■2009年7月26日(日)〜7月27日(月) 須走口
37歳の私(父)、5歳(幼稚園年長)の長女。父娘二人で登りました。
昨年夏から、子供が年長組になったら登ろうと考え、一年間こちらのサイトを始めとして情報収集につとめてきました。
結果的には、2日目の朝、霧と風がひどく、娘も怖がりましたので、登頂をあきらめ下山しました。
それでも、娘と二人、大変楽しく登山ができ、良い想い出となりました。
娘は来年また登ると言っています。
娘は、幼稚園児ながら、身長だけは小学校2・3年生並みにあります。
普段から、10kmぐらいは平気で歩きます。
しかし、精神的には幼稚園児そのもの。どこまで頑張れるか。
私は、小学4年生まで静岡に住んでいて、幼稚園の遠足で二合目までは行ったことがあります。
しかし、山頂はおろか、五合目まで行くのも今回が初めてです。
【計画】
7月26日から一泊二日という計画は、2ヶ月ほど前から決めていました。
七合目大陽館さんの予約も、早い段階で済ませていました。
日程的に、梅雨明け後の安定した天候を期待していたのですが・・・。
それと、この日は月齢が若く、満天の星空が見れればいいなとも思っていました。
幼い娘連れなので、夜間の登山は全く考えず、明るい時間帯だけで行動することにしました。
須走口を選んだのは、皆さんの登山記を読み、自然を楽しめるこのルートが面白そうだったこと。
それと、大陽館の食事に惹かれたからです。
●1日目の予定
11時10分、登山バスで新五合目到着
高地順応のため1時間休憩
七合目大陽館泊
七合目までのコースタイムは、約3時間とのこと。
倍の時間がかかったとしても、6時ぐらいまでには到着できる計算でした。
夕食の関係で、大陽館さんからも、6時までに到着してねと言われていました。
●2日目の予定
ご来光前に起床・朝食。
6時ぐらいに七合目出発。
七合目から山頂までのコースタイムも、約3時間とのこと。
やはり、倍の時間がかかったとしても、正午までには到着できる計算でした。
時間と体力の余裕があれば、お鉢めぐりもしたいと考えていました。
それと、山頂郵便局から出す暑中見舞いも用意していました。
下山も、新五合目発の最終バス18時10分には充分に余裕のある計画を立てました。
【1日目】
8:00 自宅出発
品川から新幹線に乗り小田原へ。
小田急と御殿場線を乗り継ぎ、御殿場駅から登山バスに乗車。
天気予報は、両日とも、曇か霧一時雨というもの。
お日様マークは付いていませんでした。
しかし、バスの車窓からは山頂までくっきり!
逆に、予想以上に難儀したのが、娘の乗り物酔い。(行き帰りで3回撃沈)
ツヅラ折りの登山バスも非常に辛そうでしたが、それ以前に新幹線からダウン。
これでは高山病もキツイのではと覚悟しました。
11:15 ダイヤより5分遅れで新五合目到着
バスから降りると、娘は完全に復活。
金剛杖を買い、食事をして、帰りに買うお土産を見ていたら、あっという間に1時間経過。
大事な娘の命、登山届もちゃんと提出しました。
登山届を出した以上は、下山時も顔を出してねとのことでした。
いま一度、荷物を整理して出発です。
ちなみに、娘には一切荷物を背負わせず、二人分の着替えなどを私が背負っていきます。
なので、飲料などは必要最小限の1リットルに抑え、高くても山小屋で買うことにしました。
12:15 登山開始
まずは、古御岳神社で無事下山できるよう祈願しました。
娘は、○○君と結婚できますようにとお願いしています。おいおい。
樹林帯・灌木帯を順調に抜けていきます。鳥のさえずりが、とてもいい音色でした。
娘といえば、わざわざ高い段差の岩を登るのが楽しそうです。
低いところを狙っていけと言っても、言うことを聞きません。
手を使ってよじ登ったり、私が引き上げたり。
進むにつれ、風が強くなってきました。
風を避けるため、岩陰で小休止することも度々ありました。
手が届きそうなぐらいの位置に雲があります。
娘はこのとき初めて「雲には乗れない」ことを知りました。
14:00 新六合目長田山荘に到着
度々小休止した割には、順調なタイムです。
ここまで随分長く感じましたが、二人とも体力的には問題なしです。
金剛杖に焼印をしてもらいました。
スタンプラリーのように子供が楽しめると書いている方がいらっしゃいましたが、本当ですね。
記念撮影、家族への電話連絡をして、すぐ出発しました。
14:50 本六合目瀬戸館に到着
コースタイムより、ちょっと速いぐらいでしょうか。非常に順調です。
ここでは、眼下に広がる虹を見ることができました。
いよいよ次の山小屋は、本日の目的地・七合目大陽館です。
この途中、廃屋のある辺りで、猛烈な風に見舞われました。
砂礫が容赦なく頬を打ちつけます。
二人とも帽子はキャップ型ではなく、つばの広いタイプで、これに風が孕み、身体こと谷底へ飛ばされそうな恐怖感も覚えました。
帽子をしまい、少し風が弱まったところで、七合目へ急ぎました。
体感温度が急激に下がり、上着を取り出しました。
娘はダウンジャケットを着込み、手袋をはめました。
16:20 七合目大陽館に到着
新五合目から、休憩時間を含めても4時間ほどで登ることができました。
二人とも高山病になることもなく、さほどの疲労感もありません。
標高2,000mの新五合目から3,000mのここまで、ちょうど標高差1,000mを登ってきて、感慨もひとしおです。
娘にもそんな話をしましたが、数字で理解しようとするのは大人だけ、子供にしてみれば、ただ雲の上にいるのが嬉しいとのこと。
スタッフの方から山小屋利用のあれこれを教わり、荷物を整理していたら、外は暴風雨の気配。
雨はすぐやんだようですが、いいタイミングで到着できたと、内心ホッとしました。
この天気のため、避難してくる方が大勢いるかもしれないということで、通路にも布団がひかれました。
雨上がりの虹がとてもキレイでした。
到着から1時間ほどして、夕食の準備ができたと、名前を呼ばれました。
30人ぐらいの人数が一斉に食堂に呼ばれ、ひしめき合いながら食事をします。
この状況で果たして娘がちゃんと食事をするか、いささか心配もしたのですが、全くの杞憂でした。
おかわり自由のご飯を4杯も食べ、豚汁を何杯もいただいていました。
相席の方が「すごいね」と言ってくれたので、調子に乗ってさらに食べようとするので、ストップをかけました。
なお、お米は地元の御殿場産コシヒカリとのこと。そのこだわりに感銘を受けました。
19:30頃就寝
通路にも布団がひかれるぐらいですから、寝床も満員です。
布団1枚のスペースに二人で寝ます。寝袋は2つ用意されています。
一番端っこから二つが、私達の場所でした。
なので、娘を奥にしました。なんせ寝相も悪いもので、よそ様に迷惑かかったら申し訳ないですし。
この雑魚寝状態でも、娘はよく眠れているようです。
私の方は、あまりよくは眠れませんでした。娘を見習わなくては。
日付の変わる頃、トイレに起きたところで、二人で外に出てみました。
楽しみにしていた星空を見るためです。
雲が出ていて、期待していたほどの星も出ていなかったのですが、それでも娘は普段東京で見るのとは違う星の数にビックリしていました。
【2日目】
4:00頃起床
ご来光の15分ぐらい前でしょうか、朝食の準備ができたということで一斉に起床です。
普段寝起きの良くない娘ですが、早くから寝たためかスッキリ目覚めています。
起きてすぐの朝食も、またガツガツ食べています。
しかし、外は強い風と雨。皆さん登れるかどうか心配しています。
ご来光の頃、薄日が差したりもしましたが、雨は降ったりやんだり。
5:30 出発
雨は小やみになっています。同宿の皆さんは続々と登っていかれます。
しかし、山頂方向はガスが出ていて、視界はよくありません。
娘にどうしたいか聞くと「登りたい」との返事。
それじゃ、行けるところまで行ってみようということに。
その途端また雨で、ひとまず小屋内に避難。
10分ぐらい様子を見て、再び雨がやんだところで出発。
登山道を少し登ったところで、濃霧と風に、娘が「怖い」と言いました。
風は昨日の暴風ほどではなかったですが、視界がきかない分怖かったのだと思います。
ここで下山を即決。再び大陽館に戻り、お礼を言って下山道に向かいました。
山頂方向は強いガスが出ていましたが、下山方向は幸い視界良好です。
6:00 砂走りへ
雨で砂が引き締まっているためか、砂埃も舞わず、かえって好都合かもしれません。
初めての砂走りは、二人とも最初は戸惑いましたが、すぐに慣れ、快調に下山できました。
想像していたよりは、岩が多い印象でした。
下山道からは、昨日登ってきた登山道の山小屋の位置関係がよくわかりました。
7:00 砂払五合目に到着
降りるほどに天候は回復し、ここでは完全に晴天でした。
しかし、山頂方向は、相変わらずの厚い雲に覆われています。
下山の判断は間違っていなかったと自分を納得させます。
ここで、砂を落としたり、しばし休憩しました。
7:50 新五合目に到着
途中、古御岳神社で無事下山できたことを感謝しました。
山頂郵便局で出そうと思っていた暑中見舞いは、菊屋さんの私設ポストに託しました。
菊屋さんから須走郵便局に取り次いでいただき、富士山の描かれた消印で送ることができました。
昨日提出した登山届は「個人情報だから返すね」とのことで手元に戻ってきました。
8:30の始発バスで帰りました。
帰宅後、私はさすがに疲れて、しばらく昼寝。
しかし、娘は遊びに出かけました。恐るべし。
乗り物酔いは辛かったけど、富士山は大変ではなかったとのこと。
楽しい登山ができたのも、こちらのサイトを拝見して、装備と心の準備が十分にできたからだと感謝しております。
来年またチャレンジし、金剛杖に焼印の続きを集めようと考えています。
次女(3歳)と長男(1歳)も控えており、年長組になったら、連れていきたいと思っています。