■2011年7月8日(金)〜7月9日(土) 須走口
今年最初の富士登山を、昨夜〜今朝にかけて須走口で行なってきましたので、記憶が
新鮮なうちにレポートします。
仕事が終わってから21時ごろ新五合目に到着。この時はまだ駐車場に空きがありま
した。登りだしの標高が2000mですので、いきなり登りだしても高度順応に問題ない
かもしれませんが、着替えてから1時間ほど休憩しました。22時少し前、ほぼ満車に
なった駐車場から出発です。沼津〜御殿場辺りはそこそこ雨が降っていましたが、こ
こまで来ると大行合あたりの山小屋の灯りがよく見えて、天気はまずまずのコンディ
ション。
金曜日とあって同じように徹夜登山しようという方々が意外なほど多くいらっしゃい
ました。正直な話新五合目から新六合目までの樹林帯歩きは心細く、鈴の用意をして
いたのですが余計だったようです。「寝ている方もいますので……」と長田山荘でご
注意も頂戴したので、ザックの中へ収納。
今回、4年前の金剛杖を持参していったのですが、23時前という遅い時間まで長田山
荘が営業していましたので、ここでもう1本金剛杖を買い求めました。この先の登下
山は「和式ノルディックウォーキング」と勝手に銘打った、金剛杖のダブルストック
です。またここでは入り込み状況もうかがうことができました。八合目から上はそこ
そこ混みそう、渋滞はしないと思われるが、とのことですが、「自衛隊が120名の団
体で上がっていった」との情報もあり、一応頭に留めておきます。
ダブルストックのおかげで前回よりかなり楽に歩けます。ただ、徐々に徐々にではあ
りますが腕が疲れてきました。ノーストックではいかに足にばかり負担をかけている
かを思い知りました。瀬戸館到着が23時10分過ぎ。ちょっとペースが速すぎるような
気がします。昨年7月末、霧の東安河原で凍えそうになりながら2時間以上夜明けを
待った記憶がよみがえり、意図的にペースを落としました。でも知らず知らずもとの
ペースに戻っているようです。時計を見てはペースを落とし、の繰り返しで時間調整
を図りました。この辺りまでくると、砂地では右足・左金剛杖、左足・右金剛杖、と
リズミカルに歩けるものの、岩場も多くなり右の足と金剛杖が一緒になるなど、動き
がバラバラ。こうなると金剛杖無しの方が歩きやすくなります。
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大陽館の店先に赤提灯がかかっていました。今度は登頂目的ではなく、飲み歩きに来
てもいいかもしれません。今回は車利用の徹夜登山ですのでアルコールは帰宅してか
ら、と決めてあります。それに深夜です。小休止して先に進みました。
見晴館で小休止の場所を探していたら、自衛隊員120名の団体様と遭遇。皆さん休憩
中でした。私の休憩はもう少し先でするとして、休憩中の迷彩服の団体様の横を通り
過ぎました。ときどき「がんばってください」と声をかけてくださいますので、受け
答えしながら列の一番前に差し掛かったとき「出発5分前」の声。120人の団体の後
ろにつくと歩きづらそうなので、この先は自衛隊御一行様の動きも見ながらの行程と
なりました。江戸屋の前で休憩していたら、案の定LEDライトの行列が規則正しく
上がってきます。
本八合目江戸屋の前で少し長めの休憩をとりました。すると宿泊客の方から、服装に
ついて聞かれました。今回ここまでは化繊のTシャツの上にフリース地のシャツのみ
ですが、この先の対応用として、フリースそのものとレインスーツ上下を用意してい
ます。その方も「やはりそれだけ必要なんですね……」と納得された様子です。
この先は人の数が増えますが、まだ1時半前でまだ混みあうというレベルではありま
せん。あと小一時間もすると山小屋からお客さんが出てくるはずで、須走口からは
120人の自衛隊も加わります。その前に出発です。3月の震災+原発事故にもかかわ
らず白人の登山客が多く見られ、前後からEnglish Talking(と思われる)が聞こえ
てきます。
2時20分、久須志神社前到着。新五合目から4時間20分です。そのまま人気もまばら
なお鉢めぐりの道へ時計回りに進み、剣ヶ峰に2時50分着。御来光まで1時間半ちょ
いです。上から下まで着替えて、厚着をして待ちました。今回は霧がなく、風も弱い
ので安心です。が、肝心の御来光は東の上空に雲がかかってしまい、雲が陽光を反射
して輝いた、という程度。それでも状況の好転を待ってしばらく粘りました。後から
来られた自衛官の方(120名の隊員の先導の方だったようです)もしばらく待ってお
られました。
剣ヶ峰直下の雪渓は重機でだいぶ除雪されていましたが、それでも通行止め。もと来
た道を戻ってみれば、コノシロ池のほとりで修験者の御一行様が記念撮影。頼まれて
シャッターを押していたのは、先ほど剣ヶ峰で御来光を待っていた自衛官の方でし
た。その後修験者の方々は空気の薄い中法螺貝吹奏。おつかれさまです。
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富士宮口がまだ通行止めで、頂上浅間神社もまだ開いていません。ただ須走口頂上に
戻ると、久須志神社は開いていました。金明水はありませんでしたので、お札とお守
りを土産に買っていきます。山口屋本店で甘酒を飲みながら休憩。ほんと体が温まり
ます。
5時30分下山開始、すると自衛隊御一行様が出発しかかっています。下山道の始まり
はブル道と共用ですので、1列になって歩く隊員の皆さんの横を通り過ぎさせていた
だきました。ところどころで「左に寄れ!」と号令がかかり、道をあけていただき感
謝しております。
八合目江戸屋まで吉田口と共用のため多かった人の数も、その先はだいぶ減って、好
天にも恵まれて快適な下山となりました。現在は下山道が見晴館を経由するように
なっていますので、立ち寄って焼印をたのみました。するとコテを熱するのに4〜5
分かかりますとのこと。軽金属のストックを使う人が増えて、金剛杖への焼印を頼む
人が減ったそうです。そういえば昨年7月に登った木曽御嶽山でも、焼印は注文も
らってからコテを熱していました。
さて問題は大陽館の先の砂走りです。体力的には一気に走る自信がありますが、ここ
の砂走りがあいかわらずクセがあって、フカフカの砂と硬い地面が不規則に現れま
す。フカフカのところもところどころ岩がころがって、足をとられて転びそうになり
ます。砂払い五合目まで来てスパッツを外したら、掛けゴムが一気にすり減っていま
した。替えを用意してあるので気にはしていませんが。
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7時45分新五合目着。東富士山荘でまつたけ茶のお接待をいただき、4年前同様こけ
ももソフトと麦茶で渇きを癒しました。土曜日とあって、駐車の列は一番上の直角
カーブの先から4つ目のヘアピンカーブの上まで出来上がっていました。