富士山の噴火
このページは2002年に書いたもので、内容が古いです。
富士山の噴火については、下記のサイトを参考にして下さい。
・
富士砂防事務所のHP内にある、
「
活火山・富士山がわかる本のコーナー」
・
wikipedia「宝永大噴火」
(追記 2011/3/29)
平成13年1月3日の読売新聞で、富士山の地下でマグマの動きを示す低周波地震の回数が急増している、という記事が掲載されました。従来は年間十数回だったのが、昨年の11月には200回以上もあったとか。もちろん、それだけですぐに富士山が噴火する、というわけではありませんが、ちょっと気になるニュースでした。他にも週刊文春などでも同様の記事が掲載されました。これまで、富士山に関してはハザードマップ(噴火したらどの地域がどのように被害を受けるかを想定した図)すら公開されていませんでした。富士山が噴火する可能性を喧伝すると観光業に影響があるというのもその一因のようです。しかし、そもそも富士山は「活火山」なので、いつ噴火してもおかしくないのです。さすがに、お役所も気にし始めたようで、今年6月に山梨で富士山の噴火防災訓練が実施されることになりました。
以前、富士山が爆発すると発表した人がいましたが、結局、三原山が噴火したので回避されたということになったようです。1998年6月2日の東京中日スポーツによると、春に気温が高かったせいで、富士山の雪解けのペースが速く、万年雪まで融けてしまうかもしれないとのこと。ただ、原因として、マグマの活動が活発化したせいで、地表温度が上がっている可能性も。伊東沖地震もあったし、98年6月4日には、伊豆大島近辺で微弱ながらも地震が。という記事。そして、昨年は三宅島が大噴火しました。
最後に富士山が噴火したのは、宝永4年(1707年)11月23日(新暦12月16日)午前のことでした。この噴火によって誕生したのが、富士宮口側にある宝永火口です。噴出した火山灰が偏西風によって江戸にも数センチも降り積もったとか。関東地方は関東ローム層の上に成り立っていますが、その層は、箱根や富士山から噴出した火山灰や火山礫が何万年もかけて堆積した結果、形成されたものです。火口に近い富士山麓周辺では被害は甚大で、火山灰が1~2mも堆積して全滅した村もありました。なお、宝永の大噴火では、噴火の半月ほど前から地震が頻発するという予兆がありました。ですから静かな状態からいきなり大噴火!ということは考えにくく、避難する時間は十分にありそうです。が、いずれにしても、もし噴火ということになったら、富士山周辺の住民や、観光施設などに甚大な被害をもたらすことになります。そして、東京や横浜にも火山灰が降り積もり、大きな影響を与えるでしょう。
まだ、すぐに噴火するという話があるわけではありません。念のため。
★富士山の三大噴火
・延暦の噴火:800年(延暦十九年)3月14日
山頂火口から噴火。東海道だった足柄路が火山灰に埋まって通行不能となり、南の箱根路が開かれた。
・貞観の噴火:864年(貞観六年)5月25日
山頂、山腹のあちこちから噴火。御殿場側に大量の火山灰を積もらせ、溶岩は北西の青木ヶ原方面に大量に噴出。この時の溶岩で、1つの湖が西湖と精進湖に分離。
・宝永の噴火:1707年(宝永四年)11月23日
南東の山腹から噴火。その噴出口が宝永火口。
★参考になるHP
富士砂防事務所
(活火山・富士山がわかる本のコーナーに詳細な説明)