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 みんなの登山記2008−7
 投稿者:O.Kさん

■2008年7月26日(土)〜27日(日) 富士宮口

今年はチャンスに恵まれて、今回は今年2度目の富士登山です。7/9からの登山は1人で須走口からでしたが、今回の富士登山は職場仲間と富士宮口からです。今回は昨年荒天で八合目から下山したリベンジ登山ですので、いつも1人で登山する時とは違った緊張感がありました。また、梅雨明け、夏休み、週末と相当な混雑が予想されましたが、混雑ぶりを体験してみるのも富士登山ならではという気持ちにもなりました。今回もコースタイムを採りました。また混雑時の状況も少々記してみましたので、参考になれば幸いです。

○五合目まで
自宅より横須賀線〜東海道線と乗り継ぎJR三島駅に向かいます。今回は夜間登山なので16:15に出発する登山バスに乗車ですが、片道2時間を越える乗車時間のバスで着席できないと辛いので、三島駅には早めの15:30に到着しました。バスの切符や夕食と朝食を購入しバスを待ちます。どの位乗るのかと思いましたが、結局20名ほどしか乗りませんでした。ちょっと拍子抜けです。バスの乗客は多くなかったですが、さすが週末で富士山スカイラインは新五合目より4キロほど下まで路上駐車の車がありました。ガソリン価格の高騰などどこ吹く風といった感じです。新五合目には定刻より15分ほど遅れ18:35頃到着しました。

○新五合目19:30〜新六合目19:48
新五合目では高度順応を兼ねて、食事をしたり同行者に富士登山に対してのレクチャーします。大した事を言った訳ではないですが、時間は充分余裕があるから、遅いと思うくらいゆっくり歩く事と、意識して深い呼吸をするように言いました。新五合目をもっと遅い時間に出るつもりでしたが、登山者がどんどん登山口に向かうので、登山道の渋滞があるかもしれないことを考慮し、時間の区切りがいい19:30に新五合目を出発します。やはり土曜日のせいか登山客が多く列を成して進みます。新六合目には18分で到着しました。個人的にはちょっと早いかなというペースです。

○新六合目19:50〜新七合目20:44
新六合目では、立ちながら軽く休憩です。というか同行者がリュックから荷物を出しただけです。さてここからがいよいよ本格的な登山道に突入するのですが、登りはじめてすぐに登山道に違和感を感じます。ものすごく登りにくいのです。前を歩いているグループにくっ付いて登っていたのですが、しばらくしたら目の前を登山道のロープ横切りました。正規の登山道を歩いていなかったのです。正規の登山道に戻ったらさすがに歩きやすくなりました。夜間登山だと登山道を見落とす事があるので注意が必要です。自分自身も何度も登っている道とか前の人も歩いているという油断がありました。登山道を外れた場所を歩くと落石を誘発させる危険もあるので、自分自身への戒めにしたいと思います。今回は新七合目では休憩せず通過しました。

○新七合目20:44〜(元祖)七合目21:26
今回は3人での登山ですが、それぞれペースが違うので、各合目で早い人が待つという決まりを作りました。予想通り?自分がしんがりを務める事になりました。登山も新七合目を過ぎたあたりから、各登山者の脚力の差がハッキリ出るようで、沢山の人を抜いたり、沢山の人に抜かれたりという感じです。今回の登山は天気予報が少々悪かったのですが、雲の上に抜けたようで東の空に下弦を過ぎたお月様が出ていました。ただ積乱雲が発達しており時々遠くでピカピカ稲光がするのが不安で、こっちに来るなよと思いながら登山しました。(元祖)七合目に到着したら待っているはずの同行者がいません。携帯に掛けてみましたが繋がりませんでした。山小屋前には人が沢山いますが、見落とすほどの人の数ではなかったので、(元祖)七合目を見落として上に行ってしまったのかと思い八合目に向かいます。でも、山小屋もあるし(元祖)七合目を見落とす訳ないのにと思いました。

○(元祖)七合目21:35〜八合目22:17
(元祖)七合目で同行者と合流できなかったのが少々腑に落ちなかったのですが、上にいると思い登っていたら携帯に電話がかかりました。(元祖)七合目にいるけど今どこかという電話です。自分はもう八合目近くにいると伝え、急がずに登るように伝えます。八合目で待つこと20分でやってきました。彼らはこの区間を30分ほどで登ってきました。自分はこの区間を40分はかかります。ここで時間調整を兼ねて長い休憩をしました。どうして合流できなかったのか、話を聞いてみたら、(元祖)七合目下のブル道との合流の場所で星を見ていたとの事です。見落とした自分も注意力散漫でしたが、決めた場所にいないとやはり見落とします。八合目の山小屋前で大きな声で話す女性がいて迷惑だなと思っていたら、案の定山小屋の人に注意されていました。山小屋前で休憩する人は注意して欲しいものです。当初の予定では八合目には23:30着0:00発で計画していましたが、登山道が思ったほど混んでいませんし、渋滞もありませんでしたので、かなり時間に余裕が出てきました。

○八合目23:29〜九合目0:06
充分休憩したのと体が冷えて寒いので、とにかく歩こうということになり上を目指します。吉田口・須走口では八合目より上は週末かなり渋滞するそうなので、富士宮口も相当の混雑であろうと思っていましたが、時間がまだ早いのか流れがやや悪くなる事がある程度です。むしろゆっくり汗びっしょりにならないペースで登れ、登山時間自体もいつも1人で登る時と大して変わりません。いったい今までどんな登り方をしていたのかと思いました。九合目に到着する少し前に日付が変わりました。九合目でも時間調整のため長い休憩をしました。どのタイミングで山頂に向かえばいいか判断に迷いましたが、山小屋から宿泊客が出る前に上に向かえば大丈夫だろうと判断しました。九合目の山小屋は3:00より食堂をオープンするようですが、今日は0:30頃より食堂をオープンして登山者がどんどん入り込んでいました。商売熱心なのでしょうが、登山者にはありがたいことです。

○九合目1:02〜九合五勺1:37
九合目の山小屋が始動したので、宿泊客が出てくる前に上に行こうと九合五勺を目指します。登山道もだんだん急峻になってきて、所々で流れが悪くなりますが、登山時間自体はいつもと大して変わりません。いつも立ち止まって休んでいますが、道が詰まって持っているのも、考えてみれば同じようなものです。九合五勺の山小屋はまだ眠りについていました。

○九合五勺2:15〜山頂2:55
ここまで来れば残すは標高で200mも無く、時間にして標準タイムで30分強(私には無理ですが)なので。ここでもしばし休憩です。九合五勺の山小屋から宿泊客が出てくるタイミングで出発すればいいだろうと思いましたが、昨年九合五勺〜山頂までバテてしまい1時間15分もかかった事や登山者の数もだいぶ増えて、さすがに渋滞するだろうと2:15に出発しました。やはり登山客が多く流れがやや悪くなる場面もありましたが、逆に息切れしないで登れて結局九合五勺から山頂までは40分と自分の今までの記録では最短時間で登れました。今回は八合目以上でかなり長い休憩をしたので単純比較は出来ないのですが。

○御来光
御来光までまだ少々時間がありますので、山頂郵便局の裏で座って待っていました。丁度石が椅子のように積んであり待っているには楽な場所でした。たださすがに山頂は寒かったです。今回はマスクや耳あてなど準備し防寒対策はしっかりしたつもりでしたが、やはり真夏の下界から真冬の山頂に登ると寒さを辛く感じます。富士登山には高度順応の他に気温順応も必要なのかもしれません。1時間少々経ってからいつもご来光を見る富士宮口山頂東側の東安河原の先、成就岳のそばに移動し登山道脇でご来光を待ちました。今回も綺麗なご来光を見ることができました。写真では綺麗に色が出ませんが、出始めは真っ赤ですぐにオレンジになり白い太陽になりました。この色の変化も素敵です。今回ご来光を見た場所は確かにいつもよりは混んでいましたが、週末で混むぞと構えていたほどの混雑ではありませんでした。やはり大日岳がご来光の人気スポットなのでしょうか。

○剣ヶ峰
ご来光を見たあとは、剣ヶ峰に向かいます。時々雲が流れてきて馬の背では、ブロッケン現象を見ることができました。今回3人で富士登山しましたが、3人で撮った写真では一番の傑作かもしれません。自然現象とは面白いものです。剣ヶ峰では記念撮影の順番待ちがありましたが、吉田口・須走口から来る人たちよりタイミングが早かったためか、それほど長い時間は並びませんでした。また、一番高い場所にある岩(ペンキでマークあり)にタッチしておきました。

○お鉢めぐり
剣ヶ峰をあとに時計回りにお鉢めぐりを続けます。途中影富士を見たり、大沢崩れの規模に圧倒されたり、白山岳の大きさに感動したりしました。初めて見たわけではないのに、それぞれのスケール感に圧倒されます。山頂は綺麗に晴れ渡りお鉢めぐりを堪能できました。私は写真などを撮りながらゆっくり歩きましたが、同行者2名はちゃっかりどこかのツアーガイドの話を聞たりしながら先を歩いていました。白山岳との分岐のところで待ってくれていました。吉田口・須走口山頂に到着しここで朝食にしましたが、さすがに疲れたせいかおにぎり1個しか食べられませんでした。吉田口の人気を物語っているのか、ここの山頂はものすごい人出でした。自分は今までピークを外して山頂に来ていたので、これほど混むのかと驚きました。トイレは男女とも大行列でした。

○山頂7:12〜新七合目8:17
山頂での御来光、ブロッケン現象、剣ヶ峰、影富士と見るものは見て満足して下山を始めます。同行者2名は今回が初めて山頂までの富士登山でしたが、最初からこれだけ楽しめてよかったと思います。山頂から下山道を下りますが、やはりすごい人数です。そして晴れているためか砂埃も半端ではありません。山頂出発時からマスクをしていて正解でした。新七合目で30分ほど休憩しました。休憩中にワンちゃんが散歩から帰って来ましたが、みんなここで犬を飼っている事を知っているのか、「お帰りー」って声を掛けられていました。

○新七合目8:45〜砂走五合目9:13
昨日登りで体力を温存できたのか、半月前に1度登って体が慣れているのか、今回の登山はすごく楽でした。下山もいつもより軽快に感じたので、今回は砂走りを意識して早く降りてみました。前回はガスで下山道の先も登山道にある山小屋も見えませんでしたが、今回はよく見えるので実に快適です。昨年の下山時の苦労が嘘のように一気に下りました。このまま新五合目まで降りて行きたかったのですが、同行者をここで待ちます。砂払五合目を新五合目と思う人がいるようで、あと2キロ30分と言われ「ええー」と声をあげる人もいました。確かにここまでと思っていたのに、あと2キロ30分と言われると力が抜けるかもしれません。

○砂走五合目9:45〜新五合目10:08
天気がよく暑かったのですが、最後の樹林帯は影になるので快適でした。新五合目でこけもものソフトクリームを食べたいと先を急ぎます(笑)。古御岳神社で無事下山できたお礼の参拝をして新五合目に到着です。新五合目で人が並んでいるので何かと見れば、山小屋がサービスでエアーで砂埃を吹き飛ばしてくれていました。もちろん無料でです。東富士山荘、菊屋どちらもしていました。私は何度か須走口に降りていますが、このサービスは初めて見ました。今まで、たまたま砂埃がひどく無かった時ばかり下山したため見なかっただけかもしれません。須走口五合目の山小屋2軒のサービスレベルは大したものです。

○下山後
お土産を買いソフトクリームを食べバス停に向かいましたが、10:30発の御殿場駅行きのバスは発車5分前の時点で既に立客がいたので、11:00発の便まで待ちます。10:40発の新松田駅行きはだいぶ空いていましたので少々アンバランスです。新松田駅行きのバスが空いているのは、まだ知名度が低い事や富士登山セット券(富士急バスが発行する登山口を自由に選べる往復バス切符)が使えない事が影響しているのかもしれません。11:00発の御殿場駅行きも数名の立客が出ました。ふじあざみラインも路上駐車が多く、9.8キロポストの先まで路上駐車の車がいました。日曜日ということもあり御殿場駅までの国道も混んでいましたが、バスは混雑する国道から御殿場口五合目方面への道路に迂回し定刻より数分早く御殿場駅に到着しました。いつもならここで御殿場線に乗り換えて帰路につきますが、今回は御殿場駅から送迎バスのある時之栖というリゾート施設に向かいました。ここに気楽坊という温泉があります。汗と砂まみれになった体を温泉で洗い流すと生き返った心地がします。バスツアーで必ずといっていいほど入浴施設に寄る意味がわかりました。お風呂のあとは打ち上げと称して食事をしつつ御殿場高原ビールを飲みます。このリゾート施設内には御殿場高原ビールを本格的に飲める場所もありますが、自分たちは温泉の建物内の展望レストランで登ってきた富士山を眺めながら飲みました。帰りは御殿場駅に戻らず、三島駅行きの送迎バスに乗車しました。ここの温泉は60分まで1000円で利用できる行水券もあるので、御殿場駅〜三島駅を移動する予定の人は交通費を考えればかなり格安だと思います。バスタオルやハンドタオルだけでなく、歯ブラシやカミソリも用意されているのでお勧めです。60分以内にお風呂を出てロッカーキーを受付に返却すれば60分の時間にとらわれず施設内のレストランで飲食ができます。ただし送迎バスは混雑時には乗れないことがあります。

○終わりに
今回は職場仲間と一緒でしたが、昨年のリベンジを果たせ一応主催者としての責任も果たせ満足しました。特に私以外の2名は初の登頂で御来光を見てお鉢めぐりもしたので、きっと満足したと思うのですが、下山後に富士登山の感想を聞いたら「とりあえず富士山はもういい」と言う事でした。時間が経てばまた登りたいと気持ちが変わることを期待しています・・・。


(管理人)
ブロッケン現象の写真が見事です。初めて登った方々にはとても良い富士登山になってなによりでした。砂払五合目から2キロはないですね。GPSデータだと1.3キロぐらい。でも30分以上かかるのは確か。下山後の行程は参考になります。



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(08/7/30)