あっぱれ!富士登山 みんなの登山記あっぱれ!富士登山 みんなの登山記

2015-5 ちわさん


■2015年7月26日(日)〜27日(月) 富士スバルライン

 

富士登山をはじめて3年目。

登山はまだまだ初心者ですが、今年もどうにか富士山に登る事が来ました。

今回も一泊二日ののんびり登山で、山小屋は3年連続お世話になる「見晴館」です。

「見晴館」に宿泊ですると須走ルートでの登山ですが、今回は登山者が大勢いて賑っている吉田ルートを登る事にしました。

吉田ルートは富士登山最初に登ったルートですが、その後4回の富士登山で一度も使っていません。

賑やかな所が好きだし、ベテランさんの身支度や道具も気になるし、逆に軽装やトンでもないスタイルの人たちを見られるかもしれません。

それと、今年はもうひとつの目標があります。

それは、山頂御来光登山です。

しかしこの計画は、山頂で御来光を見ることが主目的ではなく、山頂御来光を見るために集まっている人たちや、登山道渋滞がどのような物なのか、経験してみたいという野次馬的な発想です。

【1日目】

7時20分に北麓駐車場に車で到着。

シャトルバスの出発が7時30分でしたので、グウットタイミングです。

大勢お客さんが乗るのかと思っていましたがバスには半分ほどの乗客が乗り出発しました。

ほとんどが登山客で、五合目観光と思われるお客さんは5〜6人です。

車で富士五湖観光に来て、わざわざシャトルバスに乗り換えて五合目まで行こうという人は少ないのかもしれません。

五合目に到着してみると、すでに大勢の人で賑っていて、登山者と観光客に分けてみるとおよそ半々です。

この観光客は旅行会社のツアーバスでやってきて、そのほとんどが外国人です。

五合目でゆっくり休憩し、9時30分に出発です。

始めは下りと言う事もあって六合目まではすんなり到着しますが、六合目に到着する間にお馬さんに乗って下山する登山者4人とすれ違いました。

せっかくお馬さんに乗るのだから楽しんで乗りたいものですが、みなさん表情はヘロヘロです。こちらが手をふても、それに答えてくれる余裕も無いようです。

7合目花小屋を過ぎたあたりで母子の2人とお会いしました。息子さんがどんどん先に行って母親のほうが徐々に遅れてしまい、とうとうしゃがみ込んでしまいました。

「お連れの方はずいぶん先に行ってしまいましたね」と話しかけると。

「息子なんですが、今日は山頂まで行くと言って先に行ってしまいました」

「一人で行ってしまって大丈夫ですか」

「登山は初めてなんですが大丈夫ですよ。福島から来たんですが標高200mのところに住んでいるので高山病にならないと思います」

(標高200mで高山病対策にはならないと思うのですが・・・・)

「待合せ場所は決めているんですか?」と尋ねると、「降りて来ればどこか出会うでしょ」

と、登山道と下山道があることを知らないようです。

富士山はどこでも携帯が繋がるので安心ですが、無謀な方がいらっしゃいます。

12時少し前、知り合いのSさんから電話がかかってきました。

Sさんは私が休日に山歩きをすることを知っていますが、今回富士山に行く事は内緒にしていました。

『今日は富士山だよ〜』と自慢してやるつもりで電話に出ると、いきなり「そっちは大丈夫なのか!?」と。。。

高山病にもなっていないし怪我もしていないので大丈夫なんだけど・・・と思いながら、「大丈夫ですよ」と返事をすると。

「そうか、それは良かった。君の家は飛行場から離れているの?」とよくわからないことを言うので「どうしたんですか」と尋ねると、「なんだ、知らないのか?調布飛行場の近くで飛行機が落ちたって・・・」

私の住まいが調布飛行場から約2kmの所なので、心配して連絡をくれたのです。

結局、富士登山の自慢は言いそびれてしまいましたが、その後も何人かの知り合いから、安否確認の電話やメールが届き、そんな大事故が自宅の近くで発生したなんて驚きです。

今日の宿泊は、須走ルートの「見晴館」なので、白雲荘からブル道をトラバースします。

ここは登山道ではなく荷物を白雲荘に運ぶための道なので、白雲荘の方に「須走ルートの見晴館に行きたいので、ブル道を使わせいただいていいですか?」と尋ねると、小屋のお兄さんが愛想よく「どうぞ〜。気をつけてお通りください」と言ってくれました。黙って行くのと、ひとこと言うのでは大違いですね。

このブル道は、吉田ルートの下山道に合流し「下江戸屋」に到着します。「見晴館」はそこから須走ルートを下ってすぐです。

山小屋に着き夕食を済ませると、翌日の山頂ご来光登山に向けて早めの就寝となります。

【2日目】

いよいよ登山道渋滞の体験です。

団体のツアーによっては渋滞前の時間帯に登りきってしまおうと、22時ころ山小屋を出発する事もあるようですが、今回はその渋滞に突入する事が目的ですので、0時起床し1時に「見晴館」を出発します。

本八合目までは歩きにくい砂礫の道を登っていきます。

約1時間で山小屋が集まっている本八合目へ到着しましたが、そこは須走口の静けさとまったく対照的に大勢の人であふれています。

山頂方向を見ると、すでに登っている人たちのヘッドライトの列、麓の方を見るとこれから登ってくる人たちのヘッドライトの列が見えます。

私も早速その列に加わって山頂を目指します。

始めは登山道も広く二列で登っていたので、ツアーの列に入らずに登っていましたが、登山道の狭いところでは一列になるところも出てきます。

ツアーの列に入れてもらおうと思っていましたが、これがなかなか入れてもらえないのです。

列の間に入ろうとすると、後方の人が間合いを詰めて来て肩で押し出されてしまいます。

『ここは譲り合いでしょ!』と言いたいくらいです。でも後で知ったのですが、ツアーガイドさんの指示で「前の人と離れないでくださ〜い」と言われています。ツアーに参加の人もここで前の人と離れて迷子になったら大変です。

結局ツアーのグループとグループの間に入るしかありません。

この登山道渋滞でもう一つ困ったことがあります。

それは私の登るペースに合わないのです。

渋滞で停滞している時は良いのですが、列が進みだすと物凄く速いペースで登っていきます。

この原因もツアーのグループです。ツアーガイドさんは少し広いところで休憩を取るように誘導しますが、一旦列が止まるのでそこで渋滞ができます。休憩に入ったグループが道を譲ると、その分登山道がぽっかり空きます。そこで停滞していた登山者が一斉に動き出します。しかも、ツアーのグループは前の人と離れてはいけないので大急ぎで登っていきます。

このペースが私には合わなくて、どんどん遅れていきます。

そしてやっとの思いで山頂へ到着。

久須志神社前も凄い人だかりですがそこに止まっていると、後から登ってきた人が加わってどんどん人が増えていきます。

仕方なく山小屋へ避難。

体も冷えていたので、豚汁とおしるこを注文します。この注文も団体客がいるときは、団体さんより先に注文しないと、長い時間待たされることになるので要注意です。

御来光の時間前に成就岳の方に移動しご来光を迎えます。

青かった地平線が、オレンジ色になり、上空の雲も次第にオレンジに染まって、いよいよ太陽が出て来るその一点が光り輝きます。

そこにいる大勢の人が同じ一点を見つめる瞬間です。なんとも厳かな時間です。

ご来光を見た後はお鉢めぐりに出発です。

噴火口にある「虎岩」は岩の陰が前足に見えるのですが、この時間は影が無いので虎っぽくは見えないですね。

そして剣が峰へ。

ここでは、『最高地点』の碑の所で記念写真を撮る予定でしたが、ここも大渋滞しています。約200人の登山者が記念写真撮影待ちなので、最高地点の碑はあきらめて、知る人ぞ知る最高地点の岩の所で写真を撮りました。この時間帯に集まる人たちには、この岩に興味が無いらしく皆さん素通りです。せっかく日本一のお山に登って、最高地点を見ずに帰ってしまうなんてもったいない事です。

お鉢めぐりも無事終わって下山開始です。

須走ルートの「見晴館」に泊まったので、江戸屋の分岐で須走ルートの方へ行きそうになりましたが、今回は吉田ルートへ下山する事を思い出し江戸屋の前を通過して直進し吉田ルートの九十九折の下山道に向かいます。

山頂から4時間かけて吉田五合目の賑わいに戻ってきました。

須走五合目とは比較しようが無いほどの賑わいです。

雲上閣のきれいなレストランでのんびり昼食をとり、シャトルバスで北麓駐車場に向かいますが、案内所のお姉さんが「下界は30℃以上ありま〜す。もう少しここに留まる人はチケットをお返ししますよ」と冗談で言っていましたが、もちろん残る人など無く、20人ほどを乗せたシャトルバスは気温30℃を超える北麓駐車場に無事到着しました。

今回は山頂御来光の経験をしましたが、登山道渋滞、剣が峰渋滞、虎岩などの景色がイマイチ等、私にとってはあまりご利益が無さそうなので、山頂での御来光は今回限りかな・・・、と感じた登山でした。


(管理人)
あえて渋滞の時間帯に突入。そのおかげで混雑の様子がよくわかりました。吉田ルートから見晴館へ泊まるためにはいったん標高差100mほど下るので、普通は検討しづらい行程です。ちわさんは見晴館がお気に入りですね。


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(15/8/8)