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 みんなの登山記2004−13 河口湖口
 投稿者:MIKAパパさん


■2004年8月6日(金)〜7日(土)

小生、東京在住の30代半ばのサラリーマンですが今月初に6歳の娘を連れて富士登山に挑戦してきました。他の方の参考になればと思い記録を送付いたします。

経 緯
娘に自信をつけさせる為に、4月に金時山に登りましたが、娘には簡単だったよう で感動が少ない様子。子どもでも皆に自慢が出来る知名度が高い山と言えばやはり 「富士山」しかないと思い、娘に「登らない?」と誘うが最初は難色。数日間「他 のお友達は行けないよ」「日本で一番高い山だよ」と説得し、登る事となった。小 生の富士初登頂は今から20年ほど前の高校生、その後何度か富士山には登りまし たが最後に登ったのは10年ほど前の富士宮口。その他の登山口の様子も変わって いると思い、ネットで検索したところ貴サイトにHITしました。

ルート
当初は往復とも、お気楽さ+値段の事を考え新宿⇔五合目の高速バスを利用し、河口湖口より登り8合目小屋で宿泊、翌朝頂上を目指し、河口湖五合目に戻るオーソドックスルートを考えた。しかし、ツアーでもないのに同じところに戻るのも芸が無い、娘は前から新幹線に乗りたいと言っていた、それならば、大砂走りの雄大な景色を見て欲しい、などの理由で下山ルートは「御殿場口」に変更。吉田口の延々と続くブル道の下山道と最後の登り返しがイヤ、須走口の最後の樹林帯がイヤといった理由も・・・・お鉢めぐりは、娘の体力しだいと考え、ご来光を頂上で見る事が出来て、さらに余裕があれば行く事にする。

日 程
本当は7月中に行きたがったが、会社の都合で8月上旬となる。
土日は混雑が予想されるので、一日会社を休み8/6-7の金〜土曜日に決行。

小 屋
小屋では一食千円→2名だと4千円の差が。この分で帰りの新幹線切符が出ると思 い、迷わず素泊まりに決定。以前泊まった事のある「太子館」は素泊まり無しの 為、予約せず。初日に出来るだけ高度を稼ごうと思い、「元祖室」に電話、素泊ま り2名で予約をする。

交 通
7月にネットで高速バスの予約をし、コンビニで決済。便利な世の中になりまし た。(\2,600+\1,300=\3,900)
帰りの切符は、何処に下山するのか、何時になるのか不明なので特に購入せず。

持ち物
速乾Tシャツ、長ズボン(ジャージ)、靴下、帽子、サングラス ほとんどユニクロで購入 トレッキングシューズ:小生→軽トレ、娘→ハイカットのホーキンストレッキングシューズ(安売り\1,980)
フリース、バンダナ、軍手、手袋、長袖Tシャツ、タオル、替え靴下、娘着替え一式、雨具
救急SET(バンドエイド、マキロンシート、テーピングテープ、整腸剤、胃腸薬、痛み止め、ヒルドイド、虫刺され、バンテリン、日焼け止め)
修理具SET(ペンチ、針金、輪ゴム、安全ピン、裁縫道具、ガムテープ)、
非常用SET(ロウソク、新聞紙、レスキューシート、エスビット、ライター) 、ナイフ、地図、カメラ、筆記具、ICレコーダー、宛名シール、細引き、ビニール袋、ホカロン、ウレタンマット2、保険証コピー、ヘッドランプ2、携帯コンロ、なべ、割り箸、プラコップ3、フォーク、水3.5L、お茶500、カルピス500、ラーメン2、さとうのご飯2、イシイのハンバーグ2、ミートボール1、コーンスープ2、ふりかけ、カロリーメイト、オールレーズン、オレオ、氷砂糖、チョコ、缶みかん

8月6日(金)
7:00 起床して朝食。小生:シリアル 娘:パン
7:45 自宅出発 妹も行くと騒ぐ。 通勤ラッシュと重なり、電車の中混雑ひど い!!リュックが邪魔で周りの視線がいたい。
8:25 新宿着  駅のトイレに行く。高速バス乗り場周辺の人の多さにびっくり。
8:45 新宿発。26番乗場。1号車8-AB。平日なのにバスが2台も出るなんてこれまた びっくり。 興奮しているのか、娘寝ない。中央高速 府中バス停付近で少し渋滞。
10:05 大月JC.を過ぎたら、バスの中から富士山が遠望できた。かなり雲がかかって いる。
10:25 河口湖IC 順調。スバルラインを登りはじめ、バスの中で最初の雲海を抜 ける。
11:25 5合目渋滞で到着が15分遅れる。それでも最後の500m位は渋滞中の車を尻目 に対向車線を進む。とにかくすごい人、人、人・・・ 馬がいて娘びっくり。自転車組みもいたし、スコットランドの民族衣装のグループも・・
 高度順応をかねてお昼ご飯。おにぎり小生3個、娘1.5個、から揚げ、ウィニー、玉子焼き
 金剛杖(\1,000)は、鈴の紐がピンクで焼印がきれいなものを選ぶ。絵葉書 (\110*2)は、娘が選ぶ。トイレ(\50) レストハウスのおじさんいわく、今日のところ娘が最年少らしい。
 小御岳神社へ行き、無事登山を祈祷。朱印を刻印(\200)して頂く。登山道に一番近いレストハウスの杖が焼印多かったかも?

12:25 雲海の間から、河口湖、山中湖が良く見える。最初の下りをゆっくり歩く。
13:20 6合 穴小屋跡地で休憩。7合目の小屋群が雲の間から見える。
13:43 休憩、ガスがある為、日差しはあまり強くなく、風も無いのでTシャツで登る。帽子はかぶらない。
14:40 7合目「花小屋」で最初の焼印(\200)をする。娘、残ったおにぎり食べ る。オレオも食べ始める。食欲あり。 ガスと一緒に高度を上げていく感じ。
14:52 「日の出館」 焼印(\200)、このあたりから娘ぐずる。
「この父親は、こんなに小さな子に富士登山をさせて・・・泣いているのだから下 山すればいいのに〜」みたいな、周りの視線がいたい。 なぐさめて頂いた方より飴をもらう。
15:01 「トモエ館」 焼印(\200)、「6歳で登れるならば、うちの孫も登れる ね」声があり、心苦しい。 「年長さんで登るなんてすごいね」「あんなに小さな子ががんばっているからあな たもがんばりなさい」の声ばかり。
15:15 「鎌岩館」 焼印(\200)、岩場で渋滞が始まる。小学校の団体登山。ウ〜ン この時期に登るとは・・・・ 岩場では、娘の荷物、杖を持ち、娘の手を引いて登る。軍手着用。
15:28 「富士一館」 焼印(\200)
15:50 「鳥居荘」 焼印(\200)
「東洋館」 焼印(\200)
16:58 太子館 焼印(\200) トイレ チップ(\100) 、蓬莱館、白雲荘で焼印(\200*2) 曲がり角ごとに休んだり、50歩進んだら休んだりしながらゆっくり登る。ガスが 切れると壮大な風景が広がる。
小生、肩こりの為か高山病のためか頭痛。娘、ぐずるが元気。吐き気、頭痛、足の 痛みなど無し。ガスで日がかげり寒くなってきたので長袖Tシャツ着る。

18:21 元祖室到着。何回、キャンセルの電話をしなくてはいけないかと思ったことか・・・(\6,300*2)
予約特典のマグネット2つもらう。すぐに寝床に案内される。一畳(布団一組)に2 名、結構良心的。 階段を登ったところの正面の下段。既に到着し、夕食が済んで いる方々は横になっている。娘はこんなに暗いところでは寝られないと泣く。
夕食:小屋の中では煮炊きは禁止なので、小屋の前のベンチでお湯を沸かし始め る。持参した食料をお湯(多分100度無いけど)で暖める。日が暮れて、だんだん 暗くなってくる。
娘に「ご褒美は?」と聞かれたが、「明日もがんばって歩いたらね」と言ってごま かす。(何も考えていなかった・・)
娘に明日のことを話す。
@暗いうちに登って頂上で太陽(ご来光)をみるかAゆっくり寝て、途中で太陽を見 るか。娘は迷わずAを選択。
20:00 寝る前のトイレに行く。登山者は続々と登ってくる。夜景、稲妻がきれい。娘は寒いので中に入りたがる。
多くの人が狭いところに寝ているから、暑い、暑い。その為にぐずる男の子がいて、うるさい。娘は爆睡。小生、肩こり&頭痛がひどいので肩にバンテリンを塗り、バッファリンを1錠飲む。

8月7日(土)
1:00 頂上御来光組の為、小屋の人に起こされる。渋滞を見越して早めに起こすみ たいだ・・・
出発に備えとりあえずパッキングを始める。やはりスーパーのレジ袋はうるさい。次回 は考慮要。娘の軍手見当たらない??
娘に「目が覚めて寝られないなら、もう出発する?」と聞くと予想に反して「出発 する」と答えが・・・
小生はもう少し寝ていたかったけど、トイレに行き、手袋、フリース、雨具を着 る。
2:15 小屋のおじさんにスニッカーズをもらう。焼印(\200) 星は少し見える。ラ イトを点けて出発。
出発して10分も歩かないうちに「もう休みたい」攻撃開始。風がなく、寒くな い。その為に雲が上ってくる。渋滞が始まる。
2:45 「富士山ホテル」 焼印(\200*2) 「トモエ館」で15分くらい寝る。焼印 (\200)
3:50 「御来光館」でココア(\500)を頼み、娘は小屋の中で20分くらい寝る。焼 印(\200)
4:30 明るくなってきたので出発。ヘッドランプはリュックにしまう。
そこここに高山病?睡魔?で倒れこんでいる大人多数。娘と同年代の男の子 が、真っ青になりながらも登って行く。
5:00 日の出。ご来光はやっぱりきれい!! 本八合では見られなかったらしい。
6:00 ぐずりながらも、鳥居をくぐって山頂へ。すごい人 渋谷のハチ公前みた い!!
空いている場所を探し、コンロでラーメン作って食べる。外人の夫婦に写真をとら れる。
葉書を書いて投函依頼(\50*2)、甲申の御朱印(\1,000*2)を購入、刻印(\300)して 頂く。トイレ(\200)
7:10 外のベンチで娘20分寝る。日の丸(\500)買って、御殿場口へ向かう。風も無いので雨具上は脱ぐ。雨具のズボンが靴を覆っている状態なので、スパッツは着用せず、小生だけロングスパッツを着用。ただし、軽トレシューズなのでスパッツバンドが余り、すぐ外れてしまうのに閉口。
御殿場口までの間で、「もう休憩しようよ」と訴えて泣く。休憩中は元気なのに・・・
8:10 御殿場口から下山開始。つづら折が続き結構厳しい。落石が怖い。
泣き続け、休憩をしたがる娘に「歩かないと、もうひとつお泊りだよ」と脅して歩 き続けさせる。心が痛い・・
下るのに非常に苦労している家族連れ?を抜く。日が暮れる前に御殿場まで到着出 来るか?人ごとながら心配。
途中で、合計年齢が120歳と言うご夫婦と会い、泣きながら歩いている娘を慰め てくださる。「下山したら、トイザラスで何か買ってもらいなさいと」・・・・
9:30 8合到着
「赤岩8合館」にて山頂で食べるはずだった缶みかんを食べる。娘少し元気になる。
みかんを食べている間に小雨が降り始める。雨具着用。杖に押すところ無いので焼印せず。
「砂走り8合」にて雨の降りが激しくなってきたので雨宿り。と言っても小屋の入り口に立ったままの状態。小屋のお兄さんに「この雨は通り雨?」と聞くと、「おそらくすぐ小降りになる」との答えが!予想通り小降りになったところで出発。河口湖口はずっと雨だったらしい。
「日の出館」7合小屋のブルドーザー下で雨宿り、娘頭ぶつける。
11:00 大砂走り開始
宝永火山がきれい。でも御殿場口は前回(S58)もガスの中 何でだろう!!
娘が走らないのが誤算。砂歩きになってしまう!!おそらく5分に1回休憩のペース。 登山道と合流地点で茶屋まで後1700m表示。ここからも長かった・・・・ 脇の柱の数字が一つずつ減っていく。ここで貸し自転車屋やったら儲かるだろうーな・・・ MTBで下りたら気持ち良さそう!!
13:00 大石茶屋到着、ビールと「なっちゃん」(\500+\200)で乾杯。最後の焼印(\300) 今まで泣いていたのがうそのように杖と砂で遊んでご機嫌。
15:00 バスに乗って御殿場へ・・・(\1,080)
15:30 御殿場到着 15:39の沼津行きに乗るはずが、お土産買っていたら乗り遅れた。(\4,200)
15:39 初めての単線。娘はレールが無いのに対向電車がホームにとまっているのにびっくり。
16:36 沼津着 16:39沼津発 16:44三島着 16:53三島発 こだま468号なんとか座る。熱海で隣の人が降りた。乗換え時間が短く、結構ばたばた。新幹線だとあっという間に東京についてしまう。品川駅開業したので、我が家にとっては便利になった。
17:49 品川着 大雨
18:15 自宅着 初日:6時間 945m、2日目:4時間 500m 5時間 2,350m

・ 娘のペースで歩いたから? ひざも笑わず痛いところは何処も無かった。筋 肉痛、肩こりだけ。
・ 8合から頂上まで4時間かかったのだから、いくら早く頂上に着いたからと いって御殿場口に降りることは無かった。須走口に降りれば1〜1.5時間は短縮可 能だったかな?
・ でも 折角「銀明水」まで行ったのだから、郵便局まで足を伸ばせばよかっ た。
・ やはりこの時期の登山は避けたい。出来れば7月上旬か、8月下旬が狙い目か?
・ 不要:子どものリュック、折りたたみマット。
・ 必要:宛名シール、ビニールシート、空気枕
・ 行動にはゆとりを持って、行きのバスももうひとつ早い時間のほうが良かっ たかも・・・
・ 段差が高いところは、子どもにきつく上りでも下りでも辛かった様だ。
・ 娘は、歩いている間、8合目→頂上→大石茶屋まではほとんど泣いていたので目 がはれた。
・ でも下りの休んでいる間は、石でおままごとを始めるなど結構余裕。本当に辛ければ、休んでいても倒れこみ、声も出せない状態になるはず・・・経験者談
・ 娘の印象:@ご来光がきれいだった A太陽が赤かった Bガスが出ると前に歩 いていた人が消えてしまう事。
・ 小生の印象:6歳児との登山は精神的に厳しい。娘に高山病の症状が出なく良かった。ただ長く歩くのがイヤだったみたい。それと母親がいないこともイヤみたい。

 父親の計画に、一日半べそをかきながらも必死に歩き続けた娘に感謝です。おかげさまで娘の中には、小さな自信が芽生えました。

 なお、本山行は、私が経験者(15年以上も前ですが厳冬期富士山も経験済み)だったからこそ出来たのであって、万人向けの計画でない事、及び、素泊まりに関しても用具、水も多く背負える体力も必要であることを強調させていただきます。(無謀な計画は事故のもとですから)

以上です


  (管理人)
 娘さんは本当によくがんばったと思います。夜はひんぱんに寝ているのがかわいいですね。大砂走りは走らないと、かえって足が砂に埋もれて疲れてしまいます。それにしても盛りだくさんの荷物。かなりの体力をお持ちですね。


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(04/8/20)