無理かなぁと思いましたが
いきなり近くにあった跳び箱サイズの岩にまたがり、「ママ〜、ロデオボーイ」
とうふふっと笑う娘をみて、この子はまだ登れるわ、登ってもらうと心に決めました。
(「私はあと下りるだけだから」と言って娘に板チョコまるまる1枚くれたお姉さん、チェルシーをくれたおばさま、ありがとうございました。)
14時09分に新七合目に到着。かなり長くかかりました…
山小屋で娘は大好きなうどんを食べ、ココアを少し飲んだら寝ちゃいました。
15分くらいして、起こしにかかったら全く起きてくれず―結局30分以上寝てました
(山小屋の方、ずうずうしく居座ってしまいすみませんでした。。)。
私はその間に夫とメールで連絡を取り合いました。
夫は順調に登れているようで15時20分に御殿場口の6合目に着いたと知って、
ここまで来たらがんばって八合目まで登って、
夫と合流して山小屋に泊まろう!と大決心。娘にそのことを説明したら
予想通り「やだ!」と言われました…
やだやだ言っててもとにかく前に進まなくちゃパパには会えないよ、
夜になっちゃうよとあーだこーだ言って娘の思い腰を上げさせ、
15時半頃に8合目目指して登り始めました。
登り始めたものの、娘のペースは更に落ちるばかり。
カメラを向ければニコっとしていた顔もできなくなってきました。
手を引っ張っても後ろから押しても動いてくれなくなったので
私は娘を後ろから抱き上げつつ、娘のおしりを自分の右ひざの上に乗せて
一歩前へ進ませるという方法をとりながら、登っていきました。
…下界じゃ絶対こんなことしない、私ってば今すっごいがんばってるよなぁ。と
自分自身を心の中で励ましつつ、登っていました。
御殿場口登山中の夫から16時16分に七合目に着いたよとメールが入りました。
夫ってば順調そうでいいなぁ〜と思ってたら
17時04分に御殿場口八合目に着いたと夫からメールが。早っ。
夫に富士宮口の八合目まで来てほしいとメールをして
娘にパパが上で待っててくれるよと話して、登っていきました。
やっとのことで元祖七合目に到着。山小屋のおじさんが
「よくがんばったねぇ!上から登ってくるのずっとみてたんだよ」
と娘を迎えてくれました。あったかい。富士登山で会う人みんなが応援してくれてありがたい。
日も暮れかけてきて、八合目の宿があるらしき所を見上げたら、
なんとなく確認できる見慣れた姿が…夫です。あれは夫!
夫に向ってぶんぶん手や杖を振って気づいてとアピール。
娘も夫が確認できて嬉しそう。登り最後の力を振り絞って八合目を目指します。
が、娘のペースはやっぱりのろのろで、夫に「迎えに来てーー!!」
と私が叫んだら、いやいやながらも降りて来てくれました。
八合目から七合目まで、一合分。ただでさえ1番きつい、御殿場口を1人で登ってきてるっていうのに。
そしてついに約10時間ぶりに家族再会。抱き合う父娘。それをみて私はチョットじーんときちゃいました。
それからはちゃっかり、しっかり夫に私の荷物を持ってもらって八合目の山小屋へ到着。
辺りはもう暗くて、時刻は19時を過ぎていたと思います。
応援してくれて先に着いていた老夫婦が娘をたくさん褒めてくれて、娘は照れてました。
八合目の山小屋に泊まらせてもらうことに。夜ごはんの時間を過ぎてしまったので
素泊まりのみだと聞いてものすっごく残念がる夫。おなかが空き過ぎてしょうがなかったらしいです。
パンやお菓子でがまん。物足りない物足りないとブツブツ言ってました。
さぁぐっすり寝て、明日のご来光に備えそうね〜と布団に入って休めるーと思ったら
娘の寝つきが悪く、「おなかが痛い、頭も痛い」といい始めました。
寝たかなと思ったら、唸り声をあげて手足をバタバタ。
その手足がまともに私の顔や足に当たって私まで「痛いっ」と声を出してしまう始末。
周りで寝ている人たちにとっても迷惑なので、夜中に何度も娘を外に連れて行きました。
富士山から見上げる夜空は星の数が半端なくて、近くにみえるんです。
それを初めてみた娘はとっても感動してました。外に出ると体調が良くなるんだけれど
夜の富士山はとても寒いので厚着をしていてもそんなに長くはいれず…
体は疲れてるし、眠気も出てきて小屋に戻って横になると、再び気分が悪くなるみたいで
寝付けず、唸り、バタバタし始める―の繰り返し。
山小屋の人に症状を伝えたら「完璧な高山病だね。下山しないと治らないよ」と残念なお返事が。
家族で登頂はあきらめなくちゃかーと夫婦で肩を落とし、ウトウトしながら娘をなだめながら夜を明かしてたら…
なんと、ご来光(日の出)をみずに、家族で爆睡。(頂上からでなくても日の出はみれるんです)
日の出の時間になると、山小屋の人がベルをならして知らせてくれるんですけど
その音を見事に家族全員スルーして爆睡…仕方ないっちゃ仕方ない。
だけど山小屋の人に後で聞いたら「今日が今シーズン1番キレイなご来光でしたよ」って。
今シーズン1番でしたか…くやしいぃ。。夫が1番悔しがってました。
残念だけど、きっと最後の登山じゃないしと、私と娘は頂上には向かわずに御殿場口方面へ下山することに。
夫にはこのまま富士宮口コースで頂上に行ってもらい、
私が託したお手紙たちを山頂の郵便局から出してもらうのをお願い
(山頂から手紙をだすと特別な消印を押してもらえるのです)。
その後、夫は私たちに追いつくように御殿場口方面へ下山してもらうことに決めました。
そう、ここでまた母娘2人道中の始まりです(夫はひとりぼっちだっちゅーの)。
しかも、富士宮口の八合目から御殿場口の八合目への道は、一般道ではなくて
ブルドーザー道の為、正規ルートではないので私たち母娘の他に人気はゼロ。
携帯電話の電池残量もわずかで、「御殿場方面」の標識が目に入るまで
かなり不安な道のりでした。山小屋を発見した時はほっ。
御殿場口は毎年富士登山駅伝が行われる登山道なので
私たちが下山している横を、猛スピードでトレーニング中の駅伝選手が走り去って行ってました。
フツーにマラソン用の靴でザッザと走っていました。コケたらとまらないんだろうなぁと思いましたよ。
七合目の山小屋について、娘が「ラーメンを食べたい」というので朝ごはん休憩。
多分夫は頂上に着いた頃だったかな。。もう記憶が曖昧になってますね。
母娘で下山しているのを不憫に思ったのか、山小屋のイケメンお兄さんが
地図をくれて、下山道を丁寧に説明してくれました。心強かったです。ありがとう〜。
後から夫が私たちに合流すべく下りてきてこの山小屋を通り過ぎる時に、
イケメンお兄さんに母娘2人が下りて行ったか声をかけたらしいです。
御殿場口下山道の目玉でもある「大砂走り」に入ったところで夫が私たちに追いつきました。
早い。夫の健脚さって一体…外反母趾のくせに。
大砂走りは一歩踏み出すごとにザザーっと滑ってくれるので、ちょっとしたスケート気分で
おもしろいです。娘はこの時1番楽しそうに下りてました。
楽しい大砂走りが終わったら、今度は果てしなく周りに何もない道を標識を頼りに
ひたすら進んでいきます。漂流教室のワンシーンさながらです。
霧も多くて怖いくらい。1人じゃ歩けないと思いました。
夫は昨日、1人でここを登ってきたと思うとほんとすごいなー。エライ。
案の定、娘はパワーダウン。
ちょっと歩いては「もういや〜」と止まり、しまいには座り込み、動こうとしない。。
御殿場口は他の登り口とちがって山小屋が極端に少ないので、
山小屋を目標に〜とか言えなかったので辛かったです。
途中地元の学校の遠足の生徒さんたちにかわるがわる励ましてもらって進みました。
ゴール間近になるにつれ、霧雨から雨に変わってきて、余計にテンションがさがる娘。
騙し?励ましなんとか進ませて、とうとう下界から1番近い茶屋に到着。
到着した途端、茶屋のお土産を物色する娘。
お土産選ぶ気力あるならそんなにぐずるなーー! と心の中でツッコミつつ、
お店の人がサービスで出してくれた椎茸茶で一休み。
これがいい塩加減で疲れたカラダに沁みわたっておいしいのに、
夫も娘も椎茸嫌いな為飲まず―私が1人で3杯飲みました。
杖に今回最後となる焼印を押してもらい
最後の力を振り絞って御殿場口のスタート地点へ。
ゴールしてくる娘の写真を撮りたかったので私は少し先にゴール。
でもいざ写真を撮ったら濃霧で写り悪し。
ゴールして喜びも束の間、雨で服がだいぶ濡れてしまっていたので
駐車してある車内で着替え。
着替えてる最中、私は普段感じない寒気を感じ、
とにかくお風呂に入ってあったまらなくちゃと、近くの温泉施設へ。
娘は夫にまかせて私は1人で女湯へ。
貸し切り状態でした。湯につかっていても寒気が抜けず、
これはやばいと思い、早々にあがり、
帰りは全部夫にまかせて私はうんうん唸りながら助手席でダウンしてました。
家に着いて熱計ったら39度あったらしい。
帰りの高速のS.Aで娘は夫に自分用のキーホルダーを買ってもらったらしく
「ママ、みてみてー!かわいいのあったー?」ときゃっきゃしてる
娘の声を聞いて、元気じゃん…と思ったのだけよく覚えてます。
あと次の日も娘はケロっと元気いっぱいだったのも。
若いって素晴らしい。
(管理人)
黒猫ママさんが旦那さんを自由自在に振り回している感じがキュートです。富士宮口から御殿場口まで下がって、そして登り返す…。これはちょっと大変すぎ。私にはとても真似できません。
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