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富士宮ルート

富士宮口マップ
富士宮ルート標識の色は青です。
五合目の標高
2400m
良いところ
歩行距離が短い。
山小屋がほぼ等間隔に建っている。
難点
登りと下りが同じルートなので混む。
柔らかな砂地が少ないので下山時に足への負担が大きい。
段差が多いので子供には厳しい。
歩行距離
10km (登り:5.0km 下り:5.0km)
所要時間
登り:5時間(休憩時間含まず)
下り:3時間(休憩時間含まず)
もちろん個人差はものすごくあります。
(登りは半分で行く人もいれば、2倍以上かかる人もいます)

 富士宮ルートは昔から表口登山道として利用されてきました。なんといっても自動車で高度を一番多く稼げるのがうれしい。五合目(約2400m)まで車で行けます。須走口 五合目に比べれば東京タワー1個分以上違いますし、吉田ルート(富士スバルライン五合目)と比較しても約150mほど違います(吉田ルートは2300mからいったん50mほど下る)。歩行距離も一番短い登山道です。三島口と呼ばれることもあります。

 2013年からは富士宮口では夏期登山シーズンのほとんどの期間でマイカー規制が行われます。そのため、五合目駐車場の混雑は解消されますが、かつては、ピーク時には五合目から8キロ以上も離れた場所に路肩駐車するなど壮絶な事態が発生していました。マイカーで行く予定の方はマイカー規制のページを参照して下さい。

富士宮口五合目の看板
 以前は五合目に大きなレストハウスがありましたが火事で焼失。現在は営業していません。代わりに登山シーズン中は。五合目シャトルバス発着場に仮設のユニットハウスが設置されます。トイレはここと、登山口から3分ほど登ったところにあります。

雲海荘
 最初にやや急な場所を登った後はずっと緩やかな坂が続き、約20分ほどで新六合目(標高2490m)へたどり着きます。足慣らしのつもりでゆっくり歩いてください。新六合目には、雲海荘と宝永山荘の二軒の山小屋があります。

五合目
 山小屋の裏手から登山道が険しくなります。いよいよ登山が始まるという感じです。ここから宝永火口へも進めます。プリンスルートは御殿場ルートのページで説明しています。

富士宮口・新七合目
 以前は新六合目から標高差100m上に六合目の小屋がありましたが、今は撤去されています。そのため次の山小屋である新七合目・御来光山荘(標高2795m)までちょっと間隔が開いています。ここは国土地理院の地図では「六合五勺」と表記されています。新六合目から1時間程度。御来光山荘はまだ建物がきれいです。

富士宮口・砂礫の坂
そこを過ぎてからの登山道は砂礫の斜面が多く滑りやすい。また、火山岩がごろごろしているので、蹴り落とさないように注意が必要です。

富士宮口・元祖七合目
 新七合目の次は八合目だと思いきや、たどり着いてみればそこは元祖七合目(標高3030m)。老舗の佃煮屋の本家争いみたいな名前になっています。それを知らずに初めてこの「元祖七合目」の看板を見れば、当然八合目だと予想していただけに誰もがショックを受けることでしょう。元祖七合目・山口山荘は、天気の良い日には赤い布団を干しているのでよく目立ちます。

富士宮口・八合目
 七合目を過ぎると岩場になり斜度がきつくなります。八合目(標高3250m)の山小屋、池田館の直下まで、むき出しの歩きにくい岩場が続きます。ここには救護所(富士山衛生センター)があります。八合目から御殿場ルートへ進めるバイパス道がありますが、公的に管理されている道ではありません。

富士宮口・八合目
 八合目から見下ろす。

富士宮口・九合目を望む
 八合目を過ぎると、また砂礫の多い道になります。九合目(標高3410m)の万年雪山荘は富士宮口で最大クラスの山小屋。食堂スペースが広くてゆったりしています。宿泊者でなくても利用できる食堂は午前2時から19時まで営業しています。

富士宮口・胸突き
 山頂まで最後の山小屋が九合五勺(標高3550m)の胸突山荘。ここでは日付入りの焼き印を押してくれます。このあたりには「山頂まで30分」という看板が立っていますが、これは元気な人の場合。高地で急斜面なので所要時間の個人差が大きいです。また、混雑時には渋滞が発生することがあります。

 富士宮ルートのご来光についてですが、八合目以上なら場所によっては見られるようです。しかし、九合五勺の山小屋から頂上までの間は岩陰に隠れてしまい見えないので、時間的に間に合わないと思ったら山頂での拝観をあきらめて、ご来光を九合五勺で迎えるのも作戦の一つです、とは言ってもやっぱり山頂で、とこだわってしまうのが人情なのですけど。ご来光が目的ならやはり吉田ルート、須走ルートの方が有利です。頂上でない場合、富士宮ルートでは、富士山の稜線の上にご来光を見るという構図になります。

山頂

富士宮口・山頂の山小屋
 ついに登頂! まずは浅間大社奥宮で無事に登頂できたことを感謝。主祭神は浅間大神(木花之佐久夜毘賣命・このはなさくやひめのみこと)。女性の神様です。ここで結婚式をするカップルもいます。一緒に登ってくる親族・友人は大変ですね。奥宮では数え年で70才以上の方が登拝記帳をすると記念品(御神酒と扇子)が贈呈されます。富士山頂郵便局は奥宮の脇に開設されます。富士宮ルートの山頂にある山小屋は頂上富士館(午前5時開店)だけです。山頂の公衆トイレは頂上富士館の裏側にあります。

富士宮口・山頂の山小屋
 富士山特別地域気象観測所(旧・富士山測候所)までは約300mです。写真の水溜まりは「コノシロ池」と言います。途中の馬の背という急斜面を登るのがなかなか大変です。じっくりあわてず歩を進めてください。ただし強風時は危険なので無理は禁物です。測候所にたどりつき、日本最高地点の碑の前で記念撮影すれば達成感がこみあげてきます。

下山

富士宮口・下山風景
 富士宮ルートは登りと下りが同じです。富士山でおなじみの砂走りもありません。そういう意味では下山は面白くないルートです。固い岩場、地面は登りでは有利に働いたものの、下山では直接足に衝撃が来て、なかなかつらいものがあります。朝は5時すぎごろからご来光を拝んだ人たちが、続々と下山を開始し始めます。そうなってくると、狭い場所ではなかなか動くこともできません。なお、基本は登りの人が優先です。下りの人はもう登ったのだから余裕の笑顔で待っていてあげましょう。ただ、大人数のグループが登り優先だからと、狭い道を偉そうに延々と登って、下山客をずっと待たせているのはむかつく。要するに必要なのは譲り合いの精神ですね。

富士宮口・下山風景
 山頂から御殿場ルートを下り、プリンスルート(宝永火口を経由)で富士宮口五合目に戻ってくることもできます。途中からは砂地なので下山もしやすい。火口の中を歩くのですごい迫力ですが、歩く距離が約2kmも増えます。また、いったん火口の底まで下りるので、最後に再び高低差50m程度を登らなければなりません。だから健脚の人におすすめです。なお、御殿場口には七合目からは途中に山小屋がありませんから、天気が悪い時は止めた方が無難です。2009年10月11日に、宝永火口で2m以上の落石が登山道を横切り、登山者のすぐ近くを通過したことがあります。落石には十分注意して下さい。

 富士宮ルートは直線的に登っていきますので歩行距離は短いのですが、その分、全般的に傾斜がきつく、誰にとっても楽な登山道というわけではありません。岩場などで段差が大きいため、特に身体の小さな子供は登るのに苦労します。逆に健脚の人ならどんどん高度を稼いで短時間で登頂できます。登山道の傾斜がきつくて苦しい場合は歩幅を小さくしたりジグザグに登ったりして、あせらずじっくり登っていくことが肝心です。

富士宮ルートの地図

富士宮口の地図
この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平15総使、第64号)


八合目に診療所あり  富士宮口八合目に診療所がありますので、けが、高山病などに対応してもらえます。浜松医科大学の関係者の方たちが常駐しています。ただし、7月下旬~8月中旬の期間限定です。2014年の開設期間は、富士山表富士宮登山組合のサイトによると、「7月25日(金)から8月18日(月)(予定)」です。

御殿場口の山小屋利用  富士宮ルートは登山客数の割に山小屋が少なく満室になりやすいようです。その場合は御殿場口の山小屋を利用するのも手です。八合目から水平方向のバイパスを500mほど進み、少し登ると御殿場口の赤岩八合館に到着します。ただし富士宮ルート側では通行禁止の看板がありますし、途中は沢を横切るので落石には注意して下さい。

お飲物のお値段  だいたい、七合目以上の山小屋ではビールが600円、ジュース類が350~500円です。でも、わざわざ運び上げているわけだから、高いと文句は言ってられないですね。でも、やはり高いと思う人は1リットルぐらいは持参するのが良いでしょう。深夜、宿泊客が寝静まっている頃はフリーの客に飲み物を販売してくれません。ご来光をめざす宿泊客が出発すると、一転、どんどん売ってくれます。

新しい標識  2010年より現在地番号が付けられました。緊急時にはこの番号を連絡します。
←(撮影・ALB.さん 2010/7)

■4コママンガ
ショーちゃんの富士登山
親子登山の様子を描いた4コママンガです。富士登山の雰囲気が分かります。ぜひ、ご覧になって下さい。

■ルート別解説
富士宮ルート
須走ルート
御殿場ルート
吉田ルート

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