[登山記の目次に戻る]

 みんなの登山記00−2女性二人の須走口登山
 mioさんから、須走口登山の登山記が届きました。
 詳しくてとても楽しいのでmioさんのご了解を得て、一挙大公開です。


★須走口(00年7月8日)

 こんにちは。富士山、無事登ってきました!
 28歳 女2人、とっても大変でした。
 台風が過ぎた後でお天気もよくてご来光もすっごいキレイだったし満天の星空には もう感動しちゃいました。

  中央高速の調布インターに乗ったのが夜6:50。
  須走口駐車場に到着が9:00。

 土曜の夜の高速はすごくすいていて未だに一人で高速走れない運転の下手っぴな私でも、らくちんでした。高速降りてからファミリーマートで 牛カルビ弁当と 上で食べるおにぎりとお茶を買って富士あざみラインで5合目へむかったのですがこの山道がまたすごい急で(あたりまえだけど(^^;)おんぼろコロナが上までもつか心配になるくらいガックンガックンしながらなんとか辿り着きました。駐車場は思っていたより空いていて 車庫入れも簡単にできました。やっと着いた〜と思って ふと見上げた空には 満天の星、星、星!! 登る前からうひゃうひゃ喜んでました。

 「あせらずマイペースで行こうね」って言ってたのに駐車場で支度をして準備している人達を見てるとウズウズウズウズ・・・・。牛カルビ弁当もろくにかまずに 押しこむようにしてたいらげて準備にとりかかりました。

 友達はテーピングなんかを 肩、背中、足のあちこちに巻いていて効果あるのかなあなんて見てたけどこれがまた後で「ああ私も巻いとけばよかった」って後悔する事になるのです。テーピングって結構威力を発揮してくれるのです。

 そして、いざ出発!!

  5合目  9:50
  6合目 12:20
  7合目  1:40
  7合目  3:00
  8合目  3:30
  8合目  4:30
  9合目  5:30
  頂上   6:30

 うそ?って思うでしょ。
 でも、うそじゃないんです。こんなに時間かかっちゃったんです。(^^;

 別に、どっかで寝ちゃった訳でもないし、お天気も良かったし、高山病にもならなかったし、ご来光頂上で見たかったから 一生懸命歩いたつもりだったのになぜか登りだけで 8時間半もかかってしまった。

 去年、河口湖口から登った時は本に載っている平均時間で行けたのに1年でこうも体力が落ちているとは 本人もビックリ。結局、時間かけて登ってもダーっと一気に登っても同じぐらいの疲れのような気がしますが精神的には 時間かけて登る方がまいってしまうと思います。(そりゃそっか)

 5合目で100円払ってトイレ。河口湖口とは違って山小屋も2軒しかなくてちょっと淋しいかんじの5合目。出発の記念写真をとっていよいよ歩き始めました。始めの所に登山の無事をお参りする神棚のでっかいのみたいなのがありましたが夜だから閉まってて「お参りできないじゃん」なんて言いながら一応、閉じられた神棚の前で手を合わせてから行きました。

 始めのうちは 懐中電灯を振りまわしたり 顔にあててウワ〜とかやったり、もう、にっこにこで キャーキャー言ってましたが、ホントに始めのうちだけでした。真っ暗で怖かったですが、それも始めだけでした。そんな事はどうでもよくなってくるのです。懐中電灯の光がユラユラするので一生懸命それを見ていると ちょっとだけ気分が悪くなりました。

「6合目は長かったなあ〜。」
河口湖口はすぐ6合目だったのでそんなつもりで歩いていたら大変でした。しかも、ちゃんと6合目ですって書いてないのです。「ここが6合かなあ」なんて言いながら次の山小屋が7合だったのでさっきのが6合だったんだね って感じです。

 まいったのが、懐中電灯の電池がなくなってしまった事。どんどん私たちを追い抜いて歩いて行く人の中には懐中電灯なしに ずんずん行く人もいましたが(よく登れるなあと思うけど)、私達にとってはその小さな光だけがたよりなので、どうしようかと思いましたが、カメラの電池が丁度同じサイズだったので(カメラは友達のがもう一個あったので大丈夫)それを入れ替えて使いました。登る前に新しい電池を入れたはずなのに なんでだろう。。

 天気が良くて雲もあまり出ていなかったので、景色はとにかく良かったです。休憩の時振り返るたんびに 遠い景色がどんどん見えてきて その素適な景色が 登るパワーを与えてくれました。景色は頂上もいいですけど、この辺からご来光あたりの時間帯が感動でした。街の灯りも神戸顔負けって感じです。

 途中、砂ばかりのすごく歩きにくい所があって一歩登ってもザッっと後ろにその足が戻ってしまってちっとも上に進めないよーって泣きそうになってしまいましたが、チラっと横目に入った文字が「下山道」
 下山道・・・・。下山道登ってるよ、おいおい。ひたすら登っていたら どっかで横にそれちゃったみたいです。来ちゃったものはしょうがないので泣きながら登山道との合流まで下山道を登りました。

 変わった事はそんな所です。あとはひたすら 登ってやすんでの繰り返し。結局、こんなペースだったのでご来光も8合目の河口湖口との合流地点ぐらいで拝みました。時間帯も少しズレたせいか、人も少なくて自分のペースでゆっくり(ゆっくりすぎるか(^^;)登れました。

 頂上ではみそ汁(600円)と、下で買ったおにぎりを食べました。山小屋のおじさんに、「こんなに天気がいいのだから おはちめぐりしといでー」って言われて、一度はトライしようと火口まで行ってみたけどあまりに寒くて(この頃は風がすごかった)もちろん8時間登った疲れもあってあとで後悔するだろうとは思いましたが火口で写真をとって断念しちゃいました。

 そして、いよいよ下山!

   頂上出発  8:15
   5合目着 11:55

 さあ、砂走りだわ!これからはきっと楽しいハズ!

 ところがどっこいです。
まず、はじめに、どこから砂走りなのかわからなかったのでとりあえず ずんずん歩いていましたが ちっとも楽しい道が出てこないので 不安になって下りる人に「須走口はこっちですよね?」ってきいたら 「え、こっちは河口湖口だよ」っていわれて げーーーー!またですかい!!!」

 しかし、違ってたのは彼らだったのです。

 その後に来た人に聞いたら須走口チームで、私達は間違ってはいなかった。
「ひょっとしたら、俺達が間違ってたりしてね ははは〜」
なんて言ってたさっきの彼らは、今来た道を、すごいブルーな空気に包まれてひき返して行きました。すごい かわいそうだったな〜。

 そしてあらわれた 砂走り。
はっきりいって あれは楽しくもなんともなかったです。すごい大変。大変すぎるくらい大変な道でした。 うまくすべるように行ける所もあるけれど大きな石もいっぱいあるのでバランスがとれないのです。何度ころんだことか・・。ころんで立ち上がるのもパワーがいるのです。思い返してもここが1番大変だったような気がします。

 なが〜いなが〜い悪夢のような砂払いがやっと終わりになったかな?と思うような小屋が見えて「やった〜〜着いたよ〜〜!」と、その瞬間「は〜い ごくろうさん。ここから5合目まで30分だよ〜ジュース飲んでいきなさ〜い」 と、山小屋のおじさん。

 えっ・・・・
 ふと見ると まだ続く 「下山道」の矢印。
ここからは 友達同士 一言もしゃべる元気がありませんでした。この30分もキツかったなあ〜。

 歩いても 歩いても 「下山道」の看板。
下山道 下山道 下山道 下山道 下山道 
えーい ええかげんにせんかい下山道!!

 思うんですが登りで何合目って表示があるのと同じように返りも何合目とか あと何分とかなにかの目印なり目標があると 随分気分的に楽になるような気がします。いってもいっても「下山道」では 気が滅入ってしまいます。

 でも歩いていれば いつかは着く。。。行きに閉じられていた神棚のでっかいのも その時間には開いていて何とか無事に辿り着いた事の報告を手を合わせてお参り。2軒並んでいる山小屋のおにいさんに しいたけ茶を差し出されて私はしいたけきらいなので友達にあげました。

 ビールで乾杯して おみやげ買って時間を見ると、11:55。14時間も山登りしていたんだなあと思うとよくやったぞ!と思う気持ちと、この体力不足なんとかせねばという思いと、複雑でした。駐車場までの登りの坂道もつらいらい。おばあさんになった気持ちでゆっくりゆっくり登ってコロナのもとへたどりつきました。

 とことん時間のかかった山登りでした。帰りの車もロウ(?セカンドの次の)にして、山登りと一緒で 次々に道を譲りながら下りてきました。

 もう2度と登らない!って思ったのに今日、写真が出来あがって自慢話しながら見てると、また 登りたくなっちゃったりして・・・。コワイですね。2000年のいい思い出になりました。
それでわ。。。

           MIO
(00/7/21)


BACK  TOP  NEXT