■2008年8月9日(土)〜10日(日) 河口湖口
8/9(土)待ちに待った初富士登山でした。なんとか無事帰ってまいりましたが、
ひどい雷雨に見舞われ、落雷による死亡事故もありました。
私は亡くなった方とほぼ同じスケジュールで動いており、本当に危なかったです。
その時の経験を投稿させていただきます。
私達は経験者1人をリーダーとした10人のグループでした。
◆12:00 河口湖口5合目到着
その時は曇りの天気でしたが、晴れ間もありこれから雨が降るとは全く思いませんでした。
(c)東京電力「雨量、雷観測情報」
◆12:40 雨は降り出し雷鳴が轟きはじめる
昼食を食べている間突然すごい勢いで降りだしました。カミナリも鳴り始めました。
◆13:20 5合目出発
雨は降り続きますが、多少小降りになった時間を見て出発
しかし雨が強くなり、雷も収まらず、ひょうまで降ってきました。
◆13:40頃 6合目手前のコンクリートの落石シェルター(?)で30分避難
6合目の手前にある落石シェルターが見えてきた時、
多くの人が雨宿り(その時はそう思っていた)しているのが見えました。
私達は通過して先へ向かおうとしましたら、シェルター出口で空を見ていた男性に
「こらっ!山のカミナリ舐めてるのか!死にたいのか!みんなカミナリがおっかないから
ここで避難してるんだ!」っとすごい勢いで怒鳴られました。
お恥ずかしながらそこで初めてカミナリの危険を身近に感じビックリしました。
その男性はツアーガイドさんでした。
「さっきまでのカミナリは5合目付近に落ちていたけど、現在のカミナリは
6合目から上に落ちている。だから今は非常に危険な状態だ」と教えてくれました。
どこにカミナリが落ちているのかなんて私は全然わからなかったので、
この方に出会えた事に感謝しました。
それ以降も私達のように無知な人がシェルターの中の人波を掻き分けて(その頃は既に満員電車状態)先へ進もうとすると、その都度注意して足止めしていました。
また、そんな雨の中下山してくる人もパラパラいらっしゃいました。
下山される方にも「5合目までの林はカミナリ落ちやすいからできればこの中にいた方がいい」
とアドバイスされてましたが、登山の方が危険度が高いからか、下山の方にはアドバイス程度だったので下山の方はほとんど留まらず先に行ってしまいました。
◆14:10頃 シェルター出発
先述のガイドさんが自分のツアー客に「そろそろ落ち着いて来たので出発しますが
カミナリはまだ止んで無いので、この先十分に気をつけて。万が一近くにカミナリが来たら、
建物があればすぐ避難して。でもこの先身を守れるものの無い道が続くので
その時は体をかがめるように。」と言い、最後に「個人客は自己責任でね」とつけたしました。
それが解禁宣言という事で、私達も出発しました。
雨の勢いは相変わらず強く、カミナリも、遠くなったとはいえ鳴っていたので、
私達のグループも引き返す事を検討したのですが、逆のこのガイドさんがGOサインを出したので
とりあえずもう少し進む事にしました。
その後は結論から言うと無事登頂する事ができました。
カミナリはその後2、30分くらいで収まってきました。雨は7合目と8合目の間まで降り続きました。
途中の山小屋で雨&カミナリ宿りもしましたが、18:30頃には宿泊予定の8合目山小屋に到着しました。
翌日下山してからちょうど私達がシェルターで避難していた時間に
6合目〜7合目で落雷にあって亡くなられた方がいると聞きました。
私達も、シェルター避難していなければ、この方とほぼ同じ時間に6〜7合目にいたはずです。
本当にあのガイドさんには命を救われました。
あそこを超えてしまったら、本当にシェルターになる場所は全く無く、
だたっぴろい荒野を延々歩くという状況でした。
また、自分自身、初めての登山ではありましたが、レイングッズは念入りに準備しました。
おかげで大雨にひょうまで降りましたが、ある意味無事に登山出来ました。
私達はまだシェルター避難や引き返すという選択肢がありました、
ですが、あれより先に進んでいたら、引き返す事も出来ず、身を守る場所の無い道をひたすら
先に進むしか無い状況になっていたと思います。
そのような中、貧相なレイングッズでは、本当につらいと思います。
レインウェアだけではありません。ザックカバーを掛けても完全防水できず、
翌日の着替えに浸水した方がほとんどでした。
「着替えは万一を考えビニール袋に」という注意を読んで、出発ギリギリにパッキングを
やり直して実行した私は、災難を免れました。
雨対策は雨が降らないと使わないため、ついついおろそかになりがちですが、
今回は心から対策しておいてよかったと思いました。
最後に、今回亡くなられた方のご冥福をお祈り申し上げます。