[登山記の目次に戻る]

 みんなの登山記2008−33
 投稿者:りこぴんさん

■2008年8月14日(木)〜15日(金)富士宮口

こんにちは。はじめまして。りこぴんと申します。
ホームページを参考にさせていただき、8月14〜15日に富士宮口で登山、御殿場口で下山、山頂では御来 光を拝し奥宮参拝、お鉢巡りはしなかったものの剣が峰まで登頂してきました。 ありがとうございました。 今後の登山者の皆様へ、少しでも参考になればと投稿いたします。

登山メンバーは、ここ1年ぐらいで知り合った星好き友人を集めた5人パーティ。富士登山経験者は去年 フリーツアーで河口湖口を登った私と、去年ガイド付きツアーで河口湖口経験の女子2人。 しかも私は年に2、3回関東エリアの山を日帰り登山する程度。あとは全員普段は登りません。 年齢は24歳から31歳まで。1男4女でした。

私は昨年、河口湖口経験者にガイドなし温泉付きバスツアーで連れて行ってもらったのですが、今度は 自分で全部スケジュールを立て、引率することになり、自分のことより勝手に人の心配にかられること に。 初心者の買い物につき合い、包帯や湿布に消毒薬やテーピング、安全ピン等の救急道具を入念に、各種 常備薬も通常より多めに持っていきました。

一ヶ月前に9合5勺の山小屋へ電話。通じなかったので麓の電話番号へ。無事予約がとれました。 山小屋の番号は、登山道が開通すれば通じるとのことでした。 チェックインが18:00にあり。自信がなかったので過ぎるとどうなるかと聞くと、あまり遅いと夕食が出 せないという返答でした。

当日、まずは新幹線内で待ち合わせ。こだま531号(東京6:30発)にそれぞれの駅から乗り込み、新富士 駅7:40頃着。富士急の登山バス停へ。ここで往路復路が異なるお得切符、富士登山セット券を3,000円で 購入。8:30発で富士宮口新五合目10:40頃着。

登山バスは人が多いと2時間立ちっぱなしの可能性もあるという情報でしたので、早めに到着。一番乗り でしたが、次の新幹線が到着する前から結構人が集まりました。それでもバスが観光バス型なこともあ り、少し余裕があって富士宮駅で乗車する人も数人程度。全員座れていました。

五合目は少し肌寒いながら、いいお天気。雲が風で流れると頂上が見え、肌がじりじりしました。眼下 は見事な雲海が広がり、地上は見えません。 実は当日の天気予報は晴れのち雷雨。かなり心配しながらもちょっと安心。 昼食をとり、2億円バイオトイレを堪能して、そこを12:20頃出発。 (富士宮口新五合目は着替えどころがないのが残念でした) 自分がしんがりをつとめるものの、先頭が軽装でハイキングに来ている人達につられてペースがすぐあ がってしまうので、七合目あたりまでは先頭に。かなりゆっくり歩いて、13時頃宝永火口コース分岐を 通過。その後15時半頃に元祖七合目へ到着で大休憩。

ここでお天気は雲の中ではありましたが全然悪くありません。ただ、一度遠くで少しゴロゴロと聞こえ 、少し焦ります。地元の友人にメールで雷雲情報の確認。富士山付近はないとのことで、そのまま登り 、八合目には16時半頃着。 だんだんと各自のペースにばらつきが出てきます。5人でも先頭としんがりの差は15分近くもあります。 しかも経験者2人がオシリの方へ。歳の差なのかビギナーズラックなのか、一番若いのがとんとん上がっ て行ってしまいます。

17時20分頃九合目着。寒いのでフリースを着用。チェックインまであと40分。早いペースの子でぎりぎ りの時間です。 宿に電話連絡し、その旨を伝えると「そのあたりは多少融通きかせます。がんばってください」との優 しいお言葉。早い子に先に行ってもらい、オシリはそれを追いかけます。息があがるも、途中写真をと ったり万年雪を横目に観る余裕ぐらいはあり、宿に最後が18時10分ぐらいで無事到着。全員夕食にありつ けました。

このコースは岩場ばかりで、個人的には河口湖口より断然に登りやすかったです。急峻なようですが、 岩のどこに足を置くかに気を取られ、必死であまり実感しませんでした。 しんどいのは、下山者があるので好きなところへ足を置けないことでした。それでも途中下山者に励ま されたり情報交換したりするのは楽しいもの。息があがっている時の学生からの「がんばってください 」という言葉が本当に嬉しかったです。

19時頃就寝。布団は一人一枚。宿の人曰く、7月下旬から8月頭が一番混んでいたとのことで、今夜はあ まり混んでいないそう。夜はとても静かでした。 しかし就寝後、実は七合目あたりから来ていた頭痛がだんだんとひどくなり、ついには寝ていられない ほどになってしまいました。念のため食事後に風邪薬を飲んでいたのですが、気づけば2時間近くうなっ ていて、とてもつらい。22時を過ぎており一人で下山する勇気もありませんし、あまり動けません。 あと5勺で頂上なのにとか、みんなを引き連れているのにとか、一人で下山かとか、いろいろ考えるとま すますつらくなり涙が出るほどでした。 どうしようもないので、隣で同じく寝れないでいる様子の友人に声をかけて頭痛薬をもらい、ダメ元で 飲みました。

で、気がつくと寝てました。 なんと解決した様子。少し鈍い痛みはありますが、うなっているときの比ではありません。 御来光を頂上で観ることにし、持って来た服をすべて着込み3:30頃宿を出発。あいにくの曇り空で星は あまり見えずでしたが、思ったほど寒くはありません。他の登山者と連なって4:30頃山頂到着。

と、ここで仲間2人とはぐれてしまいます。暗闇で地理がよくわかりませんし、たくさんの人で混み合っ ています。そして電話するも、auは通じたのでその所持者とは連絡がとれても、もう一人のdocomo所持 者は電波状況が悪く留守番電話になってしまいました。 仕方がないので仲間を捜しつつもだんだん明るくなってくる空の方へ歩き、銀明水前を通りすぎて高台 まで移動。観やすい位置を確保し、周囲を気にしつつ太陽が顔を出すのを待ちます。 するといきなり肩を叩く人が。振り返るとはぐれていた友人です。同じく明るい方へ歩いて来たとのこ と。 なんとか一緒に見事な御来光を観ることができました。 太陽はとても大きかったです。

一段落して奥宮参拝。御朱印をいただくために少し並んでいると、お揃いの御朱印帳を持った人に遭遇 。偶然ですねえ、それはあそこの御朱印帳ですよね、なんて少しだけ会話。お互いそれぞれ登りきって ここまで来て出会ったんだなあと思うと、一瞬の出来事でもなんだか親しみが湧いてきたりして不思議 な縁でした。

そしてそのまま剣が峰へアタックし、記念碑前で撮影。 記念撮影は30分はかかると聞いていたのですが、並ぶことなくするっと撮影できました。やはり剣が峰 までの距離が近い富士宮口ならではだからでしょうか。その後、どんどん列ができていたようです。 観測所の下で宿から渡されたお弁当を、日本一高いところで食事!と銘打って食し、7:00頃御殿場口へ 。

御殿場口は景色がステキでした。眼下に山中湖や海も見えて清々しく降りられました。途中30人以上の パーティと抜きつ抜かれつになり(このパーティは行きも遭遇した)、それに同行していたエコ・レン ジャーの方が何げに「あれは観測所の避難小屋だよ」なんて教えてくださったりして、楽しかったです 。 そして登山道との分岐を過ぎ、いよいよお楽しみの砂走りとなると、俄然張り切ります。前夜に雨が降 ったらしくあまりホコリがたたず喜んで飛ぶように走ります。 ……がしかしそれは最初だけ。なにしろ長くて景色もひたすら火山灰一色。私以外はみんな靴の中に砂 が入ってしまうし、ひざに痛みを覚える者も出て来て、精神的にもしんどかったです。ホント参りまし た……。 しかもだんだん曇ってきてゴロゴロという音が! 対処法を勉強してきていましたが、だだっぴろい何 もないところでしたのでとても不安。またまた地元友人にメールをし、雷雲確認。やはりないとの返答 でしたし、留まっていてもしかたがないので不安がりつつも下山。なんとか11:30頃に到着してホッと一 息。

バス停で御殿場駅行き12時発のバス待ちをしていると、それでもまだゴロゴロ鳴っています。嫌だねえ と話していると、隣にいた玄人登山者っぽいおじさんが「あれは御殿場の練習場で訓練している自衛隊 の大砲の音なんだよ」と教えてくれました。えええ?!  きっと昨日元祖七合目で聞いた音も同じだったのでしょう。頂上まで聴こえることもあるそうです。確 かにたまにちょっと違うかな?っていう音もありましたけど。こんなにビビってた私たちって一体…… とにかく全員無事下山できてよかったです。

さて、最後はお楽しみ。温泉です。 バスで御殿場駅へついて、そこからタクシーに乗り込み10分ぐらいでごてんば市温泉会館へ。 ここもまたアットホームで従業員の方がとてもよく対応してくださいました。 富士山を眺めつつ入れるというお風呂なのですが、残念!雲の中。でもお昼も購入でき、2時間500円で ゆったり過ごせてよかったです。 最後はそこの近くの温泉会館前バス停から小田急箱根高速バスに乗車し、各自家路へ。 大きな怪我や事故もなく、ほぼスケジュール通り遂行できた登山となりました。


今回、教訓!と思ったことをいくつか書きます。

●登山グッズは登山グッズのためにある。
みんなレインウェアは買っても登山靴は買わないものです。帰りが砂走りだったのでスパッツ(泥よけ )は手作りでもいいから用意しろ!と口をすっぱくして言いましたので、なんとか用意してくれました が、靴はだいたいハイカットか通常丈の底の厚いスニーカー。まあ今後登らないんだろうからいっかと 私も軽く思っていたのですが、いざ体験してみると、なんとスパッツがスニーカー相手だとフィットし ないのです。靴底が平べったいのでそこにまわすゴムひもがひっかからず裾口が飽いてしまって砂入り まくり。靴下を改造して手作りした子のものは、逆に靴底へ通すゴムひもまで作っておらず、上に上が ってきてしまい意味がないのでした(泣)。自分は登山靴にスパッツでしたので、ほぼ砂が入ることは ありませんでした。

●軽装者ほど気をつけろ!
歩き方が乱暴で狭い道でも人を平気でどんどん追い抜かし、その際距離が短い山側を通ったり(抜かれ る人が谷側になって危険!)、バラバラ足下に軽い落石を起こしながら歩いたり、人に接近しすぎなが ら歩き、急にスッ転んで巻き込まれそうになったり。ほんとハラハラさせられます……。今後、近くに いるときは距離を置いて歩こうと思いました。

●テーピングもいいが、サポーターも悪くない。
テーピングも怪我したときやガムテープ代わりになったりと、何かと使えていいのですが、途中で膝が 痛くなっても女子は服を脱げないことが多く、結局使えずじまい。着脱簡単な部分サポーターがあると 一番いいのかなあと思いました。

●軽いフタの液体モノは漏れる
袋菓子なんかを持って行くと上でパンパンに膨らみますが、パチンと止めるようなフタがついた入れ物 で液体を持っていくと、液体は漏れます。 消毒液、漏れてました。

ここまで、ご一読ありがとうございました。 今後もあっぱれ!富士登山が、富士山へチャレンジする方々の良き登山口となるよう、お祈りしており ます。

りこぴん

(管理人)
私も山頂付近での頭痛が頭痛薬で治ったことがあります。演習の大砲の音を雷だと思ったのはご愛敬。雷情報を下界の友人に聞けると安心ですね。



BACK  TOP  NEXT

(08/8/24)