富士山の携帯電話事情
富士山での携帯電話キャリアごとの通話状況をまとめてみました。しかし、通話の場所、気象条件、通話の混み具合など様々な要因が影響します。さらに、通話形式や電波帯域の種類が増えて、複雑になってきています。あくまで参考として読んで下さい。2014年7月に各社のサービスエリアマップを見て、まとめています。五合目から山頂までについての感想です。
docomo
富士山ではドコモが最強です。ドコモのサービスエリアマップを見ると、FOMAもXiも主要な登山ルートを見事にカバーしています。ただ、わずかに、富士宮ルートから御殿場ルートへ進むプリンスルートがカバーされていないので、その間は不通になる可能性があります。逆に言えば、それぐらい富士山をカバーしています。
au
4GLTE、3G共に、ほぼ全域をカバーしていますが、3Gでは144kbpsという低速の通信エリアが広いです。もともと、吉田、須走ではやや弱く、富士宮ルートでは強い印象でしたが、確かに富士宮ルートでは八合目付近までは3Gでも高速通信のエリアになっています。4GLTEでは、主要登山ルートがほぼ全域カバーされています。LTEになってからかなり力が入っているようです。
ソフトバンク
以前は須走では健闘するも、吉田、富士宮ルートで弱い印象だったのですが、4GLTEでは、主要登山道のほぼ全域がカバーされています。山麓からの吉田ルートでも3Gでは通話圏内になっています。
あくまで各社のエリアマップを見ての印象です。実際に現地で確認したわけではありません。五合目より低い場所は(ソフトバンクの3Gを除いて)使えないと考えた方が無難です。
山頂の臨時アンテナ
かつては、富士山ではドコモが圧倒的に強いイメージがありましたし、今でもその優位性は明らかですが、他キャリアも夏の富士登山シーズンでは山頂に臨時アンテナを設置して通話環境を強化しています。富士山で携帯、スマホが使えるということは、イメージ戦略的にも重要だと各社とも考えているようです。せっかく苦労して登頂したのに、通話、通信ができなかったとなれば、ユーザーは自分のブログやSNSなどで「○○社は富士山で使えなかったぞ~!」と厳しく書きたてるでしょうから、各社ともおろそかにはできません。ドコモ、ソフトバンク(J-PHONEの頃から)は以前から山頂に臨時アンテナを設置していましたが、2009年からauも旧富士山測候所に基地局を設置しました。2014年からは各社、富士山頂でのLTEデータ通信に対応しています。なお、山頂の臨時アンテナの設置は夏の富士登山シーズンの混雑期のみです。8月20日頃には撤去されます。
それでも、もちろん、気象条件、電波状態によって変わってきます。混雑時には電波はOKでも、回線不足でつながらない事があります。また、五合目付近ではわりとつながりにくい印象があります。結局のところは、「富士山では携帯電話は、必ずつながる物ではない」と考えておくのが無難です。
バッテリーの減りに注意!
富士山では気温が低いということもありますが、電波が不安定なため、基地局とのつながりが切れやすく、携帯電話は頻繁に電波を探索しようとするので、バッテリーの消耗が早くなります。この点には注意して下さい。
2000年頃の話ですが、友人のPHSの液晶が富士登山の途中で破損してしまいました。気圧の変化に対応できなかったようです。それが今では、iPhoneを気球に乗せて宇宙空間まで上昇させ、その動画を楽しむ事が行われています。すさまじく耐久性が上がったものだと思います。なお、富士山では突然の雨に遭遇することがありますから、防水のスマホ、携帯であっても、さらにジップロックを用意しておくと安心です。iPhoneは非防水ですから特にその点の準備は怠りなきよう。