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 みんなの登山記2005−13河口湖口
 投稿者:ふじ子さん


■2005年8月20日(土)

前回の御殿場口に続き2回目の投稿になります。
今回は2005年の登り納めということで行って来ました。河口湖口往復の日帰りプ ランです。電車+バス利用なので少々時間に無理がありますが、体調はバッチリなの で大丈夫でしょう。

事前に電車とバスの時刻を調べたところ、富士急行線の始発が河口湖駅に到着するの が7:14。そこから五合目行きのバスの発車時刻が7:15。その間わずか1分。 これは接続していると考えていいのか疑問に思い、富士急山梨バス吉田営業所に問い 合わせてみました。すると名前と人数を聞かれ、運転手さんにその旨を伝えてバスを 待たせてくれるとのことでした。乗車の際に運転手さんに名前を名乗ったら出発とい うことだそうです。なんてお優しい。

ということで当初の予定はこうなりました。
自宅(川崎市内)を4:30に出発 → 河口湖駅7:15 → 五合目8:15 →  七合目救護所10:10 → 本八合目12:50 → 頂上14:20 (大幅 にタイムが縮まるようであればお鉢めぐり) → 15:00下山開始 → 五合目 18:00着 → 18:05発河口湖駅行きのバスに乗り帰宅
それでは行ってきます。

◎天気は晴れ!…かな?

8月20日(土) 早朝自宅を出発。電車を乗り継いで河口湖駅に7:14到着しまし た。途中の富士吉田駅からは七合目の山小屋群がハッキリとわかるほど富士山の姿が よく見えました。
私がバスに乗るまで待っていてくれるとはいえ、やっぱり何だか申し訳ないので、急 いできっぷを買ってバスに飛び乗りました。予定通り7:15(ちょっと遅れたかな) 駅を出発。この時期マイカー規制中なので、富士北麓公園経由で五合目に向かいまし た。
この日の天気は晴れで、8月にしてはかなりきれいな青空でした。大陸から秋の高気 圧が近づいてきていたからですね。夏大好きの私としては、この秋の気配はチト寂し い気がしますが…。スバルライン最後のヘアピンカーブを過ぎた直後が絶好の撮影ポ イントで、ほとんどのバスが徐行運転してくれます。天気がよければ雲海に浮かぶ南 アルプスが目の前に現れます。今日みたいな日はいい写真が取れるだろうとカメラを 構えたら…。ガクッ。
本日の南アルプスの天気 くもり  以上。

五合目到着目前で辺りを薄雲が通過中。バスを降りたら霧がたち込めていました。寒 いじゃないか〜。バスは予定より10分以上遅れて到着しました。時間がないのでバ ス停近くの「富士急雲上閣」のトイレを拝借しようと思い、使用料50円を払って中 に入ったらビックリ!どのトイレもトイレットペーパーがてんこ盛り。詰まっている わけではなくて、使用した人が流しきっていないだけでした。まったく、もっときれ いに使えよぉ〜! それからトイレにゴミを捨てていくなよぉ〜! まだまだ富士山 美化に対する意識の低い登山者が多いようで悲しくなりました。


◎〜七合目

予定より15分遅れて8:30五合目出発。ただでさえ余裕のないプランなのでヤバ イ。基本を無視して早歩きでスタートしてしまいました。(皆さんは真似しないでく ださいね) しばらく山腹を横切るため傾斜はほとんどなく、下り気味の場所もある のでワシワシ歩いて六合目通過。

ここから砂礫のジグザグの登りが七合目まで続くのでペースを落としました。一見歩 きやすそうなんですが、これが所々ズルズルと滑り歯がゆかったりします。この斜面 に対抗しようと大股で歩いてる人をよく見かけますが、この歩き方はとても疲れてし まいます。むしろ普段の半分以下の歩幅でちまちま進むほうが足に負担をかけず、心 拍数もあまり上がらないので疲れにくいです。歩幅が狭いので、時々前へ進まず足踏 みのようになりますが(下りのエスカレーターを逆走するかんじ)、私はこの歩き方が 自分に合っているので、五合目から全く疲労なしのノンストップで七合目まで来まし た。

ここから岩稜帯になり傾斜が厳しくなります。でも山小屋が次々と現れ、とても活気 があるので私は好きなんです。ただ金剛杖がじゃまに思えるのもこの七合目なんです よね。ストックの方がかさばらなくていいんですけど、富士山で使うと他の山と比べ て痛み具合がひどいので、あまり持って行ってません。
この日は土曜日ということもあって、登山者もわりと多めで、山小屋の前のベンチは 座れないほど賑やかです。特に疲労はないので(何より時間がないので)七合目の山小 屋地帯は止まらず先へ急ぎました。七合目救護所9:40通過。

岩稜帯の登りは闇雲に足を運ばず、ざっと見渡して少しでも段差のないところを選ん で登ると、膝や股関節に負担をかけません。多少遠回りする場所があっても、面倒く さがらずに丁寧な登りを続けていけば、最終的にタイムや体力などに大きな差がでる と思います。


◎〜本八合目 トイレで休憩?

七合目最後の山小屋からしばらく登ると、比較的すぐに八合目の「太子館」に着きま す。相変わらず小屋の前は人でごった返していました。まだ休まずに行けそうなので ここもスルー。
この辺りから雲の上に出てきました。やっぱり太陽が見えたほうが登っていて気分が いい! 気温はだいぶ下がってきてるので、直射でも暑さは感じませんでした。

水分(大抵ヴァーム)だけはこまめに補給して、一気に本八合目に到着。時刻は11: 15。少し前からかなりおなかがすいていたので、ここでようやく休憩することにし ました。その前にまずトイレに行こーっと。
「富士山ホテル」のトイレ(たぶん富士山ホテルです。違ってたらゴメンナサイ)は非 常にきれいなので、今回もここを使わせてもらうことにしました。入ろうとしたら扉 に『トイレで休憩 5000円』と書かれたはり紙を発見。何だこりゃ。思わず苦 笑。でも本八合目は夜行登山ではかなりしんどい場所。本格的な寒さを感じるのもこ のあたりからだし、私は眠気、疲労ともにピークに達する場所でもあります。そんな 時、このようなきれいで暖かいトイレに出会えたらなんて幸せでしょう。
『トイレで休憩 5000円』 まんざら冗談ではないのかも(笑)

食事休憩は「胸突江戸屋」前のベンチで取りました。とはいえ、未だたいした疲労は ないので、ベンチに座らず立ったまま持参したカステラやパンを食べました。 休憩は大休止と食事休憩以外はザックを下ろす程度で、腰は下ろさないほうがいいか と思います。その方が足の冷え防止になります。「休憩」と一口に言っても、取り方 次第でペースを乱すことにもなりかねません。小休止はせいぜい5分〜10分程度で あまり時間を取らず、大休止に関しては計画を立てる段階でどこで取るかを決めてお くのもいいかも知れませんね。

さてと。ここまででだいぶタイムを縮めたぞ。このまま行けばお鉢めぐりをする時間 はたっぷりある。そんじゃ、さっさと行きますか!


◎〜頂上 大バカ者参上!

……。何だか頭が痛くなってきた。おまけになんだろ、この妙にまったりした眠気 は。どうやら高山病のようです。いつもは全く平気なんですけど、まあ、このハイ ペースでは仕方ないですね。
ここに来てかなり風が強まってきました。時々よろめいてしまうような強風です。 徐々に辺りは霧に包まれ、非常に冷えてきました。さ、さむい…! そういえば周囲 を見ると、半袖なのは私と一部のハイテンションな外人さんくらい。上着出そうか なぁと思いましたが、このバッチリペースを乱したくないし、何となく面倒くさかっ たので、そのまま登ってしまいました。
ちなみに軍手は岩稜帯でのケガ防止に役立ちますが、防寒にはならないので寒がりの 方はしっかりとした手袋を持参してください。

とうとう一度も腰を下ろさないまま、鳥居の見える最後の上り坂まで来ました。時刻 は12:28。後2分でゴールすればジャスト4時間。これは何としても2分でゴー ルせねば! それ、ダーッシュ!(今思えば何て愚かな…) ところが山頂目前で異変 が。おぉ〜っ!? ヤ、ヤバイ!めまいがする〜。うぇ…、おまけにひどい吐き気ま で。そういえば私、高山病でした。(注意 高山病の時は走ってはいけません) 鳥居 の真下で吐いたら天罰が下りそう。それにカッコ悪いし。平静を装って数回深呼吸。 落ち着いたところで残りの石段を登り、12:35登頂しました。
結局5分オーバー。あー、バカなことした(笑)


◎強風のお鉢めぐり

山頂はあいにく霧に包まれていましたが、大勢の人で活気があふれていました。この 雰囲気が結構好きだったりして。本八合目で昼食を取ったのに、どうしてもカレーが 食べたくなって「扇屋」に入りました。高いけど動いた後は特においしい! そのう ちなぜか周りの人がちらちら私を見るんですよね。人がカレーを食べてるのに何でジ ロジロ見るんだよ〜。と思って自分で自分の格好を見たら、まだ半袖だったんです。 あー、これか、と思いつつ、自分自身それほど寒さを感じていなかったので、その格 好のままお鉢めぐりスタート。

ところがその直後いきなり道を間違え、数分、下山道を下ってしまいました。高山病の 影響かと思われる眠気のせいです。しっかりしろー! 再び山頂に戻り、気を取り直 して出発。下山開始まで2時間ちょっとあるので、のんびり歩くことにしました。 前回お鉢めぐりした時は、馬の背を登りたくないので左回りでした。その代わり、馬 の背の下りが予想以上に怖かったです。ズルッと滑りやすく、いったん転がってしま うと止まらなそうで。そのこともあり、今日はかなりの強風なので、今回は左回り (馬の背を登る)にしました。
奥宮の前を通過して馬の背の下まで来ました。近くで見た方が不思議と高さを感じま せんでした。よし、登ろう!と思った時、ものすごい勢いで霧混じりの風が吹き上 がってきました。これじゃ全く動けない。馬の背を下っている最中の人も身動きでき ず、その場にしゃがみこんでいました。やっぱり強風の時は危険ですね。 多少風が治まっている隙を見計らって登り始めました。崖側にある鉄柵は下りの人に 譲って、斜面の真ん中を慎重に歩きました。思ったよりあっけなく登りきり、剣ヶ峰 まで行きましたが、この天気じゃねぇ…。正直言って、悪天候でのお鉢めぐりはあま り楽しくないです(苦笑)

残り半周を歩き、最後に白山岳に登ろうと思って時計を見たら14:45。ちょっと のんびりしすぎました。白山岳、来年登るから待っててね。
再び久須志神社前に戻り、靴ひもを締めなおして14:55下山開始。


◎翔ぶが如く!

河口湖口の下山道は、平らで幅の広めな斜面が延々とジグザグに続きます。パッと見 て歩きやすそうですが、意外と転びやすいんです。ほとんどが重心が後ろに来すぎて (上体より脚が先行している)しりもちをつくケースです。中にはスピードを出しすぎ て、折り返し点で止まれずに岩場に突っ込むおマヌケな人も。(岩場ならともかく、 その先が崖だったらシャレになりませんが)

ストックや上りで邪魔になりがちな金剛杖が効果を発揮するのが下山時です。上手に バランスを取りながら下りましょう。
そしてもう一つ曲者なのが砂煙です。砂走りほどではありませんが、大勢の人がザク ザクと砂礫を下るので、周囲は凄まじい砂埃に包まれます。髪の毛は手ぐしが通らな いほどゴワゴワになるし、鼻や耳の中は真っ黒に。皆それぞれマスクや帽子、スパッ ツなどで対策しています。風の強い日はザックの中まで入り込むので、私は下山前に あらかじめ携帯やカメラをビニール袋に入れるようにしています。(携帯のボタンや デジカメのバッテリーカバーの中まで砂が入ることがあるからです)

さて、依然私の足は元気そのもの。元々下山は得意な方で、ほとんどいつもノンス トップで下ります。また私の場合、小走りで下る方が、ブレーキを掛けながらゆっく り下るより楽なので(あくまで私の場合)、見る見るうちに高度を下げていきます。 ジグザグの折り返し近くは注意を払ってブレーキを掛け、あっという間に六合目に到 着し、登山道と合流しました。これから登る人がぞくぞくと上がってきます。ツアー 団体も多数。皆さんとても楽しそうでうらやましい。私もそこに混じってもう一度登 りたい、と思うのは登山バカ?
登山者に気をつけながら、なおも小走りで下り続けました。時折背後から「うそ〜、 走ってるよ」って声が聞こえてくるんですけど、私はこれが楽なんですよね。

五合目が見え始め、そろそろ河口湖口のハイライト、「にくったらしい最後の上り 坂」のお出ましです。後はゆっくり歩こうかなーと思ってペースダウンしようとした 時、前方からかなり大所帯のツアー団体が現れました。おばちゃん御一行様。全員の 視線が私に集中していて、何だか止まるに止まれなくなってしまいました。(な〜に を強がってるんだか) そうこうしているうちに坂に突入!
ぬおぉ〜っ!し、しんどい…!心臓が爆発してしまう。よりによってかなり大きな団 体で、なかなか列の最後尾が見えません。やっとやり過ごして人影が見えなくなった とたん、しなしな〜っと崩れる私。またまたバカなことをしてしまった(笑)

16:10無事五合目に到着。何だかおなかがすいたので、家から持ってきたおにぎ りと、富士山限定という「こけももソフト」を食べてみました。まあまあおいしかっ たです。

それにしてもいつもと比べて足が重いなぁ。乳酸に支配されているぞ。あっ、いつも のヤツを忘れた。その「いつものヤツ」とは、クエン酸入りゼリー飲料です。普段山 歩きの際には欠かさず持っていくのに、うっかり今日は忘れてしまいました。大抵下 山直前に飲んでいます。長時間の行程では2個持っていくことも。気休めではなく、 とても効果があるので是非お試しあれ。(個人差があると思いますが)

予定より1本早い17:05発のバスに乗ることにしました。
バスの中から富士山を見上げると、夕日に赤く染まってとてもきれいでした。
富士山、ありがとう! また来年も来るからよろしくねー!!


◎最後に… この登山記の中でやってはいけないこと

・ 五合目到着後すぐに出発する
・ 出発早々ペースを上げる
・ 高山病の症状が現れたのに休憩しない
・ そんな状態で走る (これはマズイ!) 
・ 寒いのに面倒くさがって半袖のまま登る
・ 下山時全く休憩しない(疲労がなければ構わないと思いますが)

以上のことはマネしないでくださいね☆
歩き方や休憩の取り方などを参考にしていただけたらと思います。
以上です。

/おしまい



  (管理人)
 またまた元気な登山記でした。私も昔は河口湖口の下山道を駆け下りていたこともあったのですがねえ…(と、昔を懐かしむ)。富士山ホテルのトイレはきれいですね。それで休憩する人が続出して山小屋側も苦慮してそういう張り紙をしたのでしょう。これはけっこうマジだと思うので、休憩したい人は、夜間ならちゃんと素泊まり料金を支払って山小屋内で。


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(05/8/30)