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 みんなの登山記01−1 お山開きの河口湖口
 よく一緒に登っているAさんが2001年の山開きの日に早速登ってきました。登山報告のメールが届きましたので、ご紹介します。

★河口湖口(01年7月1日)

こんばんは! なんとか無事に今シーズンの初登頂から帰ることができました。

 本当は山開き(7月1日)の御来光を山頂で仰ぎたかったのですが、ちょっと不 安があったので今回は6合目あたりで日の出を迎えられるように計画を立てまし た。登山道は初日の出を見るために河口湖口にして、午前3時を少し過ぎた頃に 登り始めました。梅雨時にしては天候に恵まれた、と思ったのもつかの間、強風に 煽られながらの登山となってしまいました。

 一緒に登ったのは、家族で登山を楽しんでいるというHさん。富士山も須走口か ら2度、家族で登頂しているそうです。私も娘が大きくなったら家族で登りたい なあ、なんて想いを巡らせながら娘に渡されたポケットピカチュウをリセットし ました。「いまさらポケットピカチュウ?」なのですが、5合目から山頂までの 往復歩数をこれで計ろうというわけです。

 私としては7回目の富士登山なのですが、持ち物にはあいかわらず迷ってしまいます。実は昨年、たこ焼きセットを担いでいったのですが山頂では強風でガスコンロへ点火できなかった、という辛い経験があります。そこで今回の所持品は新しく買った携帯(funstyle)とポケットピカチュウ、となったわけです。

 さて、細かな記録は取っていないのですが、登りは強風のためとても時間がかかっ てしまいました。おまけに途中、目に砂が入らないようにかけたサングラスを風 に飛ばされてしまい、登山道でないところを拾いに下りる、というアクシデント もありました。やはり、用意のいい登山者はゴーグルを着けてましたね。スキー 用のものでもいいから持っていけばよかったです。

 登り始めでピンクのルートマップをお兄さんから受け取るとき「風が強いから注 意してくださいね」と言われましたが、登るにつれてどんどん強くなっていくよ うに感じられました。7、8合目あたりで風を遮るものの無いところでは、歩く こともできないほどです。このあたりでは登山道を下山する人とたくさんすれ違 いました。「8合目まで行きましたが風が強くて引き返してきました」と、登山 を止めるよう助言する人も何人かいたほどです。心配そうな顔をしながら、それ でも「止めた方がいい」とハッキリとは言わない、ちょうどそんなふうに微妙な 状態だったのかもしれません。

河口湖口・吉田大沢  それでもHさんと話をして、下山道へ行ける8合目までは登ることにしました。 登っていくうちに運良く風が弱まったのか、あるいは吹きさらしの区域を抜けた ためなのか、なんとか山頂までいけそうな気がしてきました。実際、8合目を過 ぎようとした頃には、ほとんどの人が登頂を目指していたようです。今思えば、 河口湖口からのルートは強風に煽られやすかったのかもしれません。 9合目のあたりでは、強風で登頂をためらうような状態では無くなっていました。 それでも風が強いことに変わりは無く、そのすさまじい風(というか砂埃)の辛 さは下山の時、改めて味わうことになるのですが。(写真は残雪の吉田大沢)

七合目のご来光  そうそう、強風のことばかり思い出してしまって、肝心の日の出について書くの を忘れてしまいました。日の出は7合目のしばらく手前で迎えることになりました。3時半くらいだったか、すでに青くなり始めていた東の空は、4時半ころにはすっかり明るくなりました。まわりには、陽の光を浴びて輪郭のできた雲が日の出を待って取り囲みま す。やがて、灰色で水平線の上を一様に塗ったような雲の向こう側を太陽が昇り 始めると、夕日のような太陽が東の空をゆっくりと上がっていきます。灰色の雲 が途絶えたところで、眩しい日の光が放たれました。「偽物」って言われてしま うかもしれませんが、私には記念になる日の出に感じられます。

   話を登頂に戻しますね。風が強かったため汗もかかず、かといって体を動かしていれば寒さも感じなかったため、歩きにくく時間がかかったわりには、そのときは、いつもより体が楽に感じていました。そして頂上の小屋群前に着いて一息つきます。さすがに空いていましたから、眺めの良い東端のベンチで休むことができました。

山頂で記念撮影 山頂で記念撮影
 ここで、ポケットピカチュウの証拠写真を撮って、ついでにfunstyleの写真も撮 りました。「富士山にTU-KA?」「ええ、funstyleです」なんてコピーを考えな がら、シャッターを押してました。その後、小屋に入って「月見うどん」。Hさんは持ってきたおにぎりと味噌汁代わりの味噌ラーメンです。わたしもHさんからおにぎりをもらい、美味しくいただきました。

 昼近い時間になったため、それから風も強かったのでお鉢めぐりは見送りました。 白山岳に登ろう、という話になって歩き出したのですが、登り口にロープが張られて、これまた断念するしかありません。しかたなく周囲の写真を撮っ たのですが、山開きということでかなりの雪が残っていたり、人のあまりいない 山頂の風景を堪能できたりと、それはそれで良い経験ができたと思っています。 あ、試しにTU-KA(funstyle)を山頂の電波が入りやすいところで試したのです がダメでした。それでも電話がかけたかったのですが、公衆電話もまだ開通して いないそうです。毎年、山開きには間に合わないんですかね。i-mode使いなさい よ、ってことなのかなあ?

 下山では登頂の時楽に感じていた体が急に重くなりました。やはり強風で体力を 消耗していたんでしょうね。ウィンドブレーカーを持っていけばよかったかな。 レインコートでも良かったですね。逆にスキー用のフリースは着る機会がなかっ たです。まあ、この時期登るのは初めてですからいい経験なんですけど。 気にしていた風ですが、やはり砂を舞い上げて、目は痛いし、口の中はジャリジャ リだし、鼻で息しても喉の奥に砂が入ってきちゃうしで散々でした。こういうと きマスクは必需品ですね。これからはゴーグルとマスク、富士登山の時の車には 積んでおきたいです。

 スバルロッジのところまで下りてくると、とりあえず荷物を置きに駐車場へ行き ました。荷物を降ろし、靴を脱ぎ、シートに座ると「帰ろうか・・・」というわ けで、お土産も買わずに車を走らせてしまいました。あ、今思えば帰宅したとき の妻子の態度が冷たかったような・・・。Hさんは大丈夫だったかなあ? 

 私も今年から富士山のホームページを開設しようと考えてます。何かテーマが欲しいので「富士登山ダイエットはどうかな?」と妻に聞いたところ、「辛い思いをして痩せられるのはあたりまえでしょう? 楽して痩せられるのがダイエットなのよ」なるほど、ごもっともです。

「五合目(河口湖口)−頂上」の往復歩数は32,521歩でした。

(2001/7/3)


 Aさんが登っている時の富士山頂の気象です。風速17m/sとは「大きな木の全体が揺れ、風に向かって歩くのが難しい」ぐらいの強さだそうです。
富士山 2001/7/1
0306091215182124
気温(℃) 6.9 6.1 6.06.15.45.1
風向 NNNWNNW N NWNNWNW
風速(m/s) 15.917.415.411.811.88.7
天気 晴れ快晴晴れ
この表は、山と渓谷社(各地の天気・富士山実況)より転載しました。

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