■2008年8月13日(水)〜15日(木) 富士宮口
初めまして。
今年、二度目のチャレンジで登頂できましたので、報告させていただきます。
最初のチャレンジは去年、河口湖口からの御来光登山バスツアーでした。
この時は、一緒に参加した旦那が、仮眠予定の七合目の山小屋に着いたところで高山病にKO負け、私自身は大丈夫でしたが、
付き添ってそこでリタイアしました。
こちら「あっぱれ」さんや、リンク先の富士登山関連各サイトを読んで準備万端のつもりだったのですが……
そんな訳で、今年はそのリベンジです。
【登った人(2名)】
旦那:37歳の会社員。趣味のオートバイのレースと、練習走行なども含めて、意外と普段から身体は動かしている方。
心身共に(?)スプリント型で、登山のような持久系の運動は本当は苦手。
私こと嫁:41歳。事務系の派遣社員。旦那のレースの手伝いに行って、あちこちかけずり回ったり、
時たま自分でもオートバイでサーキットを走ってみたり、これまた意外と身体は動かしているかも。
運動は嫌いじゃないけど得意ではない。
【プラン】
以下の理由から、今回は個人(夫婦二人)で、富士宮口から前後泊付きの日中日帰り登山というスケジュールを組みました。
・生活サイクルを普段と変えずに済む
・茨城からの出発だと、登山口までの移動だけで半日がつぶれる。それに、去年もそうだったが、多くのバスツアーの、
五合目到着から登山開始までのインターバル「30分」は、どう考えても短すぎ!
であれば、出発日は移動のみと割り切って、五合目(結果的に六合目)での「慣らし」に一晩かけたい。
・山小屋での宿泊も、五合目、六合目の方がゆっくりできそう。
・そもそも御来光には別にこだわりもないし、御来光登山の渋滞に巻き込まれたくない(去年の感じでは、
渋滞を超えるペースで進めるとも思えないが、巻き込まれたら自分たちのペースで休むのも難しそう)。
・暗い時間帯に、危険な岩場を歩くのはイヤ(特に視力があまりよくない旦那)。
・天気次第だが、暑さ寒さの影響が一番少なさそう
・お鉢めぐりまではできなくても、剣が峰には登ってみたいので、近い方が良い。
前泊の山小屋は、「個室」が魅力的で、新六合目「雲海荘」に決めました。
また、前泊を新六合目にしたことで、午後早めの時間に着いて、宝永火口を見に行くというオプションも付けました。
【日程と交通】
8/13、茨城県ひたちなか市内の自宅から、富士宮口新六合目へ。
8/14 新六合目より登山開始、下山後は麓の街へ降りて一泊。
8/15 帰宅
移動は、公共交通機関を利用。
自宅から登山口へは、JR常磐線特急〜JR山手線〜東海道新幹線と乗り継ぎ、三島でバスに乗り換えて登山口へ。
所要時間は約7時間30分。
下山後、どこの街に降りるかはあえて決めずに出発。結果、下山後は御殿場に降り、御殿場からは、JR御殿場線特急/
小田急ロマンスカー〜山手線〜常磐線特急と乗り継いで帰宅。
往復とも、極力乗り換えの少ない路線を選んでいます。
ガイド本の類にはよく「河口湖口へは東日本から、富士宮口へは西日本からのアクセスが良い」などと書かれていますが、
この場合の「東日本」は、殆ど「東京」の意味で、私のように、東京に出るまでまず一時間以上かかる地域からだと、
どこも同じです。
【服装】
上:NikeProのストレッチメッシュシャツ(長袖)+ユニクロの化繊長袖シャツ+半袖Tシャツ。寒い時は+合羽。
下:CW-Xのタイツ+トレッキングパンツ。
CW-Xのタイツは疲れにくくて良いのですが、ちゃんと筋肉の向きに合わせてはかないと、却って疲れます。
【登・下山所要時間】
登り:新六合目→登山道終点 約8時間40分
下り:登山道終点→新五合目バス発着場 約5時間30分
休憩時間など全てコミコミの時間です。
登りの九合五勺から山頂の間で、九合目あたりを一緒に登っていた人たち数組とすれ違ったのをみても、
平均的なペースより遅いのでしょう。
【高山病】
旦那は、新七合目あたりから頭痛が出始め、八合目あたりでは時折、動悸と同期して(^^;脈打つように痛い、と苦しんでいました。
ただ、ちょっとでも辛いと思ったらしばらく立ち止まり、息を整えればだいぶ回復できたようです。
やはり、自分のペースを守って歩く、というのは大事ですね。あとは、新六合目で「仮眠」ではなく完全に「一泊」し、
十分な睡眠が取れたのと、日中の登・下山ということで、寒さで体力を消耗せずに済んだのも良かったと思います。
そこで昨年リタイアに終わった、河口湖口からのツアー登山のことを思い起こすと、旦那の高山病の最大の原因は、実は
「雰囲気に呑まれて、自分を見失った」ことではないかという気がしてきました。
七合目までの歩き易い登山道、七合目に入ってからの、道の折り返し毎に山小屋が立ち並ぶ、観光地のような景色には、
どうも「高い山に登っている」という感覚を失わされるような気がします。更に、一番混み合う時間帯の、妙な昂揚感。
確かに、「あっぱれ」管理人さんのおっしゃる、「河口湖口から登ると、高山病が出やすいかも」というのも、頷ける気がします。
一方、富士宮口はといえば、山小屋が各合目に1軒ずつしかなく、一つの山小屋を出ると、次の山小屋は急斜面の遥か上の方で、
「とりあえず次はあそこまで」と、気が引き締まったり、殆ど「ガレ場」と言っていいような急坂の岩場ばかりの登山道は、
それだけでも「登っている」ことを実感しやすいと思いました。そういう意味でも今回は、富士宮口から登って正解でした。
ところで私自身ですが、登りの九合五勺あたりから、ごく軽い頭痛が出たくらいで済みました。
【行動中の飲食】
水分:500mlペットボトル4本程度(ミネラルウォーターとスポーツドリンク半々)
ゼリー飲料1個
あんパン1個
山小屋で用意してくれたお弁当2/3
チョコレート、ドライフルーツ、ビーフジャーキー少々
ドライフルーツは全部で5種類、ゼリー飲料も5個くらい持っていきましたが、結果的に荷物が増えていただけでした……。
【携帯酸素】
タブレットタイプと、水に数滴溶かして飲むリキッドタイプを持って行った他、途中の山小屋で、スプレー缶も買いました。
効果の程は、はっきり言ってどれもよくわかりません。
スプレーはおそらく「おまじない」的な効果。タブレットは、それだけ食べようとすると、口の中がモソモソしてちょっと気持ちが悪い。
効いたとしたら、リキッドタイプですかねぇ……。
【天気】
前泊日の新六合目は、曇りのち雨。日没頃はかなりの土砂降り。
登山当日、新六合目から九合五勺までの道中は概ね晴れ。しかし、山頂のみ雲の中……
「一寸先は『白い』闇」というくらいすごい霧で、全く何も見えませんでした。
ただ、この濃霧が、今回果たせなかった剣が峰登頂、お鉢めぐりへの未練を断ち切ってくれました。
時間が無くて諦めたのですが、もしも天気が良くて、剣が峰が見えていたら、無理をしてしまったかも……
【その他】
・ただでさえ、「下山にはキツイ」と言われる富士宮口……
これまで、あまりこの点について言及したレポートを見たことがありませんが、小柄な人には更に圧倒的に不利です。
・3,000mを超えると、金銭感覚も若干おかしくなります(違)。平地のスーパーなどでは98円で買える500ml入りペットボトルが500円しても、
全然高く感じなくなっていました。
・装備・服装とマナーはほぼ比例しますね。全てがそう、という訳ではありませんが、一番ひどいと感じたのは、
成金タイプのアジア系外人でした。
半袖Tシャツ、短パンにサンダル履きで、杖もストックも持たず、荷物は手提げ袋……といったいでたちで、
登ってきている人がいるのもお構いなしに、しかも石を蹴落としながら走り降りて来る、というのを何人も見ました。
しまいには逆に、あれでよく登れたなぁと感心までしてしまったり。
【まとめ】
今回は何よりも、二泊三日のゆとりと、行動時間を日中に絞ったことが成功のカギだったでしょう。
天候にもまあまあ恵まれたこともあって、お盆の頃の、一番混み合うと思われるはずの日に、混雑・渋滞とは無縁だったことも含め、
【プラン】の項で理由にあげた読みが、ほぼ全て当たりました。
ひとつ誤算だったのは、登りの所要時間。出発時の見込みより、1時間半も登頂が遅れ(T_T)、天気のこともありましたが、
お鉢めぐりに行けなかったこと。でもこれは来年以降の「宿題」ということで……またチャレンジする口実ができました(笑)。
なお、時系列に沿った、画像付きの詳細レポートを、私自身のサイトにも掲載しています。よろしかったらご覧ください。
「実録・ザ・ミステリーツアー・リターンズ」