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 みんなの登山記2013−18
 投稿者:元湘南ボーイさん

■2013年7月24日(水)〜25日(木) 富士宮口

     登り; 富士宮口  下り; 御殿場口
     登山者; 私(60歳代) 娘(30歳代) 孫(小学1年 男 7歳)
     3人合わせて102歳

 昨年は初めての富士登山で、吉田口からのバスツアーを利用しました。6歳の孫と一緒なので夜間登山は控え、ご来光を山荘から見てから登頂しました。帰りの時刻が決まっており、お鉢周りができなかったのが心残りの第一回富士登山でした。
 そこで今年は剣ヶ峰に登ることと、砂走りの体験を目標としました。富士宮から登り、剣ヶ峰登頂、お鉢を半周し須走り口を降りることを計画しました。
7月24日、朝6時過ぎに東海道線に乗り国府津で乗り換え御殿場駅に7:23着。タクシーで富士宮5合目に8:30着。予報通り雨がポツポツ。朝食は当然カレー。富士山といえばカレーで、3人とも好物です。ゆっくり体を高度順応させました。

 10:10 5合目出発。雨は降り始めていました。出発直後に指導員の方から"今日は一日中雨で、子供が一緒なのでくれぐれも無理をしない様に、引き返すことも選択の一つと考えてください。富士山はいつでも登れるから"とありがたい(?)アドバイスをいただきました。
 10:35 6合目通過。雨は本格的に降りだし、20−30m先は霧が深く、何も見えず歩いても歩いても全く同じ風景で、周りは白、白、白。新7合目までの約1時間は、孫の気分が乗らず"つまらない、もう帰ろう、疲れた"とテンションが上がらないままでした。初めての富士登山でしたら無理せず引き返したと思いますが、昨年の登山では3人の中で一番元気だったので単に気分の問題と考え、なだめすかし、何とか御来光山荘に到着。(11:45)早目の昼食です。孫はデザートのお汁粉を食べてから元気回復。外も明るくなり雨脚も軽くなってきたようでした。
 12:35 御来光山荘出発。雨は降り続いていましたが時々霧が晴れ宝永山が見えることもありました。
 13:35 山口山荘着。まだ元祖7合目と知って孫はガッカリ。
 14:50 8合目池田館着。雨は止みませんが小降りのことが多く、霧が晴れて宝永山、通過した山荘が見えることもありました。この時は大げさに喜び声を上げ、孫を元気付けました。 
 15:50 ついに9合目万年雪山荘に到着。比較的早い到着で雨具、靴下などストーブの近い所に吊るすことができました。雨具はGORE-TEX等の高級品ではなく登山専門店で購入した中級品でしたが蒸れて困ることはありませんでした。靴についてはGORE−TEXを使った登山靴の靴下は殆ど濡れていませんでしたが、GORE-TEXを使ってない普通の登山靴の靴下は濡れており履き替えました。(朝までには乾きましたが)。
 孫はといえば4時から始まった"水戸黄門"のTVに夢中、かぶりつきです。(誰もTVなど見る人はいません。) 夕食は当然カレーです。孫には甘口のカレーを用意して下さりました。不足分は持参のおにぎりです。外は雨で出られません。ストーブの周りで暖をとり会話が弾みました。関西弁が多いのは関西からのアクセスが良いこのルートの特徴なのでしょう。8時には通路以外は消灯となりました。それまでのガサガサ、ゴソゴソ、ヒソヒソ会話が無くなり眠れました。(昨年の山荘では夜8−10時頃に到着する人が多くいつまでも落ち着かなかったことを思い出しました。)夜中の1−2時に夜間登山する人たちが出発したあとは再び静寂。どうせご来光は見えないと思い5時起床の予定でしたが、前夜7時前から寝ていた孫に起こされたのが4時。外は薄暗かったのですが雨でないことは確か。山荘から5分位のご来光の見えるポイントまで早朝散歩。頂上方面からは霧がどんどん降りてきていました。東の方向が明るく輝き、直接太陽は見えませんが、光り輝く雲を眺め日の出を実感しました。5時頃には霧で全く見えなくなりました。4時に起こしてくれた孫に感謝。

 6:10 万年雪山荘を出発。6:40胸突山荘通過。雨こそ降ってはいませんが霧が深く20−30m先は真っ白で景色は全く見えません。この時考えたことは計画の変更です。深い霧の中で初めての剣ヶ峰登頂は無理とあきらめ、絵葉書を投函したら昨年下ったことのある吉田ルートから下山しようと思いました。深い霧の中での砂走りは不安があったからです。雨と霧に祟られた2回目の富士登山になるはずでした。
 ところがここで"白馬に乗った王子様"の登場です。我々がゆっくり登っていると同じペースで登るTさん(東京出身、高校生)と並びました。"お先にどうぞ"と声をかけましたら"私は昨夜に一度登頂し、今2回目の登山なので皆さんと同じペースでいいのです"とのこと。高地訓練中だったのです。そのままTさんと頂上まで登りました。(7:25着)
 さらにTさんの案内で深い霧の中、剣ヶ峰にも登ることができました。剣ヶ峰の石柱で記念写真を撮りましたが(順番待ちするほど人はいません)周りの景色は白い霧のみ。馬の背は登る時は四つん這いでも登れましたが、下りは手すりを使いながらの下山でした。登山者が少なく、上りと下りの鉢合わせも無く手すりを使えました。馬の背は登る方が楽で、安全です。絵葉書を投函するため郵便局を探しましたが、深い霧の中では工事中の建物しか見えません。我々のようにウロウロしている人もいましたが、御殿場口に移ったことが判明し、無事投函することができました。下りはご親切にもTさんが同行して下さり、Tさんお勧めの御殿場ルートで下山することになりました。

 8:30に山頂を出発、下がるにつれ霧は晴れ、赤岩八合館(9:35着)で一休みした時には風景を楽しむことができましたが(今回の登山で唯一の経験でした)、駿河湾は最後まで見ることはできませんでした。富士登山マラソンの練習と思われるランナーの方々と何度もすれ違いました。すれ違ったランナーに後で追い越されることも何度もあり彼らのパワーに圧倒されました。
 10:10、砂走館を出発。いよいよ大砂走りです。始めは岩がゴロゴロしている所もありましたが、しばらくすると砂のみとなり、走るのが楽しい、とにかく楽しい、一歩で2mも3mも飛ぶような感じです。ブレーキをかけるのが大変です。直ぐに霧に包まれてしまいましたが道案内のロープはしっかり見ながらチェックしました。ゴーグル、マスクを用意したのですが霧で砂ぼこりがたたず、砂ぼこりに悩まされず快適に下れましたが、周りの景色は全く見えませんでした。あっという間に次郎坊(と思われるところ、霧で確認できませんでした)を通過、傾斜がなだらかになるとスピードも出ず、単調になり退屈。でも昨年の吉田ルートより楽チンです。
 11:50 大石茶屋に到着。昼食を食べ、タクシーでJR御殿場駅へ。(約4500円、4人ならバスより安い?)

 感想
 富士宮口
 溶岩の岩盤の上や急な岩場が多くありましたが孫を連れていたので慎重に道を選び、ゆっくり登ったので苦になりませんでした。むしろ砂礫の道のほうが力が入らず疲れた気がします。しかし下りるのは大変疲れそうなので別のルートを考えました。御殿場ルートはガイドブックに記載されているよりもかなり早く下れるように感じました。とにかく楽で楽しいです。(御殿場ルートを登るのは体力が必要でしょう) 登山道と下山道が共通でしたが雨天のため下山者が少なかったこともあり、すれ違いに苦痛は感じませんでした。むしろ多くの方から孫へ声を掛けていただきました。"小さいのにすごいな"、"がんばれ"。気分の悪いはずは無く、孫はニコニコしていました。これも雨の中で登れた一因かもしれません。
 雨
 登りはずっと雨の中でした。景色が見えず気分が乗らないことは確かですが雨のため足元が不安定になることはありませんでした。火山礫で水はけが良く、いわゆる水溜りは無く普通に登れました。風が殆どないことも幸いでした。

 孫が楽しかった事; 大砂走り(来年も走りたい)とTVの水戸黄門
 なお、白馬の王子さまは8月10日にモン・ブラン(Mont Blanc 4807m)に単独登頂の快挙です。おめでとうございます。

 昨年初めて孫と富士登山した時、いろいろなサイトを拝見し情報収集しましたがこの"あっぱれ富士登山"が一番参考になりました。特に"わたしの登山記"、"みんなの登山記"で皆さんがどのように計画準備し、どのように登山したのか。ガイドブックには無い情報が役立ち、以来楽しみに読んでいました。


(管理人)
富士宮ルートは段差があるので子供には難しいルートですが、小一のお孫さんが悪天候の中、元気に登り切り、剣が峰まで到達したのだからすごいです。山小屋で水戸黄門に興じるとは、かわいいですね。



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(13/10/21)