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 みんなの登山記2005−14富士宮口
 投稿者:S・Kさん


■2005年8月27日(土)

33歳男。神奈川県綾瀬市在住。富士宮口から日帰りで富士山に登ってきました。今夏2回目で昨年を含めると3回目です。(前回)。自宅から割合近いので安く行ける点が良いです。

目的

富士宮口は「最短時間で登れるルート」ということで一番楽な登山道のようです。実際に登って須走口や河口湖口と辛さを比べてみたいと思いました。日帰り登山を選んだのは前回が夜間登山だったためです。今回は昼間の雄大な富士山を眺めたいと思いました。ただ日帰り登山だと、5合目着10時45分のバスで来て5合目発18時10分で帰ることになります。この場合、登り4時間、頂上30分、下り2時間30分とかなり忙しい日程になります。少々迷いましたが、前回はダブルステッキのおかげで意外に早く頂上に着けたので今回もこの日程でも大丈夫でないかと思い、日帰り登山にすることにしました。

装備

今回は靴にトレーニングシューズを選びました。土踏まずの部分がへこんでいるのでスパッツをつけたときに紐を踏まずに済むためです。ただアッパーが人工革なのでジョギングシューズより重く通気性が悪い点が弱点です。ハイカットの登山靴も持っているのですが重くて足首が動かしにくいのでやめました。ネットを見ると同じ意見の人もいます。携帯酸素は前回高山病に効かなかったので今回はなし。服はTシャツ2枚・ジャージ上下・ウインドブレーカ上のみ・野球帽。雨具は安物のカッパ。飲み物にお〜いお茶500ml・ポカリスウェット1.5L。食料にカロリーメイトゼリー2個・ウィダーインゼリー2個。その他ステッキ2本・軍手・ヘッドランプ・マスク・スパッツ・デジカメ・携帯電話・携帯用CDプレーヤー・CD(ブラームス「バイオリン協奏曲」等)・将棋の必至問題集。

出発

5時20分自宅出発。天気は晴れ。さがみ野、海老名、小田原、富士を経由して富士宮に8時20分到着。東海道線の窓からは空が霞んでいて富士山が見えませんでした。富士急バスの切符売り場で5合目までの往復切符(3000円)を購入。バスを待つ間蕎麦でも食べようかと富士宮駅周辺をうろつきましたが駅構内の蕎麦屋は休み。代わりに駅の売店でカレーパン(110円)とおにぎり(120円)を購入。バスは9時12分に出発。乗客はほぼ満員。9時49分に表富士グリーンキャンプ場に停まり10分休憩。バスの中では白糸の滝を見に行くという72歳のおばあさんと話。10時38分に5合目到着。5合目は少々雲がありましたが晴れ。土曜日だけあって混んでいました。売店のトイレ(無料)を使用。広場のベンチに座って凍らせてきたポカリスウェットとカロリーメイトゼリーを飲み水とエネルギーの補充。スパッツを着け準備運動をしていると、雲が晴れて見事な快晴になりました。真っ青な空を背景に頂上らしきものが小さく見えます。今日来て正解だったと思いました。

登山開始

11時5分登山開始。今回は呼吸法で高山病を予防しようと思いました。2回軽く吐いて3回目に腹の底から強く短く吐くという呼吸法を繰り返しながら登ることにしました。自己流の腹式呼吸です。「富士山表口五合目標高2400m」の標識のところで大勢の人が写真を撮っていました。私もここで近くの人に写真を撮ってもらいました。

11時15分に6合目の雲海荘に到着。富士宮口は登りと下りが同じ道のため混んでいて登りづらいです。

11時42分に新7合目の御来光山荘に到着。途中大きなゴミ袋を持ってゴミを拾いながら下りてくるお兄さんがいました。サンダルで登っているへそを出した白人女性がいました。サンダルで登っているサリーを着たインド人女性もいました。ここで最初の休憩。ポカリスウェットを一口。下界の方を見下ろすと見渡す限りの雲海が爽快です。

12時10分に元祖7合目の山口山荘に到着。ここまで私と同じペースで登っている縞の長袖にGパンの女性がいました。ここで彼女と私が休んでいる間に彼女の連れの男性が追いついてきました。会話を聞くと中国人か台湾人のようでした。脚力に感心しました。ここでもポカリを一口。山口山荘の看板はなぜかはずしてありました。

12時33分に8合目の池田館に到着。途中岩の上でよろけたはずみに帽子を崖下に落としてしまいました。幸い下まで落ちていかず取り戻せました。このときは膝の裏も岩にぶつけて擦り傷を創ってしまいました。やはりTシャツ短パンで登るのは危険です。富士宮口の岩場は侮れないと思いました。ジャージを着ようかと思いましたが暑いのでやめてしまいました。後で考えると着ておけばよかったと思います。ここでウィダーインゼリーでエネルギー補給。池田館の裏には山頂まで2時間という標識がありました。予定では15時頂上でしたが、このペースなら間に合いそうです。

12時55分に9合目の万年雪山荘に到着。今回は腹式呼吸をしながら登っているせいかここまで来ても高山病に罹りません。むしろ過呼吸を起こして何度か気が遠くなりました。体の方は尻に少々張りが出てきたものの元気です。ダブルステッキのおかげで登攀力が5割増しになっています。ここでもポカリを一口。凍らせてあるので冷たくてうまいです。

9合5勺の胸突山荘は休業していました。ここは休まず通過。12時15分くらいだったと思います。呼吸法を頑張りすぎて横隔膜が痛くなってきましたが、めげずに続けました。

頂上

13時32分に頂上到達。5合目から2時間27分でした。過去2回と比べると最も楽な登りでした。高山病による頭痛もなし。頂上にいるにも関わらず平地と全く変わりがないことに感動しました。呼吸法を頑張ったおかげのようです。頂上の天気は快晴。風は無風。気温も体感では10度以上ありました。これほど気持ちのよい頂上ははじめてです。浅間神社の鳥居の前で万歳しているところを近くの人に撮ってもらいました。

浅間神社にお参りしてから休憩。登山道が見下ろせるところに座りました。周りにも休んでいる人が20人ほどいました。登ってくる人たちが蟻のように見えます。ポカリを一口。山頂郵便局と頂上富士館は閉まっていました。

お鉢巡り

13時41分に時計回りにお鉢巡りに出発。予定では15時頂上だったので1時間20分も時間に余裕があります。山頂郵便局の裏のこのしろ池に水が溜まっていました。ここに水があるのは初めて見ました。25日の台風のせいでしょうか。

13時55分に剣が峰の最高地点に到着。団体客で混んでいました。近くにいた女の人が石碑を背景に写真を撮ってくれました。展望台にも登りました。馬の背の頂上付近に座り少し休憩。田子の浦方面を見下ろしながらカロリーメイトゼリーでエネルギー補給。座っていると冷えるのでジャージを着ました。

馬の背の反対側を走って下り電波望遠鏡や金明水を汲んでいるポンプの前を通って久須志神社の前に14時38分到着。河口湖口側の山小屋は山口屋支店が閉まっていた他は全部開いていました。迷彩服を着た米軍の海兵隊員が大勢いました。

朝日ヶ岳を登り逓信省富士無線中継所跡に15時3分に到着。記念になるものでも落ちてないかと地面の上を探し回りましたが、ガラスの破片やライターくらいしか落ちていませんでした。頂上銀明館は工事関係者らしきが人が出入りしていました。

15時21分に浅間神社の前に到着。裏にある山頂のトイレを初めて使いました。真ん中の穴に銀色の蓋がついていてボタンを押すと開くようになっています。使った後はホースで便器に水をかけて流すようになっていました。下山道が見える地点で休憩。雲海を眺めながらポカリを一口。ウィダーインゼリーでエネルギー補給。このとき「やったー」と叫びながら頂上に登ってきた人がいました。良く見ると新7合目の御来光山荘で休憩していたおじさんでした。うれしいらしく近くの人に話しかけていました。

下山

15時30分に下山開始。今回は下りが課題です。ステッキを駆使して軽快に下りたいところですが、登りの印象では富士宮口は岩場が多く走れる部分があまりなさそうです。道も登りと同じ道のため人が多く混んでいます。

15時41分に9合5勺を通過。この辺は砂礫が多かったので快調に走れました。

15時51分に9合目到着。ここでちょうど朝のバスで一緒だったラテン系の男性が登ってくるのを見ました。私が笑うと彼も笑っていました。連れの女性は置いてきたのでしょうか。

16時4分に8合目到着。ここから霧が出てきました。10m先も見えません。足元もかすんでいるのでステッキを突く場所をよく確認する必要があります。

16時24分に元祖7合目到着。ポカリを一口。右足のスパッツの紐が切れていました。

16時38分に新7合目到着。この辺で下から登ってくる団体が4,5団体ありました。

16時55分に6合目到着。疲れてきたせいか6合目が遠く感じました。太ももに張りを感じます。スパッツの紐が左足も切れていました。この辺で両足の靴底が剥がれてしまいバクバク音を立てながら下っている女性がいました。今回の富士登山では靴底が剥がれている人を5人くらい見かけました。富士宮口は靴にとって過酷な道なのでしょうか。私のトレーニングシューズはなかなか好調です。岩場を下る場合は軽快に動ける軽いローカットの靴の方が良い感じです。

17時4分に5合目到着。下りは1時間34分でした。両太ももが疲れました。走れる部分は走ったおかげで早く下山できました。ステッキはそこそこに使いこなせた気がします。岩場を下る場合、足を下ろす岩には先にステッキ2本を下ろすようにしていました。おかげで今回は一度も転びませんでした。

帰宅

5合目の広場のベンチに座り休憩。靴の中の砂を出し、Tシャツを着替えました。ポカリを一口。まだ凍っていました。今回は飲み物を合計1.7Lほど飲みました。気温が高かった割りには前回ほど飲んでいません。カロリーメイトゼリーでエネルギー補給。売店に移動。お土産を見て回りました。今回はお土産はなし。食堂も覗いてみました。ラーメンが700円。食べませんでした。壁にジュディ・オングと米倉涼子のポスターが貼ってありました。

17時50分にバス停に移動。バスは来ていました。18時17分に出発。今朝のバスで一緒だった韓国人の若者が前の席に座っていました。料金所を過ぎた辺りで雨が降ってきました。19時30分に富士宮駅に到着。富士、熱海、小田原、海老名を経由して22時10分にさがみ野到着。電車の中で腕が異様に発熱していることに気がつきました。日焼けでした。Tシャツ短パンで登ったことを後悔しました。22時20分帰宅。冷水で体を洗い服を着替えた後、近所のすき屋に行き、豚丼おしんこセット並盛(380円)。疲れているときは塩辛いものがうまいです。

感想

今回は日帰りのため忙しい登山でした。しかし富士宮口が短い時間で登れることが確認できたので満足です。天候に恵まれ雄大な富士山を見ることができた点も良かったです。特に今回は腹式呼吸を頑張ったせいか初めて高山病に罹らず頂上にいけました。おかげで頂上の風景を十分に楽しめました。反省点は日焼けです。強い日射しの中をTシャツ短パンで登ったせいで首の後ろ、腕、ふくらはぎの裏が炎症を起こしてしまいました。後日、抗炎症剤のメディッド・クール(メンターム・760円)とサンメディック・ローション(資生堂・1350円)を買うはめに。ジャージを着て登ればよかったと思いますが、逆に熱中症になった恐れもあます。日焼け止めが必要でした。シューズはせっかくスパッツの紐を踏まないものを選んだのに紐が切れてしまい、あまり意味がありませんでした。今回は岩場が多かったのでスパッツは不要だったかもしれません。次回は最後に残った御殿場口を登りたいと思います。大変な道のようなので体力をつけて臨む必要がありそうです。

11:05 5合目
11:15 6合目
11:42 新7合目
12:10 元祖7合目
12:33 8合目
12:55 9合目
13:32 頂上
登山所要時間
2時間27分
15:30 下山開始
15:41 9合5勺
15:51 9合目
16:04 8合目
16:24 元祖7合目
16:38 新7合目
16:55 6合目
17:04 5合目
下山所用時間
1時間34分

当日の頂上の天気(気象庁)
s-kishinamiあっとnifty.com


  (管理人)
 2時間半で登頂とは素晴らしいですね。これなら御殿場口も特に苦労せずに登れると思いますよ。キリマンジャロだって大丈夫かも。S・Kさんのように、どんどん登っていける人はハイカットでないほうが足首のスナップを効かせられるので良いのかもしれませんね。健脚な方ならではの登り方。私のようにだらだら登るタイプは足首をあまり曲げないのでハイカットが良さそうです。


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(05/9/5)