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 みんなの登山記02−12 須走口
 投稿者:TIさん


■須走口(02年8月2日〜3日)

昨年に引き続き、須走口を登ってきました。メンバーは昨年見晴館で断念した友人を含め、大人4人+子供1人(小学校3年生Wataruくん)という組み合わせです。須走口にした理由は、昨年登っているのでルートがわかっているのと、子供がいるので比較的空いていて自分達のペースで登れるであろう?というのがルート選択理由です。

8月2日(金)
新5合目(登山道口)11:50出発
体慣らしと腹ごしらえ後、薄曇の中を出発。登山道口にある神社に無事を祈願、弐礼弐拍手壱礼。 Wataruくんも森の中をハイキング気分。途中の森でも写真を撮りながら(小学生は好奇心旺盛だな!)登っていきました。(Wataruくんコメント:森の中で珍しい花を見つけたのでその花を写真に撮りました。家に帰ってから図書館で調べたら「ヤマホタルブクロ」とわかりました。)

本5合目(林館)13:30着
太平洋高気圧の勢力が弱まり前線が南下気味で雷雨が発生しやすいという情報を聞いていましたが、まだ雲間からは時折太陽も照り、木々の背が低くなるのを見つつ登っていきます。Wataruくんもまだまだ元気そうだ。ところが瀬戸館に着く前頃から雲に覆われ始め雷が頻繁に鳴り始めました。音の位置がほぼ自分達と同じ高さで聞こえます。雨雲らしき雲も急速に我々に近づいてきました。ちょっとやばいか・・・。
(Wataruくんコメント:今にも雷が落ちてきそうな感じがしてとても怖かったです。)

6合目(瀬戸館)14:20着(雨宿り)/16:10発
瀬戸館について一息入れているうちに天候が急変。雷の音が大きくなり、稲光も見えるようになり急な土砂降りの雨。小屋の人よりしばらく行かないほうがいい、雨がやむまで休んで行きなさい、との忠告でしばらく雨宿り。メガネ着用者ははずすように言われるし、稲光も目線の高さで光るし、ちょっと怖かったですね。(Wataruくんコメント:山小屋の前に着いたときはそんなに降っていなかったのに、ベンチで休んでいるとだんだん雨が激しくなってきたので、怖くなってきました。)ここに来るまで途中で降られずラッキーでした。その後、いくつかのグループも一緒に待機。ところでWataruくんはすっかり休んでいる間に爆睡モードへ。子供の寝つきの速さはさすが・・・。16時過ぎ、小降りとなったところで小屋の方より、もう大丈夫の言葉を背に出発です。あまり遅くなると明るいうちに宿である本7合目、見晴館へ着けなくなるおそれがあるので。でも、しばらく雨の中をしばらく歩きます。Wataruくんも我々と同じペースでついてきます。さっき瀬戸館で寝ていたから体力回復したかな?ちょっと安心。

7合目(大陽館)16:55着
まだ雨が降り続いています。あまり休むと体が冷えるので、そこそこに出発。ところが少し登ったところで、Wataruくん、気分が悪いとしゃがみこんでしまいました。ちょっと寒いと言うし、手を握るとかなり冷たい。話し掛けてもちょっと反応が鈍い・・・少しやばいか??まずは体を楽にさせ、足のグーパーをやってと言いながら、息を強く吐かせることを繰り返させました。そしたらそのうち、弱弱しく息を吐いていたのが次第に強くなってきました。どうやら復活したようです。本人も大丈夫!と宣言。(Wataruくんコメント:酸素ボンベを使って楽になったので少し休めば行けると思い、もっとがんばって登ろうと思いました。)雨で早く行かなくてはという心理も働き、Wataruくんにとってはオーバーペースになってしまったようです。それに3,000m超えるところで空気も薄くなり体力的にもきつくなる所。そう言えば昨年、今回リベンジをしている友人が同様に、この7合目と本7合目の間でやられたんですよね。引率する我々としては猛反省。その後はこまめに息を整えながら登って行くことに.。

本7合目(見晴館)17:55着(泊)
見晴館に着く前には雨もやみ、無事到着。下の駐車場を見渡せて、あそこからここまで登ってきたんだ、と実感。夕食はカレーライス。Wataruくんもペロリと1人前を平らげ元気そのもの。よかった〜〜〜。
(Wataruくんコメント:自分の足でこんな高い所まで来れてすごくうれしかったです。山小屋はちょっと狭かったけど部屋の中はとても暖かかったのでよかったです。ベッドは布団が気持ちよくてすぐに寝てしまいました。)

8月3日(土)
本7合目(見晴館)6:40発
早朝、ここで御来光。出そうで出ない太陽。待っている間に体は冷えてくるし、雲間から太陽が出てきたときは、お〜〜〜っ!と歓声が。山中湖を真下にとっても綺麗な太陽でした。(Wataruくんコメント:日の出は眩しくてとても綺麗だったです。雲の中から出てきた太陽は上の光の中から出て来ると思っていたので、すごくビックリしました。)天気も晴れ渡り風も時々強く吹く程度のまあまあの登山日和。外人さんが英語のMap片手にWhere are we now ? Map見たら須走ルートでなく河口湖ルートMap。どうやら間違えて河口湖口下山道へ行くはずが、須走口へ降りてきてしまったようです。一度8合目へ戻らなきゃだめよ、と教えてあげました。よかったね!ここで気づいて(笑)。さて我々も出発です。昨日の反省を踏まえ、しばらくゆっくりとしたペースで登って行くことにしました。

8合目(江戸屋)7:15着
Wataruくんも至って元気そう。このペースで行けば時間がかかっても山頂を制覇できるかな?Wataruくん、雲の上からの風景に感激していました。

本8合目(胸突江戸屋)7:45着/8:15発
ついに山頂がはっきりと目標と見える時点まで来ました。Wataruくんも目標を確認したようですが、口数が少なくなってきたのが気がかり。少し長めの休憩を取ることに。ところが再び登り始めたところで、Wataruくん気分が悪いと立ち止まりました。本人はまだ頭痛もなく、顔色も悪くはなかったのですが、寒いと言い出し、手も異様に冷たくなっていました。やはり高山病の兆候でしょう。(Wataruくんコメント:頭は全然痛くなかったけど、気持ちが悪くてふらふらしてきました。前の日に気持ち悪くなった時よりも、とてもつらかったです。もう歩けなくて立っている事が出来なかったです。)ここからもっと登山道が厳しくなることから、これ以上の登頂は危険と思い中断させることにしました。残念ですがWataruくんはここで回復を図ることに。(Wataruくんのお父さんも残念ながら自動的に中断です。)従って残りの3人が継続して山頂を目指すことに。

8.5合目(御来光館)8:40着/8:50発
9合目(鳥居)9:10
最後の難関、相変わらず目標が見えながら前に進まないもどかしさ(笑)。

山頂9:50着
再び山頂に立ちました。リベンジの友人も2年越しの山頂制覇です!山登りというのは、この山頂に来たときの制覇感、満足感がこたえられませんね。

(下山)
山頂10:55発
Wataruくんより山頂郵便Postにはがき投函を依頼されていて、富士宮口山頂にあるPostまで片道20分と聞いたので半分お鉢廻りのつもりでトライし始めましたが、目的地を遠目に見たところで実際20分では無理と思い断念しました。須走口にもPostがあるといいですね。さて、火口をバックに記念撮影の後、下山道を一気に下っていきます。

本8合目(胸突江戸屋)11:15着/11:40発
登頂を中断したWataruくん親子と合流。Wataruくんはまだ完全には回復していない感じでしたが一安心。やはり無理しないでよかった。Wataruくん、下りは歩きのこつがつかめずちょっと怖そうです。でも下っているうちにすっかり元気に。高山病ってホント不思議ですね。降りてしまうと何事もなかったようになるのですから。(Wataruくんコメント:下り始めたときは、先はまだまだ長いと思ったので、がんばろうと思いました。)

7合目(大陽館)13:05着/13:20発
さて、ここからの砂走りに備えてエネルギー補給をし、一気に砂走りを下っていくことに。ところが何か昨年と違う!なぜ??人が歩いたところだけ黒い道筋。そうか!先日来の雨で砂が堅くなったせいかも??時々堅いところがあり足への負担が大きくきつい!ただ、逆に砂塵の舞い上がりが少なくて体が砂だらけにならなかったのが救いでした。6合目付近から霧の中へ。砂走りはただでさえ目標がなく精神的にきついのに霧でまったく先が見えず、拍車をかけてきつい感じでした。(Wataruくんコメント:踵が少し痛くなっただけで、「砂走り」はスキー?みたいな感じで楽しかったです。降りるのに一生懸命で向こう側の登山道は見ていませんでした。)

砂払い5合目14:45着/15:00発
さて、ここからは森の中。出発するときにまた雨が降ってきました。木の根や苔が滑りやすいので注意しながら一気に下山。(Wataruくんコメント:すっかり元気になっていました。森の中を歩いていても全然疲れませんでした。)

新5合目(登山道口)15:35到着
無事登山道入り口の神社に到着。無事下山に感謝して弐礼弐拍手壱礼。
(Wataruくんコメント:神社に着いたときはすごくうれしかったです。やっと家に帰れると思いました。)


追記:
 今回は、昼前に登山開始して、見晴館まで余裕を持って行くはずでしたが、土砂降りの雷雨の中を歩くわけには行かず、雨宿りと雨中の登山ですっかりペースを乱されてしまいました。見晴館で泊まったとは言え、疲労度の蓄積という面から、翌日の高山病の遠因となってしまったでしょうか。全員山頂まで行けなかったのは残念です。一番くやしい思いをしているのはWataruくん本人のはず!?(Wataruくんのお父さんもですね!)きっといつか父子でリベンジをするのではないかと思っています。大人だって本8合目まで行くのは厳しいのだよ。公称3,400m(実際は3,300mぐらい?)よくがんばったよ!!(Wataruくんコメント:家に帰った時はもう絶対に富士山に登りたくなかったけど、今はテレビで富士山を見たりすると頂上を見にまた登りたいと思ってきました。)

瀬戸館で家族連れが一緒に待機していましたが、人数分雨具を持っていなかったみたいでビニール雨合羽を購入していましたけど、あのビニール雨合羽は汗で蒸れて、それが冷えれば体力を奪われるし危険と思いましたがどうでしょうか。確かにアウトドア用やスポーツ用は高価ですし、子供などはサイズが変るので使わずにお払い箱になってしまう可能性がありますが、やはり山での雨対策はきちんとすべき、と思います。

 それにしても子供の回復力ってすごいですね。下山道の最後の森も全然疲れなかったと言うし、大人は日曜(いや、月曜?)から筋肉痛で喘いでいたのに、Wataruくんのお父さんによれば、Wataruくんは日曜日にはもう走り回っていたとか・・・。


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(02/8/26)