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 みんなの登山記2011−24
 投稿者:日野光治さん

■2011年7月13日(水)〜15日(金) 御殿場口(山麓から)

昨年登山記を載せていただきました日野です。今年も登ってきましたので、簡単ながらご報告。

昨年須走口を麓の浅間神社からの登山を経験したことから、今年も麓からの登山にすることにしました。
候補はいろいろ考えたのですが、いろいろな事情から御殿場口に決定。新五合目までずっと舗装された道という面白みのないコースです。
舗装された道で照り返しのきつい中を歩くのも嫌なので、新五合目までは夜間に歩くことにして計画を立てました。

7月13日、御殿場口の起点である新橋浅間神社にお参りをしてから新五合目に向けて夜の道を歩きます。
自衛隊駐屯地を過ぎると、舗装はされているものの街灯すらない道。しかし自動車の通行量は思ったよりありました。水ヶ塚や富士宮口に向かう(あるいはそこからくる)車なのでしょう。歩道があるわけではありませんし、車の運転者も歩行者がいるなどとは思っていないでしょうから気をつけて歩きます。

そんなこんなで登山という感じもなくただ歩いただけの区間だったのですが、最後の最後でちょっとした見所がありました。
富士山スカイラインから御殿場口新五合目までの間を歩いているときに、林の中を複数の小さな光がチカチカ点滅しながら飛んでいるのが見えたのです。おそらくホタルでしょう。夜にこんなところを歩く人はあまりいないでしょうし、車からでは見過ごしてしまうでしょうから、あまりこの光景を見たことのある人はいないのではないでしょうか。夜にここを歩いたからこそ見ることのできた光景だと思います。
しかしこんなところにもホタルはいるんですねぇ。

という感じで御殿場駅から約5時間半かけて新五合目に到着。ここで大休止。


翌14日、日の出直前の4時20分、登山を開始。

砂礫のジグザグ道が延々と続くこと自体は私にとって精神的苦痛にはならないものの、足の遅い私にとっては見通しの良さにより、「追い越して行った人がもうあんなところまで登ってる!」というのがいつまでもいつまでもいつまでも見えていることのほうが精神を圧迫します。他の登山道のように人が多ければ、その大勢にまぎれてしまうためどの人がどこまで進んだかなどわからなくなるのですがねぇ。

一応早朝に出発して、涼しいうちにできるだけ高度を稼ごうと思っていたものの6時くらいになると、もうすでに相当暑くなっています。追い越して行った人が見え続けることによる精神的疲労と、暑さによる体力の消耗で、ただでさえ遅い私の足はさらに遅くなります。

結局、七合五勺の砂走館に到着したのは、何と15時31分。新五合目から11時間もかかってしまいました。いくら足が遅いとはいえ時間がかかり過ぎです。途中何箇所かで休憩をとってはいるものの、何時間も座り込んでいたわけではありません。一体どこでこんなに時間がかかったのか…。時計が故障したのかと思ったくらいです。
「かなりのスピードで登った結果、バテたり高山病になったりして登頂を断念する人もいるのだから、たとえ他人の倍の時間がかかろうとも着実に登っていく私のほうが正しいのだ」と思いこもうとするものの、このかかりすぎの時間にはショックを隠せません。 ということで今回はここで宿泊。二日目終了。


翌15日、0時40分に砂走館を出発。
途中、八合目の見晴館跡地で食事休憩をしながらゆっくり登り、4時15分に銀明水前に到着。一昨年同じ区間(一昨年はプリンスルートで登った)を3時間で登りましたが今回は3時間35分。一昨年は食事休憩はしなかったからそれを差し引くとやや遅め程度でしょうか。 日の出時間まで間がないので急いで東安河原に向かい、さらに東へ進み成就岳(勢至ヶ岳)近くまで進んだところで日の出時間となりました。

ご来光を迎えた後、東安河原で湯を沸かして朝食。混雑する山小屋での食事よりだいぶ時間の節約をして、まずは浅間大社奥宮にお参り、そして剣ヶ峰へ。
写真待ち列に並んで6時10分に頂上に到着。
しかし写真待ち列に並んでいなかったのに割り込んで写真を撮るような不作法者もいるのですね。びっくりです。

当初の予定ではこのまま富士宮口に戻って下山するつもりだったのですが、なんとなく気分でお鉢巡りをすることに。お鉢巡りといっても八つの峰すべての頂上を登りながら回るのでは時間がかかり過ぎると思ったので、今回は久須志岳(薬師ヶ岳)と朝日岳(大日岳)の頂上だけに登ってきました。


そんなこんなで7時40分に浅間大社奥宮前に戻ってきてお鉢巡り終了。休憩と下山準備をして8時に下山開始。
しかし富士宮口って段差が大きいところがたくさんあるので、下りだと足にかかる負担が半端ではないですね。皆さんなんであんなにスイスイと降りていけるんでしょう?
もう少し足の負担の小さくなるような下山道を整備して登山道と分ければ混雑防止にもなってよさそうですけれども、そういうのって難しいのでしょうかね?

下りでも後半は大幅にスピードダウンするものの12時には六合目に到着。
普通の人はここで五合目に下っておしまいという人が多いと思いますが、私はここからさらにもっと下ります。五合目は五合目でも御殿場口の新五合目がゴールです。距離的に見ればまだ下りの半分までも来ていません。まだまだ先は長いです。

休憩ののち12時30分に宝永火口に向けて出発。火口沿いに御殿庭に下り、双子山を通って御殿場口新五合目まで。
天気が良ければ景色を楽しみながら下るところですが、あいにく6合目を出発したころから雲が広がり始め、第三火口付近まで来たころには雲の中。まぁそれほど濃い霧ではなく道筋ははっきり見えたので問題はなかったのですが。

しかしここはハイキングコースということになっていますが、一般的なハイキングよりハードなコースではないかと感じました。まぁ、長距離歩行で足に相当ダメージを蓄積した私だからそう感じたのかもしれませんが。
それにハイキングコースだというのにほとんど人も歩いていません。第二火口縁より上ではまだそれなりに人を見かけたものの、それより下では一人しか見かけませんでした。

まぁハードではあるものの樹林帯あり草原ありと、いろいろな景色を楽しめるコースではあるようです。晴れていれば。そして疲れ切っていなければ。

そんなこんなで双子山の二つの山の間のところに着くものの、相変わらず雲の中で、富士山どころか双子山それぞれの頂上すら見えない状況。時間に余裕があり天気が良ければ双子山の頂上にも登るつもりだったのですが、時間的にもあまりゆっくりしている余裕はなく、天気も雲の中ということで、今回は双子山の頂上はあきらめて、新五合目に向けてラストスパート。16時7分、新五合目の鳥居をくぐってゴール。


いやはやずいぶんと長い距離を歩いたものです。
しかし私は体力的にはたぶん標準以下だと思いますし、足も遅く、登山とは関係ない日常生活でも膝痛が出ちゃう人でもあります(今回の富士登山では膝痛は出なかったのですが)。 そんな私でも時間さえかければ長距離を歩けるものなのだなぁとしみじみと思いました。 次回以降も無茶はするけど無理はしないの姿勢で長距離を歩いていきたいものです。


(管理人)
新橋浅間神社はJR御殿場駅の近く(約300m)にあります。駅から御殿場口新五合目まで約15kmを歩き、下山時は大砂走りを使わずに御殿庭経由。すごい長距離です。

日野さんのブログ→今回の詳細な登山記



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(11/8/26)