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 みんなの登山記2012−3
 投稿者:やっす〜さん

■2012年7月21日(土)〜7月22日(日) 御殿場口

登山者:やっす〜 44才 男性
内容 :6年連続6回目の富士登山

また今年も富士登山のシーズンがやってきました。昨年は初のスバルライン制覇で、 意外と優しい富士山だったと感じていました。 今年富士登山を始めて6年目6回目となりましたが、富士宮、須走、須走、須走、スバルラインと 制覇しておりました。今年の計画を練るにあたりどうせなら最後の御殿場口も経験したいと言う 気持ちが大きくなり、メンバーに力説&わがままを言いたい放題して今回のルートとなりました。

当サイト「あっぱれ!富士登山」で改めて、特徴や短所・長所など入念にチェックし、みんなの登山記なども 参考にさせて頂きながら予定を組み立てます。幸い今回の全6人が経験者でしたし、力量と言うか 脚力も把握していましたので、意外と予定も組易い感じでした。 一番ヤキモキしたのは、残雪により御殿場ルートが6合目位以降通行禁止となっていた事で、 20日金曜日12時に解禁と知るまでは天気よりもこっちの方が気になってしょうがない感じでした。

都内某所を14時30分に出発し、東名御殿場ICで降り、御殿場口新5合目に一番近い コンビニエンスストアで、山梨から来る友人と17時に待ち合わせ。 買い物をしつつ、いざ駐車場へ!!
と言う所で、思わぬ大アクシデント発生。リーダーである私の財布入りのウエストポーチを 落とすと言う事が起きてしまいました。結論は発見されたのですが、交番へ行ったり、 クレジットカードを止めたりと1時間以上ロスして駐車場到着です。

当初の予定は19時登山開始して9時間後の28時(翌4時)着を目標にしていました。 が、先述のアクシデントのおかげで、大石茶屋で夕食のうどんを食べて出発したのが 19時40分と40分遅れで出発です。 天気はガスがかかっているというか、霧と言うか雲というかわかりませんが、視界は 良くなったり悪くなったりの繰り返しで、あれれ〜登山道どっち?と言う場面が2、3度 ありました。 こちらのサイトでも説明されていますが、前半には山小屋が全くないので、休憩ポイント がなく、座って休めるような場所もなく、地面は濡れており、さすが御殿場口と思わせてくれます。 砂地で足が取られ、登っても登っても少ししか進まず、足首を疲れさせ、同時に体力も奪います。

やっとの思いで新6合目に到着。もはや何時に通過したのか次の6合目に何時に着けば良いのか 思考能力を著しく低下させます。(疲れの為)

雲が切れて満点の星空を見たり、再び霧が出たりと、はっきりしない天候が繰り返されます。 登山者は僕らのパーティの他、数パーティがいました。女性お一人の方もいました。 一人はマイペースを満喫できて楽だとおっしゃっていました。 今思うと、御殿場ルートだったのかプリンスルートだったかはわかりません。

腕時計と進むべき道(時折山頂まで澄んで見えました為)を見比べながら、このままの ペースではご来光に間に合わない可能性が大きいと悟ってきましたが、もはや体力は 全員限界に近づいていました。過去5年間奇跡的にご来光を拝むことができたので、 今回は御殿場口制覇を目標に切り替え、とにかく頂上までは行こう!とモチベーションを下げず登ります。

4時30分頃から何故か下山してくる方がちらほら出てきて、頭の中は「???なぜ」と なりましたが、とにかく俺たちは頂上を目指そうと最後の力を振り絞って、いよいよ鳥居をくぐりました。 時計を見るとジャスト5時となっていました。19時40分に大石茶屋を出ましたので 9時間20分かけて登頂したわけです。

元々は剣が峰まで行き、そこでご来光を拝み、郵便葉書きを出し、朝食後に下山と言うのが 計画でしたが、疲労困憊過ぎて何もする気が起きません。 それでも登ってきた宿命と言うか義務で下山せねばなりません。 意を決し朝6時40分に下山開始。今年は全員一緒に下山しようと言う決め事を作っていたので、膝に爆弾を抱える N君が先頭で、その後を残り5人が続きます。

行きに山小屋が無いと言う事は下りにもあるはずがなく、延々と下山が続きます。 怪しかった天気も霧雨と言うか小雨が断続的に降り出し、いよいよ濡れだしたため 私はポンチョを取り出し、雨から身を守ります。

N君は慎重に慎重に下っていくのでそれに合わせてのペースで、楽な分、逆に遅すぎて 疲れてくる感じも出てきました。また、濃い霧に覆われていた為、上も下も見えない時間が 苦痛で苦痛でたまりません。 それでも何とか大砂走りに辿り着き、初めての経験をします。 須走ルートを3回経験しているので、どんなものかと期待してましたが、 降りやすさだけを言うなら、こちらの大砂走りが良いと感じました。(長さ以外は)

何度も心が折れそうになりながらも、やっと大石茶屋へ帰還。時計を見ると11時15分でしたので 下りは4時間35分となりました。 一人で降りてくれば恐らく3時間はかからなかったと思いますが、全員無事に5合目に 着いたのは奇跡と言うか感謝です。

大石茶屋のベンチで休んでいると後ろの男性パーティが「予想以上だったよな御殿場口は。○○さん(女性)を呼ばなくて良かったな〜。これじゃきっと無理だったよ」と言う会話をしていました。 とても納得と言うかその通りと思いました。 私らのように徹夜0泊2日は無茶と言うか大変でした。(このパーティさんがどのような計画かは知りませんが・・)

駐車場で着替え近くの「御胎内温泉」へ大急ぎで向かい、汚れと筋肉痛を癒します。 これから東京に戻らないといけないので、40分程度で切り上げて、いざ帰路へ。 車の所有者の近くの居酒屋へ直行し、安着祝い&反省会をし、良い感じに酔っぱらって タクシーで自宅へ帰りました。

今回初めて御殿場ルートにチャレンジしましたが、正直な感想を書くと 「2度と御殿場ルートからは登らない」でしょうね。メジャー4ルートを制覇したかったと言う以外 の理由がないです。山小屋は少ないし、イメージしていた事がことごとく裏切られた感じがします。 例えば自動販売機が設置されていないので、水を買い足すことができなかった。 小屋の中では売ってたと聞きましたが、夜中の2時3時に買う勇気はなかったです。

それにしても今回富士山の偉大さと雄大さを改めて感じることができたし、4ルート制覇できたので、 満足感で一杯です。

(管理人)
御殿場ルートの徹夜登山は、目標となる山小屋の明かりが少ないので大変です。 週末の夜に数パーティしかいないのは、さすがこのルートならでは。大混雑とは無縁です。



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(12/7/31)